ご無沙汰してます。
先月から手掛けていた今年のクリスマス用イラストはすでに出来上がっています。
とある部分が“ない”バージョンを出力し忘れていたのですが、面倒な作業でもないのですが、ま、いいや ということで、そのままにしておきました。
マドンナの娘も立派に生やしてますから、いいじゃないですか、脇毛があっても(笑)。
そんな感じで、今は正月用のイラストを手掛けてます。
こちらも作画/彩色の大部分は終えていて、晴れ着の柄とか、その他の細かな部分に手を入れるだけになってます。
順調に進めば、来週末には出来上がるかなと見込んでいます。
……と、新環境に変わってから初めてイラスト制作を手掛けたわけなのですが、作業が進むに連れ、新環境−−−−−−−−マシンやOSが刷新された以外の、アプリケーションが新しいバージョンになったことによるメリット/デメリットが浮上してきました。
今回はそんなお話。
仕上げ編
私の場合は通常、下絵(鉛筆で紙に描く)→作画/彩色(下絵をスキャンした後、それを基に改めてベジェ曲線で作画し、彩色する)→仕上げ(ビットマップデータに出力し、仕上げる)という流れで作業しているので、紹介の順序が逆なのですが(爆)。
まず、早くなりました。4日位かかった作業が2日で終りましたから。
早いは正義です。
なんといってもフィルタ処理が早い。600dpi A4相当でもすぐに終わります。
前は2.3分かかってましたからね。
データの入出力も早い。
データを開くのに15〜30分位かかったときもあって、保存も30分位かかる時があったのが、1分かからないくらいになりましたからね。
早いは正義です。大事なことなので二度言いました(笑)。
もっとも、64bitOS上で32bitアプリを動かしているせいもあって、搭載メモリを十二分に使えなかったり、時々不安定でアプリだけ落ちることもありますが、OSがUNIXですので、旧MacOSはもちろん、Windowsのようにマシンそのものがフリーズするということはなく、その点でも安心して作業ができます。
要約すると
メリット:処理が早くなった。作業効率が上がった。安定した。安心して作業ができるようになった。
デメリット:マシンのポテンシャルを十分に活かせない。
と、いい事ずくめのような気がするのです…………………………
が、
作画編
こちらが困ったちゃん。
早いマシンになり、また使用するアプリもバージョンアップして便利に…………はなったのですが、一方で不便なところも出てきましてね。
私の場合、輪郭線と“塗り”は別レイヤーにしていまして、輪郭線を基に“塗り”をつくっているのですが、そのいうわけで、輪郭線と同型パスを、その形状を変えずに両端のハンドルを延ばしてパスを閉じ、“塗り”をつくっているのですが、それができない……。
何を言ってるのかわからないと思いますので、図解しましょう。
要するに、図1のような曲線(パス)があって
図1
この曲線の形を変えずに図2のような図形を描きたいのですね。
図2
この場合、旧環境ならば両端のアンカーポイントをクリックしそのままドラッグしてハンドルを引き出し、
曲線の形状が変わらないように慎重に角度を調整してから適当な箇所にアンカーポイントを打ち、……、
最終的にパスを閉じていきます。
これが新環境ではできない(難しい)。
実は、最初の曲線(図1)と、出来た曲面(図2)は、内部的に数式が違うので、AB間の数式も異なり、厳密には同じ曲線にはならない……のが本当なのですが、旧環境は数式という“アナログデータ”を演算してデジタルに表示する際の分解能が高くなかったこともあって、両者の近似値が事実上一致していたのですね。
ところがアプリケーションがバージョンアップしたことにより、より厳密に計算できるようになったためなのか、その値が一致しなくなった…………。
これは計算上は正しいのですが、作画やっているこちらには都合が悪い。
要するに、描いた曲線に手を入れた途端、素の曲線と同じ曲線を二度と描くことが出来ない状態になるわけです。
これは痛い。
まあ、違うといっても1Pixcelに満たないくらいの差異なので気にしなくてもいいのかもしれませんが……、やっぱり気になる。気になっちゃう。
で、とりあえずの対処法として、全く別の曲線を描き、
その端を基の曲線と“連結”させて曲面をつくったのですが、
描く“リズム”が狂ってしまってどうにもイケナイ。
描画に“リズム”はとても大事です。直感的に描くことが難しいベジェ曲線の場合は“特に”です。
そしてこれがモチベーションにも影響を与えるから始末に悪いのです。
出来たことが出来なくなる−−−−−−ということに、人間、一番不満を覚えるのです。
いや、マジ、ストレスでした。
絵描いて“塗るのが面倒”と感じるのはいつものことですが(爆)、作業に拒否感が出たのは初めてでしたから。
不便・不満点はそれだけではありません。
基本的に作業する際は二画面使って、一方のモニタ(この場合は本体)に作業画面、もう一方のモニタには全体画像を表示して作業しているのですが、作業の都合上、作業画面では不必要なレイヤーを非表示にして、必要な箇所だけを表示し、逆に全体表示している画面は仕上がり具合を俯瞰したいために、最終形態に必要なレイヤーのほぼすべてを表示させて作業しているのですね。
この形は作画に仕上げ作業しているときには出来ないのですが(アプリケーション上の都合で)、作画/彩色に使っているソフトでは、これが出来ました。
今までは。
これが新バージョンに変わったら、出来たり出来なかったりする……。なんのこっちゃかと思われるかもしれませんが、本当にそうなのだから仕方がない−−−−−−というか、私のほうが言いたい。
要するに、作業画面と全体画面の間でウィンドウを交互にアクティブにすると、レイヤーの表示/非表示状態が変わってしまうのです。
作業画面であるレイヤーを非表示にした後、全体表示のウィンドウをクリックし、画面を動かしたりすると、表示されていたレイヤーが非表示となったりする。そしてその逆をすると、今度は作業画面に非表示状態だったレイヤーが表示状態になってしまう、etc……。
なんのために二画面で作業していると思ってるんだぁ!!!!!
と、開発者に問い詰めたい気持ちで一杯になるわけです。
まあ、使っているソフト、いまではパンフなどのレイアウトに使われるケースが多いので、イラスト作成の機能はおざなりなんでしょうなぁ……。というか、開発者、これで絵描いたことないだろ!(問題発言)
もっとも、私のような描き方も想定外だとは思いますがね。
そして最後。
これが一番悩ましいのですが、ビットマップデータに出力しようとすると、高確率でエラーが発生し、出力できない事態に陥ります。“メモリが足りない”って言ってくるんですが、そんなことないべやぁ〜!!
32bitアプリなので、使えるメモリ容量に限度があるのは承知していますが、同じデータをパワー、メモリ量で劣る旧環境では出力できるからなぁ……(6時間かかりました;爆)。
そもそも、新環境に変えたのは、スピードアップとの作業の安定感のだけでなく、旧環境の老朽化(保守部品が入手しづらくなってきている)への対策だったわけで、なるべく旧環境のお世話にはなりたくないのですよね。スキャニングは仕方がないけれど。
その他に、新環境になってから体調が少し良くなってきたのですよ。
今まではモニタが向かって右側になったので、気をつけていても知らずしらずに身体をひねるようになって、腰とか肩とかに負担がかかっていたのが、新環境になってから、モニタ(iMacなので本体ですが)の位置が正面になったので、猫背に気をつければ身体への負荷は少なくなってきた……。
腰への負担は変わらないけれど(爆)。
でも眼精疲労や肩こりで寝込むことは遥かに少なくなったわけです。
そうすると、(作画に関しては)旧環境を新環境で再現できれば一番いいということになるわけですが……。