百合の館5
お姉様のショーツを洗濯するときに、見てはいけないと分かっていても、朱里はそのショーツを広げてしまう。
#お姉様の脱ぎたてショーツ。
朱里が公園で拾われて三日という時間が流れていた。
あれから仕立屋さんに採寸してもらって私服や下着をオーダーメイドしてもらったり、新品の教科書を揃えてもらったりして、朱里は何事もなく学校に通うことができている。
(本当に、何事もなかったかのよう……)
そう思って下校して、初日は以前住んでいた家に帰ってきていたことがあった。
もちろんそこには両親はいなくて、玄関も開かなかったのだけど。
(いまのわたしの家は、紫帆さんが住んでいるお屋敷、なんだよね)
三日目の下校中。
真冬の家路は空っ風が吹きつけていて寒い。
それでも屋敷に帰ってくれば暖炉の温もりが心地いいし、それに待ってくれている人もいる。
これほど安らぎを感じることもない。
「ただいま帰りました、お姉様」
「おかえりなさい。今日も青春を燃え上がらせてきたようでなにより」
紫帆は、いつも屋敷のロビーのソファーで読書をしている。
そんな紫帆に「ただいま」を言うのが朱里の密かな楽しみになっていた。
「さて、そろそろ夕飯の準備に取りかからないと」
「あ、今日こそはわたしが作りますっ」
「いいの。私はお料理が好きなのだから。それに美味しそうに食べてもらえる人がいるというのは、とても嬉しいものよ?」
「で、でも……」
「その代わり、朱里にはお洗濯をお願いするから。今夜お風呂から上がったらでいいからお願いできる?」
「はいっ! 任せてくださいっ!」
この屋敷に住んで、初めての紫帆からのお願いだ。
朱里のやる気はこれ以上無いくらいに燃え上がっていた。
☆
このお屋敷でのお風呂は、一日に一回。
夜の10時になったら紫帆がまずお湯を使い、それが終わってから朱里の番になる。
だいたいその頃になると、夜の23時くらいになっている。
紫帆は一緒に入ってもいっこうに構わないと言ってくれているけど、それは恥ずかしいので謹んでお断りしている。
「ふぅ……。さて、と今夜はお洗濯しちゃおう!」
浴室の横にある脱衣所で気合を入れていたのは、一糸まとわぬ裸体になった朱里だった。
乱れかごに脱いである紫帆と朱里の洗濯物を、綺麗に洗濯するというミッションを仰せつかっている。
……と言っても。
「お洗濯ものを洗濯機に入れて、乾燥までかければそれで終了なんだけど、ね……」
はじめてのお手伝いにしてはちょっと物足りないけど、これから少しずつ手伝えることを増やしていけばいい。
そんなことを考えながら、紫帆のショーツを手に取った、そのときだった。
ぬるり。
「えっ」
あまりにも予想外の手触りに、朱里は手を引っ込めてしまう。
すると紫帆のショーツは、
べちょっ。
ショーツにはふさわしくないネットリとした音を立ててフローリングの床に落ちる。
いまの手触りは……一体なんだろうか?
まるでコンニャクに触ったかのような感触がした。
「い、いまの手触りは……なに?」
恐る恐る、床に落ちている紫帆のショーツを手に取ってみる。
それは見た目こそは純白のショーツだったけど、ヌルリとした粘液に暗く濡れていた。
これは、間違いなくさっきまで紫帆が穿いていたショーツなのだろう。
その証拠に、かすかに体温が残っていて生温かかった。
「これが……お姉様が穿いていた、ショーツ……?」
いけない。
これ以上はお姉様の恥部よりも恥ずかしい恥部を覗くことになってしまう。
それは紫帆に対する冒涜と言ってもいい行為。
だが――、
朱里には止めることができなかった。
「お姉様……、ごめんなさい」
その場にいない紫帆に謝り、ゆっくりと純白のショーツを広げていく。
それは背徳的で冒涜的な行為。
年上のお姉さんのショーツの裏側を覗き見るなんて。
もわわ~ん……。
ショーツを広げ、立ち昇ってきたのは濃密な女の匂いだった。
甘酸っぱくもあり、生臭くも、そしておしっこの匂いに、汗の香り。
決して良い匂いとはいえないのに、朱里は脳の芯がジンジンと痺れてくるような感覚がした。
それに甲高い耳鳴りもしている。
更には、いままで味わったことのない動悸も。
「お姉様の脱ぎたてぱんつの裏側……どうなってるの……?」
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