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耳かきの記事 (53)

時 自若 2022/12/23 00:46

今生のローダンセ 第37話 耳かきをしてもらう方法

「耳掃除します?」
ダッ!
駆け抜けた音がして。
「します!」
「あれ、なんか今してたんじゃないの?」
「耳掃除します」
「…わかった、イヤホンとか見せて」
「ああ」
使っているイヤホンをみると、きれいに拭き取り。
「はい、耳掃除しますよ」
心のワンワンがワフワッフいいだす。
「そこまで溜まってないと思ったけども…」
一かきで取り除かれた色と量を見て。
「これは念入りにやらなければならないわね」
汗だくが生み出した垢の団子がとれた。
(ああああああ)
見てる、見てる、見られている、すごい見られているよ。
汚いところ、すごい見られちゃってるよ!
ヒタ…
そこで耳に当たる感触。
カサッ
その音でおとなしくなると、耳かきは奥に進んでいき、くるりと中で回り込んだ。
とれたことを確認すると、ティッシュで拭き取る。
竹の耳かきは、その後も穴の中にあるであろう獲物を求めさ迷う。
大きなものがとれなくなると、その次は綿棒である。
部屋の中よりも少し冷たいその液を、たっぷりと含まれた綿棒で、今まで掃除した場所を拭き直す。
これで汚れを取るというよりは、液体を塗布するである。
濡らしたあと、乾いた綿棒を当てたのならば、前後左右と動いただけで綿棒の色が変わるのだ。
(もうお婿さんに貰ってもらわなきゃ、恥ずかしいところたくさん見られているし)
責任とって~プレイができるのも耳かきのいいところである。
「はい、右耳終わり、次は左耳ね」
「うん、優しくしてね」
「あら?痛かった?」
「痛くないの、痛くないんだけども」
「どうしたの?モジモジして」
「ううん、なんでもないの、耳かき、次は左ね」
メリッ
堆積している垢が目につきほじくった。
!?
ほじくられる方からすると、未知の感覚である、今まであったものがない、取り除かれる気持ちよさ。
「大きいのがあったわよ」
事後報告してくれるのはうれしいが、もう悶絶しそうである。
痛かったのかな?と思ったらしく、その後はすぐにフェザータッチ、くすぐるように耳かきが耳の中に、カリカリお音を立ててはしゃぐのである。
(こんなの、こんなの知らない!)
どこでこんな耳かきを!お姉さま、私以外に耳掃除してません?
「耳かきって難しいわよね、痛いの嫌だろうし」
「それはそうだし…」
「あら?何かご不満」
カリっ!
(きゃひー!)
「硬い耳垢取り除かれて、気持ちよくなっちゃったんだ」
「うっ」
「さっきからモジモジしてたのそれね」
「そ、そんなことないもん」
「じゃあ、ここで耳かき終了」
「やだやだ、最後まで、奥までしてよ」
「奥までするの好きね」
「だって気持ちいいところあるもん、自分じゃ届かないし」
「まあ、エッチね」
「エッチだよ」
キュとここで彼女の衣服を握るのである。
「ちょっと意地悪しちゃったかな?でも奥は危ないから、我慢しようね」
奥の狭い部分を、ゆっくりとカリカリされて、ポロンと取れた大きい垢を見ると、彼女は大変満足したようで。
「自分で耳かきしてないの」
「しない」
「前はしてたと思うけども」
「耳かきされるの好き」
「そう」
「またして」
「どうしようかな」
「意地悪しないで」
「あんまり耳垢なんて溜めるものじゃないわよ」
「わかっているけども、こうして耳かきされるの好きなんだ」
「ふぅん」
「代わりに俺にやってもらいたいことあればするからさ」
「じゃあ何してもらおうかな」
こんな感じで耳かきをした後に言うことを聞く、ここまでやると彼女に耳かきをしてもらうのは上手くいくらしい。

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時 自若 2022/11/21 17:40

今生のローダンセ 第28話 へぇ~こんなんで気持ちよくなっちゃうんだ

じ~
彼女は彼の耳を見る。
「なんだ?」
「奥がいい感じで溜まってそう」
「そうか?」
「そうだよ、まあ、たぶん、勘だけどもね」
視線は耳に集まる。
(耳か…)
「後で綿棒で掃除するといいんじゃない?」
「耳掃除なんかはしてくれないのか?」
「あら、してもいいの?」
なんだろう、ここでゾクゾクっとしたものを感じた。
いいな、彼女にしてもらえたら、パリ、パリっと音が耳の中からしたら、さぞかし気持ちよかろう。
ニコッ
「はい、動いちゃダメよ、まずは耳の中を見させてね」
綿棒が、耳の外側を撫でると。
「やっぱり中も綺麗にした方がいいわね」
耳の中に綿棒が入ってきた。
最初はくすぐるように、しかし、何かを見つけたのか、拭き取るようになっていく。
「汚れだけじゃなくて、抜け毛もたくさんね」
(あっ)
耳の中に進むときは慎重というか、もどかしいのに、耳から去るときはもっといてほしいと思うぐらいさっさっといなくなる。
「あまり深くはやらないけども、耳かきをしましょう、綿棒だとちょっととれないわ」
そういいながらも、耳の中を丹念というか、これは性格なんだろう
(あっ)
耳かきをされると動いてしまいそうなそんな部分を見つけると、ニコッと一度微笑みを浮かべてから、同じ場所を掃除してくる。
(こういうSっ気って最高じゃありません?)
これは本当に誰にも言えないような嗜好である。
モゾッ
耳の中で音がした。
これは大きいのがある。
カリ…カリ…
勢いをつけて往復はせずに、あくまで竹の耳かきで削れるような、そんな力加減。
匙では垢をとらずに、綿棒で絡めとると、脱け殻のようなものが綿棒についていた。
「はい、お仕舞い」
「もっと深いところやってくれてもいいんだがな」
「そこまでなると私が怖いわよ」


「そういうことあったの覚えてる?」
「ええ、むしろあなたの方こそ覚えていただなんて」
「髪を切る際に耳掃除はしてもらっていたが、また、その~やってほしいなって」
「どれどれ」
耳の中を見られる。
ふぅ~
「あっ!」
息を吹き掛けられた。
「エッチな耳して」
「エッチじゃないよ、吐息かける方がエッチでしょうが」
「へぇ、こんなんで気持ちよくなっちゃうんだ」
なります!
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時 自若 2021/07/06 16:04

浜薔薇の耳掃除「第61話」

蘆根は自分の仕事の+になりそうなものならば、なんでも興味を持つタイプである。
(膝枕の耳かきか)
ある意味商売敵、だけどもみんな思ってる、浜薔薇はそこを目指さなくても全然良いのよ!
逆にそっちに行こうもんなら。
「どうしたの!具合が悪いのか、それともあれか?経営状態が、それなら相談してくれよ、知り合いの弁護士頼むから、ああ、もう何も言わなくてもいいよ!」
ってたぶん常連がそうなっちゃうの間違いないのである。
「そんなに俺がこういうのを気にするのは変なんだろうか」
(言えない、昔から先輩はそういうところがあったなんて)
仕事を追いかけて周囲を見ないことがあります。
そんなわけで蘆根ははて?という顔をしていた。
時間があれば、自分へのマッサージで練習する蘆根。
「先輩」
「どうした?」
「このマッサージミルクはどうですかね」
同じ商品でも、改良されるとテイストが変わるというか、やっぱり違うので、そういった違いがある場合は打ち合わせ。
「これはちょっと量減らすか」
「でもそうすると」
「そうなんだよな、マッサージしてすぐにそのまま何か触っても大丈夫ぐらいなのが一番いいんだがな」
「そうすると、自分にマッサージするのにも使えますし」
「やっぱりさ、今はみんな時間がないから、マッサージに使うクリームも、塗ってすぐにべたっとしない、さらっとするぐらいのが好まれると思う」
べたっとするタイプは、やはり最初にタオルを準備したり、マッサージをする部分の順番考えなきゃならないから、少々面倒くさいのである。
「座る場所にタオル敷かないといけないとかな、店ではいいけども、お客さんには勧めにくいというか、やっぱりお客さんが使いやすいものじゃないと」
これはサロン専用の商品ではなく、ドラックストアで売られているもので試しております。
「ブログのネタっていうのもなかなか難しいものだな」
「まあ、今すぐそううネタにならなくてもいいんじゃないでしょうかね、ブログは大変なんですよ」
前の店では毎日更新ぐらいの気持ちでやってくださいと言われて、そこが本当に大変だったのである。
「浜薔薇は確かにブログはありますけども、そういうノルマないですもんね」
「えっ?だって、毎日って何書くんだ?」
「それは、そうなんですけども」
「イツモの写真とか?それはもうやっているようなもんだし」
しかし蘆根が撮影すると、イツモは跳び跳ねてぶれぶれだったり、体の一部分しか写ってないのである。
「あれは先輩にしか撮れませんし」
他の人が撮影するとイツモがどういう猫かわかるのだが、蘆根が撮影しようとすると、興奮してなんだこれはみたいかのしか撮れないが。
「王子は今日も元気」
イツモを王子と崇める人たちからは、蘆根の写真は好評だった。
「でもブログとかでできるなら、好きなようにやっていいんだぜ」
「好きなことですか?」
「そうそう、前の店だと私服とか載せてたらしいじゃん」
店をやめたときに全部消去されましたが、ファンは多かったです。
「でも今はそういう気分じゃ、嫌いじゃなぃですけどもね、そうだな、学生さんとかのデートの服とか、考えるぐらいでとりあえずいいと思ってますよ」
「ああ、あれな」
初デート何を着ていけばいいですか?を予算かけずに解決するので。
「傑さん、お願いします」と頼まれることも多いのだが、一回だけしかそれにはこたえていない。
「あんまり僕がやるとね」
「ああ、それな」
だんだん彼女がオシャレな彼だと思ってくるので、オシャレが重荷になるという。
「いきなりそういうのやめると、確実に喧嘩になりますし、一回だけちょっと頑張りましたでいいと思いますよ、それこそ記念にっていうのかな、無理してやっても続きませんから」
「だよな、自分の好きなもの、それこそラーメン好きならラーメン一緒に食べに行ってくれる彼女を大事に、うん、そうだな、次もそういう子と付き合いたいなっていっても、そういうことはなかったりするんだよ」
だんだん言ってて悲しくなっていく。
「一緒にいるって大事だから、本当に!」
「なんだどうした、昔みたいになっているぞ」
「えっ、まさか、これが」
「そうよ、蘆根がうちに来たとき、こんな状態だったから、放っておけなくてな」
発作のように失恋の傷が痛む状態でした。
「まっ、相手に行かねえからそのままにしておいた」
「確かにそうですよね、これで元カノの方に叫びに行ってたら、止めに入りますけども」
「あの時、うちには心配してきた客ばっかりだったのよ、でもこいつがこんな調子だろ?」
えっ?タモツさんが心配できたんだけども、この人大丈夫なんですか?
タモツよりも蘆根を心配された。
「だからうちの常連は蘆根の元カノの話とか詳しいわけよ」
「あ~そうだったんですか」
不思議なものでたくさんその話をしたところ、あんなに言いたかったことが心から消えてしまったのだという。
「あれはあれで悲しかったな、俺はとんでもなく好きだったんだけどもさ、それがふっ!って蝋燭の炎が消えるように無くなってさ、あれって一体何なんだろうな」
「お前さんが大人になったってことだな」
今は美しい思い出、でも手を伸ばして掴めるなら…の誘惑はまだ起きている。

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時 自若 2021/07/06 16:03

浜薔薇の耳掃除「第60話」

マッサージのお客さんが来るとわかっているならば、爪のチェックも忘れない。
(先輩は仕事に人生捧げているようなものだからな)
それこそ、それ以外は何もなくてもいいみたいなところがあった。
「じゃあ、僕はお先に失礼します」
「ああ、お疲れ」
この道を選んだことに悔いはないが…
「こんにちは」
「いらっしゃいませ」
お客は女性であった。
「おいおい、男に嫉妬されるんじゃないか?」
「まあ、別れたし」
彼女とは知己というか、元カノである。
「しょうがないんだけどもさ、うん」
何しろ彼女も蘆根と同類、自分の人生を何かに捧げてしまったというやつであった。
「店はどうした?」
「ああ、トラブル起きた」
「大丈夫かよ、それ」
そういってクロスを巻いた。
「大丈夫にするわ!」
この強気なところが彼女の魅力であり、蘆根が痺れたポイントである。
「…その割には疲れているんじゃないの?」
「わかる?ほれ、クリーム塗るから」
「はいはい」
首にクリームを塗る。
「首さ、触られるの怖い?」
「あ~そういえばそういう話もあったね」
「アホか!こっちは心配して、気にしないならいいけどもさ」
「蘆根は大丈夫ってわかるし」
「ああ、そうか」
彼女は昔、男性に暴力をふるわれたことがあった、そこから触れられるのはトラウマがある。
(マッサージとかストレス解消に行ってたのに、そっからしばらくっていうか、行けなくなるなんてさ、こいつが何をしたんだろうな)
「あれ?もしかして気を使わせてる?」
「そうだな、場合が場合だから」
「はっはっはっ」
平和、平穏が一番と思う蘆根の考え方は、おそらくこの元カノの影響がでかいと思われる。
(俺だったら腹立ってぶん殴るはあるのに)
仕返しは考えてないの、うん、それはやめて…

ムニッ
「あら、ちょっとお肉ついたんじゃないの?」
「お肉じゃなくて浮腫みだもん、やっぱり疲れていて、食べれなくて」
「おいおい」
「だからこうして気を許している人間にマッサージをしてもらいに来たのよ」
「へいへい、お嬢様、しっかりと綺麗にさせていただきますよ」
顔や首というのは、足をマッサージするのも違う、繊細な力加減が必要になる。
(相変わらず指の使い方、浮腫みとるの上手いわね)
骨の上を滑らせて、余計な力を入れずに浮腫みだけをとる。
「っていうか、自分でケアもちゃんとやってんだな」
「そりゃあね、お年頃ですもん」
「そうだな、いつまでも可愛くいてくれよ」
蘆根の口説き文句はさておいて、ここはマッサージや耳かきの話なので、少しばかり解説をすると、マッサージ類の効き目がよくなるように日頃から自分でケアをすることが大事なのである。
例えば蘆根の元カノのサキの場合は、多忙のために短時間でケアができるが、それを毎日の習慣のようにしなければならない、簡単なツボ押しやマッサージをしてから寝たりしてる。
非常に面倒くさく、ああもう!すぐに寝たい!と思っているタイプには向かないのだが、これが長く続ける性格であった。
蘆根も自分の体の維持にはそういったことを施しており、お客さんがいない時間であっても、自分の体と向き合い体調の向上に務めていた。
こういったことをしていると何が起こるかというと、だんだん年相応から離れた外観になっていくのである。
「やっぱり、家を継がない方が良かったんじゃないか?」
「それは思うけども、それ以外なかったから、火の車を建て直しても、また火の車にされるとは思わなかったから」
「灰も残らないじゃないか」
「やーね、灰が残るなら山菜の灰汁でもとるわよ」
「お前はそういうやつだもんな」
「そうそう、それぐらいやんないと釣り合いがとれないわ」
世界で一番幸せになれるぐらいじゃないとね。
昔、その言葉の続きを口にしていたのを蘆根は思いだした。
「最近、景気どうよ」
「気にする間もないわね」
「違いない」
ひたすら忙しくて、忙しくて、いつの間にか時間がここまで経過していたというタイプの二人である。
「それでも今の世の中便利なものがたくさんあるから、昔よりは大分楽」
「違いない」
学生時代よりはとても楽になりました。
「そのぶん、腕を磨く時間に使えるからな」
「わかる、わかる!本を読める時間が増えるとは思わなかったし、諦めていた講義も無料で聞けたときはサイコーになったわ」
「Enjoyしてるな」
「修羅場中だからかしら、なんかもうトラブル起こされて、心を折りに来るのがよく見えていると、ああ、もう!わかったわ、落ち込む必要全く無しになるわ」
ここら辺が蘆根の嫁になったら、それはそれは良かったのにと言われる由縁ではあった。
どんな時でも明るい。
(そういうのに救われるんだよな)
落ち込まないわけではない、ただ人と落ち込むポイントが違うのである。
だから何でもない時に落ち込み、逆にみんなが落ち込みそうな、絶望の時に光を掲げることができるタイプなのである。
「うわ、また腕をあげたんじゃない?」
「これで落ちたとか言われたら、俺は自棄を起こします」
「そうね、また来るわ」
「またのご来店をお待ちしてます」
自分のことを知っているからこそ、気合いが入るお客さんというのがいる。
蘆根にとって彼女は、自分の迷いを見透かされてしまうような客であり、また灯火の一つ。

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時 自若 2021/07/02 08:26

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