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キスハメの記事 (16)

夜山の休憩所 2023/01/09 08:31

制作中の同人ノベルの一部を公開(文庫にして約25P弱)(2023年1月09日)

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2023年1月09日 追記

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19071327
ピクシブにもアップしました。
ここにアップしたのと同じ内容ですが縦読み仕様です。
フォロー不要、アプリ類のインストールなしでご覧いただけます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いつも応援有り難うございます。

制作中の同人ノベルの一部を、
「無料プラン」にアップしました。
フォローするとご覧いただけます。

以前の記事で2022年内にリリース予定と書きましたが、
まだ制作中です。
今回アップしたくらいのページ数が残っています。
リリースまであと1、2週間くらいかかる見通しです。


作品の概要は次のとおりです。

・作品全体の傾向
 主人公である夫が、妻の友達で妊活中の幼妻と妻公認でエッチしまくるお話。


・作品の章題と内容
 第一章(文庫にして50P弱)
 題名 「第一章 ゴムありセックスで絶頂する妊活中の巨乳ツマトモ」
 内容 主人公と桃香の初エッチ。
 ※こちらでご覧いただけます。

 第二章(文庫にして25P弱)※今回アップ分です。
 題名 「他人棒と子づくり」
 内容 主人公が桃香と子づくりエッチします。
    妻の心音と桃香の夫の亮一が見ています。


・主な登場人物

 富羽 猛(ふわ たけし)
  主人公。心音の夫。二十代後半。会社員。性欲旺盛なマッチョ。

 井口 桃香(いぐち ももか)
  メインヒロイン。心音の友達。妊活中。
  二十代半ば。エロマンガ体型の幼妻。明るい性格。

 富羽 心音(ふわ ここね)
  猛の妻。桃香と友人関係。妊娠中。
  二十代半ば。会社員。モデル体型のクール妻。プライドが高い。

 井口 亮一(いぐち りょういち)
  桃香の夫。二十代前半。会社員。優しくて穏やかな性格。


よろしければ。 
それと、開発中につき製品版とは内容が異なる場合があります。


いったん、CMが入ります。



いいねやフォローなどをしていただけると嬉しいです。

・ピクシブ https://www.pixiv.net/users/4149128
・ニジエ https://nijie.info/members.php?id=987459

・PAWOO https://pawoo.net/@kimoriya
 イラストを描いているとき進捗をアップします。(現時点で)

 





これまでこんな作品を創りました。 ※2023年01月現在

「商業」
●キルタイムコミュニケーション(俗称 KTC) 様
 木森山水道 名義

2022年
・「寝取られ滅魔忍カリン 妖魔のまぐわいに乱れて堕ちる」
 二次元ドリームマガジン119号 掲載

その他の既刊はこちらです。


●フランス書院 様
 石川檸檬 名義

2022年
・「ヤリモク 大嫌いな上司の妻と排卵日セックス」
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
・「ハツハメ 内定と引き換えに恋人の父に捧げられる晴れ着姿」

その他の既刊はこちらです。


「同人」

●FANZA 様
「夜山の休憩所」名義 
 既刊一覧はこちらです。

●DL.site.com 様
「夜山の休憩所」名義
 既刊一覧
同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite

※「FANZA」様と「DL.site.com」様の登録作品はほぼ同じです。
 他の同人ショップにも作品を登録していますが、品揃えは少ないです。


●amazon 様 ※すべてキンドル作品です。
木森山水道、石川檸檬、石川れもん 名義
※作品の傾向に合わせて使い分けています。

2022年
・「マーメイドが溺れる夏」
・「ばつゲーム」
・「ハニトラ・ワイフ」
・「たばかりギャル」
・「バレンタイン・キッスのユクエ」
・「魔滅の巫女」
・「ギャル義母の成人式」

既刊一覧はこちらです。
https://amzn.to/3VvQhl3


お楽しみいただけましたら幸いです。

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夜山の休憩所 2022/12/16 06:04

「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」立ち読み版(2022年12月16日)

いつも応援ありがとうございます。
今月に専売が終了した作品を再販しました。
下に内容の一部を掲載しております。
よろしければご鑑賞ください。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「そろそろ、世のカップルらもベッドインする時間。わしらも加わろうじゃないか」
(ごめんなさい旦那さま……)

夫を守るため、〝性の六時間〟にゲス重役にカラダを許す人妻。
ミニスカサンタへの着替え強要を皮切りに、
豊満な双乳から弄ばれる。
もっとも守るべき場所にも猛々しく押し入られ、
さらに先の深奥すら灼熱の種汁に浸食されていく。

〝オンナの業〟に巧みにつけ込む百戦錬磨の快楽責めの前に、
強固な心のガードも弱体化の一途を辿る一方。
背徳のホワイトクリスマスのたけなわに行う、
気の強い美妻の選択とは……。


「製品には次のものを同梱しています」
 ・画像版(JPEG画像。おまけ4コマ含め100枚超え)
 ・PDF版(一般の小説と同じく右→左へ進む形式。しおり設定あり)

「体験版、立ち読み版掲載サイト」※お店の商品ページからはデータ版をDLできます。
 ・ピクシブ(「縦書き」で読めます。設定などは不要です)
  https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18910711
 

「お取り扱い店様」
・DL.site.com 様 税抜き500円です。

・FANZA 様 税抜き400円です。



※この作品は他のお店の専売品として昨年リリースし、
 現在はお取り扱いが終了している同名作品に
 「おまけ4コマ」を追加した改訂版です。





     1
 
 雪がしんしんと降り積もるホワイトクリスマスとなったその日の夜、柊美奈(ひいらぎ みな)の姿は郊外のラブホテルにあった。
「いい加減教えてください。夫にかんする重要なお話というのは、なんなのですか、南野(みなみの)部長」
 結婚指輪が光る三十二歳は、キングサイズのベッドに腰掛ける五十一歳で会社の重役である富夫(とみお)を詰問する。
「クリスマスにも残業しなくてはならない夫が帰宅したら、精一杯のもてなしをして癒やしてあげたいのです。いつまでも家を離れられません」
 男女が性行為に耽るための室内の造りは豪奢で、時期に合わせてクリスマスリーフなどの飾り付けがされていた。もしも夫と訪れていたら気分は上がって、普段はあまりしない大胆なプレイもしてあげていたに違いない。
「では奥さん、落ち着いて聞いて下さい」
 スーツ姿のすだれ頭は、もったいぶった口をきく。
 夫の一大事をチラつかせ、部下の妻をこんな場所へ連れこむ性根が表れた脂ぎった顔は、薄笑いを浮かべている。人と話すというのに、目はカラダを這っていた。
 いくら嫌悪と軽蔑の視線を投げかけても、コートとロングスカートを大きく突き出す胸元とヒップを、目線で撫で回しつつ告げる。
「あなたの夫の進くんには、横領の責任をとってもらうことになりました」
「い、今、横領と仰ったのですか!」
 エアコンが効いて温かい部屋から一瞬で、雪が降り続ける外に放り出された心地になって、足下から崩れ落ちた。
「お気の毒ですが、奥さんの聞き間違いではありません」
 中年の重役は、ショックを受けた人妻に、サディスティックな笑みを浮かべている。口調も酷薄で、手を引いて慰めようという素振りもない。
「勘違いしないでいただきたい。進くんが違法行為を働いたのではありません」
「で、ですよね……はぁ……うちの人は、真面目で誠実な……夫としても人としても尊敬できる男性です。犯罪に手を染めるなどありえませんわ」
 胸をなで下ろすものの、腰が抜けてまだ立てない。
 ヒダの長い絨毯にへたりこんだまま、気になって仕方がないことを訊ねる。
「ならどうして、夫に横領の責任をとらせるなどと……」
「やったのは彼の部下でしてね。部下の不始末の責任は、本人だけでなく上司もとるべきでしょう」
「それは……」
「残念なことに被害額は莫大です。故に責任も重大。彼に弁償してもらうことはいたしませんが、ケジメとして辞めていただくことになりそうです」
「まさか! 夫はまだ二十八歳なんですよ? 上司といっても立場は係長の下のチーフ程度。なのに、そこまで重い処遇を受けるだなんておかしいですっ」
 怒りのあまり、すっくと立ち上がった。
 夫が仕事に傾けている熱意は、ずっと支えている妻は分かっている。
 生きがいと言っても過言ではないことを他人のミスで奪われたら、どこまで落ち込むか見当も付かない。立ち直れず、廃人のようになる可能性だってある。
 考えれば考えるほど、胸が締めつけられて寒気がした。
 近頃、残業が多く、クリスマスの今日ですら仕事をしているのは、この件と無関係ではないだろう。青い顔をしていても、心配をかけさせまいとカラ元気を出して接してくれている健気さも、改めて心に染みた。
「これは内定事項でしてね。ことがことだけに内々に済まされることですが、年明けにも、彼に伝わる手はずです」
「内定ということは、まだ覆る余地があるのではないですか? 南野さんが働きかけてくだされば、再考してもらえるはずです。どうかお願いしますっ」
 なりふり構わず絨毯に手を着き、額を擦りつける。
「フフフ……奥さんは、重役であるわしの影響力をよくご存じなのですね。なら、話は早い。ご自慢の旦那さんは確かに優秀。失うのは惜しいと思っています」
 夫にとって好ましい言葉に、妻の顔が上がる。
「しかし、会社の方針に逆らうとなると、相応のリスクがありますからな。それに見合う報酬が欲しいものです」
「も、もちろん……わたしに差し上げられるものでしたら……なんでもお渡ししますわ……ッ」
「では奥さん……今年のクリスマスは……旦那さんの代わりにわしと過ごしてもらえますかな? もちろん、熱愛夫婦としてねぇ」
 ゆっくり背後に回った重役はしゃがみこむなり、土下座のポーズで突き出されている、人妻のお尻を撫であげた。
「なっ……この不埒者!」
 瞬時に切れ長の目がつり上がり、弾かれたように立ち上がった。
 あっけにとられて目を剥く中年の手を取り、刹那で床に組み伏せる。
「いくら夫のことを持ち出されても、ラブホテルなんかにノコノコついてくるものですか。なにかあったときに切り抜けられる自信がなければねっ」
「あいたたた……ぼ、暴力はよせっ……こんなことをしても、夫のクビは覆らないぞッ」
「……この古狸っ」
 忌々しいが卑劣漢の言うとおりだ。
 悔しさの溜息を吐き、拘束を解いてゆっくり離れる。
「ふぅ……寿退社して家庭に入り何年も経つのに、気の強さと護身術は相変わらずか……いやぁ実にまいった」
「そっちこそ、ゲスな性根は治ってないのね。むしろ磨きがかかっているわ」
 汚らしい取引を持ちかける相手に丁寧語を使う気にはなれない。
 しかも相手は在職中も、権力を笠に着てセクハラ同然のことを何度もしかけてきた最低最悪の男なのだ。
「交渉は不成立ということでいいんだね? 夫の生きがいより妻としての貞操をとるとはご新造の鑑だよ」
 蓮っ葉な言葉づかいをしても、ゲス重役は咎めなかった。
 自分も取り繕うのをやめて言ってくる。
「認めたくないけれど……聞こえてくるあなたの影響力は本物。夫のことを取りはからってくれるというのも期待できるわ……だから……」
 身を焼かれる思いをしながら、しょう然と頭を下げる。
 不埒者とののしって組み伏せた男に、コートのカラダをくの字に曲げ、深々とお辞儀をする人妻の様子に、彼の口角が汚く上がった。
「では、わしらはこれから、一夜限りの夫婦だぞ」
 卑劣な重役は微塵も、良心の呵責に苛まれない。
 それどころか心底楽しげに、スーツの股間は盛り上がっていた。

     2

「こ、ここで着替えろと言うの? しかもこんな衣装に……ッ」
「きみの魅力を引き立てるのを第一に考え、このわしが用意したプレゼントだ。クリスマスという特別な日の夫婦の営みは、きっと充実するだろう」
 渡された包みを開けるなり食ってかかった美奈だが、ベッドに腰掛ける富夫は意地の悪い笑みを浮かべるだけで取り合わない。
 彼は既に服を脱ぎ散らかし、全裸になっていた。
 少しお腹が出ているものの、すだれ頭の汚らしい中年顔のわりに、大柄で筋肉質な身体は一〇歳は若々しい。足を開いて股間を見せつけ、屹立する逸物を見せびらかす趣味の悪さにはついて行けず、人妻はすぐに目を逸らした。
「さあ、早くしたまえ。そろそろ、世のカップルらもベッドインする時間。一年で最も、セックスが行われるという時間帯だ。わしらも加わろうじゃないか」
 下劣な重役の脂ぎった目が下品に光る。
(やるしかないようね……)
 夫を救うためには、言うことを聞く他ない。
 愛する男性以外に、着替えを見せることも、手ずから選んだという衣装を着てやることもしたくないが、避けられないのだ。
(ごめんなさい旦那さま……)
 深呼吸して覚悟を決め、渡された包みを一旦置いた。それからまずは、コートを脱ぎにかかる。
「おおっ、始めおった」
 夫と一緒に選んだお気に入りの身頃を開きながら細腕を抜き、背中と肩のラインに沿って厚い生地をすべらせる。
「うほほ、いかにも貞淑な人妻という感じの服装だな」
 最初の結婚記念日にプレゼントされた真珠のネックレスと、純白の縦セーターと、薄ピンクでヒダが多いロングスカート姿に、何度も頷く。
「身体のラインを見せる被服ではないのに……くぅっ、オッパイも尻も、一目でわかるほどせり出しているぞい」
 厚着でも隠せない、熟れたセックスアピールを目の当たりにして、中年の鼻息が荒らいでいる。
「他人の妻に脱衣させているのに、よく喜べるわ」
 ネックレスを外して大切に床へ置きつつ、睨みつける。
「だからこそ興奮するのが男心だ」
「男代表みたいに言わないで。わたしの旦那さまは違うんだからっ」
「わしのアプローチを何度も袖にしておきながら、あんな若造と結婚するのだからきみも物好きだ。お陰でこうしていられるのだがねぇ」
「フン……だ」
 下劣な中年の強烈な視線にさらされていると、厚着をしていても下着姿で放り出されたみたいな心細さを憶える。
 憎まれ口を叩いて紛らわそうとしても、性格が最悪でも重役まで昇りつめた百戦錬磨の舌でイヤなことを意識させられた。
 いつまでも誤魔化せないだろうし、口元を引き結んで両手を伸ばす。
 豊満なバストの下でクロスさせ、裾の端を掴むと、肌に沿って引き上げていく。
「おほっ……きたきた……待望のナマ肌が見えてきた」
 両手を握りしめて息巻く中年の前で、夫にしか見せてはいけない人妻の柔肌が露出していく。
「んっ……あんまり見ないでよね……調子が狂うわ……っう」
 緊張して脱衣がスムーズにいかない。
 胸元で引っかかってしまった。
 何度か深呼吸して自分を落ち着かせてから、えいっと力を強めて一気に上げる。
 セーターは瞬く間に脱げ、引きずられたブラジャーの胸元が大きく弾んだ。
「ほぉ……やはりオッパイは抜群に大きいな……強気な奥さんに似合う、セクシーなブラはよく似合ってるわい」
 セーターを手からも抜くために、少し前屈みになるや、胸元が小さく揺れた。
 三十二歳の人妻の双乳は、どちらも大人の顔よりも大きい。
 シミひとつなく血色のいい巨乳が纏う下着は、黒いレースのランジェリーで、バラ模様が乱舞している。
「女のバストは見世物じゃないわよっ……少しは遠慮したらどう?」
「ずっと見たかったものを我慢するなど馬鹿馬鹿しいからねぇ」
「娘くらい歳の離れた女のオッパイに夢中なんて、信じられないわ」
 性根の汚らわしさに我慢できずに睨みつつも、前傾してスカートのホックを外しにかかる。
 押さえがなくなったら両サイドに指を入れ、脚のラインを滑らせた。
「お、おほぉっ、とうとう下まで……!」
 片足ずつ上げてスカートを完全に脱いで現れたのは、ブラジャーと揃いのショーツだった。三角形のフロントはだいぶ面積が小さい。ヒモみたいに細いサイドは斜めに伸び、腰骨の辺りに引っかかっている。
「ここまで色っぽいとは……ッ」
 とうとう中年は身を乗り出す。
 セクシーなショーツが貼りつく陰部はふっくらと盛り上がり、縦長のおヘソの周りのお腹も、柔らかく引き締まっていた。それでいて、クビレはハチみたいに細く、巨乳に引けを取らない、ボリュームたっぷりのヒップの量感を強調する。
「このオマ×コに早くチ×ポを突っこみ、股間をぶつけまくって、具合を確かめたいものだわい」
「くっ……ほんっと穢らわしいッ……吐き気がするわッ」
 見ないようにしている汚らしい男根が、視界の端でしきりに跳ね回っている中、真っ赤なガーターストッキングを順番に外し、パンプスも脱いで、落としてきた衣類の側に置く。
 人妻はとうとう、夫以外の男の前で下着姿になってしまった。
「いい格好になったな奥さん。見れば見るほど、いいカラダしてるなァ」
 両手で胸を抱くポーズで険しい目を向けてくるのを、余裕の態度で見返し、改めて目で全身を舐める。
 バストは女の細腕やわきの下から悠々とはみ出し、ヒップもクビレから大きくせり出していた。それでいて、どこを見てもシミもキズもひとつもないのが申し分ない。
 何年も焦がれた、奇跡の塊みたいな女体を好きにできると思うと、いてもたってもいられなかった。
「すぐに押し倒したいところだが、まだ下着以外の服を脱いだだけ。わしが用意したコスチュームを着てもらおうか」
「わ、わかってるわよ……うぅ……こんなもの……どこで売っているの?」
 腰を折ってバストを垂らしつつ、包みの口に手を潜らせた。
 被服のひとつを取り出す。
 ひとつめはブラジャーだった。
 真っ赤な帯状の布地で、片側は純白のファーで縁取られている。
「ほんと悪趣味……この歳でチューブトップを着けることになるなんて……ん」
 大きく張り出したバストのトップが隠れる位置に持ってきて、ゆっくり巻き付ける。
「レースのブラは外さないのかね」
「コレを上から着けた後よ……んんっ……旦那さま専用のわたしのバストを、簡単に見せてやるものですかッ」
「無駄な抵抗をするものだ。でもいい。楽しみが増えた」
「っう……このブラ……サイズが合わないわ……少しキツイ……」
「大きめのを用意したというのに、小さい? 予想以上の巨乳なのかッ」
 豊胸ぶりを改めて知らされ、興奮は高まる。
 中年は固唾を呑んで着替え鑑賞に没頭した。
「くぅっ……こんなに着替えに時間をかけるのは初めてよ……えいっ」
 面長な美貌に汗をかいてようやく着けた後、最初から着用していたレースのブラを苦労して外す。
 すると、小さいチューブトップは、横倒しした釣り鐘みたいな巨乳の先端に食いこみ、段差のカゲが生じた。
「顔より大きいオッパイに、チューブトップが食いこむ様子も堪らんわい」
 上がった歓声に人妻がイヤそうに顔を背ける。
「むほほっ、これはすごい!」
 新しいコスチュームをとるために包みに向かって上体を倒したら、中年の鼻の下がまともにのびた。
 巨乳は重力に引かれ、紡錘形に変わっていた。
 釣り鐘を逆さにした形でありながら、はちきれんばかりに丸く膨らんで、抜群の量感と熟れた色気を醸し出している。
「しつこく見ないでよっ……こんな恥ずかしい姿は、旦那さまにも見せたことはないんだから……」
 言っても無駄だとは分かっているが、釘を刺さずにはいられなかった。
 しかし案の定、中年は一段と強い視線を双乳に浴びせてくる。
「いやだわ……なんだかヘンな気分になってきた……」
 視姦されているのを意識させられればさせられるほど、胸の奥が妖しくざわめく。いやらしい弱い痺れも起こって、落ち着かなかった。
「もう……最悪……」
 最低の男の評価なのは分かっているが、旦那さまに喜んでもらうために、手入れを欠かさず美しく保っているカラダを称えられて、無意識に反応してしまう。
「あんな奴を喜ばせるなんてうんざりよ……早く終わらせたいわね」
 摘まみ上げたスカートのサイドを持って、片足ずつ入れていく。
「んぅ……やだ……これも少し小さいわ……キツぃ……んんっ」
 ムッチリした太ももの半分辺りで引っかかったのを、汗をかきながら強引に上げて、熟れた水蜜桃の輪郭をズリ上がらせる。
「ほほぅ……スカートも合わないとは……尻も見た目以上に大きいらしい」
 中年の目が野卑に輝く。
 裾がファーで縁取られている、真っ赤なマイクロミニのタイトスカートを穿き、鈍く黒く光る革ベルトも締めた下半身からは、艶めかしくムチムチした太ももが伸びている。長く均整が取れている美脚なので、色っぽさはひとしおだ。
「どんな肉の感触か、早く確かめたいものだ」
 ひとりごちる中年を無視して、人妻は残りの衣装も身につける。
 包みから順番に、肘よりも長くて指のところが抜いてある網グローブと、揃いの網タイツ、それにサンタ帽子を取り出して、しかめっ面で装着していく。
「これでいい? ショーツはないけれど」
「ぜんぶわしのコーデにするのもいいが、ひとつでも、夫を喜ばせるためのものを身につけさせるのもいいからなァ」
「……ほんと悪趣味だわ。実直な旦那様が大ピンチに陥って、こんな奴が権力者としてのさばっているだなんて、世の中理不尽よ」
「ずっと狙っていたきみと、一夜でも夫婦気分を味わえるんだ。世の中は満更でもない。妻として、同じ気持ちを分かち合わせてあげよう」
「考えが共通するようになるなんて、ありえないわ」
 この期に及んでも反抗的な人妻だが、弱みを握られているのは変わらない。「両手を頭の後ろに組むんだ」という指示にも、イヤイヤにだが従う。
 意味を察し、嫌悪と屈辱で震える両手をのろのろ動かし、言われたポーズになると、中年の鼻の下が最高に下がった。
「おおおッ、想像以上に見事なカラダだ」
 サンタ帽子が決定的だが、平ゴムみたいに幅の狭いチューブトップと、太ももの間からお尻の膨らみが見えるほど丈の短いスカートは、サンタクロースをイメージした破廉恥衣装だ。
 アダルトな網の長手袋とタイツの組み合わせといい、カラダを守るという服の本来の役目よりも、男を喜ばせるために女体を淫らに彩るという、下劣な目的で生み出されたものとしかいいようがない。
「少し猫背になっているぞ。背筋を伸ばし、オッパイを突きだして、もっとよく見せるんだ」
 命令慣れした重役らしく、横柄にいやらしい指示を飛ばしてくる。
「こんな恥辱は初めてよ……ッ」
 目を合わせて睨みながらも、全身を震わせて言うとおりにする。
 ゆっくりしたにも関わらず、まだハリが強い双乳は三、四回小さく揺れた。
 結婚してから数年経っても、夫と熱愛している人妻は、彼の助命と引き替えにカラダを要求してくる鬼畜の言葉に沿い、ミニスカサンタコスチューム姿を見せている。
 柔らかく肉がついても体型にはメリハリがあり、乳房と双臀は抜群に脂が乗っている三十二歳の女体を、見下げ果てた男の欲望を満たすために使っているのだが、鑑賞物を演じるだけで終わるわけはない。
 見たくもない重役中年の股間からは、長大な勃起がそそり立っている。
 クリスマスの夜は、まだ始まったばかりなのだ。

     3

「むふふ……近くで見ると、一段と大きいじゃないか」
「ッ……人妻のバストをなんだと思っているのよ……っ」
 美奈が自分の用意したミニスカサンタコスチュームに身を包むと、夫の助命と引き替えに妻のように振る舞い、カラダを好きにさせろと要求してきた会社の重役の富夫は、ベッドから降りて正面に立った。
 彼女はモデルみたいに背が高いが、中年はさらに大柄だった。
「う……臭い身体を近づけないでちょうだいっ」
 やや腹は出ているが、すだれ頭が似合う下卑た顔の割りに、筋肉質な肉体からは、キツイ加齢臭が出ていた。
 意識して嗅がなくても鼻腔をくすぐられて、胸の奥が不快にざわつく。
「男の体臭は、皆こんなものだろう」
「旦那さまはいつも清潔感があるわ。男臭さもいい匂いよ。あなたと一緒にしないでちょうだい」
「むだ毛は念入りに処理しているよ。オンナの肌を味わうのに邪魔だからなァ」
「汚らしい動機じゃ台なしよっ」
 悪態をつく人妻だが、命令に逆らえないのは忘れていない。
 今も頭の後ろで手を組み、夫専用の豊満な乳房を卑劣中年に向かって突きだしている。
「こんな状況でも気の強いことだ。オッパイがますます美味そうに見えるわい」
 加齢臭漂う大きな手が両方とも動き、双乳に触れた。
「う……とうとう……」
 丸く膨らむ上乳に両方の手の五指が軽く密着した瞬間、不快な電気が湧いた。
 嫌悪感から自然に片眼が閉じて、口元が引き結ばれる。
「ほうほう、こいつは」
 中年の方は正反対に上機嫌だった。
 太くて硬くてゴツゴツしている両手の指を器用にバラバラに動かし、シミひとつない柔肌を撫でてくる。
「絹みたいにスベスベじゃないか。低めだが、伝わる温もりも手に心地いい」
 指の腹を使った、触れるか触れないかのタッチでデタラメにまさぐる。
 これだけでも、手指には痺れる性感が湧いた。
 もっと味わいたい欲求も起こり、撫で回すのがなんとも楽しい。
「んっ……見かけによらず……繊細な触り方じゃないの……」
「期待するといい。一夜夫となったわしは確実に旦那よりも上手い。たっぷりと、性の快楽で狂わせてやろう」
「あんたみたいな鬼畜に犯されてよがるなんて、ありえないわ……ん……調子に乗っても恥をかくだけよ……ぅん……」
「それはどうかな? ほれほれ」
「んん……うぅ……はああ……」
 ねちっこく触られているうちに、乳房の体温が上がってきた。
 湧き続ける痺れはむず痒さめいてくる。
 落ち着いていられなくなり、気付くと身体が揺れていた。
「おや、もう感じてきたのかな?」
「そんなわけないでしょ……ん……触られても気持ち悪いだけなんだからっ」
 反論するが、火照りも仄かな性感も高まるばかり。
 無視しようとしても、カラダは別に意志を持っているみたいに昂ぶっていく。
「上ばかりでは物足りないだろう。下もちゃんと可愛がってやるぞ」
 両手とも、先端に向かって上乳を滑った。
 そのままチューブトップも進んで、球技のボールみたいに丸く下ぶくれする下乳のラインをさすり始める。
「はぁぁっ……な……なにごと……っ」
 上乳を触られていたとき以上の快感電気が乳房を貫いた。
 小さく揺れていたカラダは弾かれたみたいに背伸びする。
「うっ……やだ……こんな……ッ」
 中年の手と密着しているというのに、下乳が気持ちよさそうに痙攣する。
 無理矢理手込めにされている女の反応ではない。
 恥ずかしくて頬が紅潮した。
 スッキリした両頬には、夫について話があると言われて外出したときにした化粧がまだ残っており、室内灯を反射して艶やかに光る。
「ほほぅ。上よりも下の方が好きと見える。もっと弄ってあげよう」
「ふ、ふん……勝手に勘違いしてればいいのよ……く、うぅっ」
 鬼畜を調子づかせないためにも、操を守るためにも、これ以上、恥ずかしい反応も声も上げられない。
 密かに歯を噛み縛り、あえぎ声をとどめにかかる。
「思い違いはそちらだろう。そろそろ、本格的にオッパイ肉の具合を教えてもらうよ。それがてら、可愛がってやるというのだ」
 まさぐるのをやめ、手からもはみ出すサイズの下乳の中心を、軽く摘まんだ。
「おお……年相応に柔らかいが、ハリも強いな。この反発力も心地いいぞ」
 位置を変えて感触をみるが、どこも遜色なかった。
 気の強い人妻の下乳は、いずれの場所も柔らかくて弾力があって気持ちいい。
 摘まむだけでは満足できなくなったら、はみ出すのも構わず鷲づかみにし、両手の五指を食い込ませた。
「うぐぅぅぅぅッ……あああ……はあぅぅぅッッ」
 迸った乳悦に、噛み縛った口元がほどけかけた。
 なんとか恥声をこらえたものの、外出の際に真っ赤な口紅を塗った厚い唇はヒクヒク痙攣している。
 自然に背中が反れた弾みで、チューブトップに引き締められている豊胸も二、三回波打った。
 ハリの強い乳房は粘っこい波紋を広げた後に、定位置に戻る。
「奥さんは、下の方が好きなんだね?」
 声を抑えられたとしても、カラダは露骨に反応してしまったのだ。
 気付かない方がおかしい。
 弱みを把握した中年は、優しく指を埋めこんでは、力を抜いて元の形に戻す揉みこみを繰り返す。
「何度やっても、手のひら全体が蕩けて気持ちいいわい。奥さんも、そうなんだろ? ん?」
 分かっているくせに訊ねてくる。
 話しかけている間も愛撫は精密で、一瞬も乱れない。
(ああっ……そんなに繰り返されたら……ぐぅぅぅッ)
 揉まれるリズムに合わせて乳悦が迸った。
 鋭くて尾を引く性感は、愛撫されればされるほど大きく濃密になる。
 カラダからは力が抜けて、双乳は震えっぱなしだった。
「おや、乳首が勃ってきた。こちらも可愛がって欲しそうにしてるじゃないか」
 下乳を執拗に揉みたてながら、熱く重たくなってきた頂を横目で見てくる。
「ああぅッ……ちょ、ちょっと……ッ」
 見れば、真っ赤な布地ごと太く屹立している。
 ブラジャーはコットン質だが、肌着よりも水着に近い厚みがあった。
 なのに、見間違えようがないほど長く幅広くそそり立っているのも、絶対に見られたくない最低男に見られているのも恥ずかし過ぎた。
 このうえ、触られるだなんて。
「はあ……はあ……ま、待ちなさい……っ」
 認めたくないが、性格はともかく女の扱い方は上手くて慣れていると言うほかない。
 少し触っただけで、嫌悪しかない女の乳首を勃起させたのだから、相当だ。
 そんなテクニシャンに、乳肌よりも敏感な場所に目を付けられたと思っただけで、背筋が寒くなった。
 十中八九、乱れてしまうに違いない。
 もしかしたら、オッパイだけでイカされることだってありえる。
「あああ……やめて……そこだけは……ああん」
 心臓がドキドキと早鐘を打つ。
 はしたなく早まる呼吸音が、耳の裏に聞こえてきた。
「大人しく、頭の後ろで手を組んでいるんだ」
 中年は低い声で釘を刺す。
(で……でも……ぉ)
 醜態をさらすのが目に見えているのだ。
 なりふり構わず中年の手をとってひねりあげ、妻の矜持を守るべきではないのか。護身術の腕前がさび付いていないのは、ついさっき確認したばかり。やる気になれば簡単だ。
 しかし、実行して愛撫が終了したらと思うと、今まさに、触れられようとしている乳首が切なく疼いた。
 脳裏には、上手にあやされてよがる自分の姿が浮かぶ。
(だ、だめよぉ……わたしは旦那さまの妻なのよ? こんな鬼畜のオモチャにされるのを望むなんて、いけないわ……)
 心が揺れ、心臓がメチャメチャに弾み、意識がときどき途切れる。
 何時間も惑乱していた気分だが、実際はほんの数秒だったのだろう。
 気がつくと、中年の汚く太い指が無防備な頂を挟んでいた。
「オッパイだけじゃなく乳首も相当ぶっとそうだねぇ」
 親指と人指し指で根元から摘まみ、優しく押しつぶしては力を抜いて元の形に戻すのを繰り返す。
「ぐぅぅぅ……んあああっ……はあああぁぁんんん」
 鋭くて濃密な快感電気に貫かれ、とうとう口元がほどけてしまう。
 あられもなく上がった嬌声は、敗北の証だというのに、自分で聞いても蜜みたいに甘く、耳たぶまで真っ赤になった。
「気が強くても、他のオンナのように乳首も好きなんだな」
 汚く相好が崩れたすだれ頭は、ここぞとばかりに責めたてる。
 感触を確かめるみたいに摘まむだけでなく、慈しみが感じるほど優しくよじりもする。
「オッパイもよかったが、先っぽの感触も素晴らしい。コットンの布地越しだが、グミみたいにプリプリしていて、摘まみ心地は最高だぞ」
 大きいブドウ粒みたいに太く長く充血した内部がざわめき、気持ちよさそうに脈動するのが伝わるのも心地よかった。
「乳首だけでは気の毒だ。オッパイも触って、もっと気持ちよくしてやろう」
 下乳をさすりつつ、伸ばした親指の先で乳首を転がす。
 別の手は横から乳房を鷲づかみにし、ブラジャーを隔てた上と下に指を食いこませた。そのまま肉釣り鐘の芯まで揺すぶってやる。
「はああ、いやぁっ……ンンン……そんなにされたら……はあぁンン」
 反抗的に尖っていた声がまるくしどけなく乱れている。
 口紅で真っ赤な唇は半開きから閉じなくなった。
 呼吸は乱れ、せわしなく吐く息は熱くて湿っぽい。
(ああぁ……このままだとほんとに……オッパイだけでイカされちゃうッ)
 信じられないが、オーガズムの気配は近づいている。
 乱暴されているのにオンナの至福に昇り詰める生き恥をかいてしまう瞬間が、刻一刻と近づいている。
 下劣な中年は愛撫を少しも間違えない。
 好き勝手に、あるいは乱暴に扱っている風に見えても、双乳は切なく張り詰めて、爆発の瞬間に向かって距離を詰めさせられている。
「い、いやっ……あああん……許して……ああンン」
 サンタ帽子ごと髪を打ち振る。
 愛する旦那さま以外の男に果てさせられるなど絶対にイヤなのに、カラダは心から離れて絶頂へひた走る。
 頭の後ろに組んだ手で、中年をねじりあげる気持ちも湧かないのは悲しかったが、胸の奥の妖しいざわめきと爛れた痺れに乗っているのは、妙に心地よかった。
「ああ……もう……い、イク……ああん……オッパイ、イクぅッ」
 観念したミニスカサンタ妻の声が、クリスマス仕様のラブホテルに艶めかしく響いた。

     4

「え……っ」
 このままでは確実に達すると思った瞬間、美奈の乳房から富夫の手が離れた。
 双乳は粘っこく弾み回った後、自然な位置に落ち着く。
「地声は女優みたいに低くて澄んでいるが、いよいよというときは、可愛く甘く啼くんだねぇ」
 中年にニタニタ笑われて、羞恥と屈辱で顔が熱くなった。
「夫の前でも、そうなのかい?」
「教える義理はないわっ」
 目を合わせていられなくて、顔を背ける。
 恥ずかしくて堪らなかった。
 仕方なくカラダを明け渡しているのに……あれだけ反抗的な態度をとっていたのに、痴態を目撃されるなんて。
 だが、カラダの反応は違った。
(うぅ……どうしてこんなに……疼くのよ……ぉ)
 絶頂をお預けされた双乳は、切なく腫れ上がっている。
 乳頭は特に酷かった。
 じっとしていられず、自然に胸元がくねってしまう。
 やたら熱くて、汗ばんで不快で、おまけに窮屈。チューブトップをすぐに脱ぎ捨てたい気分だ。
「少し触っただけでイキかけるとはねぇ」
 気がつくと、中年は背後に回っていた。
 五十一歳の割りには筋肉質だが小汚いカラダで密着してくる。
「いくらわしが上手くても、感じすぎだ。しかもきみは人一倍気が強いのに……であれば……ひょっとして、欲求不満だったのかね?」
 なめらかな背筋に自分の前半身を思い切り押しつけ、がら空きのわきの下から太い腕をとおし、双乳の下ぶくれに再び触れてくる。
「近頃の夫は残業漬け。寂しい思いをしていて当然か。どうだね、図星だろう」
「か、勝手なことを言わないでっ」
 首を少し巡らせ、横目で睨みつける。
 確かに、夫と過ごす時間は減ったが顔を合わせたら優しい言葉をかけてくれる。仕事中でも時間を見つけて、SNSで連絡もする。
 夫として妻を気遣ったり尊重したりする姿勢は健在なのだ。
「わたしたちは、心で通じあっているの。不満なんてないわっ」
「ほほぅ……その言い方からするとやはり、セックスはご無沙汰らしい」
「ッ……それが……なに……よっ」
 気丈に言い返すものの、声は震えてしまった。
 指摘は当たっている。肌身を重ねて愛しあう機会はもう、月単位でない。
 実を言うと、健康的な三十二歳のカラダは、ときどき性欲をもてあます。
 努力して美しく保っていても、メスとして見てもらう悦びからも遠ざかっているから、ゲス中年の賞賛にもはしたなく反応してしまう。
「安心するがいい。今夜のわしはきみの夫。不甲斐ない年下の旦那に代わり、たっぷり満たしてやろうじゃないか」
「い、いらないわっ……間に合ってるんだから……くぅぅぅッ」
 下乳を鷲づかみにした男臭い手が、瑞々しい双乳を捏ね始める。
 これまでとは違う荒々しい愛撫で、人妻の豊胸を揉みくちゃにする。
「あああっ……また下からだなんて……ふぐぅぅぅッ」
 今度こそ、恥声を抑えようと歯を噛みしめたが、半分洩れてしまった。
 今しがた、絶頂寸前まで昂ぶっていた乳房は敏感だ。
 汚らしい男の手でオモチャにされていても、悩ましい性感が湧く。
 巨乳は甘い痺れで満たされ、赤く染まりだす。
「背後から揉んでもやはり、抜群に大きいな。サイズはいくつだね? 着衣状態のを見てつけたわしの見当を軽々越えたからには、もう訊ねるしかない」
「わたしの旦那さまを気取るなら、んんぅ、下品なことを言わないで……あふ」
 恥知らずにも、汗をかき始めた乳肌を恨めしく思いつつ、反抗する。
「感じまくってるくせに生意気な。では、言う気にさせてやろう」
 片手で下へ目一杯引っ張り、反対の手で逆に天井に向かって思い切りすくい上げる。
「ふあああ……ああ……い、いやぁっ……はああアアアッ」
 淫らに鋭敏な双乳に、今まで以上の悦楽が湧いた。
 我慢しようとしたが顎から力が抜けて、明け透けなよがり声が響いてしまう。
(ああぁ……どうしてこんなに……感じちゃうのよ……ォ)
 女性のシンボルを互い違いに伸ばされるなど屈辱的だというのに、意志に反して乳悦が止まらない。
 引っ張られて伸ばされている間中、乳房の内部で濃密な性感が駆け巡っている。
「ぶっとく勃起した乳首も弄ってやろう。ほれほれ」
 持ち上げた方の手を強引にチューブトップの下にねじこみ、探り当てた頂の突起を摘まんでひねった。
「い、いま、そっちもされたら……ああッ、ひぃ、あひぃぃぃッ」
 双乳に起こっているのとは別次元の、鋭くて強烈な快感電気が迸った。
 頭の中が真っ白になり、耐える気持ちも吹き飛ばされ、明け透けな絶叫をしてしまう。
「おおッ、思いもしなかった凄まじい声が出たぞ。気が強くて澄ました顔をしている奥さんも、そんなケダモノじみたのを出すのか。夫は知ってるのかね?」
「ああん……知らないわ……あひぃぃンン……わたし自身、初めて聞いたんだからァ……あひぃンンン」
 性感が強すぎて、つい正直に答えてしまう。
 乳首を改めてねじられる度に、背筋が勢いよく反れる。
 勢いで巨乳も波打って、肌に浮いた汗が体臭と一緒に飛び散った。
「では、スリーサイズも教えてくれるね」
 手首のスナップを効かせ、他の指で掴んでいる乳房ごと、摘まんでねじった乳首を揺すぶる。ブラがわずかに外れ、乳輪がかすかに見えるまで床へ向かって肉果実を引っ張る手も揺らして、快感振動で責めたてる。
「はああ、それダメぇっ、あン、乳首もオッパイも、ああ、感じすぎちゃうっ」
「スリーサイズを言わないと、イクまで続けるぞ。一夜夫のわしにイカせてもらいたいのか?」
「い、イヤっ……言うわ、言うから、オッパイ、イカせないでぇ、はあはあ、旦那さまのために抱かれているのに、イッてしまったら顔向けできないわよぉ」
 柳眉がたわんだ顔でサンタ帽子ごと髪を振った後、潤んだ瞳で告白する。
「ああん、う、上から、ひゃ、一〇三、六十九ぅ、九十九よっ、ああンン」
「オッパイのカップも言うんだ」
「じぇ、じぇい、はああんっ、Jカップぅッ!」
 正直に答えると慰撫が緩んだ。
 頂や双乳を軽く引っ張る程度にし、性感を途切れさせないようにしながら、中年は満足げに頷く。
「大きいとは思っていたが、まさかそこまでとは……やたら重いわけだ」
 片方だけでも二キログラムを越えると言われるカップを、少し形がひしゃげる程度に揉んで、改めて感触を楽しむ。
「ああぁ……く、悔しいっ……白状しちゃうだなんて……んんんぅ」
 無念だが、またもや絶頂しそこねた双乳は苦しいほど疼いている。
 紅唇から出る声も甘みが増していた。繰り返す反駁も、他人が聞いたら甘噛みしているとしか思えないだろう。
「いやらしいオッパイどおり、性感にだらしがない奥さんだわい」
「なんですって……あぁん……馬鹿にしないでちょうだいっ……はぁんん」
 こらえきれない恥声混じり言い返したとき、下乳を引いていた手が離れた。
 荒い呼吸に合わせて小さく踊る縦長のおへその横をとおり、薄く柔らかく盛り上がる腹部を滑り、女体の中心に向かう。
「そ、そこはっ」
 察して手を伸ばしたが遅かった。
 中年の手は、スカートがずり下がって見えかかっているショーツのクロッチに触れてしまう。
「おお、この感触は……やっぱり、だらしがないじゃないか、ん?」
 手探りで厚く盛り上がる陰唇をかき分け、指先でワレメを上下に擦る。
「はあぁぁっ……ああ……いやっ……ああンン」
 鋭い性感が起こって腰が引けた。
「いやじゃないだろ、そらそら」
 反応したのに気をよくして、少し強めに擦過する。
 淫裂からは小さく水っぽい音が起こり始めた。
「ちょっと触っただけで、ずいぶんと感じてるじゃないか」
 今度はショーツの中に指を入れて、直接まさぐりにかかる。
「やめてっ……そこは、あん、旦那さまだけのものなのよ……はぁん」
 結婚指輪が光る手で、無遠慮に押し入る手の甲を掴む。
 性感で力が抜けているせいで、弱々しくすがりつくことしかできず、男は少しも止まらない。
「汚い取引でカラダを要求する男に触られても、気持ちいいくせに」
 二本の指の腹を使い、左右の陰唇を同時に擦り立てる。
 無骨な手に触れられる淫部はどんどん熱を帯びていた。
 しつこく愛撫していると、ほどなく粘っこい蜜が溢れだす。
「新しいスケベ汁が出てきたぞ。もっと漏らすといい」
 気持ちよさそうにヒクつく花弁を二本の指で広げ、露出した膣前庭を間の指でくすぐる。
「あああッッッ……そんなにされたら……ああンンン」
 背筋がしなり、中年の胸板にしなだれかかる。
 サンタ帽も大きく弾んで、肩にかかる艶やかな髪も揺れた。
 夫の目を楽しませたくて、常に一本一本サラサラにしている髪は汗で濡れ、淫靡に照り光り、発情したメスの体臭もくゆっている。
「奥さんのオマ×コ穴は素直だな。早く入れてとばかりに、ヒクついてるぞ」
 指先の感覚だけで探り当てた膣穴の周囲を、じっくりなぞりながら言う。
 触れるか触れないかのタッチで慰撫していると、面白いほど反応し、甘酸っぱい汁をこぼす。指の第二関節と第三関節の間と掠るクリトリスも、男顔負けの勃起を起こしていた。
「ああ……もうやめて……はああっ……あああンン」
 結婚指輪を嵌めた手で、いやらしく責めたてる手にすがりつつ、揺らぐ瞳で哀願する。
 イク寸前まで乳房を追いこんだ男は、陰部の扱いも手慣れている。
 大嫌いな男に弄ばれているというのに、カラダは着実に昂ぶり、切ないまでに疼いていた。
「やめてだって? ウソはいけないなァ」
 オンナの急所を責めたてていた手が離れ、目の前まで上がってきた。
「見るんだ、奥さん」
「うぅ……っ」
 眼前にもってこられた中年の手は、グッショリと濡れていた。
 広げられた五指からは、粘い体液が糸を引いて垂れている。
 恥ずかしい匂いも強く、目を伏せても鼻腔に押し入って止まらない。
「もっとシテの間違いだろ? なぁ?」
 少し膝を折る。
 下がったスカートの中に向かって、ずっと抱きたかった人妻の痴態でいきり立った怒張を突き出した。
「あああっ……硬いのが当たってるぅ……はぅンン」
 スカートの向こうまで切っ先が飛び出した怒張は、激しく反り返り、オトコが欲しくて堪らなくなっている淫部をグイグイ押してくる。
「硬いだけかね奥さん。ほら、よく感じるんだ」
 カラダを揺すり、汚らしくも極太の肉幹を執拗に擦りつけてくる。
「はあぁッ、あ、熱いわ、ああンン、それに、すごくぶっといのォっ」
 よじれたスカートの生地や、グショ濡れのショーツが間にあるのに、直に密着しているみたいだった。
 焼いた鉄の棒じみた存在感を味わわされて、心臓がメチャメチャに弾み、秘部は奥まで熱く疼き、新しい恥蜜が溢れてしまう。
「欲しいだろう? 味わいたいだろう? 気持ちよくなりたいよなァ」
 せわしなく息を継ぎ、甘ったるい声でふしだらな質問に答えるほど正体をなくしている人妻をさらに追いこむために、屈み直した。腰を引き、怒張をスカートの中に潜り込ませると、今度は切っ先を垂直に突き立てる。
「あああンン……許して……ああっ……はああンンン」
 夫に喜んでもらうために買った下着なのに、他の男の愛撫で濡れたショーツのクロッチが、硬く大きい穂先に貫かれている。
 ふっくらと肥厚した左右の淫唇を圧倒する分厚さであり、焼けるような熱感を帯びる牡肉塊だった。
「よく感じて心を決めるんだ。そら、そら、このチ×ポの値打ちを測れ」
 腰を揺すって煽り立ててくる。
 奥まで挿入するつもりはないようだが、怒張はリズミカルに食いこむ。クロッチを纏った切っ先は、敏感な浅瀬を擦りに擦った。
「あァン、そんなにされたら、はああ、わたし、あぁっ、わたしぃッ、あンン」
 股間全体が、どうしようもなく痺れていた。
 イケナイ、許されない、旦那さまに申し訳ないと思っても、抵抗する気力は濃厚な性感に溶けて失われている。
 意志に反してカラダは、貫いてくれる硬い怒張を熱望しているのだ。
「指じゃなく、わしのコイツで、夫婦らしく愛してもらいたいだろ? ん?」
 人妻のカラダも下劣中年のも、互いに求め合っている。
 ふたりの発情した息づかいは、ラブホテルに木霊していた。



ご鑑賞くださり、どうもありがとうございました。
続きは製品版でお楽しみください。



最後にCMです。

これまでこんな作品を創りました。 ※2022年12月現在

「商業」
●キルタイムコミュニケーション(俗称 KTC) 様
 木森山水道 名義

2022年
・「寝取られ滅魔忍カリン 妖魔のまぐわいに乱れて堕ちる」
 二次元ドリームマガジン119号 掲載

その他の既刊はこちらです。


●フランス書院 様
 石川檸檬 名義

2022年
・「ヤリモク 大嫌いな上司の妻と排卵日セックス」
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
・「ハツハメ 内定と引き換えに恋人の父に捧げられる晴れ着姿」

その他の既刊はこちらです。


「同人」

●FANZA 様
「夜山の休憩所」名義 
 既刊一覧はこちらです。

●DL.site.com 様
「夜山の休憩所」名義
 既刊一覧
同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite

※「FANZA」様と「DL.site.com」様の登録作品はほぼ同じです。
 他の同人ショップにも作品を登録していますが、品揃えは少ないです。


●amazon 様 ※すべてキンドル作品です。
木森山水道、石川檸檬、石川れもん 名義
※作品の傾向に合わせて使い分けています。

2022年
・「マーメイドが溺れる夏」
・「ばつゲーム」
・「ハニトラ・ワイフ」
・「たばかりギャル」
・「バレンタイン・キッスのユクエ」
・「魔滅の巫女」
・「ギャル義母の成人式」

既刊一覧はこちらです。
https://amzn.to/3VvQhl3


お楽しみいただけましたら幸いです。

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夜山の休憩所 2022/10/23 09:08

なれそめのゴー淫ハロウィン!(立ち読み版)2022年10月23日

・販売中の書き下ろし小説のキリのいいところ(全体の約半分)までアップしました。
 フォローするだけの「無料プラン」でご覧いただけます。よろしければ。

・製品版では
 「ご町内のアイドルを夢中にさせる濃厚ラブラブなハロウィンックス」
 を収録した残り部分をお楽しみいただけます。

・販売サイトは「アマゾン」様の「キンドル」のみです。
 もちろん「読み放題」にも対応しています。
 是非どうぞ。
 https://amzn.to/3TPBRvv

・ペンネームは違いますが本作は私が創りました。
 表紙はEine様に描いていただきました。
 どうもありがとうございます。
  ピクシブ https://www.pixiv.net/users/4379557
  Pawoo https://pawoo.net/@ein_faust 
 なお本作のイラストは表紙だけです。

■販売サイトの作品ご紹介文■

ハロウィンは片思いの男の子と距離を縮める大チャンス!?
童顔巨乳の元気っ娘の悩殺コスチューム姿に彼は……!

(本作は文庫なら80ページほどの読み切り短編です)

フォロワー以上限定無料

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夜山の休憩所 2022/08/01 00:00

【再掲載】ばつゲーム(書き下ろし小説アップしました)(2022年8月01日)


いつも応援ありがとうございます。
更新頻度が少なくてすみません。

これから有料プランのはもっと少なくなる見とおしです。
重ね重ねすみませんです。

100円の有料プランにて、
過日に発売された同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)(右綴じ)(30M強)
・表紙とおまけカットの原本(JPEG画像)

この記事は先月にも掲載しました。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月にも掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「ばつゲーム」(Affection)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で70ページ程度)

●ご紹介
 夫婦のラブイチャごっこ

●傾向 
 書き下ろし。短編。学生。
 ご奉仕プレイ。快楽責め。背徳。アナル。
 ローションプレイ。対面座位。
 正常位。だいしゅきホールド。後背位。両穴責め。
 避妊具。
 浴室。よそのお宅の夫婦の寝室。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3NzwSLT

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

●小説、表紙イラスト 石川檸檬(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川れもんの別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
 表紙:和羽 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020901330000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3R3oKGa

・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「ハニトラ・ワイフ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「たばかりギャル」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「ばつゲーム」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 稲田 実(いなだ みのる) 男子学園生。春奈に連敗しつつも可愛いとは思ってる。
 水無月 春奈(みなづき はるな) 女子学園生。なにかと稲田と勝負してからかう。

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。


     1

「ねぇ、稲田。成績表の見せっこしない?」
 よく晴れた夏の昼休み。
 昼食をとって一息ついている稲田豊へ、隣の席の水無月春奈がもちかけた。
 エアコンの効いた教室の他のクラスメイトは、友達とおしゃべりを楽しんだり、ケータイをいじったり、本を読んだりしていて、思い思いに過ごしている。
「勝負の内容は忘れてないよね、水無月さん」
「各科目の点数、男女別の順位、学年順位を競う三本勝負ね。勝った方がその回数だけ……だから負けた方は最低二回は言うことをきく罰ゲーム。でしょ?」
 午前中のホームルームで渡された成績表を鞄から取り出しつつ、豊は「そうとも」と相づちを打つ。
(自信ありげな態度だけど、オレには敵うまい)
 素知らぬ顔をしつつ、男子は胸中でほくそ笑む。
 面識はなかったのに、春に席が隣同士になって以来、彼女はなにかと勝負を挑んでくる。
 結構な回数、受けて立っているというのに、なにかにつけて一枚上手の女子には連戦連敗で、悔しさは山のように募っていた。
 だから、定期考査の大分前に成績勝負を持ちかけられたときから、油断を誘うために勉強していない振りをしつつ、こっそり血道を上げてきたのだ。
(結果はかなりよかった。正直、ここまで自分ができるやつだったなんて驚きだ。水無月さん、きみはもっとびっくりしてくれよ)
 いつも澄まし顔でいる女子が、声を上げて目を剥く様子が脳裏に浮かぶ。
 現実でも早く見たいあまり震える手で、机に二つ折りの通知を出す。
「おめでとう、稲田」
「え?」
 既に自分の机に用意していた彼女が、横から顔をのぞき込んでくる。
「すっごくよかったって顔に書いてる」
 肩よりも長い髪が外側にカールしている愛らしい顔が、ニッコリ笑う。
「い、いや……それほどでも……」
 女子にまっすぐ見つめられて、慣れていない男子の頬は熱くなった。
 漂ってくる爽やかに甘い体臭に鼻腔をくすぐられるのにも、胸の奥がムズムズする。
「い、いいのかい?」
「ん?」
「オレがよかったってことは、自分が負けるかもってことじゃないか」
「それはそれ、これはこれだよ」
「そう……なんだ……」
「私がよかったら稲田もお祝いしてね。罰ゲームとは関係なくさ」
「いいよ……それくらい」
 承諾すると、彼女の口角がまた嬉しそうに上がった。
「じゃ、せーので見せあお。ほら、見やすいように机の端に成績表を持ってきて」
「う、うん……これでいいかい?」
「オーケー。じゃぁ、いい? ……せーの」
 とおり道の隙間を挟む机の上で、両者は同時に開いた。
 ふたりで首を伸ばし、隣席の成績をまじまじと確認する。
 先に声を上げたのは豊だった。
「げげっ……ウソだろ……!」
「総合でも男女別でも私の方が順位が上だねー。科目別の点数では負け越しちゃってるけど」
 信じられなくて何度も見返したが、やはり順位は言われた風に僅差で負け。
 現実を受け入れた瞬間、完全に力が抜けて机に突っ伏した。
「そんなぁ……」
「残念だったね。でも、びっくりだよ。中間テストよりすごく伸びてる。もしもちゃんと勉強してたら、勝ってたんじゃない?」
「うぐ……」
 悪戯っぽく笑いかけられて小さく呻く。
 油断するための作戦は、完全に見透かされていたらしい。
「勝敗が分かったんだし、机と仲よくする以外にやることあるよね?」
「……負けました」
「うん、勝ちました」
「ぐぬぬ……」
「あら、これだけ?」
「……好成績おめでとう」
「名前もつけてくれないと」
「ぐ……好成績おめでとう、水無月さん」
「ありがと稲田、うふふ」
 言わせるだけ言わせた女子は満足そうに微笑した。
「稲田のことを思って頑張った甲斐があったよ」
「えっ」
 言葉にマッチした優しい目で見つめられて、胸が高鳴った。
「今度は、どんな罰ゲームしてもらおうかなって」
「えぇっ……そういう意味なのっ」
 胸の高鳴りは即座に鎮まった。
「あれ、顔が赤いね。どういう意味だと思った?」
「し、知らないよ……それより、早く罰ゲームを教えてッ、なにすればいい?」
 突き詰められたくなくて話題を逸らす。
 彼女の興味はあっさりそちらに移ったらしい。こんなこともあろうかと、というよりも、結果を予知していたみたいにごく自然な様子で、鞄から包みを取り出した。
「私は二勝して勝ったから、ふたつ、言うことをきいてもらうということで、いいよね」
「ルールだから従うよ」
「じゃぁ、一つ目の罰ゲームは……コレの試食」
 渡されたのは透明な小袋で、口がリボンで縛ってある。
「クッキー?」
 そうとしか思えない円く膨らんだ塊が十数個入っている。
「お昼を食べた後でも、一枚くらいは入るよね? 育ち盛りの男の子だもの」
「そりゃ、まぁ……」
 リボンをほどいて口を開け、一枚摘まんで口元へ持ってくる。
 店で売っている物みたいに、形は綺麗で焦げ目のひとつもない。
 漂ってくるバターのいい匂いが食欲をかき立て、昼食を入れたばかりのお腹もざわつく。
(美味しそうだ……でも……罰ゲームなんだし……カラシとかタバスコとか……砂糖の代わりに塩が入ってるとかするのかな……)
 想像して背筋が寒くなった。
 踏ん切りが付かず、焼き菓子とにらめっこしていると、彼女が意地悪く笑う。
「もしかして一人では食べられない? あ~んって、して欲しい?」
 別のを一枚摘まみ、口元へよこすそぶりを見せた。
「じ、自分で食べるよっ」
 教室にはたくさん学生がいる。
 もしも、有言実行されたところを見られたら恥ずかしすぎる。
 だからギュッと目をつむり、「ままよっ」と念じて、持っていたのを丸ごと口中へ放り込んだ。
「もぐもぐ……あ……美味い……」
 がむしゃらに咀嚼してまもなく、優しい甘さが口の中いっぱいに広がった。
 見た目どおりに食感もいい。
 噛むだけ噛んで飲みこんでも、後味が引かないのにも驚いた。
 大量生産品と比べ、甘みはあっさりしているがコクは十分。それでいて、食べた後も口の中が心地いい。
「口にあったか……よかったぁ」
 罰ゲームを仕掛けた女子は、なぜかホッとした様子で呟いた。
「これ、どこで買ったの?」
 二枚目を口に入れつつ訊ねる。
 やはり、一枚目みたいにいい味だった。悪戯が仕込まれているなどとんでもない。三枚目、四枚目へと手が自然に動く。
「これ、セットの牛乳ね……売ってる物みたいに美味しいって思ったんだ」
 パックに付属のストローを挿して寄越しながら、妙に嬉しそうに呟く。
「もしかして……これって……」
「私の手作り。稲田に食べてもらいたくて作ったの」
「え……これを水無月さんがっ……オレのために……?」
 聞いた途端、またもや胸が高鳴った。
 はにかんだ笑顔を浮かべて伝える様子には、ウソや冗談を感じない。
「それ……ひょっとして……」
「うん。罰ゲームで食べさせられてるのに、美味しいって喜ぶ稲田を見たくて頑張ったの。うふふ、いい顔をしてくれたね」
「ぬぐっ……」
 淡い気持ちはツユと消え、耳たぶまで熱くなった。
「機嫌が直ってからでいいから、クッキーは全部食べてね。牛乳も」
「昼休み中に平らげるよ……あぐあぐ……ごくんっ」
「おお、いい食べっぷり。勝者のクッキーも美味しく食べられて偉い偉い」
「折角、美味しいクッキーなんだから、精神攻撃はやめてくれない?」
「あはは、じゃぁ、ふたつめの罰ゲームのことを言うね」
「どうぞ」
「今度の休日、私の家でやってもらうわ」
「へ?」
「その日、両親は出張でいないの」
 妖しく粘つく声で告げた女子は、目も半眼だった。
 普段とは別人のように違う気配を纏う女子に見つめられて、心臓が今日一番に強く跳ねる。
「必ず来てね。してもらうことは、当日に教えるわ」
「う……うん…………オレは負けたわけだし……約束は守るさ……」
 反発している間も美味しかったクッキーだったのに、もう味が分からない。
(水無月さん……もしかして……やっぱり……)
 別の意味で頬がまた熱くなったとき、昼休み終了のチャイムが鳴った。

     2

「おはよう、稲田。朝から来てくれてありがとう。これよろしくね」
 約束の日の朝は早かった。
 世界がまだ群青色で涼しい時間に呼びつけられた豊は、甘いことを考えていた自分を殴りたい衝動に駆られている。
「これ……ぜんぶやるの? オレ一人で……?」
 初めて訪れる水無月春奈の自宅は、築二〇年弱の一戸建て。
 近所でも広めの庭を備える、だいぶ大きい佇まいだった。
 電子ロックという玄関の脇には、ブルーシートが敷かれていて、塗装や日曜大工などのための道具が積まれている。
「仕事はメモにあるとおりよ。こういうことは得意だって、いつも言ってるよね。安全第一で頑張って」
「屋根や壁のペンキ塗り……家庭菜園の整地に種まき……廃材の分別と裁断……オイルタンクのストレージの交換……他のも難しくないけど……量が多すぎる
 豊は胸中で嘆息した。
 まさか罰ゲームが、コキ使われることだなんて。
 今まで何度も受けてきたものの、肉体労働させられるのは初めてだった。
 しかも、女子の出で立ちも出で立ちだ。
(薄い桃色のチュニックにスエット風のズボン……これはこれで新鮮で可愛いけど……普段着って感じだ……特別な男子を家に招いた女子の姿じゃない)
 ひとりで舞い上がっていたのが心底バカバカしい。
「ガッカリしてるね。なにを期待してたのかなぁ」
「な、なにも期待してないよっ」
「ほんとうに~? 自分のようにカラダが大人になっている女子に、親がいない自宅へ呼ばれて、エッチにウキウキしてたとか」
「ぐっ……て、天気予報は今日も真夏日になるって言ってたし、暑くならないうちに済ませなくちゃっ」
 置かれていた軍手をはめつつ、こなす順番を考える。
「よろしくね、おとうさん」
「ぶっ」
 不意にされた呼びかけに、頭の中が真っ白になった。
「なんだい、それ」
「女子に頼まれて、家のこんな雑用をする男性は、旦那様じゃない。だから、おとうさんよ」
「そんな……ままごとでもあるまいし……」
 言葉とは裏腹に顔は熱い。
 因縁はあるが、客観的には容姿端麗な女子で、馬鹿馬鹿しい誤解をするくらいには難からず思っている女の子なのだ。親しげに特別な呼び方をされては、胸の奥が甘く温かくなる。
「旦那様の方が好みなら、そうするよ」
 身を乗り出して首まで伸ばしてくる。
 やたらニコニコした女子の顔が、鼻先同士がくっつくまで接近した。
「好きにしてっ、オレは仕事にとりかかるよッ」
 金切り声で叫んで身をひいて、道具の山へ飛びかかる。
「夕方までに終わらなくていいから、怪我だけはしないでね」
 本気とも冗談ともつかない注意が背中に飛んでくる。
 今度こそ仕事の段取りを考えようとする豊だったが、キスできるまで接近した彼女の顔が脳裏にチラつき、なかなか頭が働かなかった。

     ※

「お疲れ様。お風呂の支度もできてるけど、その前にこれに着替えて昼食をとってね」
 途中、休憩をとったり、春奈の差し入れでミネラルと水分の補給もこまめに行ったりして、仕事は昼過ぎに終わらせた。
 エアコンの効いた家の中に招いた彼女は、満面の笑みで出迎えてくれている。
「う、うん……」
 仕事が済んだときには、空腹と疲労が酷かった。早く帰って寝たかったのだが、彼女を目にした途端、どちらもどこかへ吹き飛んだ。
「それと、これ。バイト代よ」
 半ば呆然としつつ、着替えと一緒に渡された封筒の中身を見ると、一万円札が五枚も入っていた。
「え、なにこれっ」
「業者にしてもらうよりも安く済ませるからって言って、親にもらったの。仕事ぶりを確認したけど、言うだけあってなかなか上手ね。親も納得してくれるわ」
「け、けど」
「それ、全額じゃないわ。私と山分けよ」
「へ」
「私は仕事してないけど、頑張ってくれたおとうさんを、うんと労うわ。だから、半分こ」
 名前どおりに笑って、くるりと回って見せた。
 ただそれだけで、野暮ったい玄関先に大輪の花が咲いたみたいな錯覚に陥る。
(うお……っ)
 男子の目の前で、スカート丈がやたら短い純白のエプロンがなびき、ムッチリした太ももが根元近くまで露出した。
(夢みたいだ……隣の席の女子が目の前で……裸エプロン姿でいるなんて!)
 春奈は今、朝に会ったときの肌がほとんど出ない服装とは正反対の出で立ちでいた。
 襟ぐりは大胆に開いていて、小柄なカラダには不釣り合いなまでに大きい双乳の合わせ目がすっかり見えている。
 エプロンの身頃も申し訳程度の幅しかなく、豊満すぎる胸元の外側半分がはみ出しているし、ハート型にくりぬかれている中央部からも、はちきれんばかりの乳肌の膨らみがこぼれていた。
 血色のいい柔肌にはシミも傷も見当たらない。
 くゆる体臭はミルクみたいに甘くて、いつまでも嗅いでいたいくらいだった。
「こっちへ来て」
 案内された部屋で、言われるままに着替えた後、ダイニングへとおされた。
 服のサイズなど教えたことはないというのに、肌着も半袖短パンも計ったみたいにぴったりなのも気になったが、食卓を見た瞬間に声が出た。
「えっ……なにこの量っ」
 唐揚げ、サラダ、肉野菜炒め、マッシュポテト、魚の照り焼き、豆腐とワカメの味噌汁、それに真っ白なホカホカご飯。
 どれもできたてで、香ばしい湯気がくゆっている。
「肉体労働の後は、やっぱりタンパク質よね。でも、他の栄養もとらないと身体によくないわ」
「もしかしてこれ……水無月さんがぜんぶ……?」
 先ほどの労うという言葉を思い出して訊ねると、彼女は胸を張った。
「口に合えばいいのだけれど」
 いつになく神妙な顔で椅子を引いた彼女は、豊が座ると自分も隣の席に着く。
「最初は……コレでどうかしら」
 箸で唐揚げを摘まんだら、反対の手を添えて近づけてきた。
「本当にお疲れ様でした。どうぞ、おとうさん」
 まるで夫を大切に思う本物の新妻みたいに、柔らかい笑みを浮かべる。
「うん……あ~ん……もぐもぐ」
 恥ずかしくて照れくさくて顔は熱いものの、逆らわずに口で受け止めた。
 適度な歯ごたえも心地いいが、噛むほどに溢れる肉汁と鶏モモのうま味は、働き通しの空きっ腹に染みて涙が出てくる。ショウガも絶妙にきいていて、後味は爽やかだ。
「美味しい?」
「最高だよ、水無月さんっ」
 最近、味見させられたクッキー同様、肉の下味はあっさりしていてコクがある。取り過ぎると身体によくない塩分の量を少なくし、他の調味料で味を引き立てているのだろう。美味しいだけでなく身体にも優しい料理なのだ。
「よかったぁ……次は、どれがいい?」
「ごめん……やっぱりあ~んは……自分で食べるよ」
「あはは、おとうさんってば照れてる」
「こんなことされたら誰だって……」
「今の私たちは新婚夫婦って設定なのになぁ」
「それも罰ゲームのうちなんて聞いてないんだけどっ」
 からかわれるのは気恥ずかしいが、彼女の手作り料理を一緒にとるのは悪くない。
 唐揚げ一つで蘇った空腹感のままに箸を進める。
 食卓のすべての皿が空っぽになるまで、二〇分もかからなかった。

     3

「はぁ……高いバイト代と美味い食事だけでなく、熱いお風呂までもらえるなんて……これのどこが罰ゲームなんだろ」
 浴室に入るなりした呟きは、エコーがかかって鼓膜を揺らす。
 よその家のお風呂をもらうのには気後れするが、春奈の勧めは断り切れなかった。
 裸エプロンで美味しい料理を振る舞ってくれた女子には、強く出られない。
「大量の仕事を押しつけられたときは奈落の底へ突き落とされた気分だったけど……今は天にも昇る心地だよ」
 ホテルにあるみたいに立派な浴槽の蓋を外して湯加減を確かめたら、手桶で掬ったお湯を身体にかける。
 大人数人でもラクに使える浴室に、水の流れる音が反響した。
「湯加減はどう? おとうさん」
「ちょうどいいよ、ありがとう……えっ、み、水無月さんっ!」
 合いの手を入れて気がついて、慌てて出入り口へ振り返る。
 音もなく入ってきたクラスメイトは、自分と同じように一枚も被服を着ていない。バスタオルすら巻いていないのだ。
 大きいペットボトルを入れた洗面器を小脇に抱えて、備え付けの椅子を側に据える。
「昼間は本当にお疲れ様。背中を流してあげるね」
「い、いいよっ」
「遠慮はいらないわ。これは罰ゲームの一環なんだから。むしろ、拒否したらルール違反ね」
「うぐっ……」
「稲田は逃げないわよね」
「もぅ、勝手にしてくれっ」
 彼女に背中を向ける姿勢で、勧められた椅子に座る。
「そうこなくちゃ。すぐに準備するから、少しだけ待っていてね」
 ペットボトルの蓋を開けたり、恐らくお湯の水栓を解放して洗面器を満たしたりする音が聞こえてきた。
「んっ……ローションをオッパイとかに塗り込むのは……んふ……何回やっても慣れないかも……んふぅ……」
 豊は耳を疑った。
(今、なんて言ったんだ?)
 かぶりを振っても、やたら粘っこい水音が連続して響くのは止まらない。
 まだ若いが、子作り可能なまでに肉体が成熟している男子だけに、ローションが化粧水として使われるだけでなく、快楽目的の性行為に用いられるという知識も、なんとなく得ている。
 女性が自分のカラダをスポンジにして、男性の身体を性的に刺激しながら洗う、いわゆるローションプレイやソーププレイの存在も、進んでいる男子に聞かされたことがあった。
(そういうことを……してくれようとしてるのか……?)
 思わず振り返りかけたとき、彼女は静かに止めた。
「稲田、勝負しようよ」
「え、今?」
「準備してる私を見たら稲田の負け。背中を流して終了ね。でも我慢できたら、前も洗ってあげるわ」
「そ、それって……」
「見ちゃう? 見ない?」
 教室で勝負をもちかけてくるときみたいに切り出したが、僅かに声が上ずっている。
(きっと、見られるのが恥ずかしいんだ……けど、ローションプレイで男子の後ろも前も洗ってあげるなんていうのはオーケーとか……基準がおかしくない?)
 腑に落ちないものの、他人の嫌がることをするつもりはない。
 前も洗ってくれるというのにも心引かれつつ、正面を向いてじっと待った。
「お待たせ。よく我慢したね。そんなに前もして欲しかったんだ」
「そ、そういうんじゃ……うっ……うおおおっ」
 言い返す途中で、経験したことのない接触感に襲われた。
 問答無用で背中が甘く痺れ、今まで上げたことのない雄叫びが口から飛び出る。
「こ、これって……」
 脳裏に彼女の肢体が浮かんだ。
 教室で見慣れた制服姿ではなく、ダイニングで見せられた裸エプロンと、浴室に入ってきたときに一瞬だけ見た、一糸まとわぬ姿だった。
 両方の肩甲骨の下ら辺に、円く小さく生硬な感触と、柔らかくて少し広くて心まで蕩ける触れ心地が起こっている。
「オッパイの先っぽを少し押しつけただけで、すごい声が出たねぇ」
 悪戯っぽく説明してくれた女子は、同い年の双乳の具合を教え込むみたいに、軽く押しては離れるのを繰り返す。
 男子の死角に押しつけられる豊かな膨らみは、潰れてせり上がっては、元の形に戻る。その間ずっと、うら若い女子の乳肌はかすかに波打つ。
「さっきダイニングで、オッパイをすごい見てたね」
「い、言われるほどは……くぅぅ……」
「大きいのが好きなんでしょ? だから、オッパイで背中を流してあげる」
 勃起前の乳頭と周囲の乳肉の具合が脳裏にインプットされた頃、体重を込めてのしかかってきた。
「ぐぅぅぅッ……そ、そこまで……するなんて……っ」
 見えないが、頭の中に状況が浮かぶ。
 平たくひしゃげるまでオッパイを押し込まれる背中も、この世の物とは思えないほど気持ちいい。
 だが、教室でいつも一緒に授業を受けている女子が、素っ裸で抱きついている様子を思い描くだけでも、どうしようもなく興奮した。
 タオルをかけていない分身に、どんどん血が集まっているのがハッキリ分かる。
「んっ……んっ……どう、気持ちいい?」
 鼻にかかった声で訊ねてくる。
 元々、アニメやゲームで聞けそうな美声の持ち主だが、今は日常では聞いたことのない色気を帯びていた。
「背中をオッパイで、ヌルヌルって洗ってもらう具合はいい?」
 甘ったるく訊ねられるだけで、胸の奥が激しくざわつく。
 話しかけながらも、彼女はスムーズに動きだしていた。
 バストの横で小さく万歳するポーズで一瞬も止まらず、躊躇いも起こさず、首の側から腰までの範囲を、ローションでたっぷり濡らした豊胸で、洗うというよりも扱いてくる。
 同じ人間のものとは思えない乳房の感触に、とっかかりのない摩擦感が加わり、しかも、平常心を奪うほど蠱惑的な媚声を聞かされては、ひとたまりもなかった。
「最高だよ、水無月さん……はあ……はあ……こんな快感は初めてだっ」
 相手は自分を何度も負かしている女子だというのに、手放しで絶賛してしまう。
「うふ、おとうさんったら大喜びして。性感に耐性なさすぎよ」
「こんなことされたら誰だって……はぁっ……はぁっ」
「ほんとウブなんだから……これは、性愛の奥深さをしっかり教えて……他の女に浮気しないよう躾ける必要があるわね」
 双乳の脇にやっていた両手を前に回し、男の胸板を抱きしめる。
 同時に体重を込めて思い切り胸を押しつけ、これ以上ないほど密着させた。
「ふあああっ、こんなことって、うあああッッッ」
 両手と双乳を含めた前半身で、男子の肉体を押し包みつつ、上下に動いてくる。
 肌の接触面積が増すのに比例し、性感も爆発的に上がった。
「んふぅ……んんっ……さっきよりも気持ちいいでしょ? んふぅぅ」
 瑞々しい朱唇を耳穴に近づけて、色っぽい声を聞かせつつ、男のカラダを扱きたてる。
「うああ、気持ちいいよ、水無月さんっ、ああ、最高すぎるっ」
 生まれて初めて女体に接する肉体は、熱く敏感になっていた。
 胴体はまるで性器みたいに興奮し、意識がぶつ切りになる。
「他人行儀に呼ばないで。今はおかあさん、よ」
「いいよ、おかあさん、くぅぅ、カラダ気持ちいいよッ」
 カラダを存分に使って、極楽気分を味わわせてくれる女子には敵わない。
 実母と性行為している風でイヤな気持ちもあるが、
「どうされるのがいいか、具体的に言ってみて」
「おかあさんの巨乳と柔肌とほっそりした手で……はあッ……はあッ……背中も胸元もお腹も、ぜんぶまさぐられるの、ほんとに気持ちいいっ」
 何度か口にしていると気にならなくなってきた。
 自分と同じ歳の女子のカラダは、産みの親とは全然違う。
 豊満なのに華奢で儚げ。放つ匂いもフレッシュに甘い。
(なんだか本当に……水無月さんと夫婦になって、性行為を楽しんでる気がしてきた)
 もう豊の中では、おかあさんという呼び方は、彼女を名前で呼ぶのと同じことになっている。
「うふふ、おとうさんったら、ドライオーガズムしちゃいそうね」
 ローションを擦りつけ、自分と同じように男子の肉体を照り光らせていたカラダが、複数の糸を引いて離れた。
「前も洗ってあげるとも、性行為の奥深さを教えてあげるとも約束したのだから、おちん×んを刺激せずに射精させるわけにはいかないわ」
 前に回ると両手を男の首に回し、ゆっくり腰を下ろしていく。
「えっ……まさか……ぐぅぅぅッッッ」
 対面座位で避妊具なしのセックスをするのだと思えば、彼女の大事な部分は屹立する分身と擦れながらすれ違った。
 迸った快感電気に呻くが、彼女も熱い吐息をこぼす。
「あん……おとうさんの大きいのに触っただけで……アソコ痺れちゃった……はあぁ……」
 無毛の肉土手は尿道を伝って降り、陰嚢と密着して落ち着く。
「うああ……今オレ……教室では隣席の女子のオマ×コに……チ×ポで触れちゃってる……ッ」
 胸板に擦りつけられている巨乳に遮られて見えないが、初めて接する女唇は火が点いたみたいに熱かった。
 特にヌルついているのは、彼女が本当に悦びを覚えているからだろうか。
 意識すると、垂直にそそり立っている怒張が疼いた。
 彼女の柔らかくスッキリし、粘液でヌルヌルのお腹に押される快感が増して、陰嚢から根元にかけてが騒がしい。
「まだ学生同士だし……あふ……ごっこ遊びでも子づくりセックスはできないけど……んんぅ……このまま私のお腹に包まれて射精していいからね……んぅっ」
 首を抱き寄せて顔を交差し、耳の中に蠱惑的な声音を聞かせたら、また動き出した。
「ああん……背中の時と違って……ああっ……逞しいのが当たるから……はああんぅ」
 スイカみたいに大きくて柔らかいのに、若々しい弾力を備えた双乳を男の胸板へねちっこく擦りつけ、全身を上下に揺すり立てる。
「ああっ……おかあさんのオマ×コが……オレのチ×ポの尿道を……裏筋まで、ヌルヌルって扱いてるッ」
 男の肉体をカラダ全体で摩擦する奉仕プレイは至福だった。
 最も敏感で性的な刺激に貪欲な怒張も扱かれている分、背後でされたときよりも気持ちいい。
「はあっ……はあっ……ほんとに、このまま射精していいのかい……くぅっ」
「もちろんよ……んっ、んんっ……いつでも私のカラダに精子出して、あン」
 今までよりも甘く切羽詰まった声で即答してくれた。
(嬉しい……きっと、ちり紙に出すより快感なんだろうな……でも)
 怒張の中は熱くうねっている。
 少しでも蜜時を長く味わいたくてお腹に力を入れて先延ばしにしているが、射精はそう遠くないと直感していた。
「おかあさんもイッてよ。今度はオレに、セックスの奥深さを教えられながら」
 されっぱなしは癪だし、こんなにも素晴らしいプレゼントをしてもらっているのに、お返しをしないのは悪い気がする。
 だから両手をお尻に這わせた。
「えっ、なにをするつもりなの?」
 主導権を握っていた女子が、僅かに怯えの色を見せる。
「乱暴はしないよ。どうしてもイヤだったらやめるね……えいっ」
 同じくらい大きいが、バストと比べたら柔らかさが勝る尻タブを両手で割る。
 それから片方の指の一本を長く伸ばし、露出させた肛門に手探りで触れた。
「ひゃぁっ、そ、そこはっ」
 敏感な部位に触れられた乙女は、瞬時に縦に伸び上がった。
 豊満な柔尻は小刻みに震える。
「う、うそでしょ、ああっ、そんなぁ、はああぁ」
 円い窄まりに優しく指の腹を埋め、ごくごく弱くほじってあげると、彼女の声が今まで以上に切迫感を孕んだ。
「ダメよ、ああんっ、汚いわ、ああ、不衛生よっ」
「この指はおかあさんの可愛いお尻の穴にだけ触れるよ。終わったら、よく洗うし、大丈夫」
「で、でもぉ、ああ……はあああ」
 驚き戸惑っていたが、心を込めて揉みほぐしていると、慣れてきたらしい。
 徐々にくつろいだあえぎ声に変わっていた。
 横目で見れば、恥ずかしそうに、心地よさそうに長い睫毛が落ちている。
 正面から抱きついてカラダを上下に揺すり立てながら、お尻を弄られている女子は、目の下まで赤くなり始めていた。
「ああぁ……いやん……お尻の穴なんて……ダメよぉ」
「やっぱり気持ち悪い? 辛い?」
「うぅぅ……そうじゃないけど……ああんっ、言わせないでぇ」
 怒張の尿道側を垂直に扱く肉土手まで痙攣してきた。
 火照った肉花芯の割れ目からは、今まで以上に粘っこい愛液が溢れ、オス棒を染め上げている。
「お尻の穴、気持ちいいって言ってごらんよ、おかあさん」
 満更でもない様子だからと思い、今度は浅瀬を上下にピストンする。
 同時に指の腹をうねらせ、肛門のすぐ裏側の粘膜をかき回す。
「ほおおっ、お、お尻の穴、気持ちいいわッ」
 女子はのけぞり、顎が軽く上がった。
 白くて細い喉の裏を見せながら上げた恥声は、可愛らしい顔に似合わず下品に上ずっている。
「おとうさんの指で、ほああっ、アナルをほじくり返されるの、気持ちいいのッ」
 つい今し方、恥じらいの言葉を聞かせていた口が、他人には言えない悦楽の丈を正直に放つ。
 クラスメイトは、肉悦に我を忘れていた。
 目の前の男子に首から抱きつき直すなり、もっと責めてと言わんばかりに、お尻を淫猥にくねらせる。
 前半身全体で男の肉体を感じるのにも熱中し、普段からは想像できない激しさで総身を前後に弾ませて、男根ごと扱いてきた。
「はああ、ごめんなさいっ、ああン、ご奉仕する側なのに、おとうさんより先にイッちゃうのぉッ」
 男の胸板に押しつけている巨乳も、ゴツゴツした手で鷲づかみにされている尻タブも、ひっきりなしに波打つ。
 交差した顔の口元からは、あえぎ声がせわしなくあがっていた。
「いつでもイッていいなんて言ったのに、ああンン、もうダメっ、ああっ、おとうさん、私イク、ああ、イクぅぅぅぅ!」
 避けられない絶頂を悟った春奈は、力一杯抱きついてきた。
 双乳と秘部ごと投げ出して抱擁し、オーガズムの大波にさらわれる。
「オレもいくよ、おかあさん、このまま中で出すよっ……うおおおおッッッ」
 男子が浴室用の椅子に座る対面座位で、ぴったりひっついた状態で、豊も絶頂を極めた。
 火が点いたみたいに熱い柔肌と巨乳と肉花弁を肉体と怒張で存分に味わい、教室では聞けない長く尾を引く恥声も堪能しつつ、射精する。
 皮下脂肪を蓄えながらスッキリするお腹に押し包まれながら精液を吐き出し、熱い白濁液で染め上げる。
「はああっ、おとうさんのが、ふああ、私のお腹にいっぱい、ああンンン」
 料理上手の乙女は、オス汁を浴びることでも達してくれた。
 胸板にすがりつく小柄な女体は、淫らに痙攣している。
 陰茎には女性器のうねりが伝わり、指先にはアナル粘膜の歓喜の振幅が染みこんでいた。
「ああぁ……ずっとこのままでいたいわ……んんぅ……おとうさん、精液をもっと出して……私にいっぱいちょうだい……はふぅぅ」
 絶頂快楽に慣れて落ち着いてくると、正面から見つめてきた。
 大きくて黒目がちな目はすっかり潤み、顔は目元まで真っ赤だ。
「オレの精液がおかあさんの身体の中に染みこむけど、いいのかい?」
「野暮なことを言う口は塞いじゃうんだから、むちゅっ」
 少し顔を傾け、力を込めて唇を重ねてくる。
 生まれて初めて異性とキスした感激と快感で、お腹の柔肌に包まれる怒張は跳ね、新しい精液を放った。
 豊は逆らわない。
 彼女が首を抱き寄せ直したのに合わせ、お尻を鷲づかみにする手に力を入れて自分も抱き返した。指先をお尻の穴にいっそう深く埋め、自分の形に変えながら。

     4

「んっ……おとうさん……んんぅ」
 男女で肌身を重ねる味を覚えた若いふたりは、お風呂から上がると春奈の先導で両親の寝室に入った。
 エアコンを効かせ、裸で並んでクィーンベッドの縁に座るふたりは、相手の唇に何度もキスの雨を降らせている。
「ちゅっ……よそのお宅のお風呂場であんなことした後に……んむちゅ……寝室で続きをするなんて……気後れするなぁ……むぶちゅ」
「ここが一番落ち着ける場所なの……ちゅ……ふたりとも今日は帰ってこないから安心して……ちゅぷ……私の部屋は恥ずかしいし」
「なら仕方ないか……むちゅぅ」
 ローションまみれで抱き合う性行為をしたのに、自室に招くのはちょっと、という心理はわからないが、彼女の意思は尊重したかった。
 無理強いして機嫌を損ね、ふたりでしか体験できない蜜の時間が終わったら、悔やんでも悔やみきれない。
(セックスって……こんなにいいものだったんだ……)
 相手は自分を負かし続ける女子だけれど、可愛くてスタイルはいい。日曜大工の報酬を折半してくれたり、自分のために料理を作ってくれたり、お風呂ではカラダを惜しみなく使って労ってくれた。
 相手としては申し分ない。
「それにしても……おかあさんは顔も愛らしいけど、スタイルも抜群だね」
 罰ゲームを建前に、夫婦ごっこしたがるのに合わせた呼び方で褒める。
「日頃から磨いているもの。見てもらいたいおとうさんに悦んでもらえて嬉しいわ」
「それって……」
「世の奥様方のたしなみよ」
「えっ」
「んふふ、なぁに。いつも稲田を意識して、気を遣ってると言って欲しかった?」
 キスしていた口を離して、悪戯っぽく見つめてくる。
 瑞々しい朱唇からは、ふたりのが混ざり合った唾液の糸が伸び、男子のと繋がっていた。
「うっ……もぅ」
 照れ隠しで男子の太い両腕を伸ばす。
 片方は華奢な背中に回し、脇の下もとおして、外側から片乳を鷲づかみにした。
「あぁん、キスだけじゃ足りないのぉ?」
 甘えた声を出すものの、振り払おうとはしなかった。
 暗に許可をもらえたのを利用して、優しく指を埋める。
 本人の顔に勝るとも劣らないボリュームの肉スイカは、お風呂でも感じたが弾力が強い。深く潜るほど心地いい反発力がする。
「こんなに大きくて形が綺麗で感触もいいおかあさんのオッパイを、伴侶として放置できないね」
 力を入れてめりこませては、脱力して押し返され、巨乳を元の形に戻すのを繰り返す。
 弾力も素晴らしいが、柔らかさも魅惑的だった。指を突き立てるときに包まれると、手のひら全体が甘く痺れて何度でも味わいたくなる。
「隣り合って一緒に授業を受けてる女子のオッパイを、こんな風に楽しませてもらえるなんて、不思議な感じだけど感激だよ」
「私も、はあぁ、素敵な心地よ、んんぅ、おとうさん、上手ぅ……もしかして、知らないだけでカノジョいるの? その子のオッパイをこんな風に?」
「まさか。おかあさんのが、生まれて初めて触ったオッパイだよ。やり方は……ネットとかで見て覚えたんだ」
「へぇー、身体つきはともかく精神的には子供っぽいのに、そういうことに興味あるんだ」
「そっちこそ、お風呂場ではすさまじかったじゃないか」
「年齢は同じでも、女子は男子より精神的に大人なのよ」
「一般論はともかく、確かにオッパイだけじゃなくココも、オトナっぽいな」
 ムチムチした太ももをさすっていた手を滑らせ、軽く開いた股間に触れる。
「初めてナマで見るけど……こんなに肉厚なんだな」
 閉じた無毛の肉土手は、形といい大きさといい、チューリップのツボミを思わせる。
「さっきは開いて、オレのチ×ポにすがりついて、扱いてたんだよな」
 皮下脂肪を蓄えた秘部との接触快感が蘇り、分身が根元から跳ねる。
 オスの証はとっくに垂直にそそり立っていた。
 皮もすっかり剥けていて、オンナを知ったばかりのピンク色の亀頭が露出している。
「あぁん……お風呂で私のお腹をドロドロに染め上げたのに……まだこんなに元気で……教科書とかに載ってるのとは形も大きさも全然違うわぁ」
 彼女の目元がねっとりと赤らんだ。
 身を乗り出した乙女の白くほっそりした片手の指先が、極太の怒張に絡みつく。
「友達がカレシのを自慢してたけど……おとうさんの方がずっと逞しいわね」
 存在感を確かめるみたいに、優しくゆっくり扱いてくる。
 薄い皮と中の肉が擦れる性感に、男子の腰が小刻みに震えた。
「ああっ……擦ってあげればあげるほど、どんどん熱くなって……えぇ、まだ硬くなるの? ……なんだかさっきよりも長く太くなってるみたい……」
 彼女の目が淫蕩に輝く。
 手淫のストロークは徐々に早くなり、指を回しきれなくても懸命に握る手の力も強くなっている。
「うっ……女子に手コキされるのって、こんなに気持ちいいんだ……自分でするのとは味わいが違いすぎる……くぅぅ」
 してもらってばかりでは我慢できず、趣味とお返しを兼ねて乳房を柔らかく揉みたて、陰部を指先で撫で回しつつ、ペニスの快感にも意識を傾ける。
 神聖さすら感じる乙女の清廉な手が、同い年の剛直を淫らに扱き抜く様子は、見ているだけでも興奮を誘うし、目が離せない。
「当たり前よ……はあぁ……オナニーするときは……はあふぅ……女の子のオッパイやアソコを撫で回すなんてできないもの……ああん」
「確かに、このままイカせてもらいたい気もするけど……」
 分身は熱く疼き、腰の奥からは射精情動がこみあげている。
 精液を出したい気持ちは強いが、彼女の秘部の様子に別の性欲が湧いた。
「おかあさんのオマ×コ、オレのチ×ポを欲しがってるね」
 潤んだ瞳で視線を絡ませる乙女の秘部は、大きく開いていた。
 鮮紅色の膣前庭が太く覗く割れ目からは、レモン臭の粘い汁がトロトロと溢れている。
「うん……」
 弄っていた手指をより合わせた後に開き、糸を引いたのを見せると、彼女は意外と素直に頷いた。
 身を乗り出して巨乳を紡錘形に伸ばしつつ、枕の下からコンドームのパッケージを持ってくる。
「おとうさんの逞しいのが欲しいわ……」
 慣れた手つきでパウチを開け、コンドームをつけてくれた。
 それから、何も言われていないのに仰向けになり、足まで広げてくれる。
「ハッキリ言ってもらわないと分からないなぁ」
 とぼけつつも彼女の大きく開いた太ももに割り込む。
「それは……あぁっ……いじわるぅ……ああん」
 スキンをつけてもらった怒張を握る。分厚く膨れた穂先で、鮮紅色にせり上がる割れ目の奥を弄ると、甘えたあえぎ声があがった。
「ち、チ×ポよ、あん、おとうさんのぶっといチ×ポを私のオマ×コに埋め込んで、かき回して欲しいの、あぁン」
「いつもオレに勝ってる女の子に、自分好みのエロ言葉を使ってもらうのは、堪らないな。おかあさんは声が綺麗だから、余計にチ×ポに響く。分かるだろ?」
「ああぁん、おとうさんのデカチ×ポ、ますます大きく硬くなってるぅ」
 切羽詰まった仕草で頷いて、ますます足を開く。
 もう本当に我慢できないという感じだ。
(水無月さんって、可愛い顔して人一倍セックスの快楽に弱いのかな)
 そう思うと、自分を求めてくれる女子がますます愛しくて、怒張が痛いほど漲る。
「いくよ……」
 細かい収縮を繰り返す膣口に、圧倒的なまでに大きいオスの膨らみを押し当てた。
「おかあさんのオマ×コにぶちこむね……ふぅン」
 体重をこめながら覆い被さり、ゆっくり挿入する。
「はああぁぁ……友達のカレシよりも極太のが……」
 よそのお宅の夫婦の寝室で、教室では席が隣の女子と正常位でひとつになっていく。
「おとうさんのが……私の中に入ってくるぅ」
 怒張が深く埋まるのに合わせて、内部からネットリした恥蜜が溢れ、ゴムを纏う肉棒は濡れていく。
「これがおかあさんのナカなのか……狭くてキツくて……でも柔らかくて熱くてすごく複雑だ……それがすごく気持ちいい……くぅぅ」
 膣粘膜に包まれる感触は、自分の利き手とは次元が違う快感だった。
 怒張は意思を離れていた。大喜びで跳ね回り、内側から胎内を揺すぶる。
「ああンっ、ぶっといのが元気に暴れてるぅ、はあああ、すごいぃぃ」
 逆手でシーツを握って合体を受け止める乙女が、色っぽく薄く笑う。
「はあああ、うそぉ、ンン、やだ、い、イキそうっ」
 竿の半分近くまで入れた頃、彼女の息づかいが切羽詰まってきた。
「お風呂のときより、はうぅぅ、もっと深いぃ……あああ、まだよいんが残ってたのかしら……くぅぅぅ……と、とにかく、ああん、奥まで届いたらきっと」
「十中八九、触れるよ」
「え……っ」
「女性の膣は伸縮するものだけど、通常時の平均の長さは一〇センチに満たないとか。オレの勃起チ×ポは倍だったとしても面倒見られるよ」
「えぇっ……数字にしたら、そこまでのものだったのっ」
「計ったのはだいぶ前だし、今はそのときを確実に超えてる。おかあさんが魅力的だからね」
「ああっ、こんなときに褒められたら、ああ、ダメ、ほんとにイッちゃう、奥まできちゃダメぇっ」
 イヤイヤと首を振り、カールがかかった可愛らしい髪が振り乱れる。
 だが、本気で嫌がってるわけでないのは、声が蜂蜜みたいに甘いのから分かる。
 男根を受け入れる媚肉も、早く巨根の形にしてとばかりに妖しく締め上げ、しかも奥に向かって扱いていた。
「初めてセックスするのに、入れられただけでイクなんて、格好悪すぎる、はああ、お願い、許してぇ」
「おかあさんの可愛いところ、オレに見せて……ふんッ」
 巨根を子宮で受け止めて絶頂する様子を眺めるために、腰に力を入れ直す。
 実のところ、自分も気を抜くと射精しそうだったが、おくびにも出さずに耐えつつ、挿入を深めた。
 距離にして数センチのところで、行き止まりに達する。
 自分の性器が胎内のすべてに触れたのを刻みつける心地で、ぐいっと押し上げた。
「ふああぁっ、ほ、ほんに届いてるっ、あああ、やっぱり、イクっ、イクぅッ」
 目の前で乙女の細い顎が、弾かれたみたいに上がった。
 普段は顎で隠れているところまで首をさらしながら、のけぞる。
「あああぁぁぁッッッ、やぁん、一番奥までチ×ポ入れられただけで、ああああ、イッちゃってるぅぅぅ」
 両親の寝室に、クラスメイトと性行為する娘の恥声が響き渡る。
 逆手に持つシーツには、深い皺と汗のシミができていた。
 背筋が反れた勢いのままに、スイカみたいに大きくて、仰向けでも流れずツンと上を向く双乳がバラバラに弾む。
 五〇〇円玉サイズでピンク色の乳輪は肥厚し、乳頭も丸く勃起しきっており、乳房の動きに合わせて宙空に線を描いている。
 悦びの声音で恥ずかしがる彼女の太ももは、男子の腰をガッチリ挟んで締め付けていた。
「はああ……ああんん……まさか……こんなにあっさりイッちゃうなんてぇ」
 落ち着くまで待っていたら、悔しそうに呟いたが、全身は桃色に紅潮していた。
 薄い汗で照り光り、甘い体臭と愛液の匂いを放つ姿は、ローションを塗りたくったときみたいに色っぽい。
「お風呂では抱き合ってたから見られなかったけど……じっくり見させてもらったら、想像以上に可愛かったよ」
「う……もぅ……」
「イッたばかりの照れ顔も最高だね」
「今度は、おとうさんを先にイカせてあげるんだから」
「なら、勝負しようよ」
 教室では見られない、色っぽくて可愛らしいところをもっと見たいのと、一緒に気持ちよくなりたい性欲から、豊は切り出した。

【 100円 】プラン以上限定 月額:100円

作品の表紙と全文章つき(縦書き)のPDFデータと画像(トリミング前の表紙画像など)がアップしてあります

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夜山の休憩所 2022/07/01 13:02

ばつゲーム(書き下ろし小説アップしました)(2022年7月01日)


いつも応援ありがとうございます。
更新頻度が少なくてすみません。

これから有料プランのはもっと少なくなる見とおしです。
重ね重ねすみませんです。

100円の有料プランにて、
昨日発売された同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)(右綴じ)(30M強)
・表紙とおまけカットの原本(JPEG画像)

この記事は来月にも掲載します。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月にも掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「ばつゲーム」(Affection)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で70ページ程度)

●ご紹介
 夫婦のラブイチャごっこ

●傾向 
 書き下ろし。短編。学生。
 ご奉仕プレイ。快楽責め。背徳。アナル。
 ローションプレイ。対面座位。
 正常位。だいしゅきホールド。後背位。両穴責め。
 避妊具。
 浴室。よそのお宅の夫婦の寝室。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3NzwSLT

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

●小説、表紙イラスト 石川檸檬(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川れもんの別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
 表紙:和羽 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020901330000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3R3oKGa

・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「ハニトラ・ワイフ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「たばかりギャル」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「ばつゲーム」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 稲田 実(いなだ みのる) 男子学園生。春奈に連敗しつつも可愛いとは思ってる。
 水無月 春奈(みなづき はるな) 女子学園生。なにかと稲田と勝負してからかう。

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。


     1

「ねぇ、稲田。成績表の見せっこしない?」
 よく晴れた夏の昼休み。
 昼食をとって一息ついている稲田豊へ、隣の席の水無月春奈がもちかけた。
 エアコンの効いた教室の他のクラスメイトは、友達とおしゃべりを楽しんだり、ケータイをいじったり、本を読んだりしていて、思い思いに過ごしている。
「勝負の内容は忘れてないよね、水無月さん」
「各科目の点数、男女別の順位、学年順位を競う三本勝負ね。勝った方がその回数だけ……だから負けた方は最低二回は言うことをきく罰ゲーム。でしょ?」
 午前中のホームルームで渡された成績表を鞄から取り出しつつ、豊は「そうとも」と相づちを打つ。
(自信ありげな態度だけど、オレには敵うまい)
 素知らぬ顔をしつつ、男子は胸中でほくそ笑む。
 面識はなかったのに、春に席が隣同士になって以来、彼女はなにかと勝負を挑んでくる。
 結構な回数、受けて立っているというのに、なにかにつけて一枚上手の女子には連戦連敗で、悔しさは山のように募っていた。
 だから、定期考査の大分前に成績勝負を持ちかけられたときから、油断を誘うために勉強していない振りをしつつ、こっそり血道を上げてきたのだ。
(結果はかなりよかった。正直、ここまで自分ができるやつだったなんて驚きだ。水無月さん、きみはもっとびっくりしてくれよ)
 いつも澄まし顔でいる女子が、声を上げて目を剥く様子が脳裏に浮かぶ。
 現実でも早く見たいあまり震える手で、机に二つ折りの通知を出す。
「おめでとう、稲田」
「え?」
 既に自分の机に用意していた彼女が、横から顔をのぞき込んでくる。
「すっごくよかったって顔に書いてる」
 肩よりも長い髪が外側にカールしている愛らしい顔が、ニッコリ笑う。
「い、いや……それほどでも……」
 女子にまっすぐ見つめられて、慣れていない男子の頬は熱くなった。
 漂ってくる爽やかに甘い体臭に鼻腔をくすぐられるのにも、胸の奥がムズムズする。
「い、いいのかい?」
「ん?」
「オレがよかったってことは、自分が負けるかもってことじゃないか」
「それはそれ、これはこれだよ」
「そう……なんだ……」
「私がよかったら稲田もお祝いしてね。罰ゲームとは関係なくさ」
「いいよ……それくらい」
 承諾すると、彼女の口角がまた嬉しそうに上がった。
「じゃ、せーので見せあお。ほら、見やすいように机の端に成績表を持ってきて」
「う、うん……これでいいかい?」
「オーケー。じゃぁ、いい? ……せーの」
 とおり道の隙間を挟む机の上で、両者は同時に開いた。
 ふたりで首を伸ばし、隣席の成績をまじまじと確認する。
 先に声を上げたのは豊だった。
「げげっ……ウソだろ……!」
「総合でも男女別でも私の方が順位が上だねー。科目別の点数では負け越しちゃってるけど」
 信じられなくて何度も見返したが、やはり順位は言われた風に僅差で負け。
 現実を受け入れた瞬間、完全に力が抜けて机に突っ伏した。
「そんなぁ……」
「残念だったね。でも、びっくりだよ。中間テストよりすごく伸びてる。もしもちゃんと勉強してたら、勝ってたんじゃない?」
「うぐ……」
 悪戯っぽく笑いかけられて小さく呻く。
 油断するための作戦は、完全に見透かされていたらしい。
「勝敗が分かったんだし、机と仲よくする以外にやることあるよね?」
「……負けました」
「うん、勝ちました」
「ぐぬぬ……」
「あら、これだけ?」
「……好成績おめでとう」
「名前もつけてくれないと」
「ぐ……好成績おめでとう、水無月さん」
「ありがと稲田、うふふ」
 言わせるだけ言わせた女子は満足そうに微笑した。
「稲田のことを思って頑張った甲斐があったよ」
「えっ」
 言葉にマッチした優しい目で見つめられて、胸が高鳴った。
「今度は、どんな罰ゲームしてもらおうかなって」
「えぇっ……そういう意味なのっ」
 胸の高鳴りは即座に鎮まった。
「あれ、顔が赤いね。どういう意味だと思った?」
「し、知らないよ……それより、早く罰ゲームを教えてッ、なにすればいい?」
 突き詰められたくなくて話題を逸らす。
 彼女の興味はあっさりそちらに移ったらしい。こんなこともあろうかと、というよりも、結果を予知していたみたいにごく自然な様子で、鞄から包みを取り出した。
「私は二勝して勝ったから、ふたつ、言うことをきいてもらうということで、いいよね」
「ルールだから従うよ」
「じゃぁ、一つ目の罰ゲームは……コレの試食」
 渡されたのは透明な小袋で、口がリボンで縛ってある。
「クッキー?」
 そうとしか思えない円く膨らんだ塊が十数個入っている。
「お昼を食べた後でも、一枚くらいは入るよね? 育ち盛りの男の子だもの」
「そりゃ、まぁ……」
 リボンをほどいて口を開け、一枚摘まんで口元へ持ってくる。
 店で売っている物みたいに、形は綺麗で焦げ目のひとつもない。
 漂ってくるバターのいい匂いが食欲をかき立て、昼食を入れたばかりのお腹もざわつく。
(美味しそうだ……でも……罰ゲームなんだし……カラシとかタバスコとか……砂糖の代わりに塩が入ってるとかするのかな……)
 想像して背筋が寒くなった。
 踏ん切りが付かず、焼き菓子とにらめっこしていると、彼女が意地悪く笑う。
「もしかして一人では食べられない? あ~んって、して欲しい?」
 別のを一枚摘まみ、口元へよこすそぶりを見せた。
「じ、自分で食べるよっ」
 教室にはたくさん学生がいる。
 もしも、有言実行されたところを見られたら恥ずかしすぎる。
 だからギュッと目をつむり、「ままよっ」と念じて、持っていたのを丸ごと口中へ放り込んだ。
「もぐもぐ……あ……美味い……」
 がむしゃらに咀嚼してまもなく、優しい甘さが口の中いっぱいに広がった。
 見た目どおりに食感もいい。
 噛むだけ噛んで飲みこんでも、後味が引かないのにも驚いた。
 大量生産品と比べ、甘みはあっさりしているがコクは十分。それでいて、食べた後も口の中が心地いい。
「口にあったか……よかったぁ」
 罰ゲームを仕掛けた女子は、なぜかホッとした様子で呟いた。
「これ、どこで買ったの?」
 二枚目を口に入れつつ訊ねる。
 やはり、一枚目みたいにいい味だった。悪戯が仕込まれているなどとんでもない。三枚目、四枚目へと手が自然に動く。
「これ、セットの牛乳ね……売ってる物みたいに美味しいって思ったんだ」
 パックに付属のストローを挿して寄越しながら、妙に嬉しそうに呟く。
「もしかして……これって……」
「私の手作り。稲田に食べてもらいたくて作ったの」
「え……これを水無月さんがっ……オレのために……?」
 聞いた途端、またもや胸が高鳴った。
 はにかんだ笑顔を浮かべて伝える様子には、ウソや冗談を感じない。
「それ……ひょっとして……」
「うん。罰ゲームで食べさせられてるのに、美味しいって喜ぶ稲田を見たくて頑張ったの。うふふ、いい顔をしてくれたね」
「ぬぐっ……」
 淡い気持ちはツユと消え、耳たぶまで熱くなった。
「機嫌が直ってからでいいから、クッキーは全部食べてね。牛乳も」
「昼休み中に平らげるよ……あぐあぐ……ごくんっ」
「おお、いい食べっぷり。勝者のクッキーも美味しく食べられて偉い偉い」
「折角、美味しいクッキーなんだから、精神攻撃はやめてくれない?」
「あはは、じゃぁ、ふたつめの罰ゲームのことを言うね」
「どうぞ」
「今度の休日、私の家でやってもらうわ」
「へ?」
「その日、両親は出張でいないの」
 妖しく粘つく声で告げた女子は、目も半眼だった。
 普段とは別人のように違う気配を纏う女子に見つめられて、心臓が今日一番に強く跳ねる。
「必ず来てね。してもらうことは、当日に教えるわ」
「う……うん…………オレは負けたわけだし……約束は守るさ……」
 反発している間も美味しかったクッキーだったのに、もう味が分からない。
(水無月さん……もしかして……やっぱり……)
 別の意味で頬がまた熱くなったとき、昼休み終了のチャイムが鳴った。

     2

「おはよう、稲田。朝から来てくれてありがとう。これよろしくね」
 約束の日の朝は早かった。
 世界がまだ群青色で涼しい時間に呼びつけられた豊は、甘いことを考えていた自分を殴りたい衝動に駆られている。
「これ……ぜんぶやるの? オレ一人で……?」
 初めて訪れる水無月春奈の自宅は、築二〇年弱の一戸建て。
 近所でも広めの庭を備える、だいぶ大きい佇まいだった。
 電子ロックという玄関の脇には、ブルーシートが敷かれていて、塗装や日曜大工などのための道具が積まれている。
「仕事はメモにあるとおりよ。こういうことは得意だって、いつも言ってるよね。安全第一で頑張って」
「屋根や壁のペンキ塗り……家庭菜園の整地に種まき……廃材の分別と裁断……オイルタンクのストレージの交換……他のも難しくないけど……量が多すぎる
 豊は胸中で嘆息した。
 まさか罰ゲームが、コキ使われることだなんて。
 今まで何度も受けてきたものの、肉体労働させられるのは初めてだった。
 しかも、女子の出で立ちも出で立ちだ。
(薄い桃色のチュニックにスエット風のズボン……これはこれで新鮮で可愛いけど……普段着って感じだ……特別な男子を家に招いた女子の姿じゃない)
 ひとりで舞い上がっていたのが心底バカバカしい。
「ガッカリしてるね。なにを期待してたのかなぁ」
「な、なにも期待してないよっ」
「ほんとうに~? 自分のようにカラダが大人になっている女子に、親がいない自宅へ呼ばれて、エッチにウキウキしてたとか」
「ぐっ……て、天気予報は今日も真夏日になるって言ってたし、暑くならないうちに済ませなくちゃっ」
 置かれていた軍手をはめつつ、こなす順番を考える。
「よろしくね、おとうさん」
「ぶっ」
 不意にされた呼びかけに、頭の中が真っ白になった。
「なんだい、それ」
「女子に頼まれて、家のこんな雑用をする男性は、旦那様じゃない。だから、おとうさんよ」
「そんな……ままごとでもあるまいし……」
 言葉とは裏腹に顔は熱い。
 因縁はあるが、客観的には容姿端麗な女子で、馬鹿馬鹿しい誤解をするくらいには難からず思っている女の子なのだ。親しげに特別な呼び方をされては、胸の奥が甘く温かくなる。
「旦那様の方が好みなら、そうするよ」
 身を乗り出して首まで伸ばしてくる。
 やたらニコニコした女子の顔が、鼻先同士がくっつくまで接近した。
「好きにしてっ、オレは仕事にとりかかるよッ」
 金切り声で叫んで身をひいて、道具の山へ飛びかかる。
「夕方までに終わらなくていいから、怪我だけはしないでね」
 本気とも冗談ともつかない注意が背中に飛んでくる。
 今度こそ仕事の段取りを考えようとする豊だったが、キスできるまで接近した彼女の顔が脳裏にチラつき、なかなか頭が働かなかった。

     ※

「お疲れ様。お風呂の支度もできてるけど、その前にこれに着替えて昼食をとってね」
 途中、休憩をとったり、春奈の差し入れでミネラルと水分の補給もこまめに行ったりして、仕事は昼過ぎに終わらせた。
 エアコンの効いた家の中に招いた彼女は、満面の笑みで出迎えてくれている。
「う、うん……」
 仕事が済んだときには、空腹と疲労が酷かった。早く帰って寝たかったのだが、彼女を目にした途端、どちらもどこかへ吹き飛んだ。
「それと、これ。バイト代よ」
 半ば呆然としつつ、着替えと一緒に渡された封筒の中身を見ると、一万円札が五枚も入っていた。
「え、なにこれっ」
「業者にしてもらうよりも安く済ませるからって言って、親にもらったの。仕事ぶりを確認したけど、言うだけあってなかなか上手ね。親も納得してくれるわ」
「け、けど」
「それ、全額じゃないわ。私と山分けよ」
「へ」
「私は仕事してないけど、頑張ってくれたおとうさんを、うんと労うわ。だから、半分こ」
 名前どおりに笑って、くるりと回って見せた。
 ただそれだけで、野暮ったい玄関先に大輪の花が咲いたみたいな錯覚に陥る。
(うお……っ)
 男子の目の前で、スカート丈がやたら短い純白のエプロンがなびき、ムッチリした太ももが根元近くまで露出した。
(夢みたいだ……隣の席の女子が目の前で……裸エプロン姿でいるなんて!)
 春奈は今、朝に会ったときの肌がほとんど出ない服装とは正反対の出で立ちでいた。
 襟ぐりは大胆に開いていて、小柄なカラダには不釣り合いなまでに大きい双乳の合わせ目がすっかり見えている。
 エプロンの身頃も申し訳程度の幅しかなく、豊満すぎる胸元の外側半分がはみ出しているし、ハート型にくりぬかれている中央部からも、はちきれんばかりの乳肌の膨らみがこぼれていた。
 血色のいい柔肌にはシミも傷も見当たらない。
 くゆる体臭はミルクみたいに甘くて、いつまでも嗅いでいたいくらいだった。
「こっちへ来て」
 案内された部屋で、言われるままに着替えた後、ダイニングへとおされた。
 服のサイズなど教えたことはないというのに、肌着も半袖短パンも計ったみたいにぴったりなのも気になったが、食卓を見た瞬間に声が出た。
「えっ……なにこの量っ」
 唐揚げ、サラダ、肉野菜炒め、マッシュポテト、魚の照り焼き、豆腐とワカメの味噌汁、それに真っ白なホカホカご飯。
 どれもできたてで、香ばしい湯気がくゆっている。
「肉体労働の後は、やっぱりタンパク質よね。でも、他の栄養もとらないと身体によくないわ」
「もしかしてこれ……水無月さんがぜんぶ……?」
 先ほどの労うという言葉を思い出して訊ねると、彼女は胸を張った。
「口に合えばいいのだけれど」
 いつになく神妙な顔で椅子を引いた彼女は、豊が座ると自分も隣の席に着く。
「最初は……コレでどうかしら」
 箸で唐揚げを摘まんだら、反対の手を添えて近づけてきた。
「本当にお疲れ様でした。どうぞ、おとうさん」
 まるで夫を大切に思う本物の新妻みたいに、柔らかい笑みを浮かべる。
「うん……あ~ん……もぐもぐ」
 恥ずかしくて照れくさくて顔は熱いものの、逆らわずに口で受け止めた。
 適度な歯ごたえも心地いいが、噛むほどに溢れる肉汁と鶏モモのうま味は、働き通しの空きっ腹に染みて涙が出てくる。ショウガも絶妙にきいていて、後味は爽やかだ。
「美味しい?」
「最高だよ、水無月さんっ」
 最近、味見させられたクッキー同様、肉の下味はあっさりしていてコクがある。取り過ぎると身体によくない塩分の量を少なくし、他の調味料で味を引き立てているのだろう。美味しいだけでなく身体にも優しい料理なのだ。
「よかったぁ……次は、どれがいい?」
「ごめん……やっぱりあ~んは……自分で食べるよ」
「あはは、おとうさんってば照れてる」
「こんなことされたら誰だって……」
「今の私たちは新婚夫婦って設定なのになぁ」
「それも罰ゲームのうちなんて聞いてないんだけどっ」
 からかわれるのは気恥ずかしいが、彼女の手作り料理を一緒にとるのは悪くない。
 唐揚げ一つで蘇った空腹感のままに箸を進める。
 食卓のすべての皿が空っぽになるまで、二〇分もかからなかった。

     3

「はぁ……高いバイト代と美味い食事だけでなく、熱いお風呂までもらえるなんて……これのどこが罰ゲームなんだろ」
 浴室に入るなりした呟きは、エコーがかかって鼓膜を揺らす。
 よその家のお風呂をもらうのには気後れするが、春奈の勧めは断り切れなかった。
 裸エプロンで美味しい料理を振る舞ってくれた女子には、強く出られない。
「大量の仕事を押しつけられたときは奈落の底へ突き落とされた気分だったけど……今は天にも昇る心地だよ」
 ホテルにあるみたいに立派な浴槽の蓋を外して湯加減を確かめたら、手桶で掬ったお湯を身体にかける。
 大人数人でもラクに使える浴室に、水の流れる音が反響した。
「湯加減はどう? おとうさん」
「ちょうどいいよ、ありがとう……えっ、み、水無月さんっ!」
 合いの手を入れて気がついて、慌てて出入り口へ振り返る。
 音もなく入ってきたクラスメイトは、自分と同じように一枚も被服を着ていない。バスタオルすら巻いていないのだ。
 大きいペットボトルを入れた洗面器を小脇に抱えて、備え付けの椅子を側に据える。
「昼間は本当にお疲れ様。背中を流してあげるね」
「い、いいよっ」
「遠慮はいらないわ。これは罰ゲームの一環なんだから。むしろ、拒否したらルール違反ね」
「うぐっ……」
「稲田は逃げないわよね」
「もぅ、勝手にしてくれっ」
 彼女に背中を向ける姿勢で、勧められた椅子に座る。
「そうこなくちゃ。すぐに準備するから、少しだけ待っていてね」
 ペットボトルの蓋を開けたり、恐らくお湯の水栓を解放して洗面器を満たしたりする音が聞こえてきた。
「んっ……ローションをオッパイとかに塗り込むのは……んふ……何回やっても慣れないかも……んふぅ……」
 豊は耳を疑った。
(今、なんて言ったんだ?)
 かぶりを振っても、やたら粘っこい水音が連続して響くのは止まらない。
 まだ若いが、子作り可能なまでに肉体が成熟している男子だけに、ローションが化粧水として使われるだけでなく、快楽目的の性行為に用いられるという知識も、なんとなく得ている。
 女性が自分のカラダをスポンジにして、男性の身体を性的に刺激しながら洗う、いわゆるローションプレイやソーププレイの存在も、進んでいる男子に聞かされたことがあった。
(そういうことを……してくれようとしてるのか……?)
 思わず振り返りかけたとき、彼女は静かに止めた。
「稲田、勝負しようよ」
「え、今?」
「準備してる私を見たら稲田の負け。背中を流して終了ね。でも我慢できたら、前も洗ってあげるわ」
「そ、それって……」
「見ちゃう? 見ない?」
 教室で勝負をもちかけてくるときみたいに切り出したが、僅かに声が上ずっている。
(きっと、見られるのが恥ずかしいんだ……けど、ローションプレイで男子の後ろも前も洗ってあげるなんていうのはオーケーとか……基準がおかしくない?)
 腑に落ちないものの、他人の嫌がることをするつもりはない。
 前も洗ってくれるというのにも心引かれつつ、正面を向いてじっと待った。
「お待たせ。よく我慢したね。そんなに前もして欲しかったんだ」
「そ、そういうんじゃ……うっ……うおおおっ」
 言い返す途中で、経験したことのない接触感に襲われた。
 問答無用で背中が甘く痺れ、今まで上げたことのない雄叫びが口から飛び出る。
「こ、これって……」
 脳裏に彼女の肢体が浮かんだ。
 教室で見慣れた制服姿ではなく、ダイニングで見せられた裸エプロンと、浴室に入ってきたときに一瞬だけ見た、一糸まとわぬ姿だった。
 両方の肩甲骨の下ら辺に、円く小さく生硬な感触と、柔らかくて少し広くて心まで蕩ける触れ心地が起こっている。
「オッパイの先っぽを少し押しつけただけで、すごい声が出たねぇ」
 悪戯っぽく説明してくれた女子は、同い年の双乳の具合を教え込むみたいに、軽く押しては離れるのを繰り返す。
 男子の死角に押しつけられる豊かな膨らみは、潰れてせり上がっては、元の形に戻る。その間ずっと、うら若い女子の乳肌はかすかに波打つ。
「さっきダイニングで、オッパイをすごい見てたね」
「い、言われるほどは……くぅぅ……」
「大きいのが好きなんでしょ? だから、オッパイで背中を流してあげる」
 勃起前の乳頭と周囲の乳肉の具合が脳裏にインプットされた頃、体重を込めてのしかかってきた。
「ぐぅぅぅッ……そ、そこまで……するなんて……っ」
 見えないが、頭の中に状況が浮かぶ。
 平たくひしゃげるまでオッパイを押し込まれる背中も、この世の物とは思えないほど気持ちいい。
 だが、教室でいつも一緒に授業を受けている女子が、素っ裸で抱きついている様子を思い描くだけでも、どうしようもなく興奮した。
 タオルをかけていない分身に、どんどん血が集まっているのがハッキリ分かる。
「んっ……んっ……どう、気持ちいい?」
 鼻にかかった声で訊ねてくる。
 元々、アニメやゲームで聞けそうな美声の持ち主だが、今は日常では聞いたことのない色気を帯びていた。
「背中をオッパイで、ヌルヌルって洗ってもらう具合はいい?」
 甘ったるく訊ねられるだけで、胸の奥が激しくざわつく。
 話しかけながらも、彼女はスムーズに動きだしていた。
 バストの横で小さく万歳するポーズで一瞬も止まらず、躊躇いも起こさず、首の側から腰までの範囲を、ローションでたっぷり濡らした豊胸で、洗うというよりも扱いてくる。
 同じ人間のものとは思えない乳房の感触に、とっかかりのない摩擦感が加わり、しかも、平常心を奪うほど蠱惑的な媚声を聞かされては、ひとたまりもなかった。
「最高だよ、水無月さん……はあ……はあ……こんな快感は初めてだっ」
 相手は自分を何度も負かしている女子だというのに、手放しで絶賛してしまう。
「うふ、おとうさんったら大喜びして。性感に耐性なさすぎよ」
「こんなことされたら誰だって……はぁっ……はぁっ」
「ほんとウブなんだから……これは、性愛の奥深さをしっかり教えて……他の女に浮気しないよう躾ける必要があるわね」
 双乳の脇にやっていた両手を前に回し、男の胸板を抱きしめる。
 同時に体重を込めて思い切り胸を押しつけ、これ以上ないほど密着させた。
「ふあああっ、こんなことって、うあああッッッ」
 両手と双乳を含めた前半身で、男子の肉体を押し包みつつ、上下に動いてくる。
 肌の接触面積が増すのに比例し、性感も爆発的に上がった。
「んふぅ……んんっ……さっきよりも気持ちいいでしょ? んふぅぅ」
 瑞々しい朱唇を耳穴に近づけて、色っぽい声を聞かせつつ、男のカラダを扱きたてる。
「うああ、気持ちいいよ、水無月さんっ、ああ、最高すぎるっ」
 生まれて初めて女体に接する肉体は、熱く敏感になっていた。
 胴体はまるで性器みたいに興奮し、意識がぶつ切りになる。
「他人行儀に呼ばないで。今はおかあさん、よ」
「いいよ、おかあさん、くぅぅ、カラダ気持ちいいよッ」
 カラダを存分に使って、極楽気分を味わわせてくれる女子には敵わない。
 実母と性行為している風でイヤな気持ちもあるが、
「どうされるのがいいか、具体的に言ってみて」
「おかあさんの巨乳と柔肌とほっそりした手で……はあッ……はあッ……背中も胸元もお腹も、ぜんぶまさぐられるの、ほんとに気持ちいいっ」
 何度か口にしていると気にならなくなってきた。
 自分と同じ歳の女子のカラダは、産みの親とは全然違う。
 豊満なのに華奢で儚げ。放つ匂いもフレッシュに甘い。
(なんだか本当に……水無月さんと夫婦になって、性行為を楽しんでる気がしてきた)
 もう豊の中では、おかあさんという呼び方は、彼女を名前で呼ぶのと同じことになっている。
「うふふ、おとうさんったら、ドライオーガズムしちゃいそうね」
 ローションを擦りつけ、自分と同じように男子の肉体を照り光らせていたカラダが、複数の糸を引いて離れた。
「前も洗ってあげるとも、性行為の奥深さを教えてあげるとも約束したのだから、おちん×んを刺激せずに射精させるわけにはいかないわ」
 前に回ると両手を男の首に回し、ゆっくり腰を下ろしていく。
「えっ……まさか……ぐぅぅぅッッッ」
 対面座位で避妊具なしのセックスをするのだと思えば、彼女の大事な部分は屹立する分身と擦れながらすれ違った。
 迸った快感電気に呻くが、彼女も熱い吐息をこぼす。
「あん……おとうさんの大きいのに触っただけで……アソコ痺れちゃった……はあぁ……」
 無毛の肉土手は尿道を伝って降り、陰嚢と密着して落ち着く。
「うああ……今オレ……教室では隣席の女子のオマ×コに……チ×ポで触れちゃってる……ッ」
 胸板に擦りつけられている巨乳に遮られて見えないが、初めて接する女唇は火が点いたみたいに熱かった。
 特にヌルついているのは、彼女が本当に悦びを覚えているからだろうか。
 意識すると、垂直にそそり立っている怒張が疼いた。
 彼女の柔らかくスッキリし、粘液でヌルヌルのお腹に押される快感が増して、陰嚢から根元にかけてが騒がしい。
「まだ学生同士だし……あふ……ごっこ遊びでも子づくりセックスはできないけど……んんぅ……このまま私のお腹に包まれて射精していいからね……んぅっ」
 首を抱き寄せて顔を交差し、耳の中に蠱惑的な声音を聞かせたら、また動き出した。
「ああん……背中の時と違って……ああっ……逞しいのが当たるから……はああんぅ」
 スイカみたいに大きくて柔らかいのに、若々しい弾力を備えた双乳を男の胸板へねちっこく擦りつけ、全身を上下に揺すり立てる。
「ああっ……おかあさんのオマ×コが……オレのチ×ポの尿道を……裏筋まで、ヌルヌルって扱いてるッ」
 男の肉体をカラダ全体で摩擦する奉仕プレイは至福だった。
 最も敏感で性的な刺激に貪欲な怒張も扱かれている分、背後でされたときよりも気持ちいい。
「はあっ……はあっ……ほんとに、このまま射精していいのかい……くぅっ」
「もちろんよ……んっ、んんっ……いつでも私のカラダに精子出して、あン」
 今までよりも甘く切羽詰まった声で即答してくれた。
(嬉しい……きっと、ちり紙に出すより快感なんだろうな……でも)
 怒張の中は熱くうねっている。
 少しでも蜜時を長く味わいたくてお腹に力を入れて先延ばしにしているが、射精はそう遠くないと直感していた。
「おかあさんもイッてよ。今度はオレに、セックスの奥深さを教えられながら」
 されっぱなしは癪だし、こんなにも素晴らしいプレゼントをしてもらっているのに、お返しをしないのは悪い気がする。
 だから両手をお尻に這わせた。
「えっ、なにをするつもりなの?」
 主導権を握っていた女子が、僅かに怯えの色を見せる。
「乱暴はしないよ。どうしてもイヤだったらやめるね……えいっ」
 同じくらい大きいが、バストと比べたら柔らかさが勝る尻タブを両手で割る。
 それから片方の指の一本を長く伸ばし、露出させた肛門に手探りで触れた。
「ひゃぁっ、そ、そこはっ」
 敏感な部位に触れられた乙女は、瞬時に縦に伸び上がった。
 豊満な柔尻は小刻みに震える。
「う、うそでしょ、ああっ、そんなぁ、はああぁ」
 円い窄まりに優しく指の腹を埋め、ごくごく弱くほじってあげると、彼女の声が今まで以上に切迫感を孕んだ。
「ダメよ、ああんっ、汚いわ、ああ、不衛生よっ」
「この指はおかあさんの可愛いお尻の穴にだけ触れるよ。終わったら、よく洗うし、大丈夫」
「で、でもぉ、ああ……はあああ」
 驚き戸惑っていたが、心を込めて揉みほぐしていると、慣れてきたらしい。
 徐々にくつろいだあえぎ声に変わっていた。
 横目で見れば、恥ずかしそうに、心地よさそうに長い睫毛が落ちている。
 正面から抱きついてカラダを上下に揺すり立てながら、お尻を弄られている女子は、目の下まで赤くなり始めていた。
「ああぁ……いやん……お尻の穴なんて……ダメよぉ」
「やっぱり気持ち悪い? 辛い?」
「うぅぅ……そうじゃないけど……ああんっ、言わせないでぇ」
 怒張の尿道側を垂直に扱く肉土手まで痙攣してきた。
 火照った肉花芯の割れ目からは、今まで以上に粘っこい愛液が溢れ、オス棒を染め上げている。
「お尻の穴、気持ちいいって言ってごらんよ、おかあさん」
 満更でもない様子だからと思い、今度は浅瀬を上下にピストンする。
 同時に指の腹をうねらせ、肛門のすぐ裏側の粘膜をかき回す。
「ほおおっ、お、お尻の穴、気持ちいいわッ」
 女子はのけぞり、顎が軽く上がった。
 白くて細い喉の裏を見せながら上げた恥声は、可愛らしい顔に似合わず下品に上ずっている。
「おとうさんの指で、ほああっ、アナルをほじくり返されるの、気持ちいいのッ」
 つい今し方、恥じらいの言葉を聞かせていた口が、他人には言えない悦楽の丈を正直に放つ。
 クラスメイトは、肉悦に我を忘れていた。
 目の前の男子に首から抱きつき直すなり、もっと責めてと言わんばかりに、お尻を淫猥にくねらせる。
 前半身全体で男の肉体を感じるのにも熱中し、普段からは想像できない激しさで総身を前後に弾ませて、男根ごと扱いてきた。
「はああ、ごめんなさいっ、ああン、ご奉仕する側なのに、おとうさんより先にイッちゃうのぉッ」
 男の胸板に押しつけている巨乳も、ゴツゴツした手で鷲づかみにされている尻タブも、ひっきりなしに波打つ。
 交差した顔の口元からは、あえぎ声がせわしなくあがっていた。
「いつでもイッていいなんて言ったのに、ああンン、もうダメっ、ああっ、おとうさん、私イク、ああ、イクぅぅぅぅ!」
 避けられない絶頂を悟った春奈は、力一杯抱きついてきた。
 双乳と秘部ごと投げ出して抱擁し、オーガズムの大波にさらわれる。
「オレもいくよ、おかあさん、このまま中で出すよっ……うおおおおッッッ」
 男子が浴室用の椅子に座る対面座位で、ぴったりひっついた状態で、豊も絶頂を極めた。
 火が点いたみたいに熱い柔肌と巨乳と肉花弁を肉体と怒張で存分に味わい、教室では聞けない長く尾を引く恥声も堪能しつつ、射精する。
 皮下脂肪を蓄えながらスッキリするお腹に押し包まれながら精液を吐き出し、熱い白濁液で染め上げる。
「はああっ、おとうさんのが、ふああ、私のお腹にいっぱい、ああンンン」
 料理上手の乙女は、オス汁を浴びることでも達してくれた。
 胸板にすがりつく小柄な女体は、淫らに痙攣している。
 陰茎には女性器のうねりが伝わり、指先にはアナル粘膜の歓喜の振幅が染みこんでいた。
「ああぁ……ずっとこのままでいたいわ……んんぅ……おとうさん、精液をもっと出して……私にいっぱいちょうだい……はふぅぅ」
 絶頂快楽に慣れて落ち着いてくると、正面から見つめてきた。
 大きくて黒目がちな目はすっかり潤み、顔は目元まで真っ赤だ。
「オレの精液がおかあさんの身体の中に染みこむけど、いいのかい?」
「野暮なことを言う口は塞いじゃうんだから、むちゅっ」
 少し顔を傾け、力を込めて唇を重ねてくる。
 生まれて初めて異性とキスした感激と快感で、お腹の柔肌に包まれる怒張は跳ね、新しい精液を放った。
 豊は逆らわない。
 彼女が首を抱き寄せ直したのに合わせ、お尻を鷲づかみにする手に力を入れて自分も抱き返した。指先をお尻の穴にいっそう深く埋め、自分の形に変えながら。

     4

「んっ……おとうさん……んんぅ」
 男女で肌身を重ねる味を覚えた若いふたりは、お風呂から上がると春奈の先導で両親の寝室に入った。
 エアコンを効かせ、裸で並んでクィーンベッドの縁に座るふたりは、相手の唇に何度もキスの雨を降らせている。
「ちゅっ……よそのお宅のお風呂場であんなことした後に……んむちゅ……寝室で続きをするなんて……気後れするなぁ……むぶちゅ」
「ここが一番落ち着ける場所なの……ちゅ……ふたりとも今日は帰ってこないから安心して……ちゅぷ……私の部屋は恥ずかしいし」
「なら仕方ないか……むちゅぅ」
 ローションまみれで抱き合う性行為をしたのに、自室に招くのはちょっと、という心理はわからないが、彼女の意思は尊重したかった。
 無理強いして機嫌を損ね、ふたりでしか体験できない蜜の時間が終わったら、悔やんでも悔やみきれない。
(セックスって……こんなにいいものだったんだ……)
 相手は自分を負かし続ける女子だけれど、可愛くてスタイルはいい。日曜大工の報酬を折半してくれたり、自分のために料理を作ってくれたり、お風呂ではカラダを惜しみなく使って労ってくれた。
 相手としては申し分ない。
「それにしても……おかあさんは顔も愛らしいけど、スタイルも抜群だね」
 罰ゲームを建前に、夫婦ごっこしたがるのに合わせた呼び方で褒める。
「日頃から磨いているもの。見てもらいたいおとうさんに悦んでもらえて嬉しいわ」
「それって……」
「世の奥様方のたしなみよ」
「えっ」
「んふふ、なぁに。いつも稲田を意識して、気を遣ってると言って欲しかった?」
 キスしていた口を離して、悪戯っぽく見つめてくる。
 瑞々しい朱唇からは、ふたりのが混ざり合った唾液の糸が伸び、男子のと繋がっていた。
「うっ……もぅ」
 照れ隠しで男子の太い両腕を伸ばす。
 片方は華奢な背中に回し、脇の下もとおして、外側から片乳を鷲づかみにした。
「あぁん、キスだけじゃ足りないのぉ?」
 甘えた声を出すものの、振り払おうとはしなかった。
 暗に許可をもらえたのを利用して、優しく指を埋める。
 本人の顔に勝るとも劣らないボリュームの肉スイカは、お風呂でも感じたが弾力が強い。深く潜るほど心地いい反発力がする。
「こんなに大きくて形が綺麗で感触もいいおかあさんのオッパイを、伴侶として放置できないね」
 力を入れてめりこませては、脱力して押し返され、巨乳を元の形に戻すのを繰り返す。
 弾力も素晴らしいが、柔らかさも魅惑的だった。指を突き立てるときに包まれると、手のひら全体が甘く痺れて何度でも味わいたくなる。
「隣り合って一緒に授業を受けてる女子のオッパイを、こんな風に楽しませてもらえるなんて、不思議な感じだけど感激だよ」
「私も、はあぁ、素敵な心地よ、んんぅ、おとうさん、上手ぅ……もしかして、知らないだけでカノジョいるの? その子のオッパイをこんな風に?」
「まさか。おかあさんのが、生まれて初めて触ったオッパイだよ。やり方は……ネットとかで見て覚えたんだ」
「へぇー、身体つきはともかく精神的には子供っぽいのに、そういうことに興味あるんだ」
「そっちこそ、お風呂場ではすさまじかったじゃないか」
「年齢は同じでも、女子は男子より精神的に大人なのよ」
「一般論はともかく、確かにオッパイだけじゃなくココも、オトナっぽいな」
 ムチムチした太ももをさすっていた手を滑らせ、軽く開いた股間に触れる。
「初めてナマで見るけど……こんなに肉厚なんだな」
 閉じた無毛の肉土手は、形といい大きさといい、チューリップのツボミを思わせる。
「さっきは開いて、オレのチ×ポにすがりついて、扱いてたんだよな」
 皮下脂肪を蓄えた秘部との接触快感が蘇り、分身が根元から跳ねる。
 オスの証はとっくに垂直にそそり立っていた。
 皮もすっかり剥けていて、オンナを知ったばかりのピンク色の亀頭が露出している。
「あぁん……お風呂で私のお腹をドロドロに染め上げたのに……まだこんなに元気で……教科書とかに載ってるのとは形も大きさも全然違うわぁ」
 彼女の目元がねっとりと赤らんだ。
 身を乗り出した乙女の白くほっそりした片手の指先が、極太の怒張に絡みつく。
「友達がカレシのを自慢してたけど……おとうさんの方がずっと逞しいわね」
 存在感を確かめるみたいに、優しくゆっくり扱いてくる。
 薄い皮と中の肉が擦れる性感に、男子の腰が小刻みに震えた。
「ああっ……擦ってあげればあげるほど、どんどん熱くなって……えぇ、まだ硬くなるの? ……なんだかさっきよりも長く太くなってるみたい……」
 彼女の目が淫蕩に輝く。
 手淫のストロークは徐々に早くなり、指を回しきれなくても懸命に握る手の力も強くなっている。
「うっ……女子に手コキされるのって、こんなに気持ちいいんだ……自分でするのとは味わいが違いすぎる……くぅぅ」
 してもらってばかりでは我慢できず、趣味とお返しを兼ねて乳房を柔らかく揉みたて、陰部を指先で撫で回しつつ、ペニスの快感にも意識を傾ける。
 神聖さすら感じる乙女の清廉な手が、同い年の剛直を淫らに扱き抜く様子は、見ているだけでも興奮を誘うし、目が離せない。
「当たり前よ……はあぁ……オナニーするときは……はあふぅ……女の子のオッパイやアソコを撫で回すなんてできないもの……ああん」
「確かに、このままイカせてもらいたい気もするけど……」
 分身は熱く疼き、腰の奥からは射精情動がこみあげている。
 精液を出したい気持ちは強いが、彼女の秘部の様子に別の性欲が湧いた。
「おかあさんのオマ×コ、オレのチ×ポを欲しがってるね」
 潤んだ瞳で視線を絡ませる乙女の秘部は、大きく開いていた。
 鮮紅色の膣前庭が太く覗く割れ目からは、レモン臭の粘い汁がトロトロと溢れている。
「うん……」
 弄っていた手指をより合わせた後に開き、糸を引いたのを見せると、彼女は意外と素直に頷いた。
 身を乗り出して巨乳を紡錘形に伸ばしつつ、枕の下からコンドームのパッケージを持ってくる。
「おとうさんの逞しいのが欲しいわ……」
 慣れた手つきでパウチを開け、コンドームをつけてくれた。
 それから、何も言われていないのに仰向けになり、足まで広げてくれる。
「ハッキリ言ってもらわないと分からないなぁ」
 とぼけつつも彼女の大きく開いた太ももに割り込む。
「それは……あぁっ……いじわるぅ……ああん」
 スキンをつけてもらった怒張を握る。分厚く膨れた穂先で、鮮紅色にせり上がる割れ目の奥を弄ると、甘えたあえぎ声があがった。
「ち、チ×ポよ、あん、おとうさんのぶっといチ×ポを私のオマ×コに埋め込んで、かき回して欲しいの、あぁン」
「いつもオレに勝ってる女の子に、自分好みのエロ言葉を使ってもらうのは、堪らないな。おかあさんは声が綺麗だから、余計にチ×ポに響く。分かるだろ?」
「ああぁん、おとうさんのデカチ×ポ、ますます大きく硬くなってるぅ」
 切羽詰まった仕草で頷いて、ますます足を開く。
 もう本当に我慢できないという感じだ。
(水無月さんって、可愛い顔して人一倍セックスの快楽に弱いのかな)
 そう思うと、自分を求めてくれる女子がますます愛しくて、怒張が痛いほど漲る。
「いくよ……」
 細かい収縮を繰り返す膣口に、圧倒的なまでに大きいオスの膨らみを押し当てた。
「おかあさんのオマ×コにぶちこむね……ふぅン」
 体重をこめながら覆い被さり、ゆっくり挿入する。
「はああぁぁ……友達のカレシよりも極太のが……」
 よそのお宅の夫婦の寝室で、教室では席が隣の女子と正常位でひとつになっていく。
「おとうさんのが……私の中に入ってくるぅ」
 怒張が深く埋まるのに合わせて、内部からネットリした恥蜜が溢れ、ゴムを纏う肉棒は濡れていく。
「これがおかあさんのナカなのか……狭くてキツくて……でも柔らかくて熱くてすごく複雑だ……それがすごく気持ちいい……くぅぅ」
 膣粘膜に包まれる感触は、自分の利き手とは次元が違う快感だった。
 怒張は意思を離れていた。大喜びで跳ね回り、内側から胎内を揺すぶる。
「ああンっ、ぶっといのが元気に暴れてるぅ、はあああ、すごいぃぃ」
 逆手でシーツを握って合体を受け止める乙女が、色っぽく薄く笑う。
「はあああ、うそぉ、ンン、やだ、い、イキそうっ」
 竿の半分近くまで入れた頃、彼女の息づかいが切羽詰まってきた。
「お風呂のときより、はうぅぅ、もっと深いぃ……あああ、まだよいんが残ってたのかしら……くぅぅぅ……と、とにかく、ああん、奥まで届いたらきっと」
「十中八九、触れるよ」
「え……っ」
「女性の膣は伸縮するものだけど、通常時の平均の長さは一〇センチに満たないとか。オレの勃起チ×ポは倍だったとしても面倒見られるよ」
「えぇっ……数字にしたら、そこまでのものだったのっ」
「計ったのはだいぶ前だし、今はそのときを確実に超えてる。おかあさんが魅力的だからね」
「ああっ、こんなときに褒められたら、ああ、ダメ、ほんとにイッちゃう、奥まできちゃダメぇっ」
 イヤイヤと首を振り、カールがかかった可愛らしい髪が振り乱れる。
 だが、本気で嫌がってるわけでないのは、声が蜂蜜みたいに甘いのから分かる。
 男根を受け入れる媚肉も、早く巨根の形にしてとばかりに妖しく締め上げ、しかも奥に向かって扱いていた。
「初めてセックスするのに、入れられただけでイクなんて、格好悪すぎる、はああ、お願い、許してぇ」
「おかあさんの可愛いところ、オレに見せて……ふんッ」
 巨根を子宮で受け止めて絶頂する様子を眺めるために、腰に力を入れ直す。
 実のところ、自分も気を抜くと射精しそうだったが、おくびにも出さずに耐えつつ、挿入を深めた。
 距離にして数センチのところで、行き止まりに達する。
 自分の性器が胎内のすべてに触れたのを刻みつける心地で、ぐいっと押し上げた。
「ふああぁっ、ほ、ほんに届いてるっ、あああ、やっぱり、イクっ、イクぅッ」
 目の前で乙女の細い顎が、弾かれたみたいに上がった。
 普段は顎で隠れているところまで首をさらしながら、のけぞる。
「あああぁぁぁッッッ、やぁん、一番奥までチ×ポ入れられただけで、ああああ、イッちゃってるぅぅぅ」
 両親の寝室に、クラスメイトと性行為する娘の恥声が響き渡る。
 逆手に持つシーツには、深い皺と汗のシミができていた。
 背筋が反れた勢いのままに、スイカみたいに大きくて、仰向けでも流れずツンと上を向く双乳がバラバラに弾む。
 五〇〇円玉サイズでピンク色の乳輪は肥厚し、乳頭も丸く勃起しきっており、乳房の動きに合わせて宙空に線を描いている。
 悦びの声音で恥ずかしがる彼女の太ももは、男子の腰をガッチリ挟んで締め付けていた。
「はああ……ああんん……まさか……こんなにあっさりイッちゃうなんてぇ」
 落ち着くまで待っていたら、悔しそうに呟いたが、全身は桃色に紅潮していた。
 薄い汗で照り光り、甘い体臭と愛液の匂いを放つ姿は、ローションを塗りたくったときみたいに色っぽい。
「お風呂では抱き合ってたから見られなかったけど……じっくり見させてもらったら、想像以上に可愛かったよ」
「う……もぅ……」
「イッたばかりの照れ顔も最高だね」
「今度は、おとうさんを先にイカせてあげるんだから」
「なら、勝負しようよ」
 教室では見られない、色っぽくて可愛らしいところをもっと見たいのと、一緒に気持ちよくなりたい性欲から、豊は切り出した。

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