3Dポーズ集 2022/03/05 14:06

不用意なトレパクの指摘は名誉棄損。と言う判例(作業日報 03/04)

https://twitter.com/KEUMAYA/status/1499533934170107904
 
 トレパクについて、指摘するツイートが名誉棄損に該当するとした判例があったようなので共有します。今現在多数行われている指摘に対しても、本判例と同様に名誉棄損となる可能性が高いものが見受けられますので指摘される方は十二分にご注意ください。
 
該当記事
「トレパク」を指摘するツイートに対し発信者情報開示が認められる

該当判例
東京地裁令和3年12月23日判決(令和2年(ワ)第24492号)
 
 解説は上記サイトに任せるとして、自分はそれ以外の捕捉に徹したいと思います。
 
 ざっくりとした説明としては以下の点が認められました。

・イラストレーターとしての社会的評価が低下(名誉棄損)
・必要のない画像の添付はNG(引用の要件を満たさない著作権侵害)
・Twitterの機能によるトリミング(同一性保持の侵害)

 まぁ、3番目に関しては半ば仕様でもあるので厳しいなぁと感じたところではありますが。名誉棄損と権利侵害について少し見ておきたいと思います。

名誉棄損について

前提として引用か否か

 まず前提条件としてツイートに添付された画像が論評であるか否かが整理されます。論評でなければ引用は成立しませんので当然かと思います。裁判所の判断は以下。

>本件ツイート1-1の表現は,証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を明示的に主張するものと理解されるから,意見ないし論評の表明ではなく,事実を摘示するものというべきである。
(P.47)
>本件ツイート1-2が,法的な見解その他本件投稿者1の意見ないし論評の表明を内容とするものと理解することはできない。
(P.48)

 という事で、ツイートの内容によっては添付された画像は引用と認められなくなる可能性があることが明確になりました。今回争われているツイートは以下のものです。
 
>本件ツイート1-1
>これどうだろうww
>ゆるーくトレス? 普通にオリジナルで描いてもここまで比
>率が同じになるかな
(P.62)
>本件ツイート1-2
>この鏡餅も画像検索ですぐ出てきた。
>トレス常習犯ですわ。
>Bさん
(P.62)

 確かに論評ではないですね。そして同様の投稿はトレパクの指摘ではよく見受けられるものです。

名誉棄損か否か 

 続いて、引用の要件が否定されたのを踏まえ、名誉棄損か否かが論じられます。
 
 少し前後しますが、トレパクか否かについて引用の検証の段階で以下のような指摘があります。

>線画はイラストを作成する過程で描かれるイラストの骨子であることに照らすと,上記事実は,原告が本件投稿画像1-1-1と同じ画像をトレースすることなく本件原告イラスト1を作成したことを裏付けるものといえる。
>原告の上記陳述書には,本件原告イラスト1を含む,ハンドメイド作家から女性の横顔のイラストの作成を依頼され,提供するまでの作業について具体的に記載されており,かつ,この記載内容に沿って現に依頼者とやり取りしていた様子がうかがわれる
>本件原告イラスト1と同様,女性の横顔のイラストを作成する様子を撮影した動画(甲44)によれば,原告は,本件原告イラスト1と同様の女性の横顔のイラストを作成する技能を身に付けていることが認められ,この事実は,原告が本件投稿画像1-1-1と同じ画像をトレースしなくとも本件原告イラスト1を作成することができたことを裏付けるものといえる
(P.44)
 
 という事で、私はこれだけやれます、こういう経緯でしたという記録を十分に提示したうえでそもそもトレパクは真実ではないとする反証が成立しています。
 
 名誉棄損の違法性が否定されるには真実であるなどの要件が必要であります。その点に関しての裁判所の判断は以下の通りです。

>原告は,本件原告イラスト1をトレースの手法によって作成しなかったと認められるから,本件ツイート1-1及び1-2が摘示する事実は,その重要な部分について真実ではないと認められる。
>違法性阻却事由が存在することをうかがわせるような事情が存在しない
>原告の名誉が毀損されたことは明らかであると認められる。
(P.49)
 
 上記を見てわかる通りですが、実はよくネットで上げられるトレースの検証動画そのものには証拠能力が殆ど無く、線が重なる程度のものでは反証は簡単にできてしまう判例と言えるかと思います。

引用の要件を満たさない著作権侵害について

 これは別の投稿に対してでありますが、まず検証のために用いる画像の構図が全く違うものを添付した点について引用の要件を満たしていないとするものです。

>目的を達するためには,原告が描いた横顔のイラストのうち構図が同一又は類似のもの同士を比較して「画力の差」の程度を検討すれば足りる
(P.50)
>本件投稿画像2-1-2は,大きく目を開いた女性の正面視を描いたものであって,トレースによって作成されたとされる原告のイラストとは構図が大きく異なる
(P.50 - 51)
>「特に横顔同士で比較してみてください」として,原告が描いた横顔のイラストの出来栄えの差を特に指摘して,原告がトレースによって女性の横顔のイラストを作成した旨を述べているのであって,このことは,本件投稿画像2-1-2を添付する必然性がないことを示す事情であるということができる。
(P.51)
>本件投稿画像2-1-2を添付して引用することは「引用の目的上正当な範囲内で行なわれるもの」には該当しないと認めるのが相当である
(P.51)
 
 正面の画像については引用の要件を満たしておらず、公衆送信権の侵害が認められた形になります。
 
 実際、トレパクの指摘に関しては全く違う画像を投稿されている方も多数おられます。ご本人は正しいと思っていても司法判断によって間違いであるとされることも多々ありますし、その逆も良くある話ではあります。特に著作権は独自解釈による感情論があまりにも多いためこの手の指摘をされる際には充分注意されてください。
 
 何度も言っていますが犯罪者に対する犯罪は犯罪になるのがこの国の法です。

総括

 自分自身の所感としては以下の2点です。

・トレパクの指摘、炎上に対する法的な正当性が否定された
・ユーザーの尻拭いをさせられるプロバイダーが不憫
 
 特に判例として正当性が否定されている点には好ましく思います。
 
 晒上げ等が正しいと思っている、トレパクの指摘が社会的に正義であると誤解している人はまずこの判例に目を通すべきかと思います。
 
 また、やり取りの証拠や自分自身の作成過程などをいつでも証拠としてあげられるようにしておけば、そもそもトレパクの指摘に使われる線の重なりは証拠として意味をなさない判例となった点も非常に好ましく思います。
 
 一方、プロバイダー側は自身の組織外の人間の弁明をせねばならないという状況に関して、個人的にはちょっと気の毒かなと感じるところです。
 
【関連】
古塔つみ氏の盗作疑惑。まず私刑をやめなさい
トレパク検証は何が言いがかりなのか
トレパクで炎上している皆さんへ。皆さんにも訴訟の選択肢があることを忘れないでください


 紳助さん2448周目。
 

宣伝

https://twitter.com/GYMaterials/status/1348939207205560324
 

作業内容

ポーズ
 24/50
しばらくお休み。
 
RAVAGE外伝
 
 
 テスト中
  一旦クリアを目指して
   ユカクルート←なう
    スイッチにバグ発見ヴォデカルートで確認作業中
     41番をスクリプト化中
   ドレイフルート
   ヴォデカルート
 
モーぜ
 演出。少し修正。
 
カスタム・サーガ(ヴァーレントゥーガ)
 販売登録が落ち着くまでお休み。
 
mod
 画像加工。
 
MHTRPG
 次回までお休み。

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