5月12日までの進捗
こんにちは。竪穴式狸穴住居です。
前の記事には、sasasa様、かままこと様にチップをいただき深く感謝申し上げます。
前回に続くプロローグ以前のヒロインのストーリーです。
制作中に変えていく箇所があるかもしれません。
…んふ、ふへへ
暇すぎて、カウンターに頬杖をついた指の感触に思い出し笑い。
ネッド、早く帰ってこないかな。
???
「幸せそうでなにより」
指輪に見惚れていたから、教授に気付かなかった。
緩んだ顔を見られて、すごく恥ずかしい。
教授:
「一応、知らせておこうと思ってね」
差し出されたのは、債務免除通知?
養育費ことだ。
最初の目的だったのに、すっかり忘れてた。
教授:
「これもお祝いになるのかな?」
…どうせ報告は続けてね、ってことでしょ?
どうせなら裏事情抜きでネッドに巡り合いたかったけど、物事のプラスマイナスはそんなもの。
教授が微笑んでるのは、多分それも込み。
善人だと思うけど、こういうところはやっぱり内務省の人だ。
ネッド:
「もしかして、なにかいいことあった?」
「どうして?」
ネッド:
「なんとなく?」
「帰ってくるの、ずっと待ってたから」
本当は負い目が軽くなったから。
あとは、着替えたら頭がそのことばっかりになってたからかも。
どっちも言えなくて、それでも想いを伝えたくて、思わずネッドに抱き着いてしまう。
すかさず耳の後ろの匂いを嗅いだら、それだけでお腹から甘い想いが込み上げてくる。
古書なんて小難しい本ばかりだと思ってたのに、修復の合間に読んでみたら、同じことを100年前に書いてる人がいてびっくり。
そんな本を読み耽っていたから、妄想ばっかり膨らんでいく。
そんな毎日を過ごしていたある日。
古書を包んだ雨除けの油紙の走り書きに見慣れない名前を見かける。
…ミラ?
富豪なら屋号、貴族なら爵位もなくて、名前だけ。
女の人…だよね?
古書なんて枯れた趣味は女性向きじゃないから、考えてみたら取引先に女性名を見たのは初めて。
でも、別に変なことじゃないし、内務省の報告に書くだけ。
なのに、胸騒ぎが抑えきれなくて、出掛けたネッドの後をそっと追ってしまう。
そこは、高級住宅街。
貴族が邸宅を構える閑静な邸宅街区よりカジュアルだけど、古書店のある旧市街とは段違い。
通りに面した小綺麗なアパートで呼び鈴を鳴らしているネッド。
わたしには、女の勘なんて無いと思っていたのに。
ドアを開けたのは、いかにも高級住宅街に相応しい女の人。
思ったより若くて、スタイルはまるでモデルさん。
でも、古書をコレクションするような人には見えない。
あれが、ミラ…さん?
???:
「ミラが気になってるのかい?」
!?
前触れもなく横合いから掛かった声。
若い男の人に声を掛けられたことなんてなかったから、身体が固まってしまう。
だけど…今、ミラって言わなかった…?
若い男:
「それとも、男のほう?」
!!
若い男:
「ってことは、彼女さん?
なら、別に二股とかじゃないから」
女の人は自然な笑顔だし、初対面じゃなさそう。
ネッドを手招きして、部屋に入っていく。
若い男:
「あれは全然大丈夫なやつさ」
「全然大丈夫じゃない!」
思わず叫んでしまう。
若い男:
「まあ、落ち着いて
…あ、指輪してるんだ?
じゃあ、不倫とか心配しなくていいから」
「…んっ…む」
思ったより優しい手がわたしの口を塞ぐ。
若い男:
「ココだけの話、ミラは娼婦だからさ
ただの遊びってこと」
「あ、遊び?」
若い男:
「そ、遊んでるだけ」
「でっ、でもっ!」
口を塞いでいた指が、官能的に滑って唇を舐める。
その妖しい感触に言葉が溶けてしまう。
若い男:
「じゃ、娼婦を買うのって不倫?」
それは…。
そこまで世間知らずじゃない…けど。
若い男:
「とにかく、コトが済むまで待ってるなんて、修羅場の予感しかしないしさ
素敵な店を知ってるから、そこで落ち着いて話そ?」
もしかして、これがネッドの裏事情…なのかな。
だったら、わたしが何か言えることなんて、ない。
口の端からゆっくりと入ってくる指。
信じられないくらい不潔で、無礼なのに、言うことを聞いてくれない身体が受け入れてしまう。
どちらかといえば苦手だったタイプなのに、軽薄そうな顔と声に逆らえなくて、誘われるままに連れ込まれていく。
多分、落ち着こうとして、お酒を飲んだ…のかもしれない。
それとも、飲まされたのかも
気が付いたのは、薄暗い部屋の窓際。
もう暗くなってるのに、建物の窓は色とりどりに飾られて…
え…っ?
「あの人…なんで、裸なの?」
若い男:
「お前がいったんだろ?
ミラが娼婦してるとこ見たい、ってさ」
「わ、わたしが…そんな、こと?」
ミラさんの家じゃ、そんなことしてるかわからないって…ゴネたような気もするし。
それとも、見たいかって誘われたんだっけ?
「う…うそ、だよ」
気が付いたら、服がはだけて胸を弄られてるのに、考えがよくまとまらない。
優しいネッドにされたことのないくらい雑に乳首が捏ねまわされてる。
乱暴に弄られるほど、初めて会った人なのに身を預けてしまう。
若い男:
「知らね
ほら、見ろって!
これで誤解の余地なしだろ?」
ミラさんは裸のまま…男の人が小さな部屋に入ってく。
よく見たら、その後ろに何人か並んでる。
若い男:
「言ったろ?
ただの遊びだよ、遊び」
よく見たら、ミラさんの小部屋の隣も、その隣にも、裸の女の人。
色とりどり、キラキラと輝くの窓を見ていたら、だんだんわからなくなってくる。
若い男:
「全然普通のことさ
なら、遊ばない手はないよな?」
「んあ…っ、あぁ…いっ、っくっ!」
窓際で恥ずかしい恰好のまま弄られて、崩れ落ちたら身体を押しつぶすように激しく犯されてしまう。
強要されるままに恥ずかしい言葉を言わされて、自分で言った卑猥な言葉に追い詰められる。
「はひ…っ、いく…っ、いく…いってる、からぁ…」
何度も何度も、朝までずっと。
起きて、四つん這いで逃げようとしたら、後ろから、また。
「ゆっ、許して…っ
おかしく…なって、ずっと…こわい…からぁ」
最後はほとんど哀願みたいになっても、ずっと気持ちいいままで頭がおかしくなるまで許してくれなかった。
ミラさんが辺境伯の愛人と知ったのは、それから少し後のこと。
ネッドが届けていたのは、実は辺境伯が注文した古書。
それを知った頃には、わたしはもう抜け出せなくなっている。
タチの悪いヒモなのは、覚え込まされた身体が知っているし、言われるままに身体を売るのも、そう。
今日もそれを言い訳にして、男の人と遊んでる。
途中に出てくるミラの経緯は、以前の記事にあります。
1月14日までの進捗
https://ci-en.dlsite.com/creator/14807/article/1048130
1月21日までの進捗
https://ci-en.dlsite.com/creator/14807/article/1052981
1月28日までの進捗
https://ci-en.dlsite.com/creator/14807/article/1058194