陰キャラでなにが悪い!9
おむつをあてて学校に行けばおしっこを我慢しなくてもいいという天才的な発想。
じゅわ、じゅもも……。
しゅわわわわわわわ……。
「っ! っっっっ~~~!」
ついに千影は立ったままおもらしを始めてしまう。
くぐもった水音がスカートの中から聞こえてきて、おむつの内側が生温かくなる。
(しちゃってる!? うそ! わたし、しちゃってる! みんながいるのに、立ったままおしっこしちゃってる!)
しゅいいいいい……。
人前での放尿。
それは未知の感覚だった。
女はおしっこをするときでさえも個室のドアを閉めてしなければならない。
本来は人前でおしっこなどという行為は、物心がついたら普通はしないのだ。
そんな非現実的な感覚に、千影は耳までも真っ赤にさせてしまう。
だが性欲を持てあます千影は、この快感に早くも順応しようとしていた。
(はぁぁ~~~。立ちションって、こんなに開放的な気分になるんだ……。気持ちいー)
しゅいいいいいい……。
千影は完全に尿道から力を抜き、なんの躊躇いもなくおしっこを漏らし始める。
人前でのおしっこ……、
それは少女にとってはあまりにも刺激的で、背徳的な開放感となって、千影の頬を弛緩させる。
(ああぁ……おむつ、温かい……、おまた、気持ちいい……。って、モコモコ膨らんできてる!?)
しゅわわわわわ……。
もこ、もこもこもこっ。
おしっこを受け止めた紙おむつは入道雲のようにモコモコと膨らんできたではないか。
紙おむつに使われている吸水ポリマーは、おしっこを吸うと膨らむことによっておしっこを閉じ込めるのだが……、そのことを知らなかった千影は、立ち尽くしたままびっくりしてしまう。
(や、やばい……っ。スカートから、はみ出してない、よね?)
しゅいいいいい……。
スカートから剥き出しになっている、病的なまでに真っ白い太ももが、恥ずかしくて桃色に染まっていく。
膝がカクカクと震えてきて、ちょっとでも気を抜いたらしゃがみ込んでしまいそうだった。
それでも一度漏らし始めてしまったおしっこを止めることはできない。
しゅわわわわわ……。
(ううっ、おむつ、重たくなってきて……。やだ、腰からぶら下がってきてるみたいっ。このままだと、スカートからおむつがはみ出る! やばいって! あたし、変態みたいじゃん!)
しょわわわわわ……。
きゅん、キュウウウウ!
立ったまま身体を大きく震わせる。
スカートの裾が踊って、おむつが見えそうになる。
それでもおしっこは止まってはくれない。ただでさえ短い尿道はふっくらとして柔らかい。どんなに力を入れても最後まで漏らすしかないのだ。
(あぁぁぁ……。お尻のほうまで温かくて……モコモコ広がってて……。凄い……。気持ちいいなんて、あたし、変態になっちゃったみたいだ……)
しゅいいいいいいいい……。
――もしもここでおむつがバレてしまったらどうしよう?
そんなスリルを味わいながらも、尿意を放っていき……、
ブルルッ!
その痙攣とともに、千影のおもらしは終わりを告げた。
「はぁ、はぁ、はぁ~~~」
終わった。
終わってくれた。
いや、終わってしまった。
その場に立ち尽くし、千影だけまるでマラソンをしてきたかのように汗だくになっていた。
おまたも汗とおしっこでぐしょ濡れになって、おむつも蒸れ蒸れだ。
いくら通風性がいいからって、汗だくになってしまってはあまり恩恵がないらしい。
(あ、でも、おむつ、思ったよりもサラッとしてる、かも?)
立ったまま、そんなことを思う。
もしもショーツを穿いたままおしっこを漏らしたら、もっとジトジトになっておまたとお尻にぺったりと貼り付いてきていたことだろう。
だけど、紙おむつはサラッとしている。
(スカートからおむつ、はみ出してないよね……)
ちょっと心配になって、スカートの裾をただす。
……多分見えていない、と思う。
スカートというちっぽけな布きれに覆われた紙おむつは重たくなっていた。
いくら最新式の紙おむつとはいえ、質量保存の法則には敵わないらしい。
漏らしたおしっこの分だけ、ずっしり重たくなっている。
だけどそれはおむつが千影の失敗を受け止めてくれたということでもある。
もしもおむつを充てていなかったら、太ももを伝ってふくらはぎを濡らし、足下に大きな水たまりができていたことだろう。
(おしっこ、気持ちよかったぁ。人前でおしっこするのって、こんなに気持ちよかったんだ。それに、立ったままするの、開放的で癖になっちゃいそう……)
「ふぅ」
おむつを充てた少女は、短くも熱いため息をつく。
その股間は官能の蜜に熱く濡れていて――、
それは内気な少女が新たな性癖に目覚めた瞬間でもあった。
☆
ぐちょっ。
全校朝会を終えて教室に帰ってきて、自分の席に着く。
おしっこを吸った紙おむつが、お尻と椅子に潰されて、なんとも言えない感覚に襲われた。
(サラッとしてるけど、ブヨブヨしてる)
だけどその感触でさえも、今の千影にとっては心地よく感じられた。
赤ん坊のような秘筋は、背徳的な感覚に熱く濡れ、おもらしのようにおむつをグショグショに濡らしている。
(あっ、おしっこしたいかも……)
しゅいいいいいい……。
教室で。
クラスメートたちがいるというのに、千影はなんの躊躇いもなく尿道から力を抜いていく。
最初の躊躇も、緊張感もなくなっている。
千影は、すっかりおむつの魅力に取り憑かれてしまったのだ。
☆
じょぼぼぼぼぼぼ……。
座学の授業中、千影は何度もおむつに尿意を放っていた。
今日はまだ一度もトイレに行っていない。
朝一番のおしっこだってこのおむつにしたし、あれからたくさん水を飲んで、何回もおしっこをした。
それでも紙おむつは千影の失敗をすべて受け止めてくれていた。
(でもさすがに心配になってきたし。ちょっとトイレで見てこよ)
昼休みになって千影は今日初めてトイレに立った。
立ち上がると、ずっしりと重たくなっている紙おむつは腰からぶら下がっているようでもある。
トイレの個室に入って、スカートを捲り上げてみると……、
むわっ。
ふんわりとしたおしっこの香りが立ち昇ってくる。
どうやらおむつといえどもおしっこの匂いを封じ込めてくれるというわけではないようだ。
「こんなこともあろうかと」
千影は制服のポケットから、香水の入った小瓶を取り出す。
学園デビュー(失敗したけど)するときに張り切って買ったはいいものの、一度も使う機会がなかった香水だ。
まさかこんな形で日の目を見ることになろうとは、千影自身もびっくりだ。
「太もものところにシュッと一吹きして……」
桃色に染まった太ももにシュッと吹きかけて、それを指先でなじませていく。
キリッと、凛とした香り。
千影は甘い香りよりも目が覚めるような香りのほうが好きだった。
これでおしっこの匂いも気にならない……はずだ。
「んっ!」
くちゅりっ。
太ももを触っていると、おまたが熱くなってエッチな音を立ててしまう。
ただでさえおむつの中はおしっこと汗で蒸れ蒸れになっている。
千影のおまたは、おむつの内側でトロトロになっているに違いなかった。
「だけど、換えのおむつ、持ってきてないから……、今日はずっとこのままだけどね」
替えのおむつも、ショーツさえも忘れてきてしまった。
だから今日はずっとこのおむつを外すことができない。
もしもおむつを外せば、汁ッ子の千影のことだ。
内股に愛液の滝を作り上げてしまうことだろう。
そうだ、トイレの個室から出る前に――、
「はぁぁ~」
じょぼぼぼぼぼ……。
千影は洋式のトイレを前にして立ったまま、なんの躊躇いもなく尿意を放っていく。
その頬は気持ちよさそうに弛緩していた。
この小説は同人誌の『大決壊! 陰キャラでなにが悪い!』に収録してある小説です。
フルサイズのイラスト6枚も収録されています。
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