レモネードオアシス 2021/07/16 11:23

大決壊!~TS俺が百合落ちするまで~

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目次

TS俺が百合堕ちするまで

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 序章 突然胸が苦しくなって。

 ――代わり映えのしない毎日。
 一体いつになったら終わるんだろうか?

 桃瀬千尋は、5月の陽気に照らされた学校のグラウンドを走りながら、漠然とそんなことを考えていた。

 ときは、五時限目の体育の授業中。
 今日は長距離走だから、千尋を含めた男子生徒たちは延々とグラウンドを周回させられることになっていた。
 きっと、これからの人生も似たような光景が広がっているのだろう。
 こんなふうに、延々と退屈な日常が広がっている――。

(せめてさっさと走りきりてぇ……)

 そんなことを考えながらも、ここでペースを上げたりなんかしたら後半に辛くなることは目に見えている。
 長距離走の秘訣は、いかに疲れずに走りきるか、だ。
 急に飛ばしても、なにも良いことがない。

(ああ、これも人生に似てる)

 そんなことを考えながらも、千尋は地道に長距離走を刻むように走っていく。
 走っていると、なぜか余計なことばかりが頭を浮かんでくるから不思議なものだ。

「えっ?」

 千尋が短い声を漏らしてしまったのは、急に息苦しさを感じたからだった。
 だが異変は息苦しさだけでは終わらない。

「えっ、あっ、ちょ……!?」

 胸のあたりが締めつけられるような感覚に襲われると、急に体操シャツに覆われている胸が大きく膨らんできたではないか!

「う、うそ、な!?」

 なんで、急に!?
 言葉にしようと思っても、あまりにも急なことだったので言葉になってくれない。
 それでも胸のところに2つの風船を入れられたかのように大きく膨らんでいき、それが限界にまで達したその瞬間――。

「ク、クリリンのことかー!」

 人間、急なことが起きるとパニックになって、思ってもいないことを叫んでしまうものらしい。
 胸が苦しくなった瞬間に千尋の脳裏をよぎったのは、以前漫画で読んだことがあるワンシーンだった。

 ――直後。

 バリバリバリ!
 ……たゆんっ。

 厚手の体操シャツを破って露わになったのは、大きく張った乳房だった。
 それはまるで女の子のような。
 染み一つない乳房に、頂きには小さなピンク色の乳輪がある。

「えっ、ええ!?」

 俺の、身体が!?
 あまりのことに、千尋はその場にへたり込んでしまっていた。
 そのしゃがみかたは、女の子が座るときのように。
 この瞬間、千尋の身体は男から女へとメタモルフォーゼしていたのかもしれなかった。
 だが千尋にはそんなことまで気にする余裕は残されてはいない。

「な、なんじゃこりゃ~!」

 口をついて出てきたのは、単純な疑問。
 一拍置いて、膨らんだ乳房の重みが肩にかかってくる。

 ピュピュッ! ピュルルルル!
 乳首から糸を引くように噴き出してきたのは、信じられないことに母乳だった。

「えっ、ええっ」

 身体に表れた変化は、乳房だけではない。
 学校指定のハーフパンツのなかでは、千尋の男性器までもが女性器と化していたのだ。
 腰を抜かしてしゃがみこんでいる千尋の股間から、

 しゅいいいいいいいいいい……。

 くぐもった水音が聞こえてくる。
 それは男性器から漏れ出す音とは違った、明らかに恥ずかしい水音。

 ――女の子の尿道は、おしっこを我慢するには、あまりにも不都合な形をしている。
 それにおしっこをなんの躊躇いもなく出せば、恥ずかしい水音が奏でられてしまう。

「あっ、あっ、あっ」

 しゅわわわわわわわわわ……。

 じゅわり、
 お尻が生温かくなると、ハーフパンツに暗い染みが滲みだしてくる。
 その染みは千尋を中心として水溜まりとなって広がっていった。
 乾いたグラウンドにおしっこが染みこみ、マナ暖かいアンモニア臭が立ち昇ってくる。

(な、なんだよこれ! おっぱいが……、女みたいに膨らんで!? それに髪も!?)

 おっぱいに驚いていると、視界の隅に入ってくるのは長く伸びた髪の毛。
 桃色のサラサラロングヘアだった。

(ウィッグが……降ってきた、のか……?)

 人間、あまりにも急なことが起きると日常バイアスというものがかかるらしい。
 いまの千尋がまさにそうだった。
 自分の身体が女体化し、髪の毛までも変化しても、メタモルフォーゼしたことを認められずにいる。
 普通の人間、だいたいはそうなるだろう。

「う、うそ……っ」

 だがどんなに頭のなかで言い訳をしても、千尋の身体の変化は止まってくれない。
 女体化したことにより身体が小柄になっていき、それにともなって成長痛にも似た痛みに襲われる。

「うっ、ううう! 身体が……っ、熱い……っ」

 じゅわわっ、
 ぴゅるるるるっ!

 体内のホルモンバランスが崩れたのか、Fカップほどに膨らんだおっぱいからは母乳が噴き出してきていて。

「あっ、ううっ、けつが……温かい……」

 しゅわわわわわわわわわわわ……。

 それに女性器に変わった股間からは止めどなくおしっこが滲み出してきている。
 周りにいるクラスメートたちの男子たちが、なにごとかと近づいてくるけど、千尋自身が一番それが知りたいところだった。

「あ、もう……」

 無理――。
 そう思った瞬間、千尋の意識は途切れていた。


いつもあたたかいご支援ありがとうございます。
今日からしばらくの間はTS小説を更新していきたいと思います。

TS俺が百合堕ちするまで2につづく!


大決壊シリーズも配信中です。
今回イラストを描いてもらっているめんぼーさんに描いてもらった作品も配信していますので、よろしければ是非是非。

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