陰キャラでなにが悪い!4
賞味期限切れのエクレアが牙を剥く!
√3章目 授業中にうんちおもらし……
「ふ~、ふ~。ずるずるずる~」
時は深夜。
自分の部屋であぐらをかいて美味そうに豚骨のカップ麺をすすっているのは千影だった。
深夜アニメをリアル視聴して小腹が空いたので、寝る前の腹ごしらえというわけだ。
「冷蔵庫にエクレアも発見したし最高だね。ちょっとだけ賞味期限ブッチしてるけど」
豚骨ラーメンのスープまで完食した千影は、エクレアにかぶりつくと、一瞬にして平らげる。
甘いものは別腹だ。
あとは歯を磨いて寝るだけだが……、
「その前にトイレ行っとこ」
千影はみんなが寝静まった廊下を忍び足で進みトイレへと行くと、白のワンピースタイプのパジャマを捲り上げてショーツを降ろして洋式の便座に腰掛ける。
降ろされたネコさんショーツのクロッチの裏側は、既に愛液でヌルヌルになっていた。
さっきまで官能小説を読んでいたのだ。興奮すれば濡れるようにできているのだから仕方がない。
濡れたショーツがおまたに食い込んでくる感覚が好きだったから、クロッチの裏側には洗濯で落ちない焦げ茶色の縦染みが、くっくりと刻み込まれていた。
「はぁぁ~」
しゅいいいいいいい……。
おまたの力を抜くと、赤ん坊のようなパイパンから勢いよくおしっこが噴き出してくる。
家だと思いっきりおしっこができるから好きだ。
しゅわわわわわわ……。
――プシュッ。
ぶるるっ。
小さな身体を震わせると、千影の放尿はすぐに終わった。
だけど千影はすぐには立ち上がろうとはしない。
むしろお腹に力を入れていく。
「んっ、んんん~!」
だけどどんなにお腹に力を入れても、大腸に眠っているモノは出てきてくれる気配さえもなかった。
そろそろでてきてくれてもいいのに。
「もう二週間も出てきてくれてないよ」
最後に出てきてくれたのは二週間ほど前。
それっきり音沙汰なしだ。
そのあいだに食べたものが溜め込まれているのだ。
お腹が張って結構苦しい。
水分は大腸で吸収されておしっこになって、その残りカスはうんちになってカッチカチに固まっていることだろう。
この二週間、食べたもののぶんだけ体重が増え続けていた。
……その割には夜食にカップ麺を食べまくっているけど。
「ううっ、おなかパンパンだよ」
ハンバーガーにポテトフライ、それにカップ麺に鶏の唐揚げ。
二週間食べたものが、この小さなお腹に詰まっている。
おへその下が、ぽっこりと膨らんでいた。
「ぬぅ~、今日も出ない……」
はぁ、
ため息をつくと、ショーツを上げてトイレを出る。
もうすぐ夜明けだ。
それまでに睡眠時間を稼いでおいたほうがいいだろう。
☆
「……眠い」
千影は不機嫌そうに呟く。
目元には色濃いくまが浮き上がり、無造作に伸ばされた黒髪にはところどころ寝癖が立っている。
時は五時限目の理科の授業中。
昼休みで食べたご飯が消化されて、一日で一番眠くなる時間帯だ。
黒板には人体の断面図が図解入りで貼り出されていて、教師がそれぞれの臓器について説明していた。
千影のお腹のなかでも大絶賛臓器が稼働中なわけだが……。
(あー、早く授業終わらないかなー。帰ってエロゲしてー)
そんなことを考えながら、板書をノートに書き写していく。
授業では食べたものがどのようにして消化されていくのかを解説していた。
もっとも……、
(あたしのお腹には二週間分のカッチカチのうんちが詰まってるわけなんだけど……)
順調にいってくれれば大腸で適度に吸収して排泄物にとして体外に出てくれるんだろうけど、千影の大腸にはたっぷりとうんちが詰まっている。
(今、こうしている瞬間にも大腸では水分が吸収されて、カチカチになってるんだよねー。あー、やだやだ)
どこか他人事のように考えていると――、
ぐる、ぐるる~。
お腹から、久しく忘れていた信号が発せられる。
久しぶりすぎて、この感覚が一瞬なんなのかを理解することができなかったほどだ。
だけどお腹は千影の意思とは無関係に、急速に覚醒していく。
ギュルッ、ギュルルルルッ!
(はぁう!? この感覚は……まさか腹の封印が!?)
二週間ものあいだ眠りについていた大腸が目覚めると、急に波打ち始めたのだ。
まさか、授業中にいきなりくるだなんて。
(まだだ、まだ慌てるような時間じゃない……)
自分に言い聞かせるように念じるも、しかし一度目覚めたお腹はそう簡単に収まってはくれない。
ギュルッ!
ギュルルルルッ!
(な、なにが原因だ!? 今朝食べたヨーグルト!? それとも深夜に食べた豚骨のカップ麺!? それとも賞味期限ブッチしてたエクレアか……!?)
最近食べたものを思い返してみるけど、心当たりが多すぎてなにが原因なのか分からない。
こうしているあいだにも、大腸は蠢動を開始する。
ギュルルッ!
グルルルルルッ!
(こ、これはキツい……!)
まるで大腸を雑巾絞りされているかのような痛み。
あまりの痛みに額に脂汗が浮き上がり、背筋を滝のように汗が流れ落ちていく。
教室の前にある時計を見上げると、授業が終わるまであと十五分もあるらしい。
我慢できる自信など、まったくなかった。
ブラもショーツも脂汗でグショグショだ。
(トイレに行かせてもらう!? ううっ、でも立ち上がっただけで、も、漏れそう……!)
お腹に手をあてて、大腸が眠ってくれることをお祈りするけど、千影の意志とは逆にうねっている。
意思とは無関係だから自律神経というのだ。
(どうする? どうする……!?)
ギュルッ!
ギュルルルル!
…………ぷうぅ……。
「ぁっ」
あまりのお腹の痛みに、おならをしてしまう。
それはとても小さな音だったけど、静かな教室では十分すぎるほどに響き渡ってしまう。
『誰だよ、屁こいたやつ~』
『言い出しっぺが怪しいぜ』
『俺はこんなにくせー屁はしねぇよ』
おならを聞いた男子たちが、途端に騒ぎ始める。
まさかこんなに臭いおならを女子がしてしまっただなんて、男子たちは想像さえもしていないだろう。
だけど、まだこれはプレリュードでしかない。
本当の大決壊は、これからなのだ。
(あっ、むっ、むり……! お尻が、勝手にひ、ら、く……! 魔封壁の封印が……!!)
メリメリメリ……。
カチカチに固まったモノによって、直腸がこじ開けられていく。
それはまるで石のように固くなっていて、千影という少女の小さなお尻の括約筋で止めることなどできるはずがなかった。
この小説は同人誌の『大決壊! 陰キャラでなにが悪い!』に収録してある小説です。
フルサイズのイラスト6枚も収録されています。
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