恵夢字状/荒湯制作所 2024/05/01 18:52

企画とモチベーションと空中分解

 他人の企画を聞きつつ。小説を書きたいのか。ゲームを作りたいのか。判らない時がある。
 物語に一本筋通った答えを作ってそこに枝分かれを作るのがアドベンチャーゲームのテンプレだった。
 まずは小説を完結させてからサブシナリオを書くだけでいい。
 ところが、ツリー調教システムによってLevelに応じた多様な選択肢を見せて好みの繰り返し提供が開発される。
 そこが落とし穴になる。暴飲暴食なゲーム体験はシナリオ進度の管理に支障を与えるのだ。
 Level引き上げに対してメインシナリオの進度が必須条件になるまで同じ事を淡々と繰り返す作業感が溜まってしまう。作業感を解消する為にサブシナリオ開放の枝を増やすのは可能だが、クリアの方向に進まないやり込みに対してストップをかけなければ、いけない場合も出てくる。

 ゲームはルートを数値計算と変数で切り替えるトロッコなので、ゲームオーバーを作って枝打ちしなければ木が枯れるのである。

 しかし、ゲームプレーヤーにプレイ時間がロストにならない工夫が大事になる。故に自由があるようでいて、一定の制限を設け、失敗に対する報酬を用意しなければいけない。

 それはゲームの作業時間で所持金が増えたり。称号が増えたり。クリア難易度の変動が起こったり。サブシナリオや、メインシナリオの進展に関するヒントが見えるなど。最終的な結論を要所要所で示唆するのが良心なのだろう。目的が薄れれば物語の長い停滞にゲームが崩壊する恐れがある。

 簡単に言うと時間がかかる割にクリア出来ないゲームになる。それは単純に開発に時間がかかるだけでプレイヤーも開発元も次回作への体力を維持できなくなる不安さえ孕んでいる。なぜなら読み終わらない小説に論評は書けないからだ。フィードバックのない連作は潤滑剤のない空回りもするだろう。

 壮大な連続作品を作るなら、コンスタントに作れるゲーム構築を考えた方が利があるだ。制作コストを減らし、データ容量を減らし。より趣深いシナリオを読ませたい。本筋の意志の現われでゲームは作られるのがベストなのかもしれない。

 某長期制作アニメも初期ユーザーは親心で観る義務を負ってしまい楽しめなかったなんていう顛末もある。可能性を広げるのではなく。選択肢を取捨選択するのが完成への道だと感じつつも。可能性を否定されていると曲解されるので、己のフェチのみで一本作ってから他人の接点を作る程度で同人制作が出来るセンスを持ちたい。

 『BSSVS』は僕が好きだったプレイが大衆的に再生産され続け、原液のドロドロした部分が薄くなっている不安に対する執筆である。また、その派生ルートは、「ボクは」「そんな」「好きじゃなかったのに」「対峙した」になるのだろう。

 機械的に真似る商業作家も居る世の中で、己の好きと個性的な性癖の薫る作品群を味わいたい。

〆(。。){万能調味料は期待していないよ!

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