TS俺は失敗禁止ッ!9
いつも温かいご支援ありがとうございます。
おかげさまでマニアックな小説を書き続けることができています。
6月も10日が過ぎました。
現在、温泉みかん先生にイラストを描いてもらっている作品の小説を書いているので、この夏には皆様にお届けすることができるかと思います。
蒸れる黒タイツやブルマがモリモリと盛り上がっていく感じの小説なので、楽しみに待ってもらえたら嬉しいです。
さて、今日は火曜日ということでCi-enオリジナルの小説を更新していこうと思います。
少しでも楽しんでくれている人がいたら嬉しいです。
こうして初登校の日は、昴の予想とは裏腹に平穏に過ぎていった。
朝の出席を確認するときに担任が昴の名前を呼んだので、何事もなかったかのように昴が返事をしたときには、クラスがざわついたものだけど。
クラスメートたちから質問攻めにあうかと思っていたけど、そこは幼なじみである真琴がしっかりガードしてくれた。
それに学校を休んでいた二週間のあいだに、昴が女の子になったということが担任から教えられていて、見守ろうという空気になっていたのかもしれない。
おかげさまで質問攻めにあうことなく二時限目、三時限目の授業へとつつがなく進んでいく。
(真琴と、みんなの優しさに感謝、だな)
心のなかでそんなことを思いつつ、三時限目の国語の授業中のことだった。
教壇では教師が退屈な漢文の説明を続け、クラスメートたちの約三分の一が夢の世界へと旅立っているころ。
それは、少しずつ、だが確実に膨らんでいた。
「あっ」
昴が小さな吐息を漏らしてしまったのは、
じゅもも……っ。
無意識のうちに数滴のおしっこをチビってしまったからだった。
女の子の尿道は、太く、短い。
しかも膀胱の周りには子宮もあるから、膀胱の容量も少ない。
だから、小刻みにトイレに行かなければならないことは、この二週間で学習したことだった。
……初日には、道端でおもらしをしてしまったし。
(次の休み時間、トイレに行っとくか……)
そんなことを考えながら板書をとり――、
しかし、その数秒後に、ある致命的なことに気づく。
(って、トイレ! トイレどうするんだよ!?)
いままでは家のトイレを使っていたから問題にならなかったし、検査を受けに行った病院も、幸いなことに男女共用で個室型のトイレだったから不便することはなかった。
しかしここは学校だ。
トイレは、男子と女子トイレに分かれている。
(男子トイレを使うか……!?)