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すわろう 2020/09/11 18:30

ヒロインをひどい目に遭わせたくないプレイヤーに敗北エロを見せる方法を考えていく

興味深いテーマ:敗北エロ

ツイッターを見ていたらヒロイン操作型R18RPGの敗北エロに何か新しい解決方法はないかという他サークルさんの投稿が流れてきました。

私が今作っているゲームは男性主人公ものですけど、別ジャンルのエロゲーについてまとめることも自分の引き出しになると思うので、敗北エロについて自分なりの考えをまとめておきます。


ヒロイン操作型R18RPGにおけるプレイヤーのスタンス

私は、ヒロイン操作型R18RPGのプレイスタンスは大きく2種類に分類できると考えています。一つは遊戯者タイプ、もう一つは没入タイプです。ここでは、戦闘コマンドを例に両者の違いを説明します。

遊戯者タイプ

私はこのタイプではないので憶測を含みますが、このタイプのプレイヤーにとって、戦闘コマンドは遊戯者としてヒロインに与えた指示という認識のようです。あたかも将棋の遊戯者が駒の行く先を決めるような感覚で意思決定を行っているように見受けられます。したがって、自滅コマンドに対して心理的な抵抗感がなく、自滅コマンドがないとストレスを感じる人が多い。

没入タイプ

私はこのタイプなので断定口調で書きますが、このタイプのプレイヤーにとって、戦闘コマンドはヒロインになりきって選んだ行動です。ヒロインになりきっているので、性的凌○は避けるべき悲劇という感覚で意思決定を行います。したがって、自滅コマンドに対して心理的な抵抗感があり、自滅コマンドがあっても見て見ぬふりをします。


ナイーブな没入タイプ

没入タイプにとってヒロイン操作型R18RPGは非常に悩みの多いジャンルです。その理由は、操作キャラクターの勝利と成長の物語を紡ぐRPGにとって、操作キャラクターが窮地に陥る必要のあるR18要素は相反する要素であるからに他なりません。

「敗北エロを見たいからヒロイン負けさせちゃえ」ができる器用な遊戯者タイプと違い、「敗北エロは見たいけど自ら見に行きたくない」というめんどくさい欲求を持つナイーブな没入タイプが満足できる敗北エロを備えたゲームはそう多くありません。

ただ、ヒロインの焦りや屈辱的な心情を介して鑑賞する敗北エロは格別なんですよ、ホント。ですから、悩みは多いものの好きなジャンルでもあります。


これまで提示されてきた解決方式

この悩める没入タイプたちに対する制作側の回答、進んで見に行かなくても見れる敗北エロを実現するシステムを持つゲームはいくつもリリースされています。下記はその一例です。

※私も色々プレイしましたが、もちろんプレイしていないタイトルの方が数多いので、他にもこういうシステムがありましたよ、というのがあれば是非コメントで教えてください。

QTE方式

QTE(クイックタイムイベント)は、画面上に入力すべきコマンドが表示され、それを一定時間内に入力できるかどうかの成否でその後の分岐を決定するシステムです。R18RPGの場合は、QTEに失敗するとヒロインが拘束されたり押し倒されたりします。

複数段階のQTEで敗北へ進んでいくと「懸命に頑張ったけど無理でした」感を味わいやすいです。

バステ方式

単純なRPGの難易度で敗北をプレゼントするのは、難易度を複数用意しないといけないから大変です。じゃあ、状態異常という搦め手で負けさせちゃえばいいというのがこのバステ(バッドステータス)方式。

敵がヒロインの体力を減らす攻撃だけではなく、性的な状態異常をかけてきます。マップ上のギミックによって付与された状態異常を引きずったまま戦闘に突入させることもできるので、RPGツクールとの親和性がとても高くバステにも多様性が出てきていて面白いです。おそらく一番作品数が多いのはこの方式だと思いますが、制作者にとって難易度の設定がもっとも難しい方式でもあるでしょう。

ほとんどの作品ではマイルドな難易度に調整してあるので、最高難易度でプレイしてもピンチに陥らずに敗北せずに結局自滅をすることになってしまいます。

装備択一方式

バステ方式を発展させて、ヒロインが敵からかけられる性的状態異常を2種類に分類し、ヒロインにはそれに対抗する手段を2種類の装備として与え、戦闘前にあらかじめ装備を選択させておくという方式です。

これはプレイしたときに「制作者さん頭柔らかいなあ」と驚きました。言ってしまえばじゃんけんのような先決めのシステムなんですが、それを装備の選択によってプレイヤーに決定させるというのは斬新でした。

しかし、革新的すぎたせいか、それともこの方式を生み出した作品が売れに売れまくって有名になったせいか、このシステムを踏襲する作品が続きません。私は残念ながらこの方式の作品をたった1作しか知りません。

プレイヤーの立場としては優れたシステムはどんどん模倣してほしいと思いますが、制作者の立場としては「〇〇のパクリじゃん」と言われることはもっとも避けたいことなんですよね…

敗北一直線方式

RPGの戦闘→勝利→栄光という方程式にメスを入れてあり、戦闘の先には敗北か徒労しか用意されていない方式です。戦闘そのものがおまけのような扱いになってしまいがちなため、敗北エロがあるRPGというよりも、BADENDだらけのADVに近い印象があります。GOODENDがある作品も、戦闘の先に用意されているのではなく、MAPで謎解きをしたり特定のフラグを立てた先に用意してあったりという具合です。

戦闘のバランスがかなり極端な難しさに調整してあったり、作品タイトルからオーソドックスなRPG攻略スタイルが通用しなさそうなことが匂わせてある作品が多い気がします。敗北エロに対する究極の回答と言っていいかもしれません。


こういうシステムがあったらプレイしてみたい

バステ亜種 幻視幻聴

ヒロインが幻惑状態に陥ったときに、コマンドにノイズが入って視認性が下がったり、コマンド操作音のSEが鳴ったり鳴らなかったりすることで、ヒロインと同時にプレイヤー自身を幻惑させ操作ミスを誘う方式。

回復を切らしてしまうとパーティーが壊滅しはじめるような綱渡り的バランスの難易度と組み合わせれば楽しめるかもしれませんが、ゆるい難易度だと焦燥感は全くありませんし、逆に難易度が高すぎると理不尽さが強すぎるかもしれません。

脱出判定多段方式

ヒロインが敵に拘束されたりしたときの脱出行動(もがく、抵抗するなど)の判定を多段にした方式。

例えば、成功率30%で1回失敗したらおしまいという判定よりも、成功率15%で3回連続で失敗したらおしまいという判定の方が、Hシーンにアクセスできる頻度が増えつつ、最終的に脱出できる確率が高くなるので、焦燥感をより演出しやすいんじゃないかと思います。

欠点は運ゲー特有の理不尽な印象を与えてしまうことと、冗長になってしまうこと。使用回数に制限がある高確率の脱出択や高コスト高確率の脱出択と組み合わせれば、戦略的に楽しめるかもしれません。


むすび

現状では、QTE方式と装備択一方式が納得感を与えつつスムーズに敗北エロにたどり着ける方式ではないでしょうか。何か他の方式のゲームに出会ったり、新しい方式を思いついたらどんどん追記していこうと思います。

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