ヒロイン工学研究所 2024/01/26 21:13

【座談会2_6】マァムというヒロイン

仮想ヒロピン座談会とは


「仮想ヒロピン座談会」とは、ヒロピンに関するテーマを掘り下げるために開かれた仮想の座談会で、管理人がAIとやり取りしながら進めた考察をマスター、ブレーン、トリックという架空の三者による座談会形式にまとめたものです。
仮想ヒロピン座談会の目的はヒロピンに関する議論をコンテンツ化することで、それを呼び水として読者から質問や意見を募集し、さらにテーマを掘り下げ、議論を豊富にしていくフォーラム的な場を作ることにあります。議題となっているテーマについて関心や質問がある方は是非コメント欄にご意見をお寄せ下さい。また、「こういうテーマを座談会で扱ってほしい」といった提案も募集しております。

議題:マァムというヒロイン 6回目

【マスター】
それではアンケート結果を参照しながらマァムというヒロインを掘り下げていく座談会の六回目を始めたいと思います。
前回の内容を簡単にまとめますと、
・レオナ姫など他のキャラクターと比較することでマァムの本質がわかりやすくなる。
・マァムの芯の強さは感情に立脚しているために感情による負の影響を受けやすく、その結果、「芯が強いのに不安定」という性格が生まれる。
・マァムは母のレイラよりもむしろ父のロカに似ている。
・マァムはアグレッシブな姿勢でいるときの方が潜在的には危うく、このため「優勢なのに不穏な空気」を作り出せるヒロインである。
ということでした。
この議題での座談会は今回が最終回なのですが、全体を総括する視点として私は「無自覚」というポイントを提起したいと思います。これまでの議論を通じてわかってきたことですが、マァムは基本的に「わかっていない」ヒロインなんです。そこが魅力であり、一部の人にはイライラを感じさせる原因でもあります。

【ブレーン】
これまでの議論であげられたポイントをおさらいすると、
・自分の性的な魅力がわかっていない
・(主に恋愛がらみで)相手の気持ちがわかっていない
・(感情先行で挑んでしまうから)敵の実力や特性がわかっていない
・戦闘スタイルにおける自分の強みと弱みをわかっていない
といったことですよね。

【トリック】
付け入る隙があるよね。しかも自分の危うさや脆さを自覚していないから無防備で、正確にその隙を突けば一瞬にして窮地に陥れることができる。

【マスター】
「強いヒロイン」であるにもかかわらず、その強さが致命的な弱さと構造的に表裏一体になっているので、今そこに表れている強さと自信はそのまま弱さと無力感に変えることができる。そんな危うさが自分にあること、狡猾な敵がそこに付け入ろうとしていることにまるで気が付いていない。こうした純真さからくる無防備さと危うさこそがマァムを転落させてやりたいという劣情を呼び込むのではないかと、私は今回の座談会を通じて思うようになりました。

【トリック】
つまり「わからせ」の一種だということだよね。自分の脆さがわかっていない強いヒロインをわからせてやりたいという衝動ね。たしかにそういう衝動を誘う絶妙なアンバランスさがマァムにはあるよね。

【ブレーン】
「自他ともに強いと認識されている態度の中に弱さが潜在しているので、その弱さを暴き出して、自分が強いと思い込んでいる者に弱さを自覚させてやりたくなる」というのが「わからせ」の衝動ということでしょうか?

【トリック】
うん、定式化すると確かにそんな感じだね。さらに付け加えると、表面的な強さと暴き出された弱さの落差が大きいことや、自分の弱さに対する自覚がないために転落のショックが大きいことが「わからせ」の興奮を促進するんじゃないかな。その点においても、マァムの性格がもつ強さと弱さのチグハグ感やショックを受けると凹みやすい感受性の強さは標的として魅力的だね。

【ブレーン】
前回マスターさんは攻勢に出ているときこそ危ういマァムの姿は第一回目の座談会企画(【座談会1_1】ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気)のテーマである「優勢なのに不穏」と同じだと言っていましたね。あのときの議論ではたしか、「優勢に見える状況の中に潜在する転落の可能性をヒロインが自覚していないシーンにおいて読者は自信満々のヒロインが一気に転落することへのサディズム的な期待感を抱いて興奮する」といった感じの結論になったはずです。ここにも「自分の潜在的弱さがわかっていない強気のヒロイン」という「わからせ」に通じるポイントが出てきますね。

【マスター】
そうですね。マァムに対するサディスティックな願望を刺激するためにはその辺が重要になってくるんじゃないかと思います。

【ブレーン】
マゾヒズム願望を刺激する場合はどうでしょうか?例えばピンチ状況のマァムに感情移入してマゾヒスティックな興奮を感じたいという人もいると思いますが…

【トリック】
マァムはとにかく感情に左右されやすいキャラだから、感情を揺さぶられたり自信を喪失していく過程と肉体的懊悩を上手くリンクさせて描くのがポイントになると思うな。あとは、ザムザ戦で必殺技を封印されたときのように、武道家の強みであるパワーやスピードを無力化されて、有効な対処ができないままにジリ貧になっていく焦燥感とかかな。そういうタイプの攻略ならザボエラも活躍してくれると思うよ。

【マスター】
強気な姿勢が裏目に出るとすぐにシュンとしてしまうことが多いマァムは自分の弱さに無自覚なだけでなく弱さへの対処も不器用なんだと思います。この辺の性格は本当にロカによく似ています。最初は自分が強さだと思っていたものに頑固に固執するでしょうが、それがまったく無意味だとわかると、急に一転して無力感に苛まれたりする。守勢にまわったときの自分の弱さにショックを受けて思考停止して為されるがままになっていってしまう過程などを上手く描ければマァムらしいマゾヒズム表現になるんじゃないかと思います。

【ブレーン】
柔軟な対応が苦手なマァムは強さの源である感情の部分が機能しなくなると急速に無力化しそうですね。無力化のスピードがあまりに速いと転落のマゾヒズムを上手く描けないのではないですか?

【トリック】
たしかにそれはあるかもしれない。ポップは感情面ではヘナチョコだけど、必死に色々な方法を考えてチャレンジするから実際には簡単には折れない。それとは対照的に、マァムは感情面が凄く強い分だけ、そこをへし折られるとあがき続けるだけの柔軟な対応力がない。

【マスター】
徐々に無力感に蝕まれていくマゾヒズムではなく、決定的な無力感に直面してからそれを体と心に叩き込まれるマゾヒズムになるのではないでしょうか?

【トリック】
叩き込まれるというのがまさに「わからせ」だね。

【マスター】
今回の座談会ではアンケート回答ににじむマァムの両義性からスタートして、「芯が強いのに安定感がない」という不思議なマァムの性格の理由を究明し、最終的にはマァムのピンチや敗北の本質には「わからせ」的な要素があるのではないかという結論に到達しました。正直これは予想外の着地点でしたし、一人のヒロインにスポットを当てた座談会の面白さも体験できました。まだまだ議論の余地はありそうですが、今回の座談会はひとまずここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
(終)



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「仮想ヒロピン座談会」は議論を豊富化しさらに掘り下げていくためにコメント欄にてご意見・ご質問を募集しております。また、「こういうテーマを座談会で扱ってほしい」といったリクエストなどもありましたら是非お寄せ下さい。検討いたします。

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⇒「「武道家マァムCG集制作のためのご意見募集」ページへ

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