ADVゲーム研究メモ【十三機兵防衛圏のテキスト&ボイス】
こういう記事をCi-enでするのがアリかナシか悩むところですが、活動報告の一環として記事にさせて頂きます。
次回作に向けてADVゲームの研究
前作「曇った瞳に恋してる」も今作の「ママって呼んでもいいのかな?」もノベルゲームです。
ノベルゲームは商業エロゲでは定番のジャンルですが、同人ゲームでは全盛期程伸びなくなって来ているジャンルです。
そこで新作の開発に向けて「ゲームにどういう工夫の余地があるのか?」というのを探るため、色々とゲームをプレイしています。「何もしてなかったわけじゃないよ」と言い訳するため、そこで得た知識を公開していこうというのがこの記事の目的です。
台詞を途中でスキップしてしまう問題
みなさんはノベルゲームをプレイしていて
「ボイスを全て聞き終わる前に、次の台詞にクリックして飛ばしてしまう」
という経験はありますでしょうか?
私は飛ばしてしまう事が結構あります。
その原因はメッセージウィンドウの表示の仕方にあると考えています。
ノベルゲームでは、このように画面下部のメッセージウィンドウ内にテキストが表示されるのが一般的です。
この表示形式の弱点は
「ボイスの再生中に、台詞の全容がすでにテキストで見えてしまっている点」
だと思っています。
キャラクターがこれから何をしゃべるか全部知ってしまっているのに、わざわざその内容をボイスで聞き直すのは意味二度手間であるとも言えます。
膨大な台詞量があるノベルゲームではこのように内容の知ってるボイスを最後まで聞く作業が何度も発生し、やがて面倒になってしまう…というのがボイスを飛ばしてしまう派の私の考えです。
十三機兵防衛圏に学ぶテキスト表示とボイス再生
画像引用元:株式会社アトラス「十三機兵防衛圏」より
十三機兵防衛圏には、この問題を解決する糸口がありました。
十三機兵防衛圏のADVパートはメッセージウィンドウが無く、台詞のテキストは発言キャラクターの真横に一単語ずつ短く区切って表示されます。
これによって、発言キャラクターが一体何を言おうとしているのか、最後までボイスを聞かないと分からないようになっています。
そのため、より現実の会話に近い「相手からどんな言葉が飛び出してくるか分からないドキドキ感」が十三機兵防衛圏のADVパートからは感じられました。
ボイスを全部聞かずに飛ばしてしまう私でも、十三機兵防衛圏では飛ばしてしまう事がほとんど無かったです。
また、この形式は台詞が短く区切って表示されてそれを1文ずつ理解しながら読み進めていく関係で、全文では非常に長文なこのような説明セリフも違和感なく入ってきます。
長文が入ってきやすいフォーマットというのは、シナリオライター視点では非常に大きなメリットです。
十三機兵防衛圏形式のデメリット
「ボイスファイルのカットと管理がめちゃくちゃ面倒くさい」
何よりこれに尽きます。
声優さんには演技のテンションを維持してもらう関係で、1つの台詞は区切らずに一気に収録してもらう必要があります。
そのため、十三機兵のADVパートの様な表示を再現するには、完成したゲームの表示に合わせて収録ボイスを都度カットするというなかなかの手間が発生します。
ノベルゲームとなればボイス数もかなりの数になりますから、個人制作でこの手間を許容出来るかが採用の別れ目かなと感じています。
今後も新作ゲーム開発のために参考に遊んだゲームで気付いた点があれば、都度記事にして行きたいと思っています。