えぃぴぃほりでー 2022/02/27 00:51

「すくらんぶる・まいんど」完成秘話 その1~ストーリーのある脱出ゲームが作りたかった~

「すくらんぶる・まいんど」完成秘話は、処女作「すくらんぶる・まいんど」ができるまで、どういう経緯やできごとがあったのか、開発者が赤裸々に語る企画です。

壮大なタイトルですが、当サークル結成の理由や制作中のできごと、裏話的なものをこのコーナーでつらつらと書いていければと思います。

栄えある第一回の今回は、私、飛丸が「ストーリー性のある脱出ゲーム」を作りたいと思った経緯についてお伝えいたします。

ストーリーのある脱出ゲームを作りたかった

15年前の記憶

いきなりですが、自分語りをさせてください。

私は物心がついた時からアニメやゲームに親しんできた、いわゆる「筋金入りのオタク」でした。

小学生時代の楽しかった思い出として、モンスターハンターポータブルをクラスメイトたちに布教して、その結果10人近くが家に集まり、皆でリオレウスやラオシャンロンの討伐に励んでいた日々があります。

そんなオタクだった私が、パソコンという機器の面白さに気づくのも時間の問題でした。

今思うと当時では私は恵まれた家庭だったのか、家には一台の自由に使えるデスクトップPCがありました(家族共用でしたが……)。

兄や父親がPCを操作するのを横目に、私も自分用のアカウントを作り、PCでゲームをしたり、調べ物をしたりするのにハマってしまいました。

あまり詳しく書くと世代がバレそうですが、時期で言うとちょうど「おもしろフラッシュ倉庫」なるサイトや「赤い部屋」が全盛期だった時代ですね。

フリー脱出ゲーム「Erinyes(エリニュエス)」との出会い

先ほど書いたとおり、私はPSPやゲームキューブでゲームを遊ぶ一方で、猿のようにPCをいじくりまわし、多数のフリーゲームもプレイしていました。

面白かったPCゲームはここで紹介しきれないくらいたくさんあったのですが、中でも強く記憶に残っているのが「Erinyes(エリニュエス)」というフリーの脱出ゲームです。

軍艦島を舞台にしたその作品は、最初こそ探索してアイテムを見つけ、怪しいところでアイテムを使って進む、ふつうの脱出ゲームように見えました。

しかし、それはとんでもない間違いだったことに気づきます。

「Erinyes」には、脱出ゲームにしては凝ったシステムがやけに多く組まれていました。

体力という探索できる量を示すゲージがあったり、キャラクターの立ち絵が多くあったり。やけに世界観描写やモノローグが多かったり。

「どうもこのゲーム、普通の脱出ゲームとちがうな……?」

子ども心に、そう感じたのを覚えています。

そして、いくつものステージを超え、無事に脱出したとき。

ストーリーで主人公が殺され、死んでしまいました。

あまり記憶に残っていませんが、その後はヒロインのような少女が暴走して、世界の全てを滅ぼし、エンディングとなりました。

ここまで書けばお気づきの方もいるかもしれません。そう、「Erinyes」は、マルチエンディング式のアドベンチャー要素がある脱出ゲームだったのです。

当時ギミックが難しいだけの脱出フラッシュゲームばかりプレイしていた私にとって、これは大きすぎる衝撃でした。

「なんで脱出したのに死んで、エンディングが入ったの?」

それからは、幼い男子小学生が必死に試行錯誤する時間が始まります。

当時私は謎解きのあるRPGなどもプレイしていたはずなのですが、なぜそんなに衝撃を受けてしまったのか、今となってはわかりません。

そして私は、攻略サイトを凝視しながらいくつものバッドエンディングを乗り越え、なんとかトゥルーエンディングまでたどり着きました。

長い道のりを経て、脱出のギミックとシナリオが複雑に絡み合ったゲームをクリアした私は、その完成度に感動し、ただひたすら涙を流すしかありませんでした。

そして、私の頭の片隅に「ストーリー性のある脱出ゲームを作りたい」という強い欲求が刻まれたのです。


「謎解き」と「ストーリー」の両者をしっかりと絡み合わせた作品は、今でこそ徐々に増えているもののまだまだ数は少なく、「斬新な」ゲームと言えると私は考えています。

私にとって、アドベンチャー×脱出ゲーム「すくらんぶる♡まいんど」の原点は、ここから始まったのです。

そして現在

そして時は流れ、去年。

「ゲームを作りたい」という夢をなかば忘れ去り、趣味で小説を書く程度の日々を過ごしていた私に、とある連絡がきます。

それは「ゲームを作る仲間を探している」というものでした。


そんなこんなで、私は二郎くんに声を掛けてもらい、3人でゲーム制作がはじまりました。

(ゲーム制作の日々については、また別の機会に詳しく書きたいと思います)

「じぶん一人では絶対にゲームは作れない」と考えていた私にとって、まさにそれは「棚からぼたもち」いや、「棚からウェディングケーキ」が降ってきたような幸運でした。

制作の途中では、何度も議論になったり、言い争いになったりもしました。

初めての制作で進行に戸惑い、2度のリリース延期もしてしまいました。

しかし、最終的には製品版としてリリースすることができ、現時点で500人もの大勢の方に購入して、プレイして頂いています。

メンバーたち、そして購入して頂いた方々には、感謝しかありません。

今後「えぃぴぃほりでー」がどのように活動していくかは、まだ詳しくは決まっていません。

しかし、自分でも忘れかけていた昔の夢を今になって追い続け達成した、この一年のことを、私は一生忘れないでしょう。

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「すくらんぶる・まいんど」完成秘話、いかがだったでしょうか?

今回はディレクターを担当した私飛丸が、どういった経緯で脱出ゲーム制作を志したかをご紹介しました。

「完成秘話」企画は今後も不定期で続けていきますので、もしメンバーや作品について「もっと知りたい!」というものがあれば、ぜひ気軽に聞いてみてください。

それではまた。

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