【第34回】『ハーレム島へようこそ!』イコクと過ごす一日
どこまでも晴れた青い空、白い砂浜。
そして、澄んだオーシャンブルーの海。
ここは、異世界の南の島・ハーレムン島。
今日はイコクと一緒に牧場の見回りに来ていた。
「直す所はここで最後かな?」
俺たちは定期的にこうして牧場を一周見回っている。
目的は手作り感溢れる設備の修繕やどうぶつ達のお世話など、その時気が付いた作業をしているのだ。
「これくらいなんでもないよ」
「んもぉぉ!(こんにちは!)」
と、後片付けをする俺たちの元に、一頭の子牛がやってきた。
その子牛のおでこには、小さな星みたいな模様があって、俺は彼に密かに名前を付けていた。
「お、牛太郎じゃないか
どうしたんだ~?」
「んもっ!(お腹空いた!)
んもぉぉ!!(ごはん頂戴!!)」
「えっと……ごはんだな
ちょっと待ってな」
「ん? まぁ少しならな~」
俺は哺乳瓶にミルクを入れて、お待ちかねの牛太郎にあげる。
「んくっ、んくっ、んもぉぉ♪(おいしい♪)」
ご機嫌の牛太郎は、俺のもう片方の手に頭を擦りつけてくる。
甘えるその姿は、多量の癒し成分を含んでいて、日々の疲れやストレスも吹っ飛んでいくようだった。
「でも、正直牛太郎の言ってることしか
あんまりよくわからないんだよなぁ~」
「え?」
「あははっ! それすごくいいな!
めちゃくちゃいいこと言うじゃないか!」
と、イコクに言われたことが嬉しくて、つい選ばれずに出た言葉がポロリ……
「あっ……ごめんイコク……
俺が言いたかったのは――」
そう言い捨てると、イコクはそっぽを向いて歩きだしてしまった。
「ちょっ、イコク!?
待てって! イコクさ~ん!!」
「んもぉぉ……(なにやってるんだよ……)」
牛太郎があごをくいっくいっ動かし「追いかけてあげて」と、ジェスチャーしている。
「あぁ、ごめんな牛太郎……
また今度!!」
「んももぉぉ~(またね~)」
俺は牛太郎に別れを告げて、イコクの後を追うのだった。
今日も島での生活は、退屈の暇も無さそうだ。
あとがき
今回の書き下ろし ss は、
【イコクと牧場で兄弟喧嘩!?】
というシチュエーションでした~
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それでは次回の記事でお会いしましょう!!!
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