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2018年 04月の記事 (9)

LIBERTYWORKS 2018/04/29 16:02

「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」について、包み隠さず全力で語ろう。(後編)

まずは最初に

 ドクター・ストレンジという人物について、軽くおさらいしておきましょう。
 
 天才外科医だった彼は、自分の有能さをハナにかけた実にイヤミったらしい人物でありました。自分以外に誰も信じない傲慢な人間だった。ところが、些細なことで大事故を引き起こして両腕が不自由になってしまう。無価値な人間になることを恐れた彼が藁をも掴む思いで頼ったのが、チベットにいるという魔術の師でした。
 けれども、徹底的にリアリストである彼は当初、魔術の存在そのものを全否定していました。後に魔術は実在すると確信して修行をし始めるんですが、傲慢なリアリストは師匠の言うことすらなかなか聞き入れようとしません。修行はトラブル続きです。
 しかし、彼のこの困った性質が、後に唯一の希望へと変わります。
 自ら学び、自ら考え、これは絶対に正しいと確信した時の彼は恐ろしく強かったのです。それは魔術への理解力でもあり、また意思力の強さとしても現れました。師の亡きあとその志を継ぎ、必要とあればタブーも破る。何千回も何万回も死ぬに等しい(っていうか実際死んでた)無限の苦しみにすら耐え、異世界からの侵略を退けて、影ながら世界を守護する大魔術師となったのです……。

 と、ここまでが、映画「ドクター・ストレンジ」のあらすじ。
 いけすかない天才が改心して正義のヒーローになる映画の模範例として教科書に載せるべきじゃなかろうか。そう思うほどムダがなく美しい脚本に加え、一歩間違えば「もうこれ何でもアリじゃんwwwww」と観客が白けるギリギリ半歩手前で抑止して説得力を持たせた魔術の応酬と超時空バトル。未見の方は今すぐ配信サービスなりDVDレンタルなりで視聴しましょう。大丈夫よ、ほんとにクッソ面白いから。
 

ストレンジの何がストレンジなのか?

 そんなストレンジ先生は「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」においても何ら変わらず。プライドが高く基本的に上から目線なので初対面のトニーとすぐ険悪になるし、基本的に他人を信用していないので容易に協調しようとしません。まァ先生の通常運転です。だがそこがいい。
 そして、ストレンジ先生の「通常運転」は、サノスの狙いが自分の持つアガモットの目(タイムストーン)だと知ったあとも一切変わりません。今ならヤツはまだストーンを全部そろえていない、敵の本拠地にこちらから乗り込んで奇襲をかけようと提案するアイアンマン:トニーと、なんだかんだでトニーについてきちゃったスパイダーマン:ピーターの前で、およそ正義の味方とは思えない冷たい顔のままキッパリ言い切りました。
 
 「憶えておけ。もしもお前たちの命と、タイムストーンが天秤にかかるようなことがあれば、私は躊躇せずタイムストーンを取るぞ」
 
 そんなことは言わずもがな。トニーも「当たり前だよバカヤロウ」てな勢いで、ピーターも言外に「まあ、うん、そうなりますよね…」てな感じで異を唱えませんでした。
 
 しかし、実際はどうだったか。
 ええ、映画を見たみなさんはご存じの通り。サノスの一撃がトニーを貫き大ピンチ、ああダメだこれはトニー絶対死んじゃう、と観客がみな思ったその時「彼を殺すな、タイムストーンはくれてやる」とあっさり差し出してしまったのです。
 それは、全宇宙の命の半数を失いかねない行為だと知っているはずなのに。
 
 ね、こうやってストレンジ先生に絞って見てみると、めっちゃ変でしょ?
 

巧妙に仕組まれた「演出上の罠」

 これは作劇上のテクニックの話なんですが、観客の誰もが「そんなのは嫌だ! やめてくれ!」と望んでいた場合、ちょっとくらいムリヤリなご都合主義的解決法でもさほど違和感を抱かず受け入れてしまう(それどころか感動すら引き起こす)ということがあります。
 例を挙げると、どこぞの人気ゲームのヒロインが大ピンチだった時、どうしようもない役立たずなポンコツ主人公が偶然にも「カリバーン」の錬成に成功しちゃったとか。あっこれもう完全に死んだわと思われていた某2号ライダーが何の説明もなく「俺は不死身だ!」の一言で最終決戦に間に合ったりとか。体力も気力も技も全て使い果たしていたはずなのに親友の死をきっかけにプッツンして「伝説のナントカ人」に覚醒して無双を始めるとか。枚挙に暇がありません。しかもたいてい名シーン扱いですネ。
 
 物語というのは原則、整合性を取りながら進められるべきですが、そのことに汲々としててもつまんないものなんです。
 お話の流れに乗せられていく中で無意識的に望んでいたことを、予想外の手段でポンと叶えられると「奇跡が起きた!」とか「待ってました!」とか「さすが正義の味方!」とか思って歓迎しちゃうんですね。
 この横紙破りをいかに上手くやってのけるか、そこのところがエンタメ作品のひとつのカギでもあるのです。たぶん気の利いた脚本術の本とかにはだいたい似たようなことが書いてあると思う。あんまそういう本読んだことないから知らんけど。
 
 さて、話を「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」に戻しましょう。
 
 冒頭、アイアンマン:トニーについて、恋人であるペッパーさんとの関係が大変うまく行っていることが語られていました。この二人の仲の進展はファンならほんとに嬉しいことだし、アイアンマンという作品にさほど思い入れがなくても「もうじきこの二人は幸せになるんだろうな」と予感したはずです。
 ところがどっこい、トニーはサノスに殺されそうになります。
 少なくともトニーのファンである永元は「頼む……やめてくれ……ペッパーさんが泣いちゃう……!」と絶望の淵に立たされておりました。頼むトニー死なないで、誰か助けて、お願いだからサノスを止めて、と必死に祈っていたのです。
 
 そこに「よせ」と言ってくれたのが、他ならぬストレンジ先生。
 やはり先生も人の子だった、正義の味方だったんだ、目の前で仲間が死ぬことに耐えられなかったんだ、しょうがないよ俺だってあの状況だったらタイムストーンを渡しちゃうよ……そう思ったものです。
 
 なんだかおかしいぞ、なんて、露ほども思わなかったのだよ。
 

「演出上の罠」はまだある

 「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」では、しつこいくらい何度も何度も繰り返された一つのモチーフがありました。
 
 自分の命よりも大切な誰かのため、本来すべきではない行動をしてしまう……。
 
 たとえば冒頭、和解したばかりだった義兄のソーを救うため、ロキは無謀にもサノスに戦いを挑み、結果として命を落としてしまいます。
 トニーはこの世界を守るため、ひいては愛するペッパーを守るため、今すぐ戻ってきてというペッパーの願いを決して聞き入れなかった。
 トニーを父か兄かのように慕うピーターは、彼を放っておけなくて宇宙の果てまでついて行ってしまう。
 ガモーラは愛憎半ばする養父サノスを本気で殺そうとしたし、妹ネビュラを助けるためにソウルストーンの在処を喋ってしまう。
 そのガモーラを愛していたスターロードは、彼女との誓いを守るため、自分より大切なガモーラを射殺すべく銃のトリガーを引きました。さらにはサノスがガモーラを殺したと知ったために逆上してしまい、サノスに勝てるはずだった唯一無二のチャンスをフイにしてしまう。
 スカーレットウィッチも、本当の本当に追い詰められるまで、愛するヴィジョンの殺害と同義であるマインドストーンの破壊に踏み切れなかった……。
 
 こうして挙げてみると、ほんとに多いんですよ。このモチーフ。枚挙に暇が無い。
 なもんで、その中に「トニーを救うためにタイムストーンを渡してしまう」というストレンジ先生の奇妙な行動が埋もれてしまうのです。
 
 だいたい、ロキには兄を救おうとする理由があった。あいつは「兄さんなんか死ぬほど苦しい目に遭えばいいんだ!」と思っていても「本当に死ね!」とまで思ったことは恐らく一度もないしね。トニーが「ペッパーのためを思って」いながら「ペッパーが望んでいない行動に出る」のはいつものことだしさ。ピーターの向こう見ずも同様。ガモーラが本当は心の優しいレディだってことはわざわざ説明する必要すらない。スターロードの正義感と激情に駆られての衝動的な行動も通常運転。スカーレットウィッチが恋人ヴィジョンの殺害を躊躇うのは当たり前。
 
 ストレンジ先生にだけは、理由がないんです。
 「本来すべきではない行動をする」その理由が、何も。
 

仕組まれた罠をくぐり抜けて

 さて、上記のような演出上のトラップを見事にくぐり抜けたとして。
 ではどうして、ストレンジ先生は「らしくない」行動をしたのか。
 
 そもそも、ストレンジ先生は魔術師です。
 インフィニティガントレットを持つサノスを除いてたった一人、インフィニティストーン(タイムストーン)の力を引き出して利用する術を持っていました。それを使って何千万回ぶんの未来を見通し、サノスに勝てる「たった一つの方法」を見出していたはず。
 だったら、スターロードが激情にかられて軽挙妄動に出るパターンも承知していたはずだし、その瞬間にタイムストーンの力を使って時間を巻き戻し、あの「ひょっとしたら勝っていたかもしれない戦い」をやりなおすこともできたはず。かつてドルマムゥと戦ったときのようにね。
 なぜ彼はそれをしなかったのか?
 
 あと、タイムストーンについて、言及しておくべきことがもう一点。
 ストレンジ先生は今、いろいろあってやむなく魔術師をやってますけど、本質的には今もドクター(医者)のまま。救えるはずの誰かが死んでしまう、だれかが犠牲になる前提で戦う、そういうことが心底大っ嫌いな人なんです。
 そして、彼が持っていたアガモットの目、すなわちタイムストーンは「宇宙の均衡を破壊しかねない禁忌の力」で、本来使ってはならないものでした。今回めっちゃカジュアルに使ってた(ように見せていた:これも演出の罠かもしれない)から気付きにくいんですが、彼がその禁忌を犯し、宇宙の均衡を破壊しかねない力を使う時の理由はたったひとつだけです。
 なのに今回、彼が禁忌を破った意味がまったくなかった格好になってる。
 おかしくね?
 
 ……そう。
 それらの答えは、ストレンジ先生が自ら言葉にしていたんですよ。
 いつも通りの、至極冷静な、詫びるでも悔やむでもない普通の顔で。
 
 
 「これしかなかったんだ」
 
 
 その意味は、ここまで読んでいただいた方なら、もうおわかりですよね?
 
 ここまでが、現役中学生のうちのぼんずが、初見で見抜いたことでした。
 この考察が本当に当を得ているのか、それは来年の続編までわかりませんが、しかし永元は(親のひいき目かもしれませんが)正解に限りなく近いはずだと信じています。
 
 この敗北は、ドクター・ストレンジが見出した完全勝利へ至るたった一つの道、その過程にすぎない。
 うろたえる必要などどこにもなく、大逆転の布石はすでに打たれているのです……!
 

ミスリードのオンパレード

 んで、ここからは永元個人の考察というか、上記を元にいろいろと考えたことになります。
 
 アメコミ映画において、敵役のキャラクターは「ヴィラン」と呼ばれますよね。
 今回の映画においては、サノスがヴィランだということになります。表面上は。
 
 でもね。
 
 単なるヴィランと言うには、サノスの言動には腑に落ちない点がたくさんあるんですよ。
 
 そもそも彼が全宇宙の人口を1/2に減らそうとしたのは、資源や食糧の奪い合いで破滅することを防ぐため。現実の地球でも人口増加・食糧問題・利用できる真水の争奪戦という問題に近々直面するだろうと言われていますけど、これもひとえに「人間が増えすぎたから」で、それが宇宙規模で起きてるんだという話がまずありきです。
 つまり、アベンジャーズがサノスに勝利していたとしても、やがて来る滅亡の時が早まるだけの話なんですよ。だからサノスは決して負けるワケにはいかなかった。どんな犠牲を払ってでも成し遂げなければならなかった。たとえ悪と手を組んででも。そういやどっかの先生もこれと同じポリシーでしたっけね?
 
 つーかね、サノスくんは宇宙最強レベルでクッソ強いし頭もキレキレなはずなのに、あんまりにも詰めが甘すぎるんですよ。冒頭からしてソーを確実に抹殺しなかったのも変だし、スターロードだってガモーラをさらうついでに一捻りでブッ殺せたはずで、タイムストーンを手に入れたらトニーもストレンジ先生もあの場にいた全員を皆殺しにしてても良かったでしょう。
 圧倒的な強者だったから余裕があった? いえいえ、これだけ重なるとさすがに不自然でしょう。いくらなんでも脇が甘すぎる。ガッバガバやで。
 
 なぜなのか?
 
 これまた作中でサノス自身が言っていますよね。ある時は「(お前のことが)気に入った」だし、またある時は「(お前の気持ちは)わかるさ」だし、もっと端的に「俺も同じだ」と言ったときもあったはず。
 要するに、奮戦するアベンジャーズの面々に、過去の自分と同じものを見出していたんです。あるいはもっと単純に「殺すには惜しい」と思っていただけかもしれない。もっと強くなって戻ってこいと思っていたかもしれない。やれるものなら俺を斃してみろ、そう思っていたフシすらある。
 
 サノスの論理は独善かもしれませんが、少なくとも「悪」ではなかった。
 どこかの地球育ちの戦闘民族(怒ると金髪碧眼になって髪の毛が逆立ち戦闘力が大幅アップするアレ)だって、最大の敵になりそうな相手を何度も何度も見逃してきたでしょう。それで大半は味方になりましたが、そりゃ結果論にすぎません。あれだって立派な独善ですよね。
 
 何が本当の善で、何が絶対の悪かなんて、神でもない人の身にわかることではない。
 だから、善を為そうとする正義の味方が独善に走りがちなのは、ある意味、仕方のないことではあるんです。
 
 ひょっとするとサノスは、自分より頭がキレて強いヤツが現れたなら、早晩、自分と同じ結論に辿り着いて同じ行動を起こすはずだと思っていたんじゃないでしょうか。
 ここについては完全に永元の推測ですけど、インフィニティストーン抜きなら自分を殺すことが可能なほどの戦闘技術を養女に叩き込んで育て上げた時点で、自分に万が一のことがあった時の後継者を育てようという意思はあったはずなんです。
 
 そういえば、アメリカ本国のプレミアの感想に「シビルウォーの30倍凄かった」という賛辞がありましたっけ。
 よく考えるとアレ、なんでシビルウォーが比較対象だったんでしょうね? どうせ比較するなら直近のアベンジャーズ(エイジオブウルトロン)や、あるいは直近の作品で大ヒットしたブラックパンサーでも良かったんじゃね?
 
 ひょっとしたら。
 
 「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」に、ヴィランは存在しなかったのではないか。
 あの二時間強の映画で描かれたのはつまり、ヒーロー同士の異なる正義の激突にすぎず、宇宙規模に拡大されただけのシビルウォーだったのかもしれません。
 

仮にサノスが「ヒーロー」なら

 彼の究極の目的は、宇宙の平和と恒久的な安定です。それは何度も劇中で言及されていました。
 でも、もしも、彼が全てを犠牲にして宇宙の人口を半減したにも関わらず、それが為されなかったら?
 
 もうホントに、子供でもわかるだろっていうそもそも論になりますけど、無作為かつ一切の差別なくランダムで半分消す、というのがよろしくない。大変よろしくない。
 サノスは「平等」なつもりだったんでしょうけど、本当に大事なのは「公平」かどうかでしてね。完全ランダムってのは実にまったくフェアじゃないんです。
 
 たとえば、スパイダーマン:ピーター・パーカーを失ったNYは今度どうなりますかね。消えたのはピーターたった一人かもしれませんけど、その一人がどれだけ多くの人々を救い、あの大都市の均衡を保っていたんでしょうか。
 同じことは、スターロードやガモーラにも言えます。彼らがいなければガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは存在しえなかったし、かつて退治したヴィランたちの私利私欲によって宇宙が破壊されるか独占されていた可能性が極めて高い。
 
 サノスは、ガモーラやドラックスの生まれた星(あるいは破滅させてきた数多くの星も含む)について、人口を半減させてきたことで秩序と平和を取り戻したと主張していました。
 しかしそれは「たまたま」だったとしたら?
 インフィニティ・ガントレットを持たないサノスは、個体としてはどんなに強かろうとも、しょせん宇宙全体から見ればそこに生きる一粒の命にすぎません。やれることには自ずと限界があり、知りうる世界と見える景色にも限りがある。彼は全能神ではないのですからね。
 いくつもの星を壊滅状態に追い込んできたとしても、宇宙は広い。全体でいえば微々たる被害だったし、致命的にバランスが崩れることはなかった。ただそれだけのことだったのかもしれない。
 
 そんな彼が、インフィニティストーンという万能の力を得て、強○的に人口を半減させちゃったワケですよ。

 もしも、神ならぬものが神の力を手に入れて、神の真似事をしただけなのだとすれば。彼の目には滅び行くだけと見えていた世界が、実は巧みに均衡を取っていたとすれば。その均衡を、他ならぬサノス自身が決定的に破壊してしまったとすれば……。
 思い込んだら猪突猛進、自らの正しさを証明すべく突っ走ってうっかり大惨事。まるでどっかの社長さんみたいですね。そう思うと確かにあの二人は似てるのかも。
 
 んで、宇宙の均衡が破れて、何かしらの災厄を招いてしまうとして。
 たとえば外宇宙からサノス以上の「悪」が現れたなら、彼はどうするつもりなのか。たった一人で勝ち目のない戦いに立ち向かうつもりでしょうかね。
 
 いえ、ひょっとすると、もしかすると……?
 

エンドクレジットの後で

 
 「サノスは帰ってくる」
 
 最後に示されたそのテロップは、マーベル映画のシリーズにとって本来、ヒーローたちの名前が表示される場所でした。いわば「アベンジャーズの一員になるべきヒーローの特等席」です。
 
 そこにサノスの名前が表示されたということの意味は、凄まじく重いのかもしれない。そしてこれこそが、マーベルが仕掛けた「最大の罠」だったのかも……?
 

などともっともらしく語ってみたが

 実は全部勘違いで、ことごとく考察や予想が外れてたという可能性もないとは言えない。その時はゴメンな! 先に謝っとくね!
 
 でも少なくとも、絶望感に打ちひしがれながら来年まで待つことはないと思うんです。
 今からみんなで期待しときましょう、あの台詞と共に、皆が集結するその時を!
 
 
   Avengers Assemble!!!!
 
 
 
 

余談

 でも、これがもし、本当に当たってたとしたら……。
 マーベルは我々観客を信用しすぎというか、よくもまあここまで思い切った仕掛けが打てたもんだよなと。
 
 自分が曲がりなりにもクリエイターだから誤解を恐れず言いますが、永元はここまでお客さんのことを信じて物語を作れません。クソ度胸ってレベルじゃない。誤解されることは覚悟の上、なんて言えば聞こえはいいけど、気付かれなかったらファンを逃がして総スカンを食らいかねないんですもん。
 それに、キャップ役のクリス・エヴァンスが今回を最後にキャップ役を降板するとか、ヒーローのうち誰かは確実に死んでシリーズを卒業するとか、そういう関連ニュースもどこまで信じていいのやら。少なくとも「ホームカミング2」と「ブラックパンサー2」はやる予定じゃなかったの? どっちも現時点では主人公おらへんやんけ!
 
 ここまで大がかりに仕掛けてきたのなら「どれもこれもぜーんぶウソでしたー! やーいやーい騙されたー!」ってなっても不思議じゃない……。
 ワシゃもう何も信じねェぞ、信じてやらねェんだからな!
 
 つーか、これでクリスのキャップが最後とか俺は納得せんからな!
 ちゃんとヒゲそってしっかり綺麗なスーツ着て、いつものあのシールドぶん投げて悪い奴をバッタバッタなぎ倒してくれずに他の役者に変わるなんて、たとえマーベルが許してもこの俺が許さん! もう一回やれ! いや、やってください……!!!!!
 
 あ、そうそう。
 上記のことを気付いて映画の印象が180度真逆になった我が家では、みんなでこぞって劇場に戻り、インフィニティウォーのグッズを買いあさるという現象が起きました。永元はアイアンマンとスパイダーマン師弟のミニフィギュアを、考察のきっかけをくれた今回MVPのうちのぼんずはドクター・ストレンジのキーチャームを選択。
 しばらくの間、ぼんず一推しのマーベルヒーローは「ドクター・ストレンジ」で決まりみたいですヨ。世間のファンたちは消滅組としてお通夜ムードみたいなんですけどねw
 
2018/04/29


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LIBERTYWORKS 2018/04/29 11:15

「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」について、包み隠さず全力で語ろう。(前編)

警告!

 この記事は、現在公開中の映画に対する評論ならびに考察であり、いわゆるネタバレ要素をこれでもかというほどしこたま含んでおります。
 世間様に「そろそろネタバレしても許されるかな~?」という空気が流れ始めたら、閲覧制限レベルを引き下げるつもりでおりますが、ネタバレとかマジ勘弁と思う方は見ちゃダメですよ。今すぐにブラウザなりタブなりを閉じて下さいね。
 
2018/05/01追記:
 あああああ! 絶望して途方に暮れてるファンが多すぎて見てられない!
 マーベル本家の要請がなんだ! 俺はタブーを破るぞ! 仲間たちのために!
 絶望を抱えて苦しんでいる人たちの元へ、どうか届け! この希望!!!!
 

イントロダクション

 ワタクシ永元は、マーベル映画が大好きです。
 
 そもそもエロ屋を志す前、少年時代に夢見ていた将来の職業は、バトルものや冒険小説を書く活劇作家でした。その情熱を余すことなく注ぎ込んだのが拙作「コヲロコヲロ」なのですが、今のところ自分の中にアレ以上の語るべきテーマを持っておらず、活劇作家としての活動は休止しております。が、厳密に言えば今もなお、その分野で仕事をしたいとは思い続けています。
 こればっかりはね、しょうがないです。夢は夢だよねと片付けられるほど諦めは良くないので。エロ書くのもクッソ楽しいんでやめられんだろうけども
 
 なもんで、マーベル映画が本当に大好きなんですよ。
 
 毎度毎度よくもまあ、手を変え品を変え我々を楽しませてくれるものです。
 派手なアクションやリアルなCGに目を奪われがちですけど、物語も実によく作り込まれていて、未来への希望や人間への信頼感、あるいは将来の社会に対する警告がきっちり盛り込まれている。よしんばそこに気付かなかったとしても、世界トップクラスの名優たちが演じるキャラクターたちの演技を追いかけ人間関係の変化にハラハラドキドキしているだけで、あっという間に二時間少々の上演時間が終了してしまう。後に残るのは「あー、面白かった! 次の新作も観にこないとな!」というポジティブな気持ちだけ。
 曲がりなりにもエンターテイメントを手がける作り手の一人として、これらの作品群を評価するなという方がどだい無理というもの。ちなみに永元が最も大好きなキャラクターは、トニー・スターク/アイアンマン。彼の自宅にあった「何でも作っちゃうよガレージ」には毎回胸を躍らせていたものです。最近その要素があんまりなくてちょっぴり寂しいけど、それはトニーの成長と歩を合わせてのことなので(ここからしばらく話が脱線するので自主的に省略)
 
 そうして、2018年の春。
 やってきました超大作。
 
 「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」
 
 ネタバレの類は一切目に入れず、今年中学二年になる息子とカミさんを連れて、公開二日目の四月二十八日土曜日に、劇場へ駆けつけたのでございます。
 

だがしかし

 最低のクソ映画だった。
 少なくとも視聴直後、永元はそう思っていました。
 
 いや、シーン単位では、もう、ンもう、めちゃくちゃ面白い映画だったんですよ。
 一人一人が主演クラスの実力派俳優や魅力的なキャラクターが次から次に登場してくるのに、その全員にきっちり見せ場があって、ないがしろにされている感が微塵もない。緊迫した空気が漂い始めると皮肉と愛嬌で笑いを誘い、かと思えば即座に絶望の底へ叩き込み、それと同時に希望の光が差し込み、クセが強くて折り合わないどころか仲違い真っ最中のヒーローたちが不可能を可能にするため手を結んで巨悪に立ち向かう。ハンパなかった。みんなほんとに頑張ってた。文字通り死力を尽くしてた。目も心もスクリーンに釘付けのまま、あっという間に上映時間が過ぎ去っていく。
 一緒に観ていた観客の心は間違いなく一つだったはずです。みんな頑張れ、どうか負けないで、お願いだから勝ってくれ……!!!!
 
 ただまァ、結局のところ、何もかもムダだったことになるんですけどね。
 完膚なきまでの完全敗北によって。
 
 どうやら世間ではこれをもって「衝撃的なバッドエンド」と評しているようで、ヒーローが敗北することに対する一種のカタルシスをもって「かつてない傑作」だとする意見が少なからずあるようです。
 続編があると確定しているからこそ可能な展開、ファン層が厚いからこそ可能なビッグブランドの力技。ある人はこれを「スターウォーズ ep5:帝国の逆襲」になぞらえて「あの衝撃を越える映画が出てくるとは思わなかった」とまで言っていた。
 
 とんでもねェよ。
 
 帝国の逆襲は、映画単体で観ると確かにバッドエンドでした。主人公のルークが悪の権化ダースベイダーの息子であるという衝撃の事実が明かされるだけにとどまらず、片腕を斬り落とされて完全敗北。ルークもいつかはダークサイドに堕ちるかもしれないという可能性も示唆された。大局で観れば反乱軍も大打撃を被って、ハッピーエンドだった前作のほぼ全てを覆されてしまう……そういう作品でした。
 でもね。
 「帝国の逆襲」は観客に衝撃と絶望を与えると同時に、たくさんの希望も残していたんです。まず第一にジェダイとしてのルークの修行は道半ばだったし、あの時点では師であるヨーダもまだ生きていた。今はダースベイダーに完全敗北したけど次はそう簡単にいかないし行くはずがないと信じられたんです。反乱軍も決して全滅したワケじゃないし、ハン・ソロも凍結されただけで死んではいない。
 次はきっと勝てる、全てを丸く収めるハッピーエンドが待っているはず。そう信じられたから観客は固唾を呑んで待ったんです。続編を。「スターウォーズ ep6:ジェダイの帰還」を。
 
 でも「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」に、そんな希望は微塵もありません。
 
 敵役のサノスは私利私欲に走るチャチな悪党ではなく、彼なりの確固たる信念を持ち、ステゴロでハルクと殴り合って圧倒するほどの実力がある。おまけにインフィニティストーンというチート級のアイテムを全種類揃えて自分のものにしてしまい、容赦なく一瞬で宇宙の全人類を1/2まで消滅させることに成功します。
 彼に単騎で挑んで勝てる者は誰もいないし、今後はヒーローたちが全員集結して連携を取れることもできない。だってほんとに無差別に全宇宙の人類を半減させちゃったんだもん。戦いの最中で殺されたロキやガモーラやヴィジョンはもちろん、スターロードもドラックスもファルコンもバッキーもスパイダーマンもドクターストレンジもグルートもブラックパンサーもみんなみんな消滅。残っているのはソー、キャップ、ハルク、アイアンマン、ロケット、ウォーマシン、ブラックウィドゥほかわずかな面々だけ。
 
 最初に永元はアイアンマンが好きだと言いましたが、彼が生き残ったからって微塵も喜べないんですよね。そのために払った犠牲が大きすぎるし、そもそも今後トニーがどんなに頑張ったところでもう二度とサノスには勝てませんからね。劇中ひょっとしたら勝ってたかもしれない瞬間はあったんですが、その時はまだサノスの手元にインフィニティストーンは全部揃ってなかったしな。
 特に救いがないのは、生き残り組に属するハルクですよ。もともと彼はブルース博士の身体に同居してる二重人格のモンスターなんですけど、サノスに全力で挑みかかったのに生まれて初めて真正面から殴り返されて完全敗北したせいで心底ブルっちゃって、以後どんなにピンチになっても頑なに変身しようとしなかったでしょ。もともとハルクはヒーローと呼んでいいのか微妙なところにいるヤツでしたけど、今回ガチでヒーローの側面を放棄しちゃったんですもん。ブルース博士はめっちゃ頑張ってたけど……。
 
 仮に再戦の機会があったとしても、勝機はゼロ。
 もう考えるまでもないレベルですよ。ほんとにどうしようもねェ。
 
 そんな絶望感に呆然とするしかない観客の前に、映画の最後、こんなテロップが表示されます。
 
 
 「サノスは帰ってくる」
 
 
 何考えてんだよおおお!!!!!! アホかああああああ!!!!!!!!
 二度と帰ってくんなあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!
 

驚かせりゃいいってもんじゃないだろう

 この絶望を覆す(はずの)アベンジャーズの続編は、一年後、2019年の5月に公開予定だそうですけどね。
 一年って、けっこう長いですよ。そんなに長い間、わざわざ劇場に足を運んだ観客にフラストレーションを抱えさせ続ける気なのかと。今回以上のワンサイドゲームで完敗することは間違いない状況で何を希望に待てばいいのかと。
 
 いやまあ、負けっ放しじゃ映画になりませんしね。そりゃ次回は勝つんでしょうよ。
 だとしても、ですよ。
 それってさ、どんだけご都合主義の奇跡を連発すればいいワケなの?
 なんでもいいからとにかく勝てばいいってもんじゃないのよ? 残ったメンバーだけでうっかり勝ったら今回の犠牲は何だったのよって話になるやん? 白けるどころの話じゃないよ???
 
 何が衝撃の展開だ。
 今まで丁寧に丁寧に積み上げてきたものをブッ壊しただけじゃねェか。
 
 たとえばね、時価数千億円の絵画が目の前にあるとして、それを作者自身がズタズタにして燃やしたとしましょう。そりゃ衝撃的ですよ。何やってんだオイってなります。でもそれだけ。衝撃を与えるためなら何をやってもいいというワケじゃない。作者なんだから自分の都合で作品を葬ってもいいじゃんと言うつもりか。
 いえ、別にいいんですよ。いいんですけどね。好きにすればいいんですけどね。少なくとも永元はそんな真似をして「してやったり!」みたいな顔をする作家を今後も応援しようとは思いません。俺の知らんところで勝手に作品作って勝手に破いててくれ。
 
 次に控えているマーベル映画は「アントマン2:アントマン&ワスプ」だそうな。
 アントマンもめっちゃ面白くて未見の方にはオススメの映画なんですが、こんなヒドい映画と共通の世界で語られる物語だと思うとゲンナリしてくるわけですよ。また作品を引き裂いて「してやったり!」されるんじゃないかと思っちゃいますしね。
 なもんで、わざわざ劇場に行ってまで観る気はなくなっていました。
 つーか、マーベル映画とのつきあいも終わりにしようかと思ってました。
 
 そのくらい、永元は「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」に失望させられたんです。
 
 その思いは、一緒に映画を観ていたうちのカミさんも同じだったらしく。
 鑑賞後に立ち寄った喫茶店で失望の溜息をつきつつ、愚痴の言い合いになりました。
 そんな気持ちになったのは、おそらく我々だけではなかったと思います。マーベル映画のお約束としてエンドロール後のボーナス映像が必ず入るんですけど、我々と一緒に観ていた観客のうち相当な数の人がこれを待たず早々に席を立っていきました。その数が尋常じゃなかった。いつもなら「マーベル映画の初心者さんかな?」とかほほえましく眺めていられるんですけど、今回はそんなレベルじゃなかったです。
 
 あーあ、やっちまったな、マーベル。
 ブランド力にあぐらをかいて、観客を驚かせたらそれでいいと勘違いしたのかなぁ。話題になって観客が入ればそれでOKってことなのかなぁ。要するに炎上商法じゃんね。そんな真似だけはしないと思ってたのになぁ、残念だよ。
 
 ………………と、思ってたんですけどね。
 

そのとき息子が口を開いた

 「いや、それは違うんじゃないの?」
 
 うちの息子が唐突に言うのです。
 これは敗北の物語ではない、少なくとも希望はある、いやむしろ、アベンジャーズが完全勝利することは約束されているはずだよ。お父さんは大事なことを見落としてるんじゃない?
 
「ヘイヘイヘイ、何を言ってるんだボーイ。オトナをからかっちゃいけないよ」
 
 みたいな気分で息子の話を聞いてたんですが、永元が顔色を変えて前言を翻すまでたぶん三十秒もかからなかったと思います。それから劇中の描写を脳内で再検証、いろんな可能性を多角的に考えてみたんですけど……。
 
 これはもう確信でした。
 アベンジャーズは負けてない。
 これは「勝ち」への途中……!
 

どうにもおかしいヤツが一人いる

 この記事の最初に立ち返ります。
 「この映画はシーン単位では本当によく出来ていた」という言葉。
 
 一人一人が主演クラスの実力派俳優や魅力的なキャラクターが次から次に登場してくるのに、その全員にきっちり見せ場があって、ないがしろにされている感が微塵もなかった。それはつまり、各キャラクターの本質が微塵もブレてなかったということ。アイアンマンは本当にいつものアイアンマンで、キャップも何一つ変わってなくて、スターロードは毎度あんな調子だし、スパイダーマンは今回もお茶目でとっても良い子でした。
 
 でもね。
 
 よくよく考えると「このヒーローってこんなヤツだっけ?」っていう不自然なキャラクターがね、いるんですよ。一人だけ。
 厳密に言えば「ものすごく不自然な言動をしているのに、それを不自然だと感じさせない演出上の罠をしこたま仕掛けていて、大半の観客がまんまと欺かれている」のです。
 
 ワタクシ永元は、まんまと騙されました。
 うちのカミさんも騙されました。
 あのとき劇場にいた観客の多くも騙されていたはず。
 救いのないバッドエンドだと思い込んでSNSで愚痴っていたファンもみんなそう。
 
 でも、うちのぼんずは違ったのです。
 
 いえね、気付いたのはぼんずだけじゃないはずなんですよ。そこに気付いてしまえば「ああああ! それしかない!」と確信できるレベルなんだから。
 でも公開から三日目にあたる四月二十八日現在、永元がSNSの検索機能などで調べた限りではまだ見つけられません。救いのない衝撃的なバッドエンドとしてこの映画を評価している(あるいは落胆、もしくは失望、でなきゃ途方に暮れている)人ばかり。
 なもんで、この記事を書いている現在、永元はまだほんの少しだけ疑っています。うちのぼんずの直感と、それを立証した自分と、笑顔で同意してくれたカミさんを。我々家族の間で共有されている希望の光を。
 
 だから今、この記事をしたためているのです。
 どうか希望が幻でありませんように、と。
 あの結末に絶望し、あるいは困惑し、モヤモヤしたものを胸に抱えたままの人たちが「確かにそうかもしれない!」と同意して下さることを期待して。
 
 そしてもし、うちの家族の考察が当たっているとすれば。
 
 マーベルは本当に「やりやがった」のです。
 傑作に繋がる前章を見事に語りきったのです。
 今までついてきてくれたファンを信じて、誤解されて批判を受けるのも覚悟の上で、一年がかりの大芝居を打ってきたに違いないのです……!
 これはね、すごいよ、ほんとにすごいよ、ハンパないことなのだよ……!
 
 というあたりで、今回はいったん記事を締めます。
 思い入れが強すぎて長々と書きすぎた!
 えーと、今回は問題の「とっても不自然な一人のヒーロー」の名前だけ明かしておきますね。彼の名は――――――
 
 
 
 「ドクター・ストレンジ」
 
 
 
 次回につづく!
 
2018/04/29


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LIBERTYWORKS 2018/04/27 10:42

TSモノのエロゲを商業で作るのはクッソ難しいんだよなぁ、という話。(5)

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