レモネードオアシス 2023/05/30 04:29

妹は甘えんぼ18

いつも温かいご支援ありがとうございます。

今日も元気に午前3時起きです。
認知症の祖母が徘徊する危険性があるので、それ以上に早く起きる生活が続いています。
眠気と戦いながらぼんやりとした意識のなかで小説を書いているので、誤字や脱字などありましたら仰って頂けたらとても嬉しく思います。

さて、今日も元気に小説を更新していきたいと思います。
楽しんでもらえたら嬉しいです。


目次

妹は甘えんぼ(カテゴリー)

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「んっ、ふう……」

 妹が鼻にかかった吐息を漏らすと、肉裂からジュワッと透明な汁が滲み出してくる。
 おむつが外れない妹も、こうしている瞬間にも大人の階段を上っているのかも知れなかった。

「よし、それじゃあ新しいおむつ、充ててやるからなー」
「うん。ありがとう、お兄ちゃん……」

 恥ずかしがりながらもカエルのように脚を開き、それでいて乳房は桃色に発情し、濃密なミルク臭を漂わせている。
 そのことを妹は自覚さえもしていないのだろう。

 ……兄を戸惑わせているとも知らずに。
 兄は、妹の女の部分から目を逸らすかのように紙おむつを充ててやる。
 ぽんぽん、おむつの上から優しくおまたを叩くのは、ずっと昔から妹にしてきたことだ。
 こうすると妹はぐっすりとよく寝付いてくれたものだ。
 だけど今日は寝てられない。
 これから病院に行かなくてはならないのだ。
「今日は土曜日だから、早くしないと病院が閉まっちゃうからな。絵馬は寒くない格好して待っててくれ。俺は保険証とお薬手帳持ってくるから」
「うん……」

 絵馬は素直に頷いてくれると、風邪で怠いのを堪えながらも服を着ていく。
 ……っと、このまま妹の着替えを見ているわけにはいかない。浩喜は妹の部屋から出ると病院に行く準備を整えるのだった。

        ☆

「とりあえずインフルエンザじゃなくて一安心、と……」
「もう、お兄ちゃんったら心配性なんだから」

 熱を出してしまった妹を連れて病院に行き、もしかしたらインフルエンザかも知れないと検査を受けたのがつい先程。
 幸いなことに絵馬が熱を出してしまった原因は『疲れを溜めてしまったて免疫力が弱っていた』かららしい。
 お医者さんからは風邪薬をもらって、しっかりと休養をとるようにとのアドバイスも頂戴した。

「病院行ったから、なんか急に元気出てきたかも! ほら、もう普通に歩けるし、平気だよ?」
「おいおい、あんまり無理するなって」

 病院から出た歩道でくるりとターンを決めてみせる絵馬だけど、やはり無理していたのだろう。
 フラッと身体の軸がぶれると、よろめいてしまう。かと思ったら、こちらの方へと倒れ込んできたではないか。
「おっと危ない」

 兄はなんの躊躇いもなく、小柄な妹の身体を受け止めていた。
 今までずっと二人で支え合って生きてきたのだ。こうして触れあうことになんの躊躇いもない……。
 ……はずだったのに。

「……絵馬、大丈夫か?」
「ダメ、かも……」

 倒れ込んできた妹が火照って感じられるのは、風邪のせいだろうか?
 それとも、もっと別の他の理由……。
 妹が着ている薄手の白ワンピースから覗ける乳房の谷間から、ムッとしたミルク臭が立ち昇ってくる。

                      ∽∽∽

(どうしようっ、お兄ちゃんの胸に飛び込んじゃうなんて!)

 兄に身体を受け止められて、絵馬は口から心臓が飛び出してしまうんじゃないかというくらいにドキドキしていた。
 元気なところを見せようと思って、くるりとターンしたら、まさかの大失態。
 ただでさえ風邪で意識が散漫になっているのに、兄の腕のなかにいると更に身体が熱くなって意識が飛びそうになってしまう。

「あんまり無理するなよ。そうだ。家に帰るまでおんぶしてやる」
「ええっ、いいよっ。クラスの子に見られたりなんかしたら……」
「そのときは彼氏と間違われたりしてな」
「か、彼氏!?」

 まさかのトキメキキーワードに言葉を詰まらせていると、兄は背中を向けてしゃがみこむ。早く負ぶされ、と言わんばかりに。

「どうした? やっぱりおんぶはイヤか?」
「う、ううんっ。おんぶ、したいっ。して欲しい!」

 ちょっと恥ずかしいけど兄の背中に抱きつく。
 重たくないかな……、と一瞬だけ心配になったけど、兄はいとも簡単に立ち上がってみせる。

(お兄ちゃんの背中、広いなぁ……)

 兄は知らぬ間に大人らしい身体つきになっていたらしい。
 もっと近づきたいと思って身体を押しつけるけど、絵馬もまた女らしい身体つきになっているのだ。
 ギュッと抱きしめても、おっぱいが大きすぎて兄に密着することができない。
 せめておまただけでもと思って、兄の身体に脚を巻き付ける。

(おっぱいなんてなければ良かったのに……)

 兄におんぶされながら、絵馬はそんなことを思ってしまう。
 おっぱいが膨らむ前は、兄におんぶしてもらったときはギュッと抱きついて身体を密着することができたのに。

(早く大人になりたいけど……ずっと子供のままでいたい……)

 心はずっと子供のままでいたいと思っていても、性徴期の身体はこうしている瞬間にも成長しているのだ。
 それは絶対に逃げられないこと。
 だから大人になることに向き合わないといけないのに。

 それなのに、風邪を引いてしまって、兄におんぶまでしてもらって迷惑をかけてしまっている。
 そう思ったら急に情けなくって、勝手に視界がぼけてきて――。
 気がつけば、頬を一筋の涙が伝い落ちていた。
 涙は兄の肩のシャツに染みこんで、消えていった。
 悔しさが堪えきれなくなって、しゃくり上げるように泣いてしまう。

「ど、どうしたんだよ、絵馬。どこか痛いのか? 気持ち悪くなったのか?」
「ううっ、違うの……っ。早く大人になって、お兄ちゃんに迷惑かけてばかりじゃダメだって思ってたのに、上手く、いかなくて……迷惑かけて、ばかりで……っ」
「俺は迷惑だなんて思ってないよ」
「でも……っ」

 この前だって体育の授業中にうんちを漏らしてしまったときもそうだった。
 あのとき穿いていたショーツとブルマがきちんと洗濯されたいたことに気づかないほど、絵馬は鈍感ではない。
 きっと兄が洗ってくれたのだ。
 あんなにも汚してしまったショーツを。

「だけど……。あの日、本当はおトイレに行く時間、あったのに……トイレ、行かなかったの……」
「あの日って……、ああ……」

 あの日、という言葉だけで、兄は察してくれたのだろう。
 それっきり、黙って歩きながらも絵馬の言葉を待っているようだった。


妹は甘えんぼ19につづく!

少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。

この小説は、同人誌『妹は甘えんぼ』として発表しています。
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