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蕎麦枕 2023/09/09 17:07

小説「呪われた女騎士団長は快楽を求める」②

【あらすじ】

女でありながらも国の騎士団長を務めるフィオナは、ローディル王子と恋仲の関係にあった。
しかしある日、フィオナは仲間を守るために魔物の放った呪いを代わりに受けてしまう。
その呪いは、快楽を得られないと高熱に悩まされ、最終的に死に至るというものだった。
恋人であるローディルに日々抱かれ、なんとか呪いの高熱を鎮めながら生きているフィオナだったが、団長の座を奪いたい男ゴルドにそのことを勘付かれ……。


●今回の要素
夜○い:指舐め:フェラチオ:騎乗位:中出し:早漏

※今回は少し長いので記事内にしまいます。


本文掲載場所

pixiv : ノクターンノベルズ 


【本文】

 夜。王族の住まう城には、何が起きてもすぐに対応できるよう、騎士団が交代で見張りを行なっている。
 そんな見張りの目を掻い潜り、フィオナはある部屋を目指していた。それも、薄いローブ一枚だけの姿で。
 フィオナは騎士団長であるため、夜間の見張りの位置も決めている。誰がどこにいて、どの時間に巡回の兵が来るかなどすべてを把握しているのだ。だからこそ、人目を避けてローディルの部屋へ行くことは実に容易い。
(本当であれば、こんなことをしてはいけないのだが……)
 それでも、フィオナはローディルの元へ行きたかった。行かなければならなかった。身体の熱を治めるには、彼を頼るほかないのだから。
「……失礼いたします、フィオナです」
 周りに誰もいないことを確認し、フィオナは辿り着いたローディルの部屋の扉にそっと話しかける。国が誇る大森林の木から作られたという扉の奥からは、返事がない。
 そっと扉を押し開け、足音を殺しながらフィオナは部屋へ入る。ローディルからは、返事がなくとも入ってよいと許されていた。それがなければ、こんな不躾なことはしない。
「ローディル様……」
 その名を呼んでも、返事はない。規則正しい寝息が聞こえてくるところを見ると、どうやらローディルはすっかり眠っているようだった。
「今宵も……お願いしたいのですが……」
 月明かりが雲に隠れ、部屋の中は暗かった。そんな中をフィオナは手燭を持ち、ゆっくりと寝台に近寄る。サイドテーブルに手燭を置くと、すぐそばに跪いた。
 愛おしい男に近づくにつれ、フィオナの呼吸は荒くなる。身体が興奮して、苦痛の高熱は期待の情熱へと変わっていく。
「お願いします……どうか、私に慈悲を……」
 眠るローディルの手を取り、フィオナは口を開く。舌を伸ばしてローディルの指先をすくい、そして絡めて口の中へと招いた。

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蕎麦枕 2023/09/02 14:30

小説「呪われた女騎士団長は快楽を求める」①

【あらすじ】

女でありながらも国の騎士団長を務めるフィオナは、ローディル王子と恋仲の関係にあった。
しかしある日、フィオナは仲間を守るために魔物の放った呪いを代わりに受けてしまう。
その呪いは、快楽を得られないと高熱に悩まされ、最終的に死に至るというものだった。
恋人であるローディルに日々抱かれ、なんとか呪いの高熱を鎮めながら生きているフィオナだったが、団長の座を奪いたい男ゴルドにそのことを勘付かれ……。


※今回はプロローグ的な部分のお話なので、要素の記載は致しません。
大まかなジャンルとしてはNTRになります。


本文掲載場所

pixiv : ノクターンノベルズ 


【本文】

「く、そ……身体が……あつ、いっ……」
 胎の奥が燃えるように疼いている。焼き尽くされた思考は知っていた。この熱を殺すほどの快楽を、身体が求めていると。
 熱に浮かされた身体を引きずるように、女は歩く。己を慰めてくれる男を目指して。

 王国に仕える騎士団長であり、ローディル王子の恋人でもあるフィオナは、呪いに苦しんでいた。
 先日、森に出現した魔物の討伐に向かった時のこと。国の平和を脅かす魔物の集団を、フィオナ率いる騎士団はあっという間に一掃した。しかし新米騎士の仕留め損ねた魔物が生きており、その微かな命の残り火で呪いを放ったのだ。
 その呪いは、当然己を死地へと追いやった新米騎士に向けられた。しかし足がすくんで動けなかった彼を庇い、呪いを受けたのはフィオナだった。魔物は呪うことに成功したと知ると、不気味な笑い声をあげ、そして絶命した。
 城へ戻ったフィオナは、すぐに聖職者たちに解呪の儀式を行うよう依頼した。だが魔物が絶命間際だったせいか力が強く、すぐに解呪はできずにフィオナの身体に残ることとなった。
 呪われた証としてフィオナの身体には、黒い文様が浮き上がった。それだけならまだよかったのだが、日々治まらない高熱に悩まされることにもなったのだ。
 それでも騎士団長という立場は変わらない。今や見守るだけとなってしまったが、フィオナは訓練にも参加し続けている。
「よお団長殿。ご機嫌はどうだい」
 訓練中、副団長であるゴルドがフィオナへと声をかけた。今日も今日とて高熱に苛まれているフィオナは、ゴルドを一瞥だけして、何も答えなかった。そんな態度のフィオナの隣へ腰をかけ、ゴルドは声を潜めて言う。
「もう何日もまともに訓練に参加できていねえんだ、いい加減団長の座を譲ってくれてもいいんだぜ? あんたにゃ荷が重てえだろうよ」
 ゴルドは女であるフィオナが団長の座に就いていることを、妬ましく思っている男だった。
 フィオナはそんな話を面と向かって聞いたことはないが、事あるごとに突っかかってくることに加え、団長の座を退けとしつこく進言してくることから、妬まれているのは明白であった。
「侮るな。お前の剣戟なら、まだ片手で捌ける自信があるぞ」
「はっ、言うねえ。やれるもんならやってみるか? わけのわからん呪いを受けた身のままでよ」
「だからなんだ。呪われた女に負けたら、お前はとんだ笑い者だな」
「そうならないためにもよぉ、徹底的に叩きのめせばいい話だろうが」
 二人の視線の間に火花が散り、フィオナが剣を握ろうとしたその時、訓練中の兵士が一斉に膝をつく。
 何事かとそちらへ視線を移すと、ゴルドは小さく舌打ちをした。
「フィオナ、調子はどう?」
 兵士の空ける道を歩みつつ、フィオナへ優しい声をかけるのは次期国王になるローディル王子だった。
「王子! このような泥臭い場所へわざわざ立ち寄られるなんて……いかがなさいましたか」
 すぐにフィオナもベンチから降り、地に膝をつく。ゴルドも渋々と従い、すっかり口を閉じたようだった。
「用事があって城下町へ行っていたんだ。ちょうど前を通ったから寄ったんだけど……訓練の邪魔だったかな?」
「いいえ、そのようなことは……王子に気をかけていただけて、私たち兵も士気が上がります」
 柔らかな女の声で、フィオナは答える。恋仲であるということは周知の事実ではあるが、以前はここまで露骨に男と女の関係を匂わせることはなかった。フィオナが呪いにかかってから、その身を案じてなのか突然の訪問が増えたのだ。
 男にうつつを抜かす団長の姿、度重なる訓練の停止、必要以上の緊張感。これは兵団の士気に下げることだと、ゴルドは危惧していた。
 ほんの少しだけ甘い空気が流れたと思うと、フィオナがふらりと身体を揺らした。気が抜けたのだろうか。少しだけ耐えたような様子を見せるが、そのまま横へと倒れていく。
「あっ、フィオ……」
 ローディルが駆け寄ろうとした瞬間、すぐそばに跪いていたゴルドがフィオナの肩を持った。
「おいおい何やってんだよ、団長ど……」
「んっ、ぁ……」
 呆れた様子のゴルドに支えられたフィオナは、まるで触れるなと言わんばかりにその手を払いのける。一瞬動くのを止めたローディルは、改めてフィオナに駆け寄った。
「……手助け、感謝する。」
 小さな謝辞を述べ、フィオナはローディルと向き合った。
 大丈夫か、大事はないか。そんな会話をしている恋人たちを見つつ、ゴルドは自分の指先が感じた熱に呆然としていた。
 ひどく熱い身体。いつの間にか赤く染まっている耳。そして触れた瞬間に聞こえた、わずかに甘い声。
「ほう……?」
 その呪いはどういった呪いなのか、ゴルドを含むほとんどの兵は伝えられていない。
 しかし高熱で苦しめられるだけの呪いは存在しないということは、知られている。呪いとは、基本的に何かを渇望させられるものとされていた。
 ゴルドの中で、黒い感情が蠢き出す。それに気付く者は、誰もいなかった。


次回へ続く。


【謝罪】

8/31に更新予定でしたが、加筆修正に熱が入り、すっかり遅くなってしまいました。
申し訳ございません。
次回は近いうちに更新予定です。
少しの間お付き合いいただけますと幸いです、よろしくお願いいたします。

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蕎麦枕 2023/07/18 17:56

小説「ダンジョンで犬型獣人を助けたら懐かれてしまった話」

【あらすじ】

ギルドで貼り出されている依頼を受け、モンスター退治のため洞窟を訪れた主人公(男)。
簡単にモンスターを倒したところで、主人公は捕らわれの犬型獣人の女性、エイルに声を掛けられる。なんでも、商人として骨を探しに来たところで捕まってしまったというのだ。
やたら馴れ馴れしいエイルに辟易としながらも、仕方なしに救助する主人公。
するとエイルは主人公の泊まる宿屋にまで押しかけ、助けてくれた恩返しをさせてほしいと迫り……。

(要素:ケモ耳/フェラチオ/騎乗位/中出し/イチャラブ)


本文掲載場所

pixiv : ノクターンノベルズ 

★本編後に有料支援者様向けにおまけのエッチ話を置いてあります。
よければお楽しみください。
(要素:睡姦/尻コキ/寝バック/中出し)
pixivFANBOXの方がご都合よい方はこちらから→FANBOX


【本編】
※長いので無料支援者様分に半分ほど格納しております。

 暗くてじめじめした洞窟。いかにもモンスターが好みそうな洞窟にやってきたのは、ギルドでそれなりの報酬が出る依頼を受けたからだ。
 スケルトンナイト。それがこれから倒しに行くモンスターの名前である。
 人間の骨、動物の骨、別のモンスターの骨……あらゆる骨を身体の一部として使い、ネクロマンサーという邪悪な魔術師によって命を吹き込まれたモンスター。それがこの洞窟の奥に居着いてしまい、近隣住民が迷惑しているという話なのだ。
 スケルトンナイトは新しい骨を求めて人間や動物を襲う。そして気に入った骨があれば、自分で繋ぎ合わせて新しい身体の一部としてしまうという話だ。
 事が起きてからでは遅い。というわけで、ギルドに登録している冒険者である俺が来た。俺の得物はハンマー。所詮相手は骨。圧し潰して粉々に砕いてしまえば、どうってことはない。
 自慢のハンマーを手に持ち洞窟の最奥を目指していると、やはり奴はいた。至って普通のスケルトンナイトだ。幾つもの骨が人型を成し、どこの国のものだかわからない錆びた鎧と剣を持っている。
 奴は俺を見つけると、カタカタと顎を揺らしてこちらを向く。光の灯らない真っ暗な穴で俺を見定めると、奴は剣を振りかざし、襲い掛かってきた。
 だが、戦いは俺の圧勝。予定通り、ハンマーで骨しかない頼りない身体を打ち砕き、粉々に潰してやった。
 一仕事を終えた後ってのは、どうしてこんなにも気分がいいものか。帰ったら報奨金で酒を浴びるように飲み、女を抱きに夜の店にでも行こう。
 と、思っていたのだが……。
「……あんた、なにやってんだ?」
 スケルトンナイトは洞窟の奥にいた。しかしさらにその奥に、古い牢屋があった。土壁をくりぬいただけの穴を鉄格子で塞いでいるいかにもな牢屋の中には、一人の女がいたのだ。
「いやー、ご覧の通りですよ! 骨に目が眩んでうろちょろしていたら、こうして捕まってしまいました!」
 あまり困っている様子の見受けられないこの女は、垂れ下がった大きな耳が頭に生えており、ふさふさの長い尻尾を左右に振っている。胸元から見える髪と同じ黄金色の体毛は、まるで獣の毛皮を纏っているようだった。
 服も着ていて、肌の色も俺より少し白っぽい。長い髪を高い位置で束ねた見た目は人間にかなり近いが、その耳と尾が物語っている。この女は、まぎれもない獣人だ。しかも、犬型。人懐っこそうな雰囲気が、それをよく表している。
「お兄さん、かなりの腕前の冒険者さんと見受けました! つきましては、お手を煩わせて大変申し訳ないのですが、ここの錠前も一つ、ドカンと景気よく破壊してもらえませんかね? さっきのスケルトンナイトの頭をつぶしたみたいに」
 こちらが困惑していると、畳みかけるように喋り、若干とがった爪先で錆びた錠前を指差す。
 こんなのを壊すのは朝飯前だ。しかし、この女が錠を開けた瞬間に襲い掛かってこない保証もない。それにギルドの依頼書にも、要救助者の話はなかったはずだ。
 疑いの眼差しを向けていると、俺の言いたいことを察したかのように、獣人女は口を開く。
「ご安心ください! 私は獣人向けの骨アイテムを作るただの商人です! この辺りにスケルトンナイトがいると聞いて、おこぼれを探しにきたらこのザマです!」
 ほら、とギルドが発行している商人専用バッジを見せてきたので、助けない理由が見つからなくなってしまった。紛い物ではなく、正式なギルドの刻印が入ったものだ。これで見捨てた後に誰かがここに来たら、先にこいつを見つけていた俺は救助しなかった者として処罰対象になってしまう。
「さ、一発ドカンとやっちゃってくださいよ!」
 先ほどの戦いを見ていたのだろう。俺がハンマーを振り回す素振りを真似しながら、獣人女は言う。
 なんだか面倒なことになってしまった。せっかく味わっていた高揚感もどこかに消えてしまい、どっと疲れが押し寄せてくる。
「……念のため、少し下がってろ」
 重たいため息をつきつつ、ハンマーを担ぎなおす。そしてまっすぐに錠に打ち込むと、ガン! と鉄同士のぶつかる強い音がした。錠が砕け落ちると、ギイ、と嫌な音を立てながら扉が開き、獣人女が軽い足取りで出てきた。
「いやー助かりました! あなたが来てくれなかったら、このまま飢え死にしちゃうところでしたよー! もしくは、こいつらの一部になっていたか」
 ベッ、とスケルトンナイトの残骸に向けて舌を出すと、獣人女は辺りを見て回り、使えそうなものが残っていないか探し始めた。
 呆れた女だ。だがこれで俺がここにいる理由はなくなった。さっさと帰ろう。
「助かってよかったな。それじゃ、俺はこれで」
「ちょちょちょ! 待ってくださいよ、もう行っちゃうんですか? もう少しだけ持って帰る骨を見ていきたいのですが!」
 帰ろうと踵を返すと、手を取って止められた。小さなその手は、とても暖かい。
「そりゃ帰るだろ……ギルドに報告して、報酬をもらわねえと。ていうか、なんで俺がお前の骨集めに付き合ってやらなきゃならねえんだよ」
 手を払いつつも、俺は至極まともなことを言ったはずだ。なのに、この獣人の女は信じられない、といったような雰囲気で口をあんぐりと開けている。
「お兄さん! 犬型獣人のお知り合いやご友人が一人もいないんですね? それゆえ、理解も浅いと見ました!」
 なんだかとても失礼なことを言われている気がするが、真面目に取り合うのも面倒だと思い、そうだと頷いた。
「やはり! あのですね、私たち犬型獣人は命の恩人には恩を返せるまで尽くす、という習性があるんですよ! なので、どうぞ私のことも連れて行ってください!」
 そういう割にはなんだか図々しいところもあるような気がするのは、気のせいだろうか。このまま関わっていてはやはり面倒だろうと、無視して歩き出す。目指すはもちろん、ギルドだ。
「ああっ! 待ってくださいよお兄さん! 置いていかないでください! これだけ、これだけは持って帰りたっ……ぎゃー! 持ちきれない! お兄さん! 手を貸してください! お兄さーん!」
 声が遠くなっていく。スケルトンナイトの討伐だけならこんなに疲れなかったのに、どうして気持ちはこんなに疲れてしまっているのか。
 後ろからあの女がついてくる気配を感じながら、俺はギルドに報告を済ませ、報酬を受け取って宿屋に戻る。
 女を買いに外へ出るのもなんだか億劫になってしまった。もう今日は飯を食って寝てしまおうか……。
 そう考えながら部屋のドアを開けると、ベッドに腰をかけている獣人の女が、こちらを見た。
「あ、おかえりなさい! 報告、お疲れさまでしたー!」
 一体何が起きているのかわからず、獣人女に手を取って部屋に入れられるまで、俺は呆然と立ち尽くしているだけだった。

※  ※  ※

「なんでいるんだ?」
 ベッドの上に戻り、こちらを見上げている獣人女に訊ねる。獣人女は、よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに、目を輝かせた。
「それはもう! 命の恩人であるお兄さんにご奉仕するためですよ! ご安心ください、宿屋の主人にも話は通してあります!」
 そういう問題じゃないのだが……。こちらがあからさまに迷惑そうな顔をしていても、獣人女は得意げにふんぞり返り、尻尾をぶんぶんと左右に振っている。毛が長いからか、けっこう重そうに見える。
「ギルドの依頼に、あんたの救助は含まれていなかった。あんたを助けたのは、実質ギルド発行の商人バッジだ。それがなけりゃあ、俺はあんたなんか放っておいたぜ」
 戻ってから依頼内容を確認したのだが、獣人の救助は確かに含まれていなかった。一応口頭確認もしたが、やはりそんな話はなかった。
 そう話すと、獣人女はより目を輝かせ、俺を見つめてくる。
「私、実は昨夜捕まったばかりだったんですよ! そのタイミングでお兄さんが依頼を受けたなら、私たちは出会う運命だったといっても差し支えないのでは!?」
 ギルドからの依頼書が作成されていたのは、三日ほど前。ああ、なるほど。だから依頼書に救助依頼は含まれていなかったのか。だがそれくらいのことで運命だとかうざったいことを言われても、困る。
「そうか、そりゃ運がよかったな。それじゃ、出て行ってくれ」
 ドアの方に指を差し、出ていくよう促してもこの獣人女は諦めない。
「私、なんでもできますから! どうかお傍に置いといてもらえませんか!? お料理にお掃除、マッサージに素材集めと……」
「必要ない。そもそもあんた、商人なんだろう? 俺は冒険者。ギルドからのモンスター討伐の依頼を受けるのが生業だ。邪魔だから出て行ってくれ」
 獣人女の話を遮り、きっぱり言い放つと明らかにショックを受けた顔で俺を見上げる。
 さっきまでキラキラと輝いていた目は、寂しさを覗かせ、潤んでいる。
 やめろ。言葉もなく見つめられると、なんだか可哀想になってしまうだろう。それに、これじゃあまるで俺が悪いことをしているみたいだ。
「え、じゃあ、じゃあ、こういうのはどうですか?」
 それでもめげないのか、獣人女は目の前に立つ俺の履き物に手をかけてきた。指先を突っ込み、下着まで掴んで下ろそうとしている。
「お、おい!? なにしてんだよ!?」
「ご奉仕をするまでです! 男の人へのご奉仕だって、勉強はしているんですから!」
 犬型獣人ってのは、こうまでして礼を尽くしたいものなのか? ここまで来ると、恐怖に近いものがある。
 まあ、しかし……。改めてこいつの身体を見ると、なかなかスタイルはいい。出るところは出ていて、引き締まるところはきっちりと締まっている。それでいて、肉付きはいい。顔も整っていて、愛嬌がある。
 今夜は女を買わずに済むなら、金も浮く。それに、獣人は人間より性欲が旺盛だと聞いたことがある。しばらく女を抱いていない俺の相手には、ちょうどよさそうだ。
「……わかった。そこまで言うなら、奉仕してもらおうか」
 そう答えると、獣人女はわかりやすく表情を明るくさせた。ぱたりとベッドに落ちてしまっていた尻尾も、再び左右に揺れだす。
「このエイルにお任せください! お兄さんを気持ちよくさせてみせますから!」
 自らの名を名乗った獣人女は、目を細めて微笑む。牢屋から出してやった時もそうだが、どうにもこいつは憎めない。
 それとなく身体が熱を持ち始めたのを感じながら、俺はベッドへと上がるのだった。

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蕎麦枕 2023/05/20 12:00

こういう話をかきたいという話

こんにちは、蕎麦枕です。

NTRものでこういうのをかきたいな〜というラフといいますか落書きをしました。
イラストノベル? CG集? 的なものを作ってみたいな~と思いつつ、多分小説で作る形になると思います。
思いついては軽くメモして終わり、みたいなことが多いので、こうして軽く絵に起こしてみるのは自分にとって良いことなのかなあ、とも思いました。
具体的に目に見える形になるのは、気持ち的にも書きたい欲が増幅する気がします。

※AI学習に使用しないでください

無料支援者様向けに続き2枚あります🌸

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ちょっとした差分2枚があります

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蕎麦枕 2022/12/25 23:39

エロ系落書きまとめ

こんばんは、蕎麦枕です。

クリスマス、なにか小話でも書こうかとしていたのですが間に合わなかったので、落書きをアップしてみます。
古いものもあって、エロくないのもあります。全てアイビスペイントで指先で描いたものになります。ほぼ男性向けっぽい感じです。

小まとめと題してますが、それなりに枚数あるので残りはフォロ限にいれます。
pixivで全部公開してますのでよければ→まとめページ



こんな感じの落書きをフォロ限にも入れてます(もしくはこちら)。

多分31日あたりに年末のご挨拶記事を投稿すると思います。
よろしくお願いいたします。

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すけべな落書きを載せていますがpixivでも見れます。

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