TNG 2023/08/21 14:40

キャラクターの日常01

【ある朝の風景】


「ん……」

カーテンが少し開いた窓から差し込む光が
眩しい。

(朝?)

ボクはボンヤリした頭で考え、ゆっくりと
身体を起こした。
ポリポリと後頭部を掻きながら、窓の外を
見る。
初夏の日差しが差し込んできている。
とても良い天気だ。
今日も良い一日になると良いなぁ。

(あれ?今何時だろ?)

ボクは手探りでトキゾーさんに手を伸ばす。

(無い……)

ベッドに座ったまま振り返ると、ベッド
ボードに乗っていた筈の
トキゾーさん、すなわち目覚まし時計が、
枕元に落ちていた。

(また、寝ている間に落としちゃったのか)

ボクは、ちょっと寝相が悪いらしい。
朝起きると、枕やタオルケットはどこかへ
行っているし、
時々、ベッドボードのトキゾーさんや
トマちゃんやミー君が転がり落ちている事も
ある。

「いつも、ごめんねぇ」

トキゾーさんに謝りながら手に取り、時間を
見る。

(3時40分……何だ、まだ夜……あれ?)

ボクは、もう一度、窓に目をやった。
外は既に明るく、登校する子供の賑やかな
声が聞こえる。
そして、ボクはある事に気づいた。

「トキゾーさん、ダイエットした?」

いつもより、トキゾーさんが軽い。
ふと、ベッド脇に目をやると、銀色に輝く
乾電池が2つ転がっているのが見えた。
ボクはトキゾーさんを裏向けてみる。
電池カバーが開いていて、中身は空っぽ
だった。

その時、足側の壁の方から鳴き声が上がる。

「コケコッコ~!!コケコッコ~!!」

鶏型時計のコッコさんが、時報を告げ
たのだ。
それは小さい頃、お父さんにおねだりして
買ってもらった物で、ボクのお気に入りだ。
コッコさんは、午前8時を教えてくれて
いた。
普段なら、学校へ行く為に家を出る時間だ。
背中全体に冷んやりとした感覚が走った。

「あ、あはははは」

状況を理解したボクの口から、乾いた笑いが
漏れる。

「完全に寝坊だ!!!」

慌てて今からやる事を考える。

(すぐに着替えて、リュックを用意して。
 身だしなみは、とりあえず省略して。
 朝ごはんは……うう。
 ええい、それも省略だ!!
 あ、お弁当は持っていかなきゃ)

部屋着を脱ぎながらベッドから飛び降りた
瞬間、床に転がっていた、もう一つの
乾電池を踏んずけて足を滑らせ、ボクの
身体はベッドの上を盛大に転がるの
だった……。


制作中ゲームの主人公の日常を、少しずつ描いて
いこうかと思い立ち、その最初として描きました。

主人公である、この子の名前は、
「穂樽 波流香(ホタル ハルカ)」
呼び名は「ハル」です。
(ゲーム内では変更できるようにします)

ただでさえ、製作スピードが遅いのに、
何をやってござるのか?
それは、自分の絵と文章のレベルを知って
おいて頂く事が必要だと思ったからです。
現在製作しているゲームは、販売するつもり
です。
せっかくお金を出して購入して頂いた
ゲームが、趣味に合わない絵や、文章が
合わないといった事で無駄になってしまう
のを防止しようという、そんな意図が
ございます。

ええ、1%程は……。

後の99%の成分は、自分の絵や文章の
練習と、色々な事柄からの現実逃避。
いつの日にかゲームが完成して、販売
出来ると良いなぁ。

もちろん、頑張っていく所存ですが……ね。

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