TS俺が女の子のレッスン!?10
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「次の授業は体育かぁ……」
そんなことを考えながら、二時限目の数学の授業を右から左へ聞き流す。
この時間になると、こみ上げてきているのが尿意だった。
(う。やば)
じょわわぁ……。
少しでもおまたから力を抜くと、生温かいものが漏れ出してきてしまう。
まだ女性器に慣れていない司は、あまりおしっこを我慢するのが得意ではなかった。
(だけど、女子トイレになんて入れねえし!)
じゅもももも……っ。
じょばばぁ……。
股間にあてているおもらしライナーを生温かく湿らせながら、司はキュッとおまたに力を入れる。
尿意に屈しそうになりながらも、しかし女子トイレに入るのは抵抗があった。
そんなの恥ずかしすぎる。
(いままでは病院の個室だったり、男女共用のトイレでごまかしてきたものの……ううっ)
じょわっ、じょわわぁ……っ。
この二週間は、病院での精密検査を受けてきた。
そのあいだトイレは個室だったり、男女共用のトイレで凌いできたけど、ここは学校だ。
トイレは男子と女子用にわかれている。
そのような小技を使うことはできない。
(我慢、我慢しなければ……。だ、だが……次の授業は体育か……我慢、できるのか!?)
って、ちょっと待て。
このときになって司は重大なことに気づく。
(体育ってことは更衣室! ってことは、俺は女子更衣室に入らなきゃらならないのか!?)
女子トイレだけでも恥ずかしいというのに、女子更衣室だなんて。
しかも着替えたとしても、女子は紺色のブルマを穿いて運動することになっている。
女子更衣室という難関を越えたとしても、その先にも羞恥プレイが待っているということだ。
(せ、せめて……)
じょぼぼぼぼ……っ。
股間を生温かく湿らせながら、入念に脳内シミュレートする。
重要なのはタイミングだ。
(この授業が終わったらすぐに体操袋を持って女子トイレに行き、おもらしライナーを捨てる。そしてすぐに女子更衣室に駆け込み、クラスメートの女子たちがくる前に、速攻で体操服に着替える……!)
それが次善の策と言える。
そのことを伝えるために、隣の席に座っている晶へと目配せをする。ちょうど晶と目が合い、晶は小さく首肯する。
たったそれだけで伝わるのは、長年幼なじみをやっているからなのだろう。
☆
(よし、まずはトイレ! 次は更衣室だ!)
二時限目の授業が終わり、休み時間が始まった、その瞬間。
司と晶は無言で席を立っていた。
そして教室の後ろの出入り口から廊下へと出る。
「まずはトイレだ……っ」
「それから更衣室。女子更衣室までは案内するから急いで」
「ああ!」
晶が案内してくれるという女子更衣室は、男子の知らない場所にある。
だから案内が必要というわけだ。
短いやりとりで確認すると、司は女子トイレへと駆け込み、個室へと滑り込んでいた。
「うっううっ」
もわわ~ん……。
ショーツを降ろして露わになったのは、もこもこに膨らんで鮮やかなレモン色に染められた吸水ライナー。
それはまるで夕暮れ時の入道雲のようにも見えた。
だけどいまは吸水ライナーを観察している暇はない。
一刻も早く女子更衣室で着替えを済まさなければ。
「くるっと丸めてポイッと」
吸水ライナーをサニタリーボックスに捨てると、司は早々に女子トイレを後にする。
「こっち。ついてきて」
「ああ」
女子トイレの前で待ってくれていた晶についていき女子更衣室へと向かう。
急がなくてはならないから、やや駆け足で。
だが、その直後だった。
ぢょぼぼっ!
「アッー!」
股間に生温かい感触が広がり、司は足を止めてしまった。
そのときになって、司は己の過ちに気づく。
(ハッ!? そういえばライナーを捨てることで頭がいっぱいになってて、おしっこをし忘れていたぁぁぁ!!)
どうする?
だけどここでトイレにUターンしておしっこをしに行くのは、なんだかとても恥ずかしいことのように思える。
それに女子って、和式トイレでどうやってすればいいんだ!?
更に言えば、一刻も早く更衣室に行かなくてはならない。
「どうしたの、急に立ち止まって」
「い、いや。なんでもない」
つい咄嗟に応えてしまって、失敗したと思ったときにはもう手遅れ。
「早く更衣室に行きましょ。みんなが来ちゃう」
「お、おう」
ここまで読んでくれてありがとうございました!
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この作品は同人誌『TS俺が女の子のレッスン!?』に掲載されているものです。
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