ツーチ製作所 2022/06/21 21:06

TSローズ

「くそっ!!何故、私がこのような物を付けなくてはならぬのだ!!」


「で、ですが…今のままの状態ですと歩くときに揺れてしまっており、
そ…その……旅の兵の士気にも影響します。」

「ぐっ…」




兵たちにそう言われ、私はその夜初めて女物の下着を身に着けた。

(くっ…何故男である私がこのような物を付けなくては…
これもすべてはあの男のせい…一体どこにいるんだ。)







思い返せば3か月前。
すべてはあの事件から始まった。

私はブルシア王国の王子、ローザ。
我が王国は建国5000年を誇る世界一の超大国である。





ブルシア王国にはその昔、大いなる魔術師によって作られた青いバラが存在している。
その名はブルーローズ。
ブルーローズは不思議な力があるのか、屈強な軍隊を持ち、周辺国からの侵略も建国以来皆無であった。
我が国家はその国力によって周辺国を防衛するために協定を結び、国土を大きく広げ連邦国として超大国となっていた。

そんなある日、父であるブルシア王は国内の視察のために城を空けていた。
そのタイミングで侵入者の城への侵入を許してしまったのだ。
わずか2人の侵入者に対し、城内には兵が100名以上いたが相手の圧倒的な力の前にあっという間に王の間まで侵入を許した。





「私はブルシア王国王子…ローザ!!賊共め、覚悟しろ!!」

『キンッ!!』

『カンカンッ!!』




私は100人もの兵を倒したその男と対峙した。
忘れもしない、黒髪の左の頬に傷のある男…
もう1人の女はその男に加勢することもなく私と男の戦いを傍観していた。
私相手に加勢は不要ということだろう…全く、今思い出しても腹立たしい。
だが、無情にもその女の判断は正しかった。




『カンッ』

『ズバッ!!』

「ぐっ…」



私はあっという間に剣を跳ね飛ばされ、一太刀を受けた。

「致命傷は避けた…邪魔をしないでもらおう…。」

そう言うとその男はもう1人の女と玉座の傍に安置されているブルーローズの元に近づいていく。
すると女はブルーローズに向かって何やら魔法をかけているようであった。



(く、くそっ…魔導士だったのか…早く何とかしなくては…ブルーローズが…。)

その後、その侵入者たちは走って城を去って行った。
私は身体を床に這わせてブルーローズの元に向かうとそこにはブルーローズがそのまま存在していた。

「よ、良かった…」

その時はそう思った。何事もなかったのだと…城に戻った王は激怒したがそれだけのことであったと。
…だが、それからしばらくしてブルーローズに異変が起こり始めた。
ブルーローズの色は次第に美しい青みを失い、次第に紫に近い色と変化していった。

それと共に我が国家の兵たちの力は大きく低下し、各地で反乱分子が発生し始めた。
おそらくはブルシアを弱体化させるために他国が手引きしたに違いない。
そして、何よりその変化は私の身体にも現れた。
ブルーローズには国の時期国王…つまり王子である者が王になるまでの者の写し身であると言伝えられている。つまりブルーローズの変化は王になる前の王子である私の身体に変化を与えるということだ。
私の身体は次第に筋肉が落ち、胸もとに柔らかな脂肪が付き始めた。
それを憂慮した王によって私は命を受けた。



「良いかローザ。お前はそのブルーローズに不思議な術をかけた侵入者を探し出すのだ。よいか…必ず探し出すのだぞ。もし見つけずに帰ってきた場合には我が息子であろうと処刑する。」


こうして私はあの男を探す旅をしている。ブルシア王は…父は兵に対しても容赦のない人物だ。
恐らく私がブルーローズを元に戻せずに帰った時には本当に処刑するつもりだろう。
だが、それほどの非情さがあるからこそ広大なブルシアを統治できているのかもしれない。
王子であることが分かると国内であろうと反乱分子が増加しているため危険が及ぶかもしれない。
そこで私は貴族という身分で身辺警護という名目で20名ほどの兵たちとあの男を探している。
身体の変化が分かるように持ってきた青みを失ったブルーローズとともに。



だが、広大なブルシアのどこにいるのかもわからぬ雲を掴むような話だ。
もう国外に出てしまっているかもしれないし、まだ国内にいるのかもしれない。
そうしている間にも変化を続ける身体に私は戸惑いを隠せなかった。

日に日に変化していく私の容姿に愛想を尽かす者、私の厳しい叱責に愛想を尽かす者…1人…また1人と除隊し旅から抜けていった。
そして旅は俺と残った側近である2人の兵のみとなってしまった。






そんなある日…

「き、貴様ら何をする!!
このような無礼がブルシア王国の王子である私に許されるとでも思っているのか!?」

「もう我々も限界なんですよ…こ、こんな旅を3が月もしているんですから…」



「ふ…ぶざけるな!!王子である私にこのようなことをして無事で済むと思うなよ!!」

「な~に、身体もそんなに変わってちゃあもう誰も王子だなんて思いませんよ。
俺たちが楽しんだ後は船に乗せて奴○として遠くの国の娼婦としてでも売ってあげますって…」

そう言うと兵たちはじりじりと両手をこちらに向けながら私に近づいてくる。

(こ、このままでは…だが、今の私ではこいつら2人を相手に勝ち目は…。)






その時、草むらから鎧を着た人物が目の前に現れ、私と兵たちの間に割って入った。

「な、何だ!!お前は!!」

「2対1ってのは卑怯なんじゃないか?ここは公平に2対2と行こうぜ。」

鎧を着たその者は背丈や声から男であることが分かった。
どうやら私に加勢してくれるようだった。私はその鎧の男と元家臣である兵と戦うために横並びに剣を構えた。




『ズバッ』

『ザシュ!!』

「ぐあっ!!」
「うっ!!」




だが、男は各々たった一太刀で絶命させてしまった。

(この男…強い。)

男は剣をしまい、こちらを見下ろし来た。
今の私との身長差は20cmといったところだろうか。全く、ずいぶんと小さくなってしまったように感じざるを得なかった。

「助けてくれたことは礼を言おう。だが、貴様は一体誰だ?」

「俺の名はロゼッタ。ただの放浪者さ。」

「そうか…私はローザ。ブルシア王の命を受けて旅をしている。王国の秘宝ブルーローズに不思議な術をかけた者たちを探しているんだ。」



私は奴に素性を明かした。素性を明かせば命の危険はあると考えはしたが、兵が1人もいなくなった今、
この身体のまま1人で目的を遂げることは不可能だろう。
ならばこの屈強な男を味方にし、少しでも目的に近づきたい…そのためには素性を素直に明かし信頼を得ようと考えたからだ。もっとも王子であるということだけは隠した。

私の言葉に男は一瞬動揺を見せたように感じた。
仮面の中の表情は伺えないが、仮面から見えるわずかな目元からもその動揺が感じられた。

『なるほど…ブルシアに伝わる伝説の…。なら俺も旅に同行しよう。そのような身では心もとないだろう。
俺が用心棒をしてやる。」

[newpage]

こうして私は奴と2人で旅を続けた。
話では奴は我が王国の端の村出身だという。

次第に旅を続け、国の中心部から離れると旅先の町々では多くの人々が貧困にあえいでいるのを見た。
道端で餓死しているもの、物乞いをするもの、着ている衣服がボロボロのもの。
それは王国の中心部から離れるにつれてそうした光景が目についた。



「これは…一体。」

「これがブルシアの現状さ。ブルシアは周辺国と協定を結び、友好的に国土を拡大していったというのが
名目だが、その実…協定とは名ばかりの不平等条約によって周辺国の食物や財産はすべてブルシア王に
奪われているんだ。」

「う、嘘だ!!父上がそのようなことをするはずがない、でたらめを言うな!!」

ロゼッタの言葉に私は感情的になり奴の胸倉をつかんだ。

「何!?ち…父上…ブルシア王が君の?」

その瞬間、奴の仮面が地面に落ちた。その仮面の下の顔…
それは忘れもしない私を…このような身体に変化させる原因を作った男…その男の顔だった。




「な!!お…お前はあの時の…!!
き、貴様~~~!!!よくも私をこのような姿に!!」

「ま、待ってくれ!!君は一体何者なんだ!?
ブルシア王を父と言っていたが…き、君はもしかして!!」

感情的になった私と動揺を隠せない様子の奴。
互いに冷静になったうえで改めて話をした。


それから私は奴にすべてを話した。ブルーローズの色の変化につれて私の身体が大きく変化していっていることについて。




「そうか…それはすまなかった。まさか君があの時の王子だったとは…」

どうやら奴は私の正体に気が付いていなかったようだ。
おそらくは私の髪の色や容姿…背丈などが以前と大きく変わってしまっているためであろう。

「俺たちの目的はブルーローズを破壊することだったんだ。」

ロゼッタの横にはあの日城に共に現れたあの女が立っていた。
どうやら今まで旅の道中では姿を消して同行していたらしい。

「そのブルーローズは約5000年前、あたしの先祖が作りだしたものなんです。
それによって多くの人々が苦しみ、毎日多くの死者が出ています。
だからあたしは先祖の作ったブルーローズを破壊するためにロゼッタ様と協力して城に乗り込んだのです。」

「そ、そんなはずは!!」



…そう否定したかった。だが、今まで道中で見てきた光景を見るにこいつの言うことは嘘ではないように
思えていた。

「わ…私の身体はも、元に戻せるのか?」

私と問いに対して下を向く女。

「申し訳ございませんが、もはやそのブルーローズの変化を止めることは今のあたしの力では…」

「とにかく…そのような身体にしてしまった責任は俺にある。
君の身体が元に戻るための方法を探してみよう。」





それから私は奴らとさらに旅を続けた。元に戻る方法を探すために。
各地の魔導士や魔法使いを訪ねたが、情報は一向に得られなかった。

「くっ、ますます大きく……」

そうしている間にも私の身体はさらに変化を続けていた。
髪はより青みを失い、ピンク色に…胸は男にはもう思えぬほどに豊かに…
そしてここも…。






「くっ、も…もう……なにも…ない。
本当に戻ることは出来るのだろうか。」

最近は野宿で水浴びをするたびに直視を強いられる豊満な身体。
それと共に私の中でも大きく何かが変化しているような感じがしていた。




ロゼッタは初めに私の思っていたような人物ではなかった。
奴は旅の道中、困っている人々を無償で助け、旅の資金は主に肉体労働で稼いでいた。

そんな奴の世話にばかりならぬように私も旅の道中で働いた。
仕事は主に清掃や店の接客を選んだ。この華奢な身体では奴のように力仕事は困難だ。
だが、清掃や接客と言っても簡単な仕事ではなかった。
城ではしてもらうのが普通だったのとをこの私がすることになるとは想像もしなかった。
仕事では当然王子として接してもらうことなどなくたいさん叱られた。
初めそれは屈辱のように感じたが、次第に自らの未熟さゆえに叱られているのだということを理解するようになると素直に受け入れられるようになり、私は道中での仕事を楽しむようになっていた。

そして奴…ロゼッタとの関係も次第に近づいていった。
初めは身体を元に戻すために利用するための関係性だった。身体が戻ったらそれで旅も終わり…
だが、旅をしていくにつれて互いの誕生日を祝い、プレゼントを渡しあった。
食事をする金もなかったため力のある奴が獲って来た食料を私が仕事での経験を活かして料理をするようになった。暑い日には水浴びをする奴の裸を見ることもあった。初めは何も感じなったはずなのに気が付けばいつしか私は奴の裸を直視するのをためらい…しかし見たい気持ちもあり…というよく分からない感情に支配されて手で覆った隙間から奴の鍛え上げられたたくましい裸体を眺めるようなった。

(そうか…私は……たぶん……したいんだ。)







その夜。
その日は久々に野宿ではなく、宿に泊まることが出来た。
相変わらずロゼッタは私に大きい方の部屋を与えてくれた。

「ろ、ローザ…一体何を…。」

私は服を脱ぎ捨て、寝静まっていたロゼッタの上にまたがるように佇んだ。

「お、お前が悪いのだ……敵である王の息子である私に…こ、このように
優しさをかけるから…。」

「ろ、ローザ……い、良いのか?
もしかしたら…戻れなくなるかもしれないんだぞ?」

「………構わん。もう…これほど探しても見つからぬのだ…
なら、私はこの身体に……自分の気持ちに正直でいたい。」

その夜、私は初めてロゼッタと交わった。
互いに慣れないようなぎこちない動きで互いの物を合わせた。
私がそうであったようにロゼッタもまたこうした行為は初めてだったのであろう。

私の中で動く大きな物体…私はそれを逃さないようにゆっくりとロゼッタの上で
上下に身体を動かした。
身体を上下に動かすたびに大きく上に下に揺れ動く顔の下の2つの双球…
それはもう完全に私の身体の一部となっていた。

ふと彼との結合部に目を向けるとそこからは赤い液体がしたたり落ちていた。
恐らくは女が最初の行為で現れるという破瓜というものなのだろう。
行為の最初は痛みを感じるという話は聞いたことがあったが、今の私は興奮と彼と交わっているという幸福感が上回っているのか、そうした痛みは感じられなかった。



「ろ、ローザ……うっ…うあ!!」



「ああっ…んっ…ああんっ!!」



うめき声と共に彼の物から何かが私の中に入って来たのを感じた。
感覚で分かった…男であった時に私も経験したことのある現象だ。私はそれを身体の一番奥でしっかりと受けとめた。それは今までに経験したことのない感覚だった。
彼との行為を終えると私は興奮と快楽の中、彼の大きくたくましい胸の上に倒れ込み、そして眠った。





翌朝…起きて目を向けると目の前に肌色の物が見えた。それは昨晩倒れ込んだロゼッタの胸板だった。
起き上がろうとすると私の背後には彼の大きな両手があり、優しく包まれていることに気がついた。
安心する、女として好意を寄せる男に守ってもらえているという安心感。
これはきっと女にならなければ得られなかった気持ちだろう。
そして私の下腹部は彼の物を咥えこんだままの状態であることが感覚から分かった。

私は私を優しく包んでくれている両手をほどいて身体を起こした。
枕元の花瓶にさしていたブルーローズに目を向けるとその色はまたも大きく変化を遂げていた。
目の前のブルーローズは見事なほどの赤であった。もはや青色の面影もないほどに…。
そう…それはまるで昨晩彼との行為によって破瓜した私の中から出て来た血のように…。

私の中でも何かが変色した気がした。




それから半年後、

「ローザ…その、本当にいいのか?」

「ああ、問題ない。もう決めたことだ。
私は父を…ブルシアをお前と共に倒す。そして不当に併合されてきた多くの地域を解放する。
そのためにこの半年、お前に剣術の指導を受けたのだからな。」

父の悪政を知った私は父を倒す決意をした。だが、そのためには私自身も力をつける必要があった。
そこで私はロゼッタに剣術を習った。彼の教え方のおかげで私は以前よりも力はないにしても剣の技術は格段に上達していた。

それと同時にこの半年で彼と私の関係もずいぶんと変化した。
初めの頃は修行の後に礼も兼ねて彼に奉仕をしていた。胸で、あそこで、口で…。
最初の頃は少し抵抗のあった口での奉仕も彼と日々過ごすうちに次第に修行が終わった後の私のご褒美のようになっていた。修行が終わると私は汗にまみれた彼の物を服から取り出し、一心不乱にむさぼった。

そんな彼に喜んでもらえるように化粧の仕方を覚えた。
服も女物の今の私に相応な服を選んだ。これから戦場に赴くのにいつまでも王子の頃の服に執着していては命はないだろう。それに私はすでに覚悟を決めた身だ…もうブルシアの王子ではない。
今の私はロゼッタと共にブルシア王を倒す反乱軍の一員だ。
それに備えて私は王国中心に渡り、かつて私に親しかった兵たちに協力を依頼した。
そのおかげで城までの道中の安全は確保できた。





「だ、だが…もしもお前に何かあったら俺は…」

ロゼッタの私に対する態度に私は苛立った。それはまるで私が守られるべき存在であると言わんばかりのものであったからだ。


「見くびるなよ…ロゼッタ。私はお前に守られるだけの女々しい女ではない…どれほど身体が変わろうと私は
お前と共に戦えるような存在でありたい。たとえこの戦いで私が死のうとも…私は最期までお前の傍で強くたくましく咲き続けるバラでありたい。」

「ローザ…分かった。」

こうして私たちは城に向かった。
女の身になって起こるようになった月周期の体調不良が決戦時に重ならぬように計算をした上で…。
敵は国王であるわが父1人。余計な犠牲は出さぬように…

[newpage]

城下町の裏口に回り込み気が付かれずに城の中に入り込んだ私たちは魔導士の力で城の出入り口をすべて塞ぎ、外部から兵が入って来られないようにした。


「ロゼッタ!!後ろだ!!」

『ズバッ!!』

私はロゼッタに切りかかろうとする兵を切り捨てた。
もっともこの身体ではどんなに力いっぱいに剣を振り下ろしたところで相手に致命傷は与えられない。
精々しばらく気絶する程度であろう。その点では犠牲者が出ずに本気で戦うことが出来る。

「助かった…ありがとうローザ。」

「ああ、お前の背中は私が守る…。絶対に死なせたりしない。」

彼と私は互いに背中を任せるように城の奥へと進んで行った。
と言ってもロゼッタとの実力差はあまりに大きくこのたわわに実った乳房のせいで剣も以前のように振るうこともできないため、事実上は私が彼に守られているようなものだった。
そして、とうとう目的である父の元へたどり着いた。




「お前……ローザか…。ふっ、どうやら兵からの情報は本当だったようだな。
女の身となったお前にようはない…。ワシに歯向かうというのであればそこの者ともども処刑してやろう。」

「父上…」

そう言うと父を警護する兵たちが一斉にこちらに向かってきた。
私たちもその兵と同数ほど集めた反乱軍と共に迎え討つ。

『ズバッ!!』

『ざっ!!』

次々と兵を切り捨て、ロゼッタと私は父のいる玉座へ走った。

「や~~~!!!」

私はロゼッタよりも先に父に斬りかかった。父を倒すことが息子であった私の使命だと…そう感じたから。

「ローザ!!」

私の喉元に向かってきた父の剣をロゼッタは間一髪のところで弾いてくれた。

『キンッ、キンッ!!』

『カンッ、カンッ!!』


父…いや、ブルシア王は年老いたとは言え、今も剣の腕前は一流だった。私はロゼッタと共に王に立ち向かったが一太刀剣を交えただけでで体が吹き飛ばされてしまった。

(くっ…つ、強すぎる。)

華奢な身体となった私には到底付いて行くことのできない世界…いや、男であった時でもこの戦いには付いていくことは困難だったであろう。
だが、ロゼッタは1人でブルシア王と拮抗している。それほど2人の戦いは凄まじかった。

(私には…何もできないのか……いや、私はブルシアを…父を倒し、彼と共に生きると決めたんだ。)


私は父の背後に回り込み、剣を構えた。
ロゼッタとつばぜり合いをしているにもかかわらず、ブルシア王は私の気配に気が付いた。
…が、その気配の察知が少し遅れたことが雌雄を決した。

「ろ、ローザ…お前…。」

剣を頭上高く振り上げ構えている私の姿に目を見開き、驚嘆の表情を浮かべている王。
それがブルシア王の…私が見た父の最期の姿であることを私は忘れないだろう。

「父上…ありがとうございました。そして、さようなら…。」

父に中途半端な攻撃は通用しない。少しでも加減をすれば私や彼に危険が及ぶ。
そう思った私は父の首を一気にはねた。

はねた首は2回…3回と回転しながら地面に落ちた。
それと共にはねた首元からは大量の血しぶきが噴水のようにあふれ出した。

私は彼の元へ駆け寄り、彼に抱きついた。
私と彼の間に挟まれて私の胸元の乳房はむっちりと形を変えていた。
戦いの緊張がほどけたせいか、愛する彼を生きて再び抱きしめられた喜びか、
今まで尊敬していた父を自らの手で殺めた悲しみか。
何故かはわからなかったが、その日私は声をあげて泣いていた。
時と共に私の服は父の血でみるみる真っ赤に染まっていった。





父が死んだことでブルシア王国は滅亡した。王子である私は本来なら失権するはずであったが、
ブルシアの実情を知らなかったこと、父を倒した功績により処罰は免れた。
それからしばらくして王不在の混迷から国内は1か月ほど混迷した。



「おい…本当にいいのか?」

「ああ、俺は国王って柄じゃないしお前の方が他国との外交も王族としてうまくできるだろうからな。」


ブルシアの地であったこの広大な土地は新たにルージュ王国となった。
そして、彼の薦めによって何故か私がルージュ王国の女王となることとなった。

私はブルシア王国に無理に統治されていた事実上植民地だった地域を解放した。そのためルージュ王国はブルシア王国の3分の1程度の国土となった。当然、旧植民地として統治されていた国々は私に対して恨みや憎しみを持っていると感じていた。
だが、ブルシア王を倒すことが出来たのは私の功績も大きかったという噂が旧ブルシア王国の隅々まで知れ渡っていたようで私は独立した旧植民地の多くの国での国家元首として君臨した。

新たに建国されたルージュ王国で若い私が女王として国を統治するのは困難だ。
旧植民地である国々が私を国家元首として敬愛してくれることはありがたいことだ。
そうした期待に応えるためにもこれからより大国とも対等に外交を行えるように努める必要があると感じた。






あれからしばらくしてブルーローズは枯れた…
5000年以上咲き続けていたという伝説のバラはブルシアの滅亡と共に消えてしまった。

それと共に私の秘部……そこは大きく変化していた。
前までは亀裂の部分からわずかに左右に存在していたひだが幾重にも折り重なるようになっており、真っ赤に変化していた。
そのひだはまるで幾重にも花びらが重なったバラのように…。





「くっ…ああっ…ろ、ローザ…き、気持ちいいぞ!ううっ…」

「んっ…ああっ!!わ、私もだ…も、もっと!!
奥まで…んっ…ああっ……」

私は愛する彼をもっと奥で感じるために四肢を彼の背中に回し、一心不乱で腰を振り続ける。
彼から注がれたものを一滴も吐き出すまいと私の幾重にも折り重なったひだは彼のものにぴたりと吸いつく。

伝説のバラは枯れてしまったが、バラは私の中で咲き続けている…そんな気がした。

そして今日も私は彼と愛をはぐぐむ…愛する彼の傍で咲き続けるために。
私のバラのように真っ赤なひだは茎から栄養を吸い上げるかのように彼の物を必死で締め付け
彼の中から栄養をもらう…彼がいる限り私の中のバラは永遠に咲き続けることができるだろう。



このバラが咲き続ける限り、ルージュ王国はきっと繁栄し続ける。行為の後の余韻に浸っている私は彼の鍛え抜かれたたくましい腕に抱かれながらそう願った。

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