映画「タイタニック」②

映画「タイタニック」②

タイタニックの主人公をディカプリオ演じるジャックだと思い込んでいる人は恐らく多いでしょう。
しかし、この物語の主人公は完全にヒロインのローズなんです。

この物語は単なる船が沈没するパニック映画ではなくて、３時間中の１時間半は船に傷一つ付いていない状態です。
僕だけかも知れませんが、昔の子どもの僕はタイタニックがいつ沈むのか退屈で仕方なかった記憶があります。

しかし、ヒロインのローズ視点から物語を見るとサイコ的なホラー作品として凄く面白い。

単なる恋愛映画としか見れない人は、
ディカプリオが若くてハンサムで世間知らずのお嬢様との青春をしてたけど可哀想に船が沈没してしまった。
というのが表面的な見方だと思います。

しかし実際のローズ視点では、
金に目が眩んだ大富豪たちの自慢話を延々と繰り返され、
親からは愛情に見える虐○を受けて、
彼氏からも婚約前から堂々と暴力を振るわれる。

文章にすると残酷な映画ですが、多くの人はタイタニックを恋愛映画だと思っているんです。
確かにそこに少年ジャックの存在はありました。

ただそれはパズルのピースみたいなもので、
「千と千尋の神隠し」における"ハク"みたいな存在だと思っています。

「君の心の中の火がいつか消えてしまうかも知れない」
身分や立場も関係なく、少年ジャック自身が創作者だからこそ大人の都合で情熱が消えるのが耐えられなかったんでしょう。