TS俺が女の子のレッスン!?11
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晶に手を引かれて、あっという間に女子更衣室の前に。
ここまできてしまったらもう腹をくくるしかない。
大丈夫。
一時間くらいならおしっこを我慢することはできるはずだ。
「さて、着替えちゃいましょ」
「ちょっ、まだ心の準備がっ」
ささやかな抵抗を試みるも、晶に手を引かれるがままに女子更衣室へと踏み込む。
そこにはまだ誰もいなかった。
誰もいないけど、なぜだろうか?
むわぁ……。
鼻孔に感じるのは、甘く柔らかい匂い。
どことなく南国のフルーツの香りを思わせる。
男子更衣室の汗臭さとは大違いだ。
「ああ……、また越えてはいけない壁を越えてしまった……」
「なに言ってるの。早く着替えなさい。制服を脱いでロッカーにしまって、それからシャツとブルマを穿くの。できる?」
「お、おう……任せてくれ……ううっ」
制服を脱いでロッカーにしまう。
ここまでならなんの抵抗もない。
だけど、問題はここからだ。
――ブルマ。
その紺色の布切れを手に取り、広げてみる。
水着のようなケミカルな手触り。
クロッチは……無いようだ。
腰ゴムや足口にはゴムが通してあって、どうやらぱんつがはみ出ないようになっているらしい。
「こんな小さな布切れを、穿けと……!?」
「大丈夫。問題ない。思ってるよりもブルマは伸びるから」
晶の言うとおり、紺色の生地を引っ張ってみるとよく伸びた。
これならきっとお尻にフィットしてくれるに違いないだろう。
だが、ブルマを穿くというのは、女子であることを更に認めてしまうことにならないだろうか……!?
「ううっ、穿くべきか、穿かざるべきか……!」
「早く穿いて。それともぱんつで体育の授業を受けるつもり?」
「それはさすがに……だ、だが……っ」
その逡巡が、命取りだった。
更衣室の外が騒がしくなったかと思ったら、ドアが開いたのだ。
入ってきたのは、クラスメートの女子たちだった。
「げ」
司は美少女にあるまじきカエルが潰れたかのような声を上げてしまう。
女子たちと目と目がバッチリと合って、その三秒後。
『お。浅黄……司……ちゃん!?」
『脱いでも凄ーい』
『本当に美少女じゃん!』
『可愛い下着つけちゃって!』
『中身はどうなってるのかな~?』
直後には司は女子たちに取り囲まれていた。
そしてなんの躊躇いもなく制服を脱いで下着姿になる女子たち。
露わになったのは、鮮やかな色とりどりの下着。
スポーツブラや、フリフリのレース。
それに甘い香りがより一層濃いものになった。
女子たちは、手のひらをワキワキとマッサージするかのように迫ってくる。
「や、やめ……っ、俺は、俺は男だ……!」
「あー。……司、大人しくしてたほうがいいと思うなー」
晶のアドバイスも、女子たちのかしましい歓声に消えていく。
『おお、柔らかい! 女の子してるし!』
『くすぐってやる~』
『いい匂いじゃねえか。ぐへへ』
『ブラもお揃いのストライプ! いいねえ!』
下着姿の女子たちの姿に、ついこの前まで男子だった司が耐えられるはずがなかった。
健全な男子の(はずの)司には、色とりどりの下着姿の女子たちはあまりにも刺激が強すぎる。
「ひっひええっ! 俺は男、男、男だ……! ぶっぶふっ!」
女子に取り囲まれた司は、あっけなく鼻血を噴き出していた。
『ああっ、ごめん! やり過ぎた!』
『男の子には刺激が強すぎたか!?』
『ティッシュ、プリーズ!』
こうして女子たちの介抱を受けた司は、なんとか体育の授業までに鼻血を止めることに成功するのだった。
膀胱には、たっぷりとおしっこを溜め込んだままで……。
☆
「うう……、散々な目に遭ったぜ……」
出血多量でふらふらになりながらも更衣室を後にすると、女子たちに混じってグラウンドに出る。
ちなみに晶は体調がよくないらしいので制服姿で見学組。
その手があったかと後悔するも、もう遅い。
制服姿の晶が心配そうに声をかけてくる。
「大丈夫? なんかゲッソリしてるけど」
「出血多量で倒れそう……」
「あれくらいでゲッソリしてたら大変なことになる。これからもっとたくさん出てくることになるから」
「恐ろしいこと言わないでくれ……」
まっさらなグラウンドには、早くも男子たちが集まって談笑していた。
だけど女子たち……特に司の姿を見つけると、途端にザワザワと落ち着かない雰囲気になる。
『…………おい、見ろよ……』
『あれが浅黄、だと……!?』
今朝と似たようなリアクションだけど、男子たちのテンションが高くなっているのはブルマを穿いているせいなのだろうか。
不躾に向けられる視線が、グサグサと太ももに刺さるのを感じる。
なんでこんなぱんつみたいなものを穿いて動き回らないといけないんだろうか。
外界ではブルマが絶滅した理由がなんとなくわかったような気がした。
「うぉぉ、太ももに視線が刺さるし、風が撫で回していくぞ」
「女子なら堂々と視線を受け止めて見せなさい。それにあんまり緊張すると、おしっこが近くなったら大変」
すぐ隣を歩く晶に言われて思いだす。
この膀胱にはたっぷりとおしっこが溜まっているということに。
「あっ」
ぢゅわわっ。
意識してしまうと急にこみ上げてくるのが尿意というものだ。
その瞬間に、じゅわりと股間が生温かくなり……、クロッチへと染みこんでいった。
「ヤバい……っ、そういえば休み時間におしっこし忘れてたんだったぁぁぁ!」
「ちょっ、おトイレ行ったのに、なに大切なこと忘れてるのよ」
「仕方ないだろ……ううっ」
「もう体育の先生きちゃってる。しばらくおトイレ行けそうにないけど、平気?」
「無理でも我慢しなければ……大変なことになる……!」
「今日は長距離走だから、走りきらないとおトイレに行けそうにないけど」
「我慢、我慢すればなんとか……っ」
ぢょわわわわっ!
おまたを引き締めようと思っても、まだ女の子になって二週間しか経っていない。
司の尿道は、茹ですぎたマカロニよりも緩い。
どんなにおしっこを我慢しようと思っても、クロッチの裏側が生温かくなっていった。
ここまで読んでくれてありがとうございました!
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この作品は同人誌『TS俺が女の子のレッスン!?』に掲載されているものです。
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