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小説の記事 (29)

Final_Fiend 2024/01/17 16:04

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Final_Fiend 2024/01/17 16:02

ゆずソフトNTRハーレム 喫茶ステラでNTR報告モノ

 カフェ・ステラの一日が終わる。従業員である高嶺昂晴は、帰宅の支度を終え、休憩室を出るところだった。

 そこに同僚の四季ナツメと明月栞那が現れる。

「あっ、高嶺君、ちょっといい?」

「四季さんに、明月さん? どうしたんだ」

「ええ、実は高嶺さんに見てもらいたいものがあるんです」

「俺に?」

 2人から話を振られ、仕事に関わる事かと考えた昂晴は、再び休憩室へ戻る。

「ああ、長くなるかもしれないから、適当に座ってもらえるかな」

「……? 分かったよ」

 言われた通りに昂晴が適当な椅子に腰かけると、彼を挟んで両側に2人も腰を下ろす。

「じゃあ、これ。見てくれるかな」

 ナツメはスマホを取り出すと、1つの動画ファイルを再生し始めた。

 そこに写っていたのは――

『えー、白瀧学園2年、墨染希です。今日はバイト先の先輩に誘われて来ました。こういうホテルに入るのは初めてで……』

 昂晴の幼馴染で、同じバイト先に勤めている墨染希が、ほとんど紐のような下着姿で、肥え太った中年男に肩を抱かれている姿だった。ホテルとは言うものの、どこか派手過ぎる内装を見れば、それがラブホテルの一室であることは想像に難くなかった。室内はやや煙っぽく、画面の隅にはお香が置いてある。

「希!? 何だ、これ」

「見てわかんないかな」

「ハメ撮りですよ、ハ・メ・撮・り」

「ハメ撮り……でもなんで、希がこんな――」

「いいから、続きを見てみれば?」

「そうすれば、イヤでも分かりますよ」

 窘められた昂晴は、食い入るように画面を見つめる。

『えっと、はい。今日は、ストレス解消のための出張マッサージだって……あの、ナツメさん、栞那さん、これ本当に大丈夫なんですか……?』

『大丈夫ですよ、その人は信頼できる人ですから。ナツメさんもこのマッサージのリピーターなんです』

『ええ。ワタシもこんなにハマるとは思ってなかったくらい』

『…………そういうことなら……でも、エッチなことはダメですからね』

『そこも心配しないで。何かあったら、すぐ助けを呼ぶ』

『そのために私たちがいるんですよ』

『念のため、隣の部屋にいるから。変な事されたら、すぐ声を上げて』

『……分かりました。じゃあ……お願いします』

 疑念は晴れないようだが、それでも2人の顔を立てることを選んだのか、希はベッドにうつ伏せに横たわる。男は下卑た笑みを隠すことなく、希の肢体にオイルまみれの手を伸ばした。

『ふぁっ♡ なんだか、変な感じですね……♡』

『おぉっ。早速効果が出てますよ、お客さん』

 男の手は遠慮の欠片もなく、程良く肉のついた希の身体を撫で回す。希は男の一撫でごとに艶っぽい声を上げ、身体を震わせていた。

 そこで一度、映像が途切れる。暗転の後、再び映像が戻ると、そこには全身で息をする希と、下心ありありの表情を浮かべる男がいた。

『さて、次は身体の前側をマッサージしていきますよ。特にお客様は胸が大きいですから、凝りを取るため入念にやりましょう。仰向けになってください』

『はぇ……? わかりましたぁ……?』

 抵抗どころか考える余力すらない希は、普通ありえないような男の指示にもゆっくりと従ってしまう。待ちきれないとばかりに男は希に向かって手を出し――

『やぁんっ♡ そんな、触り方っ、ダメですっ♡ あんっ♡』

 男は両の掌をいっぱいに広げ、たわわに実った希の乳をこれでもかと揉みしだいていた。希も抵抗しようとしているが、身体に力が入っていないのか、男の腕に手を添えているだけ。

『お客さん、相当凝ってますねー。これは徹底的にマッサージしなきゃダメだ』

『ひゃあぁぁっ♡ こっ、凝ってるのはそこじゃなくてっ♡ あぁっ♡』

『おっと、そのようだ。乳首もかなり凝ってますね』

『ひぅぅぅぅっ!?♡』

 男が乳首を摘み上げると、希の声色が一段と艶っぽさを増した。

『ひっ、あうっ♡ んんっ、ああぁぁっ♡ 乳首っ、コネコネしないでっ♡ ひゃうぅぅぅっ♡ つまむのもダメっ♡ んんんっ、カリカリひっかくのもやめてっ♡』

「どう、高嶺君。幼馴染がおじさんに好き放題されてる姿は?」

「聞かなくてもわかりますけどね。だって高嶺さん、勃起してますもん」

「えっ? …………? あっ、本当だ。彼と比べて小さ過ぎて分からなかった」

「ナツメさんも酷いですねぇ。まあ私も、最初は全く分からなかったんですが……」

 そう言われている間も、男は我が物顔で希の巨乳を好き放題に堪能している。まともに抗うことも出来ない希は、与えられる快楽に身を震わせるしかない。

『ふあぁっ♡ ほんとにっ♡ 胸、ダメっ♡ なにかっ、くるっ♡ きちゃうっ♡』

 その反応を見て、男は乳首を弄んでいた手を一度止めた。

『さて、次は下の方もほぐしていきますよ』

『へ……?♡ あの……♡』

『どうかなさいましたか?』

『いえ、その…………すみません、続けてください』

 絶頂の手前でお預けを食らい、戸惑いの表情を浮かべる希。何かを企んでいる顔をした男が、希の下腹部にも手を伸ばした。

 またも暗転。最早言葉もなく画面を見続ける昂晴。映像が戻り、

『ふぅーっ、ふぅーっ♡ ひぅっ♡ はぁーっ、はぁーっ♡ なんでぇ……なんでイかせてくれないのぉ……♡』

 すっかり蕩けた声で喘ぐ希と、構わずマッサージを続ける男が現れる。先程までベッドを横から撮っていたはずだが、アングルが変わっていた。いまは希の足の裏と、びしょ濡れの下着が写っている。複数のカメラを設置して、映像を切り替えていた。

『私はマッサージをしているだけですよ。おや、ここにも大きな凝りが』

『お゛お゛っ!?♡』

 男は下着越しでも分かるほどに勃起したクリトリスをつまみ、クリクリと転がした。今までよりも強い快感を突然浴び、普段の彼女からは想像もつかない野太い喘ぎ声がこぼれる。

 それに気を良くしたのか、それから男は陰核だけをねちっこく責め続けた。下着越しにカリカリと引っかき、希の反応を楽しんでいる。

『お゛っ♡ カリカリしゅごいっ♡ お゛ほぉ゛っ♡』

「凄いわね、墨染さん。腰浮かせちゃって、全身でよがってる」

「本当に気持ちいいんですよね、これ……高嶺さんが相手では、こんな反応はなかったでしょうね」

「そうね。高嶺君と彼とじゃ、男としてのレベルが違うし」

 2人は罵りながら、勃起したペニスをズボン越しに指でなぞる。たったそれだけで、昂晴はビクビクと腰を震わせた。

「うわ……直接触ってるわけでもないのに……」

「こんなので感じてるんですか? 情けないですねぇ、高嶺さん」

 罵られているのに、昂晴からの反応はない。希の痴態に集中していて、それどころではなかった。

『直接触れていきますよ』

『へ……直接ってどういう――んああっ!?♡』

 男は希の秘部に指を入れて弄り始めた。わざとクチュクチュと音を立てて、希の羞恥心を煽っていく。

『やぁぁっ♡ 指、太いっ♡ お゛ほっ!?♡ あっ、そこいいですっ♡ そこばっかりイジメられたら、わたし、イっちゃいますっ♡』

 だがまたしても、男は絶頂寸前で手を止めた。「イかせてほしい」と男にすがる希の顔は、涙と汗とでべちゃべちゃだった。

『施術は以上です。本来ならお帰りいただくところですが……お客様がお望みでしたら、特別に膣内マッサージを行いましょう』

 そう言って男は性器を露出した。一目で理解できるほどの巨根。これを納める鞘が本当にあるのかと思うほどに雄々しくいきり立つそれは、昂晴と比較するまでもなく、大きい。

「わっ、凄い……♡ 彼のカリ高極太長チンポ、見えるよね、高嶺君」

「分かりますか? あれが、本物のおちんちん。メスを堕とすことに特化した、強いオスの象徴……♡」

「幼馴染がおじさんに良いようにされるのを見て、ズボンに小さいテントを張るのが関の山の高嶺君じゃ、一生かけても勝てない……♡」

「あんなモノ見せられたら、誰だって味わってみたくなりますよね……♡」

 栞那の言葉通り、希の視線は男の逸物に釘付けだ。盛りのついた獣のように息を荒げ、目を見開いてペニスを凝視し続けている。

『ふぅーっ♡ ふーっ♡ 膣内……それって……っ♡』

『お客様が嫌だとおっしゃるのなら、このマッサージはやめておきましょう。施術はこれで終了です。……いかがなさいますか』

『それは……っ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡』

 そこでまたも、画面が暗転した。だが先程までと違い、映像が戻ることはない。

「はい、無料期間はこれでおしまい。この後、墨染さんがどうなったか、気になる?」

「続きが見たいというのでしたら、高嶺さんには課金していただかないといけません」

「そうね……初回だし、2万でどうかな」

「いきなり攻めますねぇ。どうします、高嶺さん。払いますか?」

 しばし、逡巡する様子を見せる昂晴。だがナツメは何の慈悲もなく、追い打ちをかけていく。

「墨染さんのその後も、中途半端に勃起したそれの始末も、全部どうでもいいなら、これっきりにするけど?」

 昂晴は震える手で、財布から紙幣を2枚取り出した。左上には、10000と確かに記されている。

「はい、どうも」

「ご利用ありがとうございます、にひひ」

 ナツメは再びスマホをタップした。再び、ベッドの横側に映像が戻る。

 食い入るように画面を見ている昂晴の視線の先で、希が出した答えは――

『あのっ♡ 膣内マッサージっ♡ お願いしますっ♡』

『……かしこまりました』

 男は三流悪役のような顔を浮かべながら、希の秘部にペニスをあてがい、一気に突き入れた。

『お゛ごぉっ!?♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛ぉぉぉぉぉ……♡』

 シーツを強く握りしめ、身体を仰け反らせながら、襲い来る快感に必死に抗う希。だがもう全ては男の掌中だ。ここに至った時点で、希の運命は決したようなものだった。

『動かしていきますよ』

『あ゛っ♡ 待ってっ♡ 今動かれたらぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁっ♡ ほお゛ぉぉぉぉぉっ♡ お゛っ♡ お゛ぉぉぉぉぉぉぉっ♡』

 男は構わず腰を振り始めた。肌が触れ合う激しい音と、希の嬌声とが入り乱れる。

「聞こえる? 墨染さんの、獣みたいな喘ぎ声」

「上品さとは程遠い、本気で気持ちよくなってる時にしか出ない声です」

「これを聴けるのは強いオスだけの特権……高嶺君が、生涯持ち得ない権利」

 一突きごとに、希は全身で快感を享受し、男に痴態の全てを晒す。対する昂晴はと言えば、そんな光景を画面越しに眺めて勃起することしかできない。どちらが勝者でどちらが敗者か、答えは一目瞭然だった。

『ふんっ、ふんっ! デカい胸ブルンブルン震わせて、最初からこうなるの分かってたんだろうっ!』

『はいぃっ♡ 何となくわかってましたぁっ♡ ここに来た時から薄々気付いてましたぁぁっ♡ あぐっ♡ お゛ほっ♡ ほお゛ぉぉぉぉぉっ……♡ でもっ、我慢できなかったんですっ♡ ナツメさんと栞那さんがハマる理由、気になっちゃったんですぅぅぅっ♡』

『ドスケベな子だ、望み通りチンポで突きまくってあげようっ! お前も今日からオジサンの彼女だ、このエロすぎる胸もケツもマンコも全部オレのモノだ! いいなッ!』

『そんなっ♡ お前「も」ってっ♡ 日本じゃハーレムは禁止なんですよっ♡ お゛っ♡』

『不満ならもうやめにするぞ! いいのか!』

『やだっ♡ なるっ、なりますっ♡ おじさんの彼女になりますっ♡ わたしの全部はおじさんのモノですっ♡ 他の男子には触らせませんっ♡ 昂晴君にも指一本触れさせませんんんっ♡ あ゛ぁぁぁぁぁっ♡ 凄いのくるっ♡ きちゃうぅぅぅぅっ♡』

 本性を隠さなくなった男の言葉に、希は嬉しそうに肯定を返し、そして絶頂した。

「あーあ、墨染さんも彼のモノになっちゃった……」

「当然ですよね。あんなのに犯されたら、誰だってそうなりますよ」

「キミを好きでいてくれる女の子なんて、墨染さんくらいしかいなかったのに」

「高嶺さんがヘタレだったせいで、ぜ~んぶ別の人に持っていかれてしまいましたね」

「でも、高嶺君はそれで幸せなんだよね? だって、こんなのを見せられても、まだ勃起してるんだから」

「こういうの、何て言うんでしたっけ。そう、こういう弱~い男の人のこと……」

「覚えてない? 彼が高嶺君を何て言ってたか……」

「ああ、思い出しました。アレでしたね……」



「「雑・魚・オ・ス……♡」」



 耳元で囁かれ、昂晴の身体が震え上がる。精液はもう暴発寸前だった。

「寝取られハメ撮り見せられて、罵られて感じてる……気持ち悪い。男としてどうなの?」

「とことん雑魚オスなんですねぇ、高嶺さん。ほら見てください、これが本物のオスのすること……♡ 女を快楽漬けにしてしまう、世界一格好いい男の人の姿……♡」

『おぉ……現役JKのマンコめっちゃ具合良い……おっぱいも揉み心地最高だ』

『お゛ぐぅっ♡ お゛ほっ♡ これしゅごっ♡ おじさんっ、もっとっ♡ もっと突いてっ♡』

『おほっ、足絡めてきちゃって……そんなにナカに欲しいのかっ』

『欲しいっ♡ 中に出して欲しいですっ♡ おじさんのせーし、どぴゅどぴゅって出してくださいっ♡』

『欲張りな子だ……お望み通り膣内射精してあげるからね』

『あんっ♡ うれしいっ♡ おじさんのおちんちんすきっ♡ だいすきっ♡』

 男は希に覆い被さり、種付けプレスの姿勢に移る。希はそんな男に手足を絡めて抱きしめ、全身で男に媚びていた。

「わ……これ、知ってる? だいしゅきホールド、って言うんだって」

「希さん、どう見ても彼にメロメロですよね」

「この人の精液が欲しい、この人の赤ちゃんを産みたい……本気でそう思ってるみたい」

「いいですねぇ……見てるだけで、アソコが疼いてきちゃいます♡ あっ、もうすぐ射精するみたいですよ。折角ですから、高嶺さんも一緒に射精しちゃいましょう♡」

「ダメ。こんな所で射精されて、匂いや汚れが残ったらどうするの? 絶対にイかないで」

「いいんですよ、ここでみっともなく射精して、男としての格の違いを思い知ってください。ほら、イっちゃえ♡」

「イくな」

「イっちゃえ♡」

「イくな……っ♡」

「イっちゃえ……っ♡」

『うおぉぉぉぉっ、出る、全部膣内に出すぞっ!』

『お゛お゛ぉぉっ♡ イくっ♡ イくイくイぐっ♡ イっ……ぐぅぅぅぅぅぅぅぅっ♡』

 男はとどめの一撃を、希の最奥まで打ち込んだ。隙間なく密着した2人の身体がビクビクと震える。

「ふふふ……♡」

「にひひ……♡」



「「イけ……♡ 出せ……♡ イけ♡ イけ♡ イ、け……♡」」



 それと同時に、昂晴にも限界が訪れた。ズボンの中で、少ない精子をぴゅるぴゅると吐き出す。

「うわ、寝取られ報告で射精してる……気持ち悪い」

「しかも量も少ない……高嶺さん、おじさんはまだ射精の途中なんですよ? 恥ずかしくないんですか?」

 昂晴の暴発は一瞬だったが、画面の中ではまだ射精が続いていた。

『ふぅぅぅぅぅっ、気持ちいい……まだまだ出るっ! 希の子宮に出すっ』

『う゛お゛っ♡ 射精なっが♡ お腹の奥っ、びゅるびゅるって叩かれてるっ♡ んぷっ!?♡ はむっ♡ ちゅぅぅぅぅぅ……れろれろれろれろれろ♡ ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅっ♡ ぷは……キス、もっとしたいですっ♡ んむーっ♡ れるれるれる……ちゅむぅっ♡ しゅきっ♡ おじさんとしゅるの、らいしゅきっ♡』

『好きなのはセックスだけかい?』

『んーんっ♡ おじさんのこともしゅきっ♡ おじさんの彼女になれて幸せっ♡』

『嬉しいこと言ってくれるねぇ。嬉しくて嬉しくて、オジサンは何発でもヤれそうだよ』

『あっ……本当だ♡ おちんちん、ずっと硬いまま……♡ 凄いっ♡』

『希ちゃんみたいな可愛い女の子相手に、1発2発で終わりなんて失礼だろう? ほら、体位を変えるよ』

 そこから先は、もう恋人同士の睦み合いだった。ベッドに腰掛ける男のペニスに希が跨り、手足も舌も絡めて愛を囁いている。

「あぁ、羨ましい……♡ 見ているだけで濡れて来ちゃいます……♡」

「ワタシも……♡ 今すぐ家に帰ってイチャラブ密着ベロチューセックスしたい……♡ おじさんと愛し合いたい……♡」

「にひひ、家に帰って、ですよ。驚きましたか? ナツメさん、このおじさんと同棲してるんです♡」

「片丘さんって言うんだけどね。今は彼の家に住んで、店も大学もそこから通ってる」

「もちろん、私も同棲してますよ。話せば長くなるんですが、色々あって、私は死神ではなくなりましたので。希さんと愛衣さんは、大学入学後からの予定ですが……最近はお泊まりが増えてきましたし、ほぼ同棲状態ですね♡」

「涼音さんは今日から越してくるんだっけ。……ああ、そうそう。ワタシ、彼と籍も入れてるから。四季は旧姓で、今はもう片丘ナツメ。そういう訳で、よろしく」

「ナツメさん以外は内縁の妻ということになっていますけど、私も明月ではなく、片丘栞那と名乗ることにしています。つまり、名前すらも旦那様のモノ、ということです♡」

「勘違いしないように言っておくけど、ワタシはセックスで結婚相手を選んだりしない。彼の全部が好きで好きで、妻として一生を添い遂げたいと心の底から思ってる」

「あら。ナツメさんったらお熱いですねぇ、にひひ。かく言う私もそのつもりなんですけど♡」

 ナツメと栞那は指輪を取り出し、自らの左手の薬指に嵌めた。それが意味することが、わからない昂晴ではない。

「そういう訳だから、仕事以外では出来るだけ、ワタシたちに話しかけてこないでね。彼、独占欲強いから」

「それから……実はあの人を、この店で雇う予定なんです。なので高嶺さんには、少しずつでいいので、あの人に仕事を代わってもらえると助かります。……私たち夫婦のために、よろしくお願いしますね、高嶺さん♡」

「………………いずれはこの仕事を辞めろ、ってことか……?」

「もし協力してくれるなら、特別にタダでハメ撮りを送ってあげるから。そうね……仕事を辞めるまでの間は、定期的に送ってあげる。寝取られマゾの高嶺君には、そっちの方が幸せでしょ。考えておいてね」

 そう言い残すと、もう用は無いとばかりに2人は休憩室を立ち去る。後に残されたのは、何も言えず俯く負け犬が1匹だけだった。





「希……希……!」

 失意のままに店を出た後、昂晴は希に電話をかけた。だが、何度かけても繋がらない。彼は方向転換して、彼女の家である赤磐神社へ向かった。

「おや、昂晴君。こんな夜遅くに、どうかしたのかな」

「緑郎さん! 希はいますか!?」

「うん? 希なら、今日は友達の家に泊まりに行くって言ってたけど……希に、何かあったのかい?」

「そうですか……」

 昂晴は逡巡する。今ここで、知っていることを話すべきか。そうすれば、自分が見ている悪夢は終わるかもしれない。

 だけど。

 あの映像の希も、それを語るナツメも栞那も、心の底から幸せそうで。きっと彼の知らないところでは、愛衣や涼音も幸せを享受しているはずで。

 それをぶち壊したいというのは、ただのエゴでしかない。そんなことをしたって、彼女たちが己のモノになるわけでもない。むしろ憎悪すらも募らせて、昂晴を責めることだろう。

「いえ、何でもないんです。ちょっと、顔が見たくなっただけで……。すみません、夜分遅くに失礼しました」

「そうかい? ならいいんだけど……。気をつけて帰るんだよ」

 迷いに迷って、結局彼は言わなかった。いや、言えなかった。どうせ元に戻らないのなら、多くの人が幸せである方が良い。そうすれば、自分もそのおこぼれに与れるから。

 踵を返し、家に向かう。その道すがら、着信があった。発信者は希だった。

「もしもし――」

「もしもし、片丘です♡ さっきからずっとかけてきたみたいだけど、昂晴君、何か用?」

 たった一言、名乗られただけで。絶対に取り返しがつかない所まで行ってしまったことを、昂晴は否が応でも認識させられることとなった。

 電話の奥では、肉を打ち付ける音と、激しい喘ぎ声が聞こえる。それが愛衣の声だと、昂晴は聴いた瞬間理解した。

「昂晴君? 昂晴君ー? 聞こえてるー?」

「あっ、ああ、聞こえてる。悪い、ボーっとしてて……」

「そっか、それでどうしたの?」

 希は急かすかのように、無駄口一つなく用件を問う。昂晴は震える声で、思いついたことを口に出した。

「……四季さ――いや、片丘ナツメさんに伝えてくれ。例の件、分かった、って」

「…………ふーん、わかった。終わったら伝えとくね。用件はそれだけ? なら、もう切るよ」

「……ああ」

 幼馴染とは思えないほどの素っ気ない態度が。お前のことなどどうでもいいと言わんばかりの口調が。

 墨染希という女性が、昂晴の全く知らない人へ変わっていたことを、彼に思い知らせた。

「じゃあね。粗チンで意気地なしで、寝取られマゾの高嶺昂晴君♡」

 それっきり、彼女から電話がかかってくることは、二度となかった。

 悲嘆に暮れながら、のろのろと歩みを進める昂晴。いつの間にか、自分が住むマンションの入り口に来ていた。

 ふと気になり、彼は自分の部屋の1つ上の階に行く。目当ての部屋の表札を見るが、何も書かれていなかった。もう、その部屋には誰も住んでいない。職場の頼れる大人――汐山涼音はそこにいない。

 呆然と立ち尽くす昂晴を、スマホの通知音が現実に引き戻す。LIMEの通知、相手はナツメからだ。

『ありがとう』

 簡素なメッセージと共に、動画ファイルが送られてくる。サムネイルには、逆バニー姿で男に寄り添うナツメと栞那の姿があった。

 昂晴はすぐさま部屋に戻り、着替えもそこそこに、震える指先で、再生ボタンを押した――

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Final_Fiend 2024/01/17 16:01

小雲雀来海に乳首責め足コキされるだけの話

「ねえ、今日はどんなエッチがしたい?」

 そう訊ねてくる女性の顔を、あなたはしげしげと見つめる。

 その少女の名は小雲雀来海。瑞花学院の二年生で、数ヶ月前から交際している恋人。容姿良し、性格良し、おまけに頭も良しの三拍子揃った完璧な美少女。

 今日は、学院終わりの来海との家デート。彼女を自宅に招いたあなたは、今日も今日とて二人きりの甘いひと時を過ごしていた。

 窓から差し込む夕日に照らされる彼女を、あなたはじっと見つめる。端正に整った顔立ち、その中で美しく輝く金色の瞳に言葉もなく見惚れていると、来海はおずおずと言葉を重ねてくる。

「もし、良かったらなんだけど……ちょっと、試してみたいことがあって……付き合ってくれないかなー、なんて……たはは」

 来海ほどの美少女から上目遣いにそう言われれば、男は誰でも肯定を返すことだろう。事実、あなたも即座に頷きを返した。

「じゃあ……肌着だけになって、そこに座ってくれる? あ、下は脱いでね」

 指示に従い、あなたは衣服を脱いでいく。最終的にシャツ1枚だけになると、言われた通りに腰を下ろす。制服を着たままの来海もまた、あなたの近くに座ろうとするのだが――

「ふひひ……つーかまーえたっ♡」

 来海が腰を落ち着けた場所は、あなたの横でも前でもなく、背後。来海はあなたの胸板に指を這わせつつ、すらりと伸びる両足の先で股間の逸物を刺激してくる。

「いつもいつもおっぱいばっかりいじめてくるエッチな人に、仕返ししちゃいまーす♡ んー……あなたの身体、大きいね……こうして密着してると、凄く安心する……♡」

 来海はあなたの耳元でそう囁きつつ、全身をぐいぐいと押し付ける。背中で潰れる豊満な乳房と、胸板をくすぐる細指、ペニスを撫でる足。その全ての感触が混ざり合い、あなたに得も言われぬ快感を与えてくる。

「あっ……おちんちん、硬くなってきたね♡ アタシで興奮してくれてる……嬉しい♡」

 熱を帯びた吐息が耳元にかかる度、あなたは全身をびくりと震わせる。その様子を見て、来海は更に嬉しそうな囁き声をかけてくる。

「今日は、このキレイに整えたネイルで乳首をカリカリしながら……一日かけてしっとり蒸れ蒸れになった足裏で、おちんちんをシコシコしてあげるから……♡」

 もどかしくも悩ましい吐息が、あなたを脳まで快感で蕩かしていく。

「い~~~~~っぱい、気持ち良くなってね♡」







「まずは、乳輪を優しく撫でてあげる……♡ すり、すり……♡ すり、すり……♡」

 来海の人差し指が、あなたの乳輪を丹念に撫で上げる。一番敏感な乳首だけを丁寧に避けて、何度も地肌との縁をなぞられていくうちに、乳首へじわじわと快感が蓄積していく。

「乳首も立ってきた……♡ ……とと、こっちも忘れちゃダメだよねー……♡」

 ハイソックスに包まれた来海の足裏が、あなたのペニスを優しく撫で扱く。湿り気と柔らかい肉感とが綯い交ぜになった不思議な感触が、ペニスを通じて脳内に多幸感を与えていた。

「すり、すり……♡ すり、すり……♡ シコ、シコ……♡ シコ、シコ……♡ どうかな……そろそろ、イジって欲しくなってきた?♡ この硬く勃起した…………ち・く・び……♡」

 温かい吐息が耳にかかる度、あなたの身体は大きく震えてしまう。胸を弄られ、ペニスを足で扱かれ、耳に息をかけられる……あなたにとっては超必殺技のようなコンボだが、それで感じているというのは、男としてあまりにも情けない醜態を晒していることは間違いないのだ。

 だが来海は、そんなあなたの姿を見て、嬉しそうに笑っていた。

「ぜーったい気持ちいいよ……♡ アタシのこの、キレイにしてるネイルで……乳首を、カリカリって引っ掻くの……♡ あっ、今『カリカリッ♡』って言っただけでビクってした♡ ふふ、可愛い……♡ カリカリッ♡ カリカリッ♡ ……にひひ、まだ引っ掻いてないのに……♡」

 ただ耳元で囁かれるだけで、あなたの期待は際限なく膨らみ続ける。引っ掻いて欲しい、思い切り乳首いじめて欲しい……そんな願望が募って荒っぽくなるあなたの吐息を聴いて、来海は人差し指を動かす。乳首の先端に、爪を引っ掛けて。

「じゃ、お待ちかねの乳首カリカリ、行くよ?♡ 最初はゆーっくり……カリ……カリ……♡ カリ……カリ♡ カリ……カリ……カリ♡」

 弾くように、左右に動かした。薄い肌着越しに擦られるのが甘くもどかしい快感を産み、下腹部に熱が集まっていく感覚があなたを徐々に狂わせる。

「カリ……カリ……♡ カリ……カリ……♡ 優しく、軽い力で……カリ……カリ……♡ カリ……カリ……♡ おちんちんも忘れずに……シコ、シコ♡ シコ、シコ♡」

ペニスと乳首の三点責めが、あなたを快楽の坩堝に叩き落す。間抜けな顔になりながら、はっはっと犬のような息が漏れていることすら、今のあなたには自覚できない。

「あっ♡ あっ♡ あーっ……♡ いいんだよ、好きなだけ声出して……♡ アタシと二人っきりなんだから、恥ずかしがらないで……♡ カリ、カリ♡ カリ、カリ♡ シコ、シコ♡ シコ、シコ♡ カリカリ♡ カリカリ♡」

 少し指を早く動かされただけで、前立腺の疼きが強くなっていった。甘やかす言葉に夢中で従って、あなたはメス犬のような声を上げる。オス失格の最低の姿だが、そんなあなたすらも来海は肯定し、愛してくれる。

「女の子みたい……本当に可愛い……♡ 今、あなたが考えてること、当ててみよっか?♡ 『乳首カリカリ気持ちいい』……『もっと早く引っ掻いて欲しい』……♡ こんな感じ?♡」

 こくこくとあなたは頷く。身を焦がす快感によって最早何か言葉を紡ぐことすら難しいあなたに出来ることなど、それだけだ。

 そんなみっともない姿を晒すあなたを、来海は優しく受け止める。

「いーよ、あなたの願い、叶えてあげる……♡ ……カリカリッ♡ カリカリッ♡ カリカリカリカリカリカリッ♡」

 あなたの乳首を、人差し指が小刻みに往復する。先程までとは比べ物にならない鋭い刺激で、あなたは腰を跳ねさせ背中を反らす。

「にひひっ、かかったなぁー……♡ 背中反らすともっと気持ち良くなっちゃうんだぞー……♡ ほーら、カリカリカリカリ♡ カリカリカリカリ♡ カ……リッ♡ カリカリカリカリ♡ カリカリカリカリ♡ カリ……カリ……♡ カリ……カリ……♡」

 緩急をつけた引っ掻きで、あなたの射精感はどんどん高められていく。むちむちとした女体の誘惑、乳首を往復する綺麗な爪、ペニスを撫で上げる柔らかい足裏。それら全てが、男らしさの欠片もないマゾイキへとあなたを誘う。

「カリ、カリ……♡ カリ、カリ……♡ あっ、我慢汁出てきた♡ そんなに気持ちいいんだ?♡ もう出そう?♡ ダメダメ、出すならアタシのおまんこに、でしょ?♡ 乳首カリカリされながら足でおちんちんシコシコされても出しちゃダメ♡ ちゃんと女の子のおまんこにびゅーって出来ない、よわーい男の子になっちゃうよ♡ ……ふふ、シコシコ♡ シコシコ♡ カリ首のところ、こちょこちょされるの好き? じゃあ、もっとしたげるね♡ こちょこちょ、こちょこちょ……♡」

 あなたの我慢汁でベトベトになった来海の足指が、亀頭の段差やカサの割れ目を優しくなぞる。それだけでもう射精に至れそうなほどの快感だが、そこに加えて――

「カリカリ、カリカリ、カリカリ♡ 親指と中指で、シャツを押し広げて……人差し指で、ビンビン乳首をカリ、カリ、カリ♡ 立ちが悪くなったら、乳首を指で挟んで……コリコリ、コリコリ♡ コリコリ……コリコリ……♡ はい、元通り♡ これの繰り返し、クセになるでしょ?♡」

 絶妙な力加減の乳首責めまでもが、理性を急速に蕩かしてしまう。来海の言う「よわーい男の子」になることに、何の抵抗もなくなっていく。

「あっ♡ おちんちん、ビクって跳ねた♡ 出そうなんだ♡ でもダーメ♡ 足の裏でギューって挟んであげるから、頑張って我慢しよ?♡ カリ、カリ♡ カリカリカリ♡ カリカリカリカリ♡ カ……リ♡ カ……リ♡」

 ダメと言いつつも、汗と我慢汁でベトベトの足裏でペニスを挟み込み、乳首を引っ掻く指を止めようとしない来海。

 いつもはマゾっ気が強くいじめられる側の来海が、今この時だけは精一杯のサドっ気を見せてくれている。全ては、あなたを喜ばせるため。

 どこまで行っても献身的な彼女の姿に胸を打たれ、精液がぐんぐん登ってくるのをあなたは自覚する。

「ダメ♡ 乳首カリカリされながら足コキでイっちゃダメ♡ イくな♡ イくなっ♡ カリカリカリカリ♡ カリカリカリカリ♡ シコシコシコシコ♡ シコシコシコシコ♡」

 言葉と裏腹に責めの手は速まって、ラストスパートをかけてくる。尿道をジワジワと登っていく精液が、出口を求めてペニスを震わせる。

「ダメッ♡ ダメダメダメ、ダーメッ♡ イくなっ♡ イくなイくなイくなっ♡ ……にひひ♡」

 もう出る。あなたが漏らしたその言葉で我慢の限界を悟った来海は、足裏全体で亀頭を包み込み、乳首をギュッと抓り上げて、とびっきりの意地悪な笑顔を浮かべて。



「イけ……♡ 出せ♡ ザー汁漏らせ♡ イけ♡ イけ♡ イー……け♡ びゅるるるるるるる……♡ どぴゅ、どぴゅ、どぴゅぅぅぅぅぅ……♡」



 命令と同時に、あなたは絶頂した。柔らかい足の裏で、ペニスの先端が暴れ狂う。黒のハイソックスを、噴出した精液が白く染め上げていく。

「女の子みたいな声……可愛い……♡ すき、すき、すー……き♡ もっと出していいよ♡ カリカリカリカリ♡ カリカリカリカリ♡」

 射精の最中でも、来海はお構いなしに乳首を引っ掻き続ける。両胸から伝わる快感が絶頂の時間を何倍にも引き延ばし、最後の一滴までも精液を搾り出そうとする。

「ぶぴゅぅぅぅぅ……♡ とぷ、とぷ……♡ カリ、カリ……♡ カリ、カリ……♡ どっ……ぴゅぅぅぅぅぅぅ……♡」

 何分経ったかもわからないほど、そうし続けて。

 ようやく理性が少し戻る頃には、日が沈みかけていた。

「やー、いっぱい出たね♡ ……射精して、疲れちゃった? よしよし、よく頑張ったね……♡」

 来海はあなたの胸板を労るように撫でていた。ご褒美とばかりに、耳へのバードキスも添えて。

 そんな中で、彼女はペニスを包んだままの足に目をやる。

「あーあ、靴下汚れちゃったなー。アタシ、これ履いて帰らなきゃいけないんだけど?♡」

 すぐに洗おう、と提案するあなたを来海は制し、からかうような口調で告げた。

「大丈夫だから、ね? それに……こっちはまだ元気みたいだし♡」

 ぐにぐにと、来海の足指が亀頭を甘く刺激する。一度射精してなお、あなたの興奮は収まるところを知らない。むしろ、次の快楽を求めてビクビクと震えている。

 そんなあなたに気を良くした来海は拘束を解き、あなたの前に回り込む。

「……じゃあ次は、乳首責め騎乗位、してみよっか♡ あなたが女の子の顔しながらイくところ、じーって見てたげるね♡」

 今夜は長くなる。そう確信させるに足る来海の顔は、いつにも増して妖艶で。

 それから先のことは、あなたの記憶には朧気にしか残らなかった――。

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Final_Fiend 2024/01/17 16:01

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Final_Fiend 2024/01/17 16:00

戦国†蟲姫 第2話 越後陥落編

「んっ……ふぅー♡ こいつら、本当元気だな♡」

「ちゅぷっ、ぢゅるるる……ぷはぁ♡ 犬子たち、もう子供が出来てお腹も大きいのに、お構いなしだもんね♡」

「あの父にしてこの子あり、ってことかもねー♡ おーよしよし、いい子だね♡ 元気に育って雛も嬉しいよー♡」

 織田の三若と呼ばれる少女たちは、すっかり鬼蟲の巣窟と化した雛の家で、雛が産んだ子供たちとまぐわっていた。三人の腹は大きく膨れ、中に生命が息吹いていることをこれ以上ない形で証明している。当然、その腹にいるのは人ではなく蟲。それも、鬼の力を手に入れたゴキブリの卵だ。一人の例外もなく、一度に100匹以上は孕んでいる。

 だが、ただの蟲の卵が人の腹を膨れさせるなどありえない。そもそも人が蟲の仔を孕むことすら異常なことだ。これも全て、蟲の精液によって身体を作り替えられたが故。

 あの蟲の精液には、人体を作り替える力がある。鬼には人を鬼に変える力があるが、それが変異によって人の女を苗床に変える力へと変性したのだ。三若はそんな力を秘めた精液を浴びるように取り込んだことで、それだけの数の蟲を孕めるようになってしまったのだ。それは即ち3人が鬼に変じたという意味でもあるのだが、連合を捨てた彼女たちにとっては最早どうでもよいことだった。

「あっ♡ もうすぐ出てくるぞ♡ んんっ♡」

「ウソっ♡ 全然痛くない、むしろ気持ちいいっ♡」

「そうなんだよ、凄いよね♡ これも旦那さまの力なんだよー♡」

 普通出産には猛烈な激痛が伴うが、これも快楽へ変換されている。全ては蟲の精液の力。

「お゛っご♡ うまれるっ♡ ボクのこどもっ♡ うまれてイくぅぅぅぅっ♡」

「ほお゛ぉ……っ♡ これっ、クセになるっ♡ わんこ、あかちゃんうむのハマっちゃうよぉぉぉぉっ♡」

「ひなもっ♡ これ、すきっ♡ もっともっとうみたくなるっ♡ あ゛っ♡ すごいのクるっ♡」

 子供たちが産道を通り抜けるたび、3人は快感に身を焼かれる。

「「「ひっぐ……っ♡ お゛……っほぉぉぉぉぉぉ……っ♡」」」

 そうして3人は、出産しながら絶頂した。だがまだ終わりではない。腹の中にいる子供たちが全員出てくるまで、この快楽地獄は終わらない。加えて、生まれた子供たちは本能に従って母親の身体で快楽を貪ろうとする。産めば産むだけ快感は増幅されていくのだ。

 結局彼女たちは、その後数時間にわたって絶頂し続けた。





「今頃、旦那さまたちは越後に入った頃かな」

 日が沈む頃。生まれた蟲の子供に母乳をやりながら、和奏は呟く。それに答えたのは犬子だ。

「そうだね。今は夏だし、雪で進めないなんてこともないんじゃないかな」

「ホントにそーかなー?」

 異を唱えたのは雛だった。すぐさま和奏は反駁する。

「なんだよ、雛は旦那さまを信じてないのかよ」

「そーじゃなくてさー」

 だが、雛は和奏たちも知らない、ある事を知っているのだ。

「旦那さまも子供たちも、雛のお家流が使えるんだよ。もしかしたら、今頃は春日山にいるかもね」





 同じ頃。越後領内、春日山城周辺では。

「ったく、何なのよこいつらは!」

 長尾の大将、関東管領たる長尾景虎――通称美空は、突如現れた脅威に苛立ちを隠せないでいた。

 巨大ゴキブリの軍勢は、有り余る体力に物を言わせて昼夜を問わず移動し続け、怒涛の勢いで長尾の本拠地にまで攻め入っていたのだ。

「ゴキブリのくせに硬すぎっすよ、あいつら。お家流使ってようやく倒せるくらいっすもん」

「刀も槍も、おまけに矢も通らない」

 先鋒を務める柿崎景家――通称柘榴と、美空の護衛を務める甘粕景持――通称松葉は、うんざりした様子で愚痴を零す。

「しかもこの暑さっす。体力奪われるんすよねー」

「同感。いくら何でも暑すぎ」

 夏にしても異様なほどに暑さを感じるこの気候も、彼女たちを苦しめる。じわじわと体力と気力が奪われていき、冷静さを失っていく。

「とはいえ、あれをどうにかしなければ、越後は終わりです」

「そんなの分かってるわよ!」

 参謀の直江景綱――通称秋子の指摘に、美空はキレ気味で答える。敵はただの蟲ではなかった。あらゆる武器を寄せ付けない強固な殻と、鎧すらも噛み砕く大顎。更に少数ではあるが、馬をも凌ぐ速さを持つものもいる。そんな蟲が、目算でも最低2万以上。鬼をも超える脅威が相手では、鬼相手に有効な「三対一で戦う」戦法もまるで意味をなさない。ただの兵卒では相手にならず、武将格のお家流でようやく撃破が可能な相手に、人間の軍勢が出来ることがあるわけもない。

 だが、彼女たちは国を背負っている。勝てないからと投げ出すことも出来はしない。ここで諦めてしまえば、背後にある街は間違いなく壊滅し、領民は死に絶えるだろう。ここで最後の一兵になるまで戦うか、民を見捨てて逃げ出すか。彼女たちの腹は最初から決まっていた。

 徹底抗戦。斃せる限りの敵を斃し、敗れても城下の民と次期当主が逃げるまでの時間を稼ぐ。

 無論、彼女たちは無駄死にするつもりで戦うわけではない。長尾の当主である美空には、形勢を覆しうる切り札がある。それを用いれば、敵の殲滅も不可能ではない。

「柘榴、兵を退がらせて」

「アレ、やるんすね。了解っす! 総員、後退ー!」

 敵が多いにも拘らず、先鋒の兵が次々と後退する。これは敵に恐れを成したからではない。その逆。味方の攻撃に巻き込まれないようにするためだ。

 その間に美空は呼吸を整える。彼女のお家流は、発動に少々の時間がかかる。強大な力を持つお家流は往々にしてそうであり、美空のそれも例外ではない。

「おいで、私の可愛い妹たち!」

 掛け声と共に、彼女のもとに護法神四天王とその主が集う。神仏を5柱も召喚する規格外のお家流、これが長尾の切り札だった。呼び出された神々は光の玉へと変わり、戦場へと飛び出す。

 光の玉は縦横無尽に駆け巡り、確実に蟲たちの息の根を止めていくのだが、それでも分が悪い。敵の数が多すぎて、神仏の力をもってしても倒しきれないのだ。

「ちっ、うじゃうじゃと鬱陶しいわね!」

 痺れを切らした美空によって、玉の動きが変わる。直線をいくつも引くように飛翔すると、その軌跡をなぞって地面が発光した。そうして浮かび上がるのは巨大な籠目紋。

「三昧耶曼荼羅!!」

 文言と共に、光は一際強さを増す。紋様の中にいた蟲たちは、まるで蒸発するかのように霧散し、溶け消えていく。

 それを見ていた美空は気付いた。これの正体が何なのか。

「ふーん……やけに硬い上に図体も大きいから、そうじゃないかとは思ってたけど。こいつら、鬼なのね」

「鬼ぃ!? マジっすか!?」

「これが全部鬼なら、手こずるのも納得」

 鬼の力を得た蟲、それが敵の真実。鬼に対し数で劣れば虐殺が待っていることは、鬼と戦った誰もが理解していることだ。そして現状がそうなのだ。事態は最悪に等しかった。

「鬼が相手……剣丞さんの刀なら、有効に戦えるでしょうが……」

「無いものねだりをしても仕方ないでしょ。あいつは今ここに居ないの、私たちだけで何とかするしかない」

 鬼を斬る刀を持つ青年、新田剣丞はまだ美濃だ。彼が春日山に着くのを待っていては、行きつく先は敗北だろう。彼に頼ることなく、数万の鬼蟲を相手取らねばならない。

 蟲たちは美空のお家流に臆することなく、果敢に突撃してくる。それに呼応して美空も再び氣を高めていく。お家流を再度発動させるために。

「さ、もう一発行くわよ! ……三昧耶曼荼羅!!」

 だが、彼女たちには重大な見落としがあった。それは、この蟲たちがただの蟲でなければ、ただの鬼でもなく、鬼と人との間に生まれた鬼子であるということ。

 そして鬼子の力は、他の鬼とは比較にならないほどに強大であること。

 その意味を、彼女たちはすぐ知ることになる。





 如何に美空とそのお家流が規格外と言っても、物には限度というものがある。破壊力も連射性もある、そんな都合のいい力があるはずもない。

「ちょっと、こいつら何匹いるのよ!」

「軒猿の報告では、2万を超える程度とのことでしたが、これは……」

「どう考えてもその倍以上はいるっすよね、これ」

「3倍でも利かない」

「当たり前でしょ、もうとっくに私1人で2万以上倒してるんだから! ウチの軒猿の目は節穴なのかしら!」

「やー、越後の軒猿は質が低いっすからねー」

「飛び加藤、御大将が追い出した」

「加藤は鬼だったでしょうが! あいつは追い出して正解なの!」

 越後の軒猿はどうもイマイチであるというのは、越後の周辺では有名な話だ。唯一有能とされた加藤段蔵は鬼の本性を隠したうえで越後にも赴いていたのだが、胡散臭いという理由で美空に追い出されていた。後になってみればそれは大正解だったわけであるが、だからと言って軒猿の質が上がるということもなく、こうして最悪の時に脆弱性を晒すことになる。

「御大将、次の波が来ます!」

「ええ、見えてるわ……っ!?」

 これまでのように三昧耶曼荼羅で吹き飛ばそうとした美空であったが、そこで予想もしない光景を見た。

 敵の姿が霞むように消え、次の瞬間には目と鼻の先にいた。肉薄されては三昧耶曼荼羅は打てない。発動に際して味方を退避させたのも、味方を巻き込む恐れがあったからだ。

 美空たちの周辺を無数の蟲が取り囲む。それらの身体にはこれまでの個体になかった紫の紋様が浮かんでおり、敵が一段強くなったことを否応なく美空たちに感じさせた。

「やらせない」

「御大将をお守りするっす!」

 当然松葉たちも迎撃を行うのだが、蟲たちはまたしても煙るように消え、また別の場所に現れる。

「くっ、この、ちょこまかとすばしっこいわね!」

「今までのよりずっと速いっすよ、こいつら!」

「この動き、どこかで見た気がする」

「ええ、こんなお家流を持っている人が、連合にいたはず」

 松葉と秋子、2人の推測は正しい。蟲たちが使っているのは滝川雛一益が使うお家流「蒼燕瞬歩」だ。夜闇に溶け込む色の蟲が、鬼の膂力でそれを使っているのだから、人の目で捉えられるはずもない。

 攻撃を当てられず、敵の動きに翻弄される長尾勢の身体に、次第に異変が起き始めた。

「暑い……身体が火照る」

「なんなんすか、これ……絶対おかしいっすよ」

「夏の暑さじゃないわね、これ。もっと、こう……身体の芯が熱くなるような感じだわ」

「敵の、毒でしょうか……?」

 そう。蟲たちは戦いが始まったその時から、自身の体液を気化させて撒いていた。それが混ざった空気を吸うだけでも効果があるほどの、強烈な媚薬効果を持つ体液を。

 この体液は呼吸によって取り込む場合に効き目が遅くなり、更に開けた空間では作用しにくいという欠点を抱えていたが、蟲たちは数万匹で同時にばら撒くことで、屋外で素早くその効果を発揮させた。そんなことを知る由もない彼女たちは媚薬の混ざった空気を吸い続け、自分からお膳立てをしていたというわけだ。

 そして今彼女たちの前にいる軍勢も同じように媚薬をばら撒いていく。密着した状態で大量にばら撒けば、その効果は飛躍的に向上する。こうして戦っている間にも、火照りは加速度的に彼女たちを苦しめていた。

 そうして、ついにそれが決壊する。

「っ!? この、離れなさいっ……むぐっ!?」

 一匹の蟲が美空に取り付いた。その対処で生まれた隙を見計らい、更に数十匹の蟲が美空に取り付き、体液を浴びせつつ動きを封じる。口の中までも犯され、強○的に媚薬を大量に飲まされる。

「んぐーっ! んっ、げほっ、げほっ……んむっ!? んんーっ、んぐっ、ごくっ、ごくっ!」

「御大将!」

 それに気を取られ隙を見せた家臣の3人にも蟲が取り付き、同じように体液を浴びせていく。

 大量の蟲に纏わりつかれ、加えて媚薬を体内に取り込んだことで、4人は立っていることすらままならなくなった。地面に横たわる彼女たちに更に蟲が群がり、その四肢を押さえつける。

 美空たちが動けなくなったのをいいことに、蟲は彼女たちの身体を好き放題に弄び始めた。倒れた4人を一か所に集め、甲冑を引きはがし、服の間に滑り込み、その柔肌をまさぐる。媚薬が馴染んだ身体は、そんな動きにすら快楽を覚えていく。

「ちょっ、どこに入ってんのよっ……うぐっ♡ ごくっ、ごきゅっ、ごきゅっ♡」

「んくっ、んくっ……ぷはっ♡ あんっ♡ そこはダメっす♡ 乳首噛んじゃ……おぶぅっ!?♡  んっ、ごくっ♡」

「ぷはっ♡ はんっ♡ やめろ、女陰、舐めるな……むぐぐっ♡ げほ、げほ……♡」

「乳首っ、吸わないでっ♡ 私はまだ……むーっ!♡ おっぱい、れないからぁ……んんーっ♡」

 抵抗の声に艶っぽさが混じり始め、悲鳴は嬌声へと変じていく。望まず生まれる快楽に悶える4人のもとに、一際大きな蟲が現れた。それに気付いた4人は、威容を見て直感した。こいつが蟲たちの大将、蟲の「王」だと。

 王たる鬼蟲は倒れ伏す美空の身体に覆いかぶさると、彼女の眼前に巨大な交尾器を見せつけるようにして露出させた。それと同時に彼女の秘部を口で愛撫し始める。天の国の言葉ではシックスナインと呼ばれる体位だが、それとは一つ異なる点がある。

「へぇ……私にこれをしゃぶれって? 素直に従うわけないでしょ」

 相互愛撫とも言うべきこの体位でありながら、美空は蟲の性器を愛撫していない。「王」がその気になれば、美空に抵抗すらさせず無理矢理その淫棒を咥えさせられるはずだが、敢えてそうしなかった。美空は自らそうするだろうと、「王」が判断したのだ。事実、彼女の心は強烈に揺さぶられていた。

(なにこれ……くっっっっさ♡ この匂い、もっと嗅ぎたくなる♡ 男の匂い強すぎよっ♡ 私のあそこがどんどん痒くなるの分かるっ♡ 身体がこれを求めてるっ♡ 欲しいっ♡ これ欲しいっ♡ でもここで求めたらこいつの思う壺……我慢よっ♡)

 既に身体は屈服しており、秘部は蟲の性器を求めてぱくぱくと口を開く。それでも強靭な理性で性欲を抑え込む所が、越後の龍の底力と言えた。

「御大将っ♡ それダメなやつっすよ♡ 一度知ったら絶対ハマるっす♡」

「分かってるわよっ♡ 見てなさい、そっちが飽きるまでいくらでも耐えてやるわ♡」

 面白いとでも言いたげに、「王」はキチキチと耳障りな音を鳴らす。勝ち目のない我慢比べが始まった。

 



 半刻が経つ。美空は未だに、眼前の淫棒をしゃぶり尽くしたいという欲求に耐え続けていた。

「ふーっ♡ ふーっ♡ ふぁっ、あんっ♡ このっ、こんなの何とも……っ♡」

 そうして耐えている間も、蟲たちは彼女を弱火でじっくり煮込むように愛撫し、精神を追い詰めていた。「王」は敏感な陰核をしゃぶり続け、子供たちが乳首や膣内に嚙り付いて責め立てる。だが決して絶頂はさせない。絶頂の寸前で愛撫を止め、決して達することが出来ないようギリギリで焦らす。他の3人も同じように絶頂出来ない快楽地獄に堕とされ、内から肥大化する性欲に精神を壊されかけていた。

(欲しいっ♡ 今すぐ欲しいっ♡ 目の前のこれを舐め回したくてしょうがないっ♡ 奥まで突いてかき回して欲しいっ♡)

 それでも屈しない。三昧耶曼荼羅を使えるようになるまで耐え抜く。そんな腹積もりで、眼前の淫棒を見つめ続けていた。

 だが、そんな些細な抵抗すら、「王」の思うように踊らされていただけだった。

 身じろぎと共に、「王」の淫棒が美空の鼻先と唇に触れた。

「んむっ!?♡ ――――っ♡」

 それだけで、抵抗の意思はいとも容易く奪い去られた。

「ちゅっ、ちゅぅぅぅぅぅぅ♡ れろれろれろれろれろれろれろ♡ ……うっっっっっま♡ 美味しすぎでしょっ♡ ちゅっ、ちゅぷ、れるれるれるれる……ダメ、これ一生舐めてたいっ♡」

「ダメ。御大将、元に戻って……っ♡」

「そんなの無理――おっごぉ!?♡」

 美空の姿に興奮した「王」が、その淫棒を喉奥までねじ込んだ。凄まじい長さと太さの性器が、彼女の口内をみっちりと埋め尽くす。

(息、出来ないっ♡ 苦しいっ♡ なのに……気持ちいいっ♡ 喉の奥を擦られる度に、頭がチカチカして……快感が止まらないっ♡)

「このっ、御大将から離れなさい……きゃんっ♡」

「やっ、あんっ♡ ……いい加減、柘榴たちを離すっす♡」

 柘榴たちは美空への仕打ちを止めるべく必死にもがくが、媚薬で手足の力を抜かれた状態では蟲の拘束を振り解けない。それどころか、子蟲の一噛みで快感を与えられ、なす術なく抵抗を制止される。

「ほごぉっ♡ むぐぅぅぅっ♡ んーっ、ぢゅぷ、ぢゅっ、ぢゅるるるるるっ♡」

 お預けを食らっていたのは蟲の方も同じだ。息を詰まらせながらも必死に淫棒を舐めしゃぶる美空の責めによって、あっという間に絶頂へと達した。

「んごぉぉぉぉぉっ!?♡」

 解き放たれた「王」の精液が、美空の胃の底をばしゃばしゃと叩く。今の彼女にとってはそれすらも快感になる。

「王」の精液は子供たちの体液と比較にならないほど、媚薬成分が濃い。更には魅了効果まである。そんなものを直接、大量に注がれた。その時点で、美空の未来は決したようなものであったが――

「ごほっ、げほっ……♡ ふふん、大したことないのね♡ あっという間に出しちゃって♡」

 それでもまだ、反抗的な言葉を吐ける美空の胆力に、「王」は更に興奮をそそられた。

 口内から引き抜かれた淫棒は、今もなお硬度と大きさを保っている。「王」は向きを変え、ついに挿入の構えをとった。呼応して、子供たちが美空の下着を膝まで下ろしていく。

「むぐーっ! んんーっ!」

 柘榴たちは口を塞がれ、最早制止の言葉すら発せない。そんな3人をよそに、美空はなおも余裕の表情を崩さない。

「あんたに私が堕とせるわけないでしょ♡ あんたが動けなくなるまで、搾り取ってやるわよ♡ その時が、あんたの最期♡」

 それがただの強がりであることは、誰の目にも明らかだった。秘部からは愛液をとめどなく垂れ流し、眦もとろんと垂れ下がっている。完全に発情し切っていることは本人でさえも分かっていて――

(空、剣丞、後のことは頼むわよ)

 美空がそう思うと同時に、「王」の淫棒が挿入され。

「お゛っ…………ほぉぉぉぉぉ……っ♡」

 肉棒は一撃で最奥まで到達し、彼女の膣内を隙間なく塞ぐ。夫の形も大きさも、触れ合う肌の温もりも、幾度となく身体を交えた思い出も、全て遠い過去のものになってしまった。

「これ、すご……♡ 剣丞のより、ずっと大きくて気持ちいいっ♡」

 王はその反応に満足すると、子宮口をグリグリと責め立てる。

「ほお゛っ♡ そこっ♡ こねるなっ♡ お゛っ♡ そこは敏感なのっ♡ あ゛あ゛っ♡ あぁぁぁぁっ♡ ダメっ、気持ちいいっ♡」

 抜き差しすらしていないのに、美空の身体は異常なほどの快感に犯されていた。媚薬の摂取、執拗な焦らし、そして最も優れた雄である蟲の肉棒。その全てが組み合わさり、彼女の身体に過剰な快楽を叩き込んだ。

「お゛お゛っ♡ 引き抜かれてるっ♡ 私のあそこごと引っこ抜かれるっ♡ ひあぁぁぁぁっ♡」

 秘穴を隅まで味わうようにしながら、「王」は交尾器を引き抜く。先端を入り口付近で止めると、そこだけを抜き差しして執拗に焦らす。

「なんでっ♡ 浅いところばっかりっ♡ はぁんっ♡ もっと♡ 激しく突きなさいよっ♡」

 懇願する美空だが、それに従うことなく焦らし続ける「王」。膣内が肉棒で埋め尽くされ、なおも押し広げんとするあの感覚を知ってしまったら、入り口を引っかかれるだけでは物足りない。だがそれでもおねだり出来ないのが美空のいじらしさであったし、それを言わせることに「王」は興奮を覚えるのだ。

「王」がその大きな身体で美空に覆い被さる。そのまま口を近づけ、接吻を始めた。

「んむっ、ちゅるっ♡ ちゅっ、ちゅぅぅぅ……ぱぁっ♡ ちょっと、何でこんな夫婦みたいなっ……うむぅっ♡ ちゅっ、れろれろ、ちゅぱ、ちゅぱ……♡ 無理矢理犯されると思ってたのにっ♡ ちゅーっ♡ ちゅく、ちゅっ、れる……♡ こんな風に優しくされたらっ♡ あんたのこと好きになっちゃうじゃないっ♡ ちゅぱ、れぇーろ……ちゅぅぅぅぅぅぅ♡」

 口づけを交わす度、美空の中で蟲に対する恋慕の情が生まれ、爆発するかのように全身に広がっていく。それを見て取った蟲が、キチチチと短く鳴く。人の言葉ではない、ただの鳴き声にしか聞こえないその音から、蟲の意図するところを美空は正確に読み取った。

 嫁になれ。

 なるなら激しく愛してやる。

「……へぇ、そう♡」

 そうしている間も、「王」は焦らす動きを止めない。このままでは決して絶頂させてもらえないことを、美空は悟った。

 蟲のくせに嫁だ何だという概念があるのかと呆れ半分、愛情半分でため息をついて。

 それから、この場にいない新田剣丞の顔を、最後に思い浮かべた。

(ごめんなさい、剣丞。私、もう我慢できないの♡)

「……いいわよ♡ この長尾美空景虎が、貴方の……貴方だけの嫁になってあげる♡ だから今だけじゃなく、これからずーっと、私を気持ちよくしなさい♡」

 素直になれない美空の精一杯の求愛に、「王」は行動で答えた。

「あっ、あっ……きたぁぁぁぁぁぁぁっ♡ 貴方の、ふっとぉぉぉ……♡ ……何よ、何が太いのかって……恥ずかしいじゃない♡ あぁんっ、わかった、言うからっ♡ 奥こねるのダメっ♡」

 男性器についても、女性器についても、羞恥故に明言を避けてきた美空が、新たな夫の求めにあっさりと応じた。

「貴方のおちんちんがっ♡ 太いのっ♡ 太すぎて、私の膣内を押し広げてるのっ♡ ……これで良いでしょっ♡ いいから早く突きなさいよっ……ひぁぁぁぁぁっ♡ もっとっ♡ もっと気持ちよくしてっ♡」

 強い女を屈服させる、そのことに至上の快楽を覚えた蟲は美空の秘穴を貪るようにかき回す。緩急をつけ、弱点を余さず責め上げ、口づけを交わしながら。彼女の拘束は、いつの間にか解かれていた。妻になると宣言した女に、そんな無粋は必要ない。時折上げる耳障りな音も、美空にだけは愛の囁きであると通じる。最早そこにいたのは敵同士ではなく、愛し合う一組の夫婦だった。

「ちゅぱ、れろれろれろ、あんっ♡ ちゅっ、ちゅっ♡ 好きっ♡ 好きっ♡ 愛してるっ♡ ひぃんっ♡ あっ♡ 貴方も、私を愛してくれてるのっ?♡ あぁっ♡ 嬉しいっ♡ ちゅぅぅぅぅぅぅっ、れるれる♡ ちゅむっ、はむ、ちゅーっ♡ 好き、大好きっ♡ 幸せっ♡」

 一度認めてしまえば、後は流されるまま、無限に湧き上がる甘い感情を素直に吐き出す。そうすればするほど幸福なのだと、美空はもう気付いてしまったのだ。家臣のことも、国のことも、そして前の夫のことも忘れて2人で愛を睦み合うこの時間が、彼女にとって最も幸せな瞬間になった。

「幸せすぎてっ♡ くるっ♡ 凄いのくるっ♡ 来ちゃうっ♡ ひっ、いっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁっ♡」

 ずっと焦らされ続け、ようやく味わえた絶頂を、全身で噛み締める美空。だが「王」が勢いを緩めることはない。急激な膣の締め付けに合わせて、更に動きを速めていく。

「ふあぁぁぁっ♡ 待ってっ♡ 待ちなさいったらっ♡ いまイってるからっ♡ 激しくされたらっ、降りてこれないっ♡ んああああっ♡ お゛っ♡ ほぉっ、おほぉぉぉぉっ♡」

 美空の絶頂などお構いなしに、淫棒が肉襞を何度も何度も引っ掻く。対する美空は手足を蟲の身体に絡みつかせ、夫の身体を愛おしげに強く抱き締める。暴れ狂う快感に耐え兼ねて四肢に力が篭もるが、蟲の身体はその程度で砕けはしない。それどころか、真ん中の足で抱き返す余裕すらあった。

「あっ♡ 貴方に抱き締められるとぉ゛っ♡ ほお゛ぉぉぉぉぉ……♡ 安心するっ♡ んんっ♡ 好きっ♡ 私も愛してるっ♡」

 快感の高みにいる美空の膣内は、肉棒の一突きごとにそれを締め付け、夫の性欲を迎え入れる。射精を促された肉棒がビクビクと震え、絶頂を予感させる。

「もう射精しそうなのね♡ いいわ、全部膣内に出してっ♡ 私が貴方だけのものだって証、刻み付けてっ♡ 貴方の子供、沢山産むからっ♡ 出してっ♡ 出せっ♡ 全部出しなさいっ♡」

 言葉と身体の両方に導かれ、「王」は最後の一突きを最奥に打ち込み、白濁を解き放った。

「お゛っ!?♡ でてるっ、お腹ばしゃばしゃ叩いてるっ♡ なにこれぇ♡ 射精されるの嬉しすぎるっ♡ 幸せでイくっ、イっちゃうぅぅぅっ♡」

 膣内射精の多幸感で、美空はまたしても絶頂した。蟲も極上の秘穴に射精する喜びで、溢れんばかりの精を子宮に吐き出す。

「まだでてるぅ♡ くひぃっ♡ おなかいっぱいっ♡ しあわせぇ♡ もうこれ以外何もいらないっ♡ 一生交尾だけしてたいぃっ♡」

 永劫にも思えるほどの射精を終え、「王」は肉棒をずるりと引き抜いた。入りきらなかった精液がすぐさま溢れ出て、地面を白く染め上げる。

「ふぅぅぅぅぅ……っ♡ これ、子供出来たわね♡ ……何よ、産むに決まってるでしょ♡ 愛する夫の子供だもの、絶対産むから♡ ……ちゅっ♡ ちゅ、ちゅむっ、ちゅぅぅぅ……♡」

 口づけを交わしながら、甘い余韻を楽しむ夫婦。湧き上がる熱に浮かされ、愛の睦言を紡いでいく。

「すき♡ 大好き♡ ……はいはい、分かったわよ♡ 愛してるわ――旦那様♡ この長尾美空景虎が、貴方を一生支え、守り続けるから……♡ ちゅっ♡」

 すっかり2人の世界に入ろうとしている美空だが、彼女は大事なことを忘れていた。

「御大将、ずるい♡」

「そうっすよ♡ 柘榴たち、ずーっと我慢してたのに♡」

「当の御大将はすぐ堕ちてしまわれて……大変気持ちよさそうに……♡」

「そ、悪かったわね。それで、どうするの? 敵に寝返った私の命を取るのかしら?」

 意味のない質問だった。答えは分かり切っている。3人は当然、首を横に振った。

「蟲さんに、愛してもらうに決まってるじゃないっすか♡」

「松葉も、気持ちよくなる♡」

「御大将と言えども、抜け駆けなんて許しません♡」

「……だそうよ。どうするのかしら、私の旦那様?♡」

 自ら股を広げて秘部を差し出す3人の家臣。選り取り見取りの状況下で、「王」が選んだのは――

「ひぐ゛っ!?♡ っああああっ♡」

「へぇ、松葉から食べちゃうんだ♡」

 巨乳2人を差し置いての松葉だった。品定めをするかのようにゆったりした抽送で膣内を確かめると、探り当てた敏感な箇所だけをねちっこく引っ掻く。先刻美空にしたように、服従の宣言を引き出すために。

「うぁぁっ♡ あぅっ♡ 焦らすなっ♡ はぁ、はぁ……♡ おまんこ、痒いっ♡」

 夫の企みを察した美空も、それを手助けするべく言葉を連ねる。

「ほら♡ あんたも私みたいに、嫁になるって宣言しないと♡ 柘榴と秋子に先を越されちゃうわよ♡」

「わかったっ♡ 嫁、なるっ♡ なるから早く……んお゛っ♡」

 どんな時も無表情だった松葉が、快楽に顔を歪めている。その様子に、他の3人も驚きを隠せない。

「松葉ちゃん、こんな可愛い顔もするのね……♡」

「初めて見たっすね、松葉のこんな表情♡」

「やめっ、ろぉっ♡ 見るな……っ♡」

「いいじゃない、見せてあげれば♡ その方が旦那様も喜ぶわよ♡」

 顔を覆い隠す手をどけられ、僅かに顔を赤くする松葉。そんな表情を見て、「王」はギイギイと声を上げた。

「あら、松葉のその顔、気に入ったみたいよ♡ 良かったじゃない♡」

「嬉しく、ないっ♡ はぁっ、あぁん♡ ひぃんっ♡」

 否定の言葉を吐きつつも、嬌声を我慢できない松葉。するだけ無駄だと悟ったのか、痴態を隠さなくなっていった。

「あっ、あぁっ♡ 大きい、ちんぽが……松葉のおまんこ、抉ってるっ♡」

 一突きごとに全てが塗り替えられていく感覚。次第に彼女の脳内は多幸感で溢れ、眼前の蟲への恋慕が湧き上がってきた。

「んぐぅっ♡ おまんこ、おかしくなるっ♡ もっと♡ 激しく突けっ♡ ふわぁっ♡ 乳首もっ♡ もっとイジメろっ♡」

「ホントに気持ちよさそうっすね……♡ 柘榴も早く味わってみたいっす♡」

 周りの軽口を気にする余裕もないほどに、松葉は快感に溺れていた。奥まで強烈に抉られたかと思えば、膣を引きずり出されるような感覚に襲われ。

 気付けば、彼女の方から口づけを交わしていた。

「んむっ♡ ちゅぅぅぅぅ♡ ぱぁ……♡ ちゅっ、れるれる♡ れろれろれろれろれろ……ちゅく、ちゅむっ、れぇぇぇ……♡」

「こんな積極的な松葉ちゃんも、初めて見る……どれだけ凄いのかしら、これ……♡」

 松葉も美空がしていたように、手足を絡めて子種を乞う。気を良くした「王」は抽送を速めて、射精に至るまで快感を高めていく。

「ほぉぉぉぉぉ……っ♡ これ、凄すぎるっ♡ あっ♡ ちんぽ、震えてる♡ んんっ、はぁん♡ ……松葉の中で、全部出せ♡ 松葉も、イく……っ♡ お゛っ♡ お゛ぉぉぉぉぉ……っ♡ くるっ♡ 凄いのが、くるっ♡」

 そして、2人同時に果てた。

「イっ……くぅぅぅぅぅっ♡ あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁっ♡」

 3発目であっても、射精の勢いに衰えはない。精液の洪水が、松葉の子宮を容赦なく襲う。

「うぅぅぅっ♡ 松葉の、腹の中っ♡ 精液で叩かれてるっ♡ 気持ちいいっ♡ 止まらないっ♡」

 長い長い時間をかけて、蟲は射精を終えた。ごぽりと音を立てて、粘ついた白濁が松葉の秘穴から流れ出る。

「……出し過ぎ♡ スケベ以上のスケベだ♡」

「スケベを超えたスケベさん……ドスケベさんってことっすね!」

「間違いない……でも、松葉もドスケベにされた。責任、取ってもらう♡ 甘粕松葉景持、今日からドスケベだけの嫁になる♡ 責任とって、一生ドスケベなこと、松葉にしろ♡ ……ちゅぅっ♡」

「あらあら、大胆になっちゃって♡」

 誓いの口づけを終えて、なおも勃起を保つ淫棒が、次に狙いを定めたのは――

「おっ、やっと柘榴の番っすね♡ 待ちくたびれたっす♡」

「あぅ……私は最後なのね」

「秋子、行き遅れ」

「松葉ちゃん!」

 言い合う2人をよそに、柘榴はひくひくと震える女陰を見せつけるように開いて、挿入を今か今かと待ち構える。

「そういえば、嫁にならないと突いてもらえないんすよね♡ 了解っす♡ 柘榴もドスケベさんの嫁になるっす♡ 柘榴のおっぱいもアソコも、これから全部ドスケベさん専用っすから……ドスケベさんのおちんちんで、柘榴の膣内、かき回して欲しいっす♡」

「入れる前から結納宣言なんて、あんたもチョロいわね♡」

「御大将に言われたくないっすよお゛ぉぉぉぉっ!?♡ ちょっ、いきなり激しすぎっす♡ あっ♡ ダメっ♡ 待ってっ♡ はぁんっ♡ ひぁぁっ、あんっ、あああっ♡」

 おねだりに応えるように、蟲の淫棒が柘榴の膣内を激しく擦る。

「ずっと、焦らされてたからっ♡ こんなの、すぐイっちゃうっすぅ♡ あっ、イくっ♡ イっ……くぅぅぅぅぅっ♡ ふあぁぁぁぁぁ……っ♡」

 肉棒を求めて焦がれていた秘穴は、容易く絶頂に至り、震えを全身に伝える。その度に、たわわに実った柘榴の巨乳がぶるんぶるんと躍動する。

「ホントに大きいわよね、柘榴のこれ」

「無駄に育った」

「無駄ってなんすか無駄って……ふあっ♡ 2人とも何するんすかっ♡」

 美空と松葉の2人が、揺れる胸をそれぞれ掴み取り、その先端を口に含んで転がした。

「あぁぁぁぁぁっ!?♡ 御大将、松葉っ、それダメっすっ♡ 胸もアソコも気持ち良くってっ、訳分かんなくなるっすぅ♡ ふぅっ♡ あぁっ、ひぃぃん♡」

 乳首を舐められ、秘穴を抉られ、快感に頭が追い付かなくなっていた柘榴に、蟲は追い打ちをかけていく。

「あぁっ、あぁぁっ……はむっ!?♡ ちゅぷ、ちゅぅっ、ちゅっ♡ ぷは……蟲のくせにっ、口づけ、好きすぎじゃないっすかぁ♡ 柘榴も好きっすよぉ♡ んんっ♡ はぁむ、ちゅっ、ちゅぅぅぅぅ……れろれろれろ♡」

 舌を出して、蟲の口周りを舐めとる柘榴。そうして口づけを交わすごとに、彼女の心に愛情が芽生えていく。

「ちゅぅぅぅぅっ、ぱぁ……♡ こうしてると、何だかドスケベさんのこと、どんどん好きになってくるっすね♡ あぅっ♡ あんっ、好きにしていいっすよ♡ 柘榴はもう、ドスケベさんだけの柘榴っすからぁ♡」

「あらあら、剣丞はどうするのかしら♡ 不倫?♡」

「違うっすっ♡ あぁっ♡ はぁっ、柘榴はドスケベさん一筋っす♡ ひゃうんっ♡ スケベさんとは離婚っすっ♡ 柘榴の旦那様はドスケベさんだけっすぅ♡ 柘榴の身体、スケベさんには指一本触れさせないっす♡」

「スケベ、可哀想」

「仕方ないわよ♡ これだけカッコいい男に愛されたら、誰だって嫁になりたくなるもの♡」

 秋子以外の3人は蟲に首ったけだった。そんな様をただ1人、羨ましげに秋子は見ているしかできない。

「もう……私だって、気持ちよくなりたいのに……」

「秋子ったら、盛ってるのかしら?」

「仕方ないじゃないですか! 私ばっかり後回しで……焦れったくもなります!」

「そう。でも安心しなさい、もうすぐみたいだから」

 その言葉通り、「王」は最後の仕上げに入っていた。抽送は激しくなり、間もなくの絶頂を予感させる。

「お゛ぅぅぅっ♡ あっ、あぁぁっ!?♡ それ好きっす♡ 奥のところっ、ゴンゴンされるの好きっすぅ♡ ひぐぅっ♡ 好きっ♡ ドスケベさんっ、好きっすっ♡ んうっ♡ ドスケベさんのドスケベさん、柘榴の中でビクッてしたっす♡ ドスケベさんもっ、はぁっ♡ 気持ちよくなってくれてるんすか♡ 嬉しいっす♡」

 喜びは快感に変わり、膣全体で肉棒を締め付け子種を欲しがる。強烈な圧迫感で、蟲の興奮も際限なく高まっていく。

「もう、イきそうっすか♡ 柘榴の中に全部出して欲しいっす♡ 殿方の子供を孕む夢、ドスケベさんに叶えさせて欲しいっすぅ♡ お゛っ♡ 凄いの来るっす♡ うぅっ♡ ふわぁっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁっ♡」

 蟲の淫棒が、最奥まで突きこまれる。同時に柘榴は全身で夫を抱き締め、共に絶頂した。

「あ゛ぁぁぁぁぁっ♡ ふわぁぁぁぁっ♡ 柘榴の奥にっ、ドスケベさんの精液、出てるっすっ♡ うっあっ♡ まだ出るんすかぁ♡ ドスケベさん、凄すぎっす♡」

 下腹が膨らんだと錯覚するほど――あるいは実際そうなるほど――に精液を注ぎ込まれ、恍惚の表情を浮かべる柘榴。普段の闊達な彼女からは想像もつかない、雄を知った雌の顔だった。

「出しすぎっすよ……ああっ、精液、溢れてくるっす……♡ もう、勿体ないじゃないっすか♡ ドスケベさんは柘榴の旦那様なんすから、ちゃんと孕ませてくれないと困るっす♡」

 不満の言葉とは裏腹に、笑みを浮かべて蟲と口づけする柘榴。誰がどう見ても、愛しい夫へ向ける表情だった。

「ドスケベさーん♡ この柿崎柘榴景家を、これからもいーっぱい、使って欲しいっす♡ ちゅぅぅぅぅぅっ、ちゅっ♡」

 引き抜かれた肉棒は、相変わらず勃起を維持している。

「さ、後はあんただけよ、秋子」

「ようやくですか……♡」

「秋子、ずっと自分で慰めてた」

 松葉の指摘通り、秋子は疼く秘穴を自分で慰めていた。だが眼前でまぐわう夫婦の姿を見せつけられていて、それで満足できるはずもなかった。

「秋子さん、意外と淫乱だったんすねー」

「そんなわけないでしょう! からかうのもいい加減に……って、何でしょう?」

 蟲は秋子の前に立つと、ギイギイと声を上げる。何か言っているらしく、美空がそれを代弁した。

「ふーん。獣みたいに、後ろから犯したいってことみたいよ♡」

「はぁ……それがお望みでしたら……♡」

 素直に従い、四つん這いになる秋子の上に蟲が乗る。そして肉棒を秘穴にあてがうと、勢いよく突き入れた。

「ひっ、ぐぅぅぅぅぅ……っ♡ なっ、なんですかこれ……っ♡ 奥まで全部、硬いものでいっぱいで……っ♡ あぐぅっ♡ んぁぁっ、ゆっくり引き抜くの、ダメですっ♡ 気持ちいいところ、全部擦れてっ♡ すぐに、イってしまいそうで……っ!?♡」

 肉襞の収縮で絶頂を予感した「王」はすぐさま動きを止めた。

「あうぅ♡ どうして……今、イけそうだったのにっ♡」

「柘榴たちがどうしたのか、見てないわけないっすよね♡ 秋子さんも、嫁になるまでイかせてもらえないっすよ?♡」

「そんな、私には剣丞さんが……っ♡」

「挿入を許した時点で、不倫」

「うっ、それはそうですけど、でもっ♡」

「往生際が悪いわよ、秋子。あんただって分かってるでしょ♡ 剣丞とこの蟲、どっちが男として優れているのか♡ だからおねだりしてたんだと思ってたけど、違うの?」

 頑なだった秋子であるが、言葉と身体はちぐはぐだ。夫がいるという言葉だって、不倫にありがちな文言でしかない。

「……っ♡ そうですっ♡ 見ていて思ってしまったんですっ♡ 剣丞さんよりずっと凄い殿方だと♡ この蟲の妻になりたいとっ♡ ですから、お願いしますっ♡ 私もあなたの妻にしてくださいっ♡ その逞しいもので、私を犯してくださいっ♡」

 恥も外聞もかなぐり捨てて、雄に媚を売る秋子。尊厳の欠片もない姿だが、これから蟲の番になることに比べればどうでも良いことであった。

「あ゛っぐぅぅぅぅっ♡ 凄いの、きてますっ♡ あんっ♡ これですっ、これがずっと欲しかったんですっ♡ 旦那様っ♡ もっと、壊れるくらいに突いてくださいっ♡ ひぃぃっ♡ 好きっ♡ 好きです旦那様っ♡ 愛してますっ♡ 一生お傍に置いてくださいっ♡」

 身体を捻り、口づけを交わす。奥を突かれる度にばるんばるんと乳が揺れ、性交の激しさをまざまざと見せつける。

「んむっ♡ ちゅっ、ちゅく、ちゅく……ちゅるっ♡ ぷはぁ、嬉しいですっ♡ こんな素敵な殿方に嫁げて、私、幸せですっ♡ あぁむっ、ちゅぅ、れるれるれろれろ……んんんっ♡ ぷはっ♡ 旦那様の脚が、乳首、引っ掻いて……っ♡ もっとっ♡ もっとしてくださいっ♡ この胸も、生涯旦那様のものですからっ♡」

「良かったわね、いい貰い手が来てくれて」

「ええ、本当にっ♡ ありがとうございますっ♡ 私を剣丞さんから寝取ってくださったこと、心より感謝いたしますっ♡」

 恋の熱に浮かされて、とんでもないことを口走る秋子。だがそれはこの場の誰もが思っていることであり、故に誰も口を挟みはしなかった。

「旦那様もっ♡ 気持ちよく、なってくださいねっ♡ 旦那様の幸せがっ♡ 妻の一番の喜びですからっ♡ あんっ♡ あぁっ、そこっ、いいですっ♡ 気持ちいいところ、ぞりぞり擦れて……私、イってしまいますっ♡ くるっ、くるっ、きちゃうっ♡ あっ、あっ、はぁぁぁぁぁぁっ♡」

 絶頂と共に、秘穴が肉棒を締め上げた。絶対に離さないという秋子の心を表すかのように、肉襞の1枚1枚が交尾器に纏わりつき、優しく撫で上げ快感を与える。

「申し訳ありませんっ、旦那様っ♡ 夫より先に気をやってしまうなんてっ♡ ひぎぃっ♡ だっ、ダメです旦那様♡ イってる最中に激しくされたらっ♡ またイってしまいますっ♡」

「好きなだけイけ、ってドスケベさんは言ってるみたいっすけど?」

「多分。ドスケベの言葉、少しわかってきた」

「ええ、間違いなくそう言ってるわよ」

「本当ですか♡ 旦那様、お優しいんですねっ♡ ますます惚れてしまいますっ♡ 年甲斐もなく恋してしまいますっ♡ んぐぅっ、あぁぁぁっ♡ 大好きですっ♡ 心よりお慕いしていますっ♡」

 愛の告白に気を良くした蟲の肉棒がぶるりと震えた。射精を予感した秋子は、膣の圧力を更に高める。

「お願いしますっ♡ 私の膣内に出してくださいっ♡ 愛菜のきょうだい、沢山孕ませてくださいっ♡ ちゅっ♡ ちゅぷ♡ しゅきっ♡ らいしゅきっ♡ あぅぅ、乳首もイジメてくださいっ♡ んむっ、わらひも、いひまひゅっ♡ んんっ、はぁっ、あっ、あっ、あっ……んぐっ!? んむぅ、んぅぅぅぅぅぅぅぅっ♡」

 口を塞がれながら射精され、白の濁流が秋子の子宮を容赦なく穢した。

「んむぅぅぅぅっ♡ れてますっ♡ だんなひゃまのおこだね、わらひのおくにれてまひゅぅぅぅっ♡」

 5回目であっても、射精の勢いに衰えはなかった。熱情の塊が秋子の膣奥を打ち付け、繋がったままの秘部から精液が溢れ出す。

 口づけを交わしながら繋がったまま、蟲は百数える間射精し続けた。

 ようやく白濁を出し終えて、「王」が淫棒を引き抜くと、秋子はその場に崩れ落ちた。

「はぁっ、はぁっ……♡ 幸せです……私、こんなに幸せな気持ちになったの、初めてです……♡ 旦那様、私を使っていただき、ありがとうございました♡ 直江与兵衛尉秋子景綱、生涯旦那様と添い遂げることを誓います……♡ ちゅ♡」

 秋子までもが堕とされ、長尾の敗北はここに確定した。だが4人にとっては、それすらも幸福なことであった。己が夫に何もかもを差し出せたということだからだ。

「さ、春日山に帰るわよ。今日からあそこは、貴方の城♡ そして今日からは、私たちと貴方の愛の巣になるの♡」

「スケベにもあげなかった春日山、ドスケベにはあげた」

「御大将、本気も本気っすねー」

「それだけ、旦那様が好きになってしまわれたのでしょう」

「ちょっと、聞こえてるわよ!」

 すっかりいつもの調子で、美空たちは帰還の準備を始める。数刻前まで敵であったはずの蟲たちに、まるで家族のように寄り添いながら。

 止める者がいなくなった蟲の軍勢は、瞬く間に春日山を制圧した。







 少し時を遡り、春日山城外。

「……鏑矢が上がったの」

「ええ。ということは……」

「御大将は敗れた、ということじゃろうな」

 長尾の宿老である宇佐美定満――通称沙綾と、小島貞興――通称貞子は、敗北を知らせる鏑矢の音を確かに聞いた。

「そんな、美空お姉さま……」

「母上……母上ー!」

 春日山の陥落を事前に察知した沙綾と貞子は、本人の反対を押し切って、長尾景勝――通称空と、樋口兼続――通称愛菜を逃がしていたのだ。

「やはり、今からでも引き返して――」

「なりません。今から戻っても、無駄死にが増えるだけです」

「ですがそれでは、愛ある行いとは言えませんぞ! この越後きっての義侠人、樋口愛菜兼続が、たとえ単騎でも敵陣に切り込み……」

「阿呆、国主の命に勝る愛があるものか。生きておれば、取り戻す機会は必ず来る」

「ですがそれでは、お姉さまが……」

「それが戦乱の世の常。あの我が儘姫も、それくらいの覚悟はとうに決めておるじゃろ」

 奥州仕置と呼ばれる事件では、美空が一時的に行方不明になったこともある。その時も空が指揮を引き継いだが――あの時の美空は、後に生還している。

 だからと言って、戦で無事を保証するものなど何もない。負ければ死ぬ、それは沙綾が言った通り、世の常だ。

「今は連合という大きな枠組みの中におるのじゃ。同じ連合の仲間を頼るのも悪くなかろう? そういうことも出来るのが、この連合の存在意義でもあるはずだからの」

「春日山から空さまを攫ったのも、連合でしたからね」

 次期国主としての無力さを悔やむ空であったが、それでも、最後には決断した。

「……分かりました。春日山を取り戻すため、我々は南下し、助けを求めます」

「南、というと、甲斐の武田でしょうか?」

「ええ、それと――」







 そして、現在。

「城下もそうだったけど、城内までもぬけの殻じゃない。ちょうど良かったわ」

「逃げた。意味ないのに」

「ま、普通に考えれば妥当な判断でしょうね。……普通なら、だけど」

「空さまにもこの気持ちよさを知ってほしかったっすねー」

「時間の問題よ。そう遠くないうちに、ここを取り返しに来るはず」

「その時は、愛菜も一緒に……」

「そうね。とりあえず、今いる面々だけで始めましょ」

 美空たちは上段の間にたどり着くと、当主の席に蟲の「王」を座らせた。自分たちは下段に座り、額を床につける。これ以上ない、服従と忠誠の姿勢だ。

「長尾美空景虎以下、これより旦那様に生涯を捧げることを、毘沙門天に誓うわ♡」

「「「「旦那様、末永く愛してくださいませ♡」」」」







 美空の敗北と春日山の陥落の報せは、瞬く間に日の本中を駆け巡った。

 特に、かつて長尾と事を構えていた2つの家にとっては、非常に重大な案件だった。

「あらあら。相当厄介なことになったようね」

 関東の覇者、北条家と。

「………………………………美空」

 甲斐・信濃の国主、武田家にとっては。

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