4月コミッション公開作品 魔法少女戦闘、失禁【全文10000文字】

【お試し読み】4月コミッション公開作品 魔法少女戦闘、失禁【全文10000文字】


【あらすじ】
 不治の病で病弱だった少女が、天使に選ばれ悪魔と戦う戦士(魔法少女)となるも、力及ばず負けてしまい失禁する話

 性交などのR18描写は無し
 

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  妃美嘉、いつも病室の窓から夜空のお星さまにお願いしていたんです。
 いつか、身体が元気になりますようにって。
 お父さんお母さんに迷惑ばっかりかけるこの弱い身体がいつか元気になって、いま、妃美嘉がたくさんの人に助けてもらっているみたいに、誰かの助けになれたらいいって。
 寝たきりのベッドの上からぼーっと眺める星空に、今日はひときわ輝く一つの星が見えました。
 妃美嘉はその星をじっと見つめて、祈りました。
 飛んだり跳ねたりできる強い身体が欲しいって。
 手術や、暗い病室でひとりぼっちでも泣かない強い心が欲しいって。
 涙で滲む星の光を見つめていたら、いつの間にか寝ちゃってました……
 ふと気が付いたらきれいな花畑にいた妃美嘉は、驚いて目をパチパチさせて周りを見回したの。

 
「ここは、花畑……? 妃美嘉、花畑に来るの初めてです……」
 呟いて、頭を巡らせると上には青い空が広がって、両足には土の感触。足の指を動かすと土がさらさらとしてとても気持ちよかったです。
 涼しくて気持ちいい風が髪の毛を揺らす感触も病室で感じるのとは大違いでした。
「花畑どころか、外に出て、こんな風に立って歩くのも初めて……」
 ずっと病気で身体が自由に動かなかった。
 身体って重くてだるくて痛いものだとばっかり思ってたけど……こんなに楽しいんですね!
 自由に動く足が、土を踏みしめる。当たる植物の感触が冷たくて気持ちいい。
「花のにおいも……とってもいいにおい」
 腕を大きく伸ばして深呼吸すると、みずみずしい花のにおいがしました。
 妃美嘉は、花のにおいを胸いっぱいに吸込みながら、花畑を散策しました。
 寝たきりだったのにひとりで来れるはずがない。でも、ここには妃美嘉以外、誰もいない。
「ここはもしかして、天国……なんでしょうか……」
「そうですよ」
「ひゃぁっ!」
 妃美嘉はびっくりして慌てて声の方へ振り向くと、そこには美しい天使が立っていました。
 日の光みたいな金色の髪に、真っ白い雲のような翼が背に映えている。それはお母さんに読み聞かせてもらった絵本に出てくる天使様そのものです。
「て、天使……様? 本当に?」
 思わず尋ねると天使様は静かにうなずいて返事をしてくれました。
「はい」
 そうして天使様は青空みたいな真っ青な瞳で妃美嘉をまっすぐに見て「涼森妃美嘉。あなたに天使の力を与えます」とひやっとするような声のトーンでおっしゃいました。


「妃美嘉~……起きて~! 今日から学校でしょう~!」
 妃美嘉は母の声でゆっくりと瞼を開けた。
「はぁ~い! 起きましたぁ~……ふぁぁ」
 台所から大きな声で呼びかける母の声に、あくび交じりに返答して妃美嘉はベッドからゆっくりと抜け出した。
「……また、あの時の夢、見ちゃった……でも、これは夢じゃないですよね……私、今日から学校行けるんですよね!」
 ほんの数か月前までは、起き上がることもままならなかった難病の妃美嘉が、自分で身体を起こし、歩いて洗面所まで行って鏡をのぞく。
 そこに映る顔は、血色が悪く落ちくぼんだ目をした病人ではなく、年相応の健康な少女の顔をしていた。
「あの夢の天使様が、本当に妃美嘉のお願いを叶えてくれるなんて……」



 妃美嘉はあの日、花畑の夢を見た。
 その花畑であった美しい天使は、妃美嘉へ「天使の力を授ける。その力は人間に多大なる恩恵を与えるだろう。その代わり、その力を使い悪魔と戦いなさい」と言った。
「あ、悪魔ですか……」
 妃美嘉はあまりの出来事に天使の姿をまじまじと見つめながら、その言葉を繰り返した。
「そうです。悪魔は人間から魔力を奪い、私たち天使を排して世界を支配しようとしている。それを阻止してほしい。貴方にはその素質がある」
 天使は無表情に妃美嘉を見つめて言った。
「天使の力を手に入れれば、貴方の身体は難病に打ち勝ち、健常な人間と同じように生活することができるだろう。やってもらえますね、妃美嘉」
 天使の言葉に妃美嘉は目を見開いた。
「ほ、本当ですか?! 私、退院できるの?!」
 妃美嘉ははしゃいだ声を上げる。
 天使は無表情のままにこくりとうなずく。
「そうです。しかしその代わり私たち天使の力を使って悪魔を退けてほしいのです」
 天使の話を聞いて、言葉を失う妃美嘉。
「どうか頼みます。人間の世界を守るためにあなたの力が必要なのです」
 天使の言葉に、妃美嘉の瞳が光る。
「……やります!」
 今まで寝たきりで、自身の無力さに打ちひしがれていた妃美嘉は、人のためになると言われ身体がかっと熱くなる。
「妃美嘉は今まで、たくさんの人たちに支えられて生きてきました。元気になりたいのもあります……でも、妃美嘉は大切な人たちに恩返しがしたいです!」
 そう、今まで出したことのない大きな声で妃美嘉は天使に誓ったのだった。


 不思議な夢を見た朝から、妃美嘉の身体に大きな異変が起こった。
 不治の病で自由にならなかった身体が動くようになる。そしてとうとう妃美嘉は、寝たきりの状態から病院を退院ほどの健康体になっていった。
 しかし、医者は噛んで含めるように妃美嘉と、両親に告げた。
「妃美嘉さんの回復は奇跡としか言いようがありません。しかし、今まで寝たきりで過ごしていた身体は、一般的な14歳の女子に比べるとか弱いです」
 そこで医者は両親から視線を妃美嘉に移して、優しく微笑んだ。
「妃美嘉ちゃん。けして無理はしないように。君の身体はまだまだ成長途中だ。それから、経過観察のためにも当分通院してね」と。
 妃美嘉は大きく頷いて「はい。わかりました」としっかりした発音で応える。それだけでも、今までの妃美嘉では考えられなかった奇跡の変化だ。
 明るく返答する妃美嘉の姿に、医者も両親も柔らかく微笑むのだった。
 
 そうして今日から、初めての学校だ。
「妃美嘉、学校行くの初めてです……緊張、だけど……すっごく楽しみ」

 妃美嘉は身だしなみを整えて、鏡に映る自分ににっこりと笑いかけた。
 初めて袖を通した制服は少し大きいけれども、なかなか似合ってる。と妃美嘉は心の中で自画自賛をして玄関ドアを開ける。
「お母さん行ってきます!」
「ええ! いってらっしゃい妃美嘉!」
 母親は嬉しそうに笑顔で妃美嘉を見送った。

 
 ひとりで歩く通学路。
 妃美嘉はまるで冒険者のようなワクワクとした心持ちだった。
「あら? こんなところにこんな道があったんですね。ますます冒険のよう! こっちの道から行ってみましょう」
 妃美嘉は軽い足取りで、少し暗い裏路地へと入っていった。
「なんだか少しひんやりします」
 朝の陽ざしが届かない裏路地は、ひんやりと肌寒く、妃美嘉はひとりでふるりと肩を震わせる。
 道の中程に差し掛かった妃美嘉は、さらに奥に人影を見た。
「良かった! 他にもこの道を使ってる人がいました……え?」
 ホッとしたのも束の間、妃美嘉はその人影に不穏さを感じ、小さく声を上げる。
 その人影はふたつ、重なるようにして路地の奥に立っていた。
 目を凝らすと、小柄な少女――妃美嘉と同じ制服を着ている――を抱き込むようにしている、背の高い男のような影。
「あ……あの人、頭にツノが……」
 妃美嘉は驚きに息をのむ。
 ひゅっと鳴った呼吸音が、路地に響き妃美嘉は慌てて両手で唇を覆った。
 何度も瞬きを繰り返して、人影を観察する妃美嘉。
 ツノのある男のような人影はぐったりとした少女をきつく抱きかかえ、首筋に牙を立てていた。
 じゅる、じゅるるっ、ずるっ
 汁を啜るような不快な音が妃美嘉の耳にも届いた。食い付いた口からどろりと血が流れている。
「ひっ!」
 異様な光景に、妃美嘉の喉はかすれた悲鳴を上げ、細い足がガクガクと震えた。
「あ、アレが天使様の言ってた悪魔……人の血を吸ってるの? ゆ、許せないっ」
 悪魔に首筋を噛み破られ、血を啜り上げられている少女の制服が、自分と同じであることを見て、妃美嘉はきつく悪魔を見据えた。
 怒りとも、恐怖ともつかない震える指先で、妃美嘉は天使から授けられた鍵の形のペンダントを握りしめた。
 深く息を吸い、呪文「セイントフラッシュ」を唱える。
 その瞬間、妃美嘉はまばゆい光に包まれた。
 妃美嘉の腰の辺りまで真っ直ぐ伸ばしている黒髪が緑色の変化し、真新しい制服は緑色を基調としたロリータ風の衣装となる。
 年齢の割に華奢な背中に清廉な翼が現れた妃美嘉は、風車のついた長い杖「エンジェルロッド」を持ち、うす暗い路地に悪魔と戦う魔法少女エンジェルロリータとして降臨した。
「や、やめなさい悪魔っ! そ、その子を離してっ」
 魔法少女エンジェルロリータとなった妃美嘉は、颯爽と悪魔の前に立ちはだかると、少女を解放するように命じた。
 長い杖「エンジェルロッド」を悪魔に向けて指し、必死に眉間を寄せ、厳しい視線で悪魔を睨み付ける妃美嘉。
 その声に、悪魔がゆっくりと顔を上げる。それとともに腕にとらえていた少女を、興味なさげに地面に落とした。
「ああっ! なんてことをっ。意識のない女性を地面に落とすだなんて……」
 非難をものともせず、悪魔は無造作に倒れた少女を跨ぐと、妃美嘉へとずかずか歩み寄る。
「お前のその恰好、憎い天使どもに力を与えられた魔法少女か?」
「そ、そうですっ! あなたの悪行もここまでですっ」
 乱暴な足取りで近づいてくる悪魔に、内心恐怖を感じつつも、妃美嘉は勇敢にエンジェルロッドを振り回す。
「なんと! そんなお粗末な動きで俺を倒そうとは!」
 悪魔は素早い動きで妃美嘉の攻撃を難なく避ける。
 ひょいっひょいっと飛び跳ねるさまは、まるですばしっこい蜘蛛のようだった。
「えいっ! はぁっ! こ、このっちょっ、ちょこまかとっ!」
「はははっ! なんだなんだぁへろへろじゃないか?! 天使様はお前に、その杖の使い方を教えてはくれなかったのか? 杖を振り回すどころか、振り回されてるじゃないか」
 悪魔は妃美嘉の攻撃を嘲笑う。
「な、慣れてないっだけ、ですっ! はあっ! あっ! くうぅっ」
 妃美嘉が必死になって杖を振るえば振るうほど、未発達な身体は左右にブレ、攻撃は悪魔をかすりもしない。あまつさえ、振り下ろした杖がコンクリートに強く当たり、その衝撃に妃美嘉は呻いた。
「あっははははっ! 攻撃が一度も当たらないどころか、自分でダメージを負ってる始末! 弱々しく矮小な見かけの通り、愚かな未熟者だ。こんな奴に力を与えねばならないほど、天使どもも焦っているとは……悪魔がこの世界を手中に収める日もそう遠くはないなぁ」
 嘲り嗤う悪魔の声が、薄暗い路地に響く。
「そんなこと、させないんだからっ!」
 妃美嘉はキッと悪魔を睨むと、勢いをつけて走り出す。
「やぁぁっ!」
 渾身の力を込めて、にやけた悪魔の顔に向かい杖を振り下ろした。
「やけくそにもほどがある。犬でももう少し頭を使って攻撃してくるぞ」
 真っ正面からの妃美嘉の特攻を悪魔はひらりと躱す。それどころか悪魔は突っ込んでくる妃美嘉の肩を軽くぽんっと、まるで友人のような気安さで叩いた。
「え? あああっ!」
 あっけにとられた一瞬、勢いを殺しきれなかった妃美嘉の助走を、悪魔の動作が最後のひと押しをした。
 長い杖に振り回され、助走の勢いとともに妃美嘉はバランスを崩して盛大にコンクリートの地面に倒れ滑った。
「きゃあぁぁっ!」
「ああ~~可哀そうに。大丈夫かな? か弱いお嬢さん。脆弱な人間の小娘が分不相応に天使の力など使おうとするからそう無様になるのだ」
「う、るさいっ!」
 妃美嘉は地面に転んだ痛みと、羞恥に大きな瞳に涙を浮かべているが、しかし気丈に素早く立ち上がると、再び悪魔へと向かって走る。
「たぁぁっ!」
 妃美嘉の細い足が、地面を蹴って飛び上がる。渾身の力を込めた一撃は、難なく悪魔に止められた。
「くっ……うぅ」
「今度はこちらから行くぞ」
 唇を歪めた悪魔が、腕を大きく振りかぶった。
 殴られるっ!
 身構えて思わず目を瞑る妃美嘉だが、覚悟した痛みが訪れることはなかった。
「くっう……あれ?」
 いつまでもこない衝撃に妃美嘉が瞼を開いた瞬間……
「残念っ! 今から殴られるんだ」
 悪魔の嘲り声が大きく響く。
 振り上げた拳が、妃美嘉のこめかみを殴りつける。
「きゃあっ……あっ、ぐっうぅ……」
 殴りつけられた衝撃で、地面を滑るように転がる妃美嘉。美しかった魔法少女の衣装が土埃にまみれ、所々擦り切れている。
「いた……うぅっ……でも……」
 痛みに呻き、震える腕で上体を起こす。
 妃美嘉の潤んだ視界の先に、悪魔によって血を吸われ地面へ捨てられた少女がいる。
 妃美嘉はぐいっと乱暴に瞼を擦り、立ち上がる。
 傷を負って震える膝に力を込めて、妃美嘉は再びエンジェルロッドを構えると縦に、横に、杖を振り回す。
「おお、闇雲に振り回す作戦か? 未熟な小娘が考えそうな攻撃だ」
「はぁっ! やぁっ、ふんぅっ」
 必死の形相で杖をふるう妃美嘉をもてあそぶように、悪魔はひらりと攻撃を避ける。
「まったくなってない攻撃だ。そういう攻撃をしていると……ほらっ! 隙だらけだぞ」
 そして大振りの攻撃の後の隙を逃さず、悪魔は妃美嘉の脇を拳で打った。
「きゃうっ! あっ、ぐっ」
「おおっ吹っ飛んだなぁ」
 脇腹に打撃を受けた妃美嘉の細い身体が、コンクリートを跳ねる。
 ボールのように跳ね転がる妃美嘉の痛みに呻く声が、路地に木霊した。
「ひぐ、うぅっ……ふぅぅっ」
 妃美嘉は、確実に悪魔に追いつめられ、大きな瞳からぐずぐずと涙をこぼす。
 しかし、妃美嘉は諦めずに必死に抵抗を示し、杖を振り回した。
「うああっ!」
「まったく。勝ち目のない戦いでの引き際も分からないとは情けない……」
 とうとう振り回していた杖を掴まれた妃美嘉が、しまった。と焦りを浮かべた瞬間、そのいたいけな顔に、悪魔の拳が叩きつけられた。
「ああぐっ!」
 打撃に、妃美嘉の手がエンジェルロッドから離れてしまった。
 土埃を上げて、地面を転がる妃美嘉を見て、悪魔は楽し気に笑い声を上げた。
「あははははっ! まるで石ころのようだな。さっきからゴロゴロと転がってばかりじゃないかっ! 天使の力はお前を石ころにしてくれたようだ」
 悪魔は心底楽し気に唇を歪めると、手に残ったエンジェルロッドを無造作に投げ捨てた。
 からからと、エンジェルロッドが地に落ちる音がむなしく響く。
「とどめだ。小娘」
 悪魔はうずくまっている妃美嘉を振りかぶった足で容赦なく蹴り上げた。
「きゃぁぁぁっ! あっ……くぅっ……うぅっ」
 土埃を上げ、どさっ、ずざっと大きな音をさせ、妃美嘉の身体が転がり跳ねる。
 衣装がぼろ切れのように擦り切れ、華奢な身体のいたるところに血が滲んでいる。
「ひぐっ、ひっ……うぅぅっ」
 悲痛な呻きが妃美嘉から零れ、とうとう倒れ伏した下半身から、しょわしょわと小水が漏れる。それは魔法少女の衣装を汚し、コンクリートを濡らす。
「うぅっ……ひぅ、うぐぅ……」
 涙をこぼす妃美嘉の変身が解けた。
 制服姿で地面に伏せ、えぐえぐと泣きはらす。制服すら、漏らした小水でぐっしょりと汚れてしまった。
「年端もいかぬ弱々しい小娘だと思っていたが、攻撃に手も足も出ずに、変身すら解除するなど……情けなさを通り越して、いっそ哀れだな」
 悪魔は妃美嘉の姿を見下し、鼻白むように呟くと、まるで霞が散るように姿を消した。
 
 


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