戦国†蟲姫 第1話 織田の三若編
本能寺の変の果て。日の本の各地にばら撒かれた鬼火は、打たれたものを凶暴な鬼へと変えた。
鬼火に打たれるのは人だけかと思われたが、そうでないものもいた。
ある山奥では、黒光りする平たい蟲――人々がゴキブリと呼ぶそれが、鬼火に打たれて巨大化した。
鬼火の影響力を考えれば、それは生物の本能すらも失って、ただ人を食らう凶暴な蟲に変わるはずだった。
だが、そうはならなかった。その蟲は、周辺の生物の中でも一際繁殖欲が強い個体だった。それ故に、鬼火は蟲の本能を凌駕できなかった。それどころか蟲の本能と鬼の感情とが混ざり合い、「全ての女を孕ませたい」という危険な欲望に変化してしまった。その欲望に沿うようにして、身体は大きく、精は強く進化していく。
蟲は肥大し続ける欲望に従い、山を下りる。あっという間に麓の村を自らの子で埋め尽くし、次の村へと歩みを進めていく。
そう。これは、鬼に変わった蟲の物語。
「巨大な蟲が、各地の村を襲っている?」
美濃は岐阜城。織田の本拠地とも言えるその城に入ってきた報告は、当主たる織田信長、通称久遠を困惑させた。
報告の兵も戸惑いを隠しきれないまま続ける。
「はっ。逃げ延びた者の報告によれば、男の上半身ほどもある蟲が数百匹も現れ、一晩もたずに村は壊滅。男は皆殺しにされ、女は孕まされている、と……」
耳を疑うような、おぞましい内容。この世界において武将は軒並み女性であるため、蟲達の行いには激しい嫌悪感を覚える。
「して、その蟲は何処に現れた」
「鈴鹿の山奥から現れ、今は桑名の周辺に住み着いていると」
「桑名だと?」
「デアルカ」
目と鼻の先とも言える距離で事が起きているともなれば、尾張・美濃の領主として放っておくわけにもいかない。だが連合にも、そう多くの戦力を動かすだけの余裕はない。なので、
「では三若、この件はお前たちに任せる」
三若と呼ばれて、評定の間にいた三人の武将はそれぞれ違う反応を見せた。
「え~、蟲の相手はイヤだなー」
「何だよ、雛は行かないのか? ボクはもちろん行くぞ」
「蟲は犬子もイヤだけど、鬼じゃないならすぐ片付くでしょ?」
「そういうことじゃなくて、もっとこう、本能的に無理っていうか……」
「ええい、ウダウダ言ってないでやるかやらんか答えんか!」
たまらず柴田勝家――通称壬月が拳骨を落とす。この怒声もまた、織田家の評定ではお決まりの流れだ。
「うぅ~……やります、やりますよー」
「では決まりだな。さて、次の議題は……」
こうして、三若と呼ばれる武将の出陣が決まった。やる気を露わにする二人に対し、雛と呼ばれた少女だけは、意味ありげな笑みを浮かべていた。
「雛」
呼び止める声に、紫の髪の少女、滝川一益……通称雛が振り返る。その先には、田楽狭間の天上人として現れ、今では天下御免の蕩しの君たる新田剣丞の姿があった。
「おや、剣丞くん。雛に何か用?」
「用ってほどでもないけどさ。評定のとき、ちょっと気になってな」
雛は焦りだす。もしや、バレている? 嫌がるにしてもあからさま過ぎただろうか?
そんな内心を知る由もない剣丞は、雛の変化に気付くことなく続ける。
「蟲、そんなに嫌いだったか? そうなら、俺も手伝うけど……」
剣丞が何も気付いていないことを悟ると、雛の胸中には安堵があった。
「大丈夫だよー。雛はやると決めたらやる子だからねー。心配しないでよ」
「そうか? ならいいけど……」
「お話はもう終わりかな? それじゃねー、剣丞くん」
それだけ残して、雛は早足で立ち去ってしまう。その姿に、剣丞は一抹の違和感を覚えるのだった。
「ふー、危ない危ない。剣丞くんに気付かれるところだったよ」
自分の家に戻り、雛はそう吐き出す。その場には誰もおらず、これは独り言になる――はずだった。
「この子たちも悪戯好きだねー、ずっと雛のお腹の中で暴れるんだもん」
そう言って彼女は、膝上丈の着物の裾をたくし上げる。誰もいない部屋で、誰かに見せつけるように。
そこにあったのは、常人ならばおぞましいと誰もが感じるであろう光景。
「んっ♡ 誰に似たのかなー♡ やっぱりお母さんかな♡」
おびただしいほどの小さな蟲が、彼女の秘部に群がる様だった。彼女は評定のあいだ、ずっとこの蟲たちを胎の中に入れたまま過ごしていたのだ。
お母さんと彼女が言った通り、これらは全て雛が産んだ蟲だ。それを示すかのように、蟲たちの身体には雛の髪と同じ色の紋様が浮かび上がっている。
先の評定で議題に挙がった巨大な蟲。雛は既に、その毒牙にかかっていたのだった。
「あっ♡ 旦那様、今日も来てくれたんだ♡」
そうして秘部を見せつけていると、暗がりから「それ」は現れた。人の上半身ほどもある、巨大な蟲。あの日鬼火に打たれたゴキブリそのものであり、雛が「旦那様」と呼び慕う、彼女の今の夫。数日前、夜中に彼女を無理矢理犯し、一夜にして彼女の身も心も堕としてしまった恐るべき魔性の王。
雛は、鬼を倒すために集った「日の本連合」の一員として、剣丞と契りを結んでいた。雛だけではなく、鬼と戦う意思があり、剣丞に惚れた女は皆そうしていた。だから、雛の「旦那様」は本来であれば新田剣丞であるはずなのだ。
だがそこにいる「旦那様」は、新田剣丞とは似ても似つかぬ巨大な蟲。当然、これが新田剣丞であろうはずもない。
つまり今、彼女にとっての最愛の人は新田剣丞ではなく、この蟲たちの「王」たる巨大ゴキブリなのだ。
それを示すかのように、雛はすぐさま床に這いつくばり、蟲に向けて尻を差し出す。
「はい、どーぞ♡ 子供たちがたっぷり遊んでくれたから、雛のおまんこも準備万端だよー♡」
覆いかぶさるようにして「王」が雛に乗り、凄まじい大きさの生殖器を突き出す。それはあらゆる女を孕ませることに特化した、女殺しの淫棒であった。
人によっては入りきらないほどのそれを、小蟲たちによってほぐされ切った秘部は、いとも簡単に受け入れる。
「お゛っ……ほぉぉ……♡」
巨大なペニスが、雛の敏感な個所を余さず擦り上げる。まだ挿入しただけだというのに、雛の脳内は途方もない多幸感と恋慕で埋め尽くされていた。
淫棒が奥まで届くと、蟲は焦らすかのように子宮口の周辺をこね回す。
「動いて……いいよ…………っ♡ 雛のこと、メチャクチャにして……っ♡」
甘くもどかしい快楽に我慢できなくなり、腰振りを強請る雛。その言葉が届いたのか、蟲はゆっくりと肉棒を引いていく。ジワジワと高めるようにして、秘穴を隈なく貪る。
「あ゛っ♡ イく♡ まだ一往復しただけなのにっ♡ イっちゃうぅぅぅっ♡」
たった一往復、生殖器が行き来しただけ。たったそれだけで、雛は達してしまった。
強烈な締め付けに溜らなくなった「王」は、たちまち動きを速める。最奥まで一息に突き刺し、間髪入れずに引き抜く。
「お゛っ♡ お゛おっ♡ これすきっ♡ 激しいの、すきっ♡ 旦那様のおちんちんおっきすぎっ♡ あっ♡ あ゛っ♡ だめっ♡ またイくっ♡ イっちゃうっ♡」
またしても絶頂してしまう雛。その締め付けが抽送を更に加速させ、そしてまた性感を高めていく。雛の秘穴が絡みつく度、「王」はギィギィと耳障りな声を上げる。だが雛には、その声が意味するところを正確に理解できていた。
「だんなさまもっ♡ きもちよく、なってくれてる♡ うれしいっ♡ すき♡ だんなさまだいすきっ♡」
一心不乱に愛を叫ぶ雛。だがその愛は剣丞ではなく、醜悪なゴキブリに向けられている。
目の前の雌が完全に屈服している姿に、蟲の興奮は際限なく高められていく。
「だんなさまっ♡ あいしてるっ♡ んっ、ちゅるるっ♡ んむっ、ちゅっ、んちゅるる♡」
四つん這いのまま体を捻り、蟲と愛を確かめ合うような接吻をする。人と蟲の交尾というだけでも異常な光景なのに、そこには確かに異常な愛があった。
そうして愛を睦みながらまぐわっていると、雛が産んだ子供たちが擦り寄ってきた。自分たちの相手もしろ、ということらしい。
ある子供たちは、程よく鍛えられて肉のついた脚、それを太ももまで包む足袋のあちこちに性器を擦り付け、快感を貪る。
ある子供たちは、乳首に甘く嚙り付き、母乳をよこせとせがみながら母親を愛撫する。
ある子供たちは、手に性器を這わせ、しごかせようと強請る。
ある子供たちは、顔に這い上がって、口の中に性器を躊躇いなく突っ込む。
その全てが、常人にとってはおぞましいことこの上なく、今の雛にとってはたまらなく親心をくすぐられる光景だった。
「んぶっ♡ んちゅっ、れろれろれろ……♡ ちゅぷ、ちゅぷ……れるれるれるれる♡ ぷはぁ……♡ いいよ♡ 雛の旦那様と子供たちだもん、お母さんの身体、好きに使って♡」
その言葉が通じたのか、蟲の「王」とその子供たちは、より一層動きを速めた。秘所を捉える肉棒はどんどん荒っぽく内部を引っかき、身体中に性器を擦り付ける子供たちの動きもどこか無造作になっていく。
だけど、雛にとってそれは無上の幸福だった。こんなにも自分を求めてくれている。それが、たまらなく嬉しい。そう思えてしまうほどに、雛の思考までもが蟲たちに犯されてしまった。
元々、日の本のあちこちを飛び回るようにしている剣丞とは、なかなか身体を触れ合わせる機会が得られていなかった。そうして不満が高まっていたところに、この蟲はやってきた。一心不乱に自分を求める蟲の姿が、雛の心を埋めていったのだ。
この蟲の体液には、強烈極まりない魅了効果がある。欲求不満な雛の脳内が蟲一色に染め上げられてしまうのに、そう時間はかからなかった。雛がそれに気付いたのは身も心も堕とされ切った後だったが、今となってはそれすらも、愛しい夫との記憶として美化されていた。
「んっ♡ もうすぐっ♡ 出そう……?♡ あ゛っ♡ いいよ、全部出して♡ 雛のこと、また旦那様の子種でいっぱいにして♡ お゛っ♡ ひなも、また、イくからぁっ♡」
雛の意思を理解した蟲たちは、最後の仕上げに入る。激しく性器を抽送し、目一杯性感を高め、精子を吐き出そうとする。
「お゛っ♡ お゛お゛っ♡ イ、く……♡ ひな、イっちゃうぅぅっ♡」
そうして、性感が同時に爆ぜた。
「あっ……あっ……あぁぁぁああああああああああっ♡♡♡」
きゅうっと膣が締まると同時に、胎の奥の奥に熱いものが叩きつけられた。びちゃびちゃと吐き出された精液は、たちまち雛の子宮を埋め尽くしていく。
「お゛っほ゛……♡♡ まだでてるぅ……♡ あついので、おなか、いっぱいで……またイくっ♡♡」
それと同時に、子供たちの精液が雛の全身を隈なく穢していった。その精液の匂いが、雛の脳内を多幸感で埋め尽くす。
「んあああっ♡ よしよし、いっぱい出たね~♡ 元気な子に育っててお母さんうれしいよ~♡」
ぴゅるぴゅると精を吐き出す子供たちを慈しむように見つめながら、雛は幸福の頂点に浸っていた。
「はぁ……っ♡ しあわせぇ……♡ こんなしあわせなコト、剣丞くんとじゃ絶対できない……♡ 旦那様のおちんちん、さいこー……♡ …………っ!?♡」
他の男の名前を出した途端、「王」の肉棒がびくりと震えた。絶頂直後で高まりから降りてこれない雛の膣内を、強い雄の象徴が容赦なく抉っていく。
驚くべきことに、この蟲は「嫉妬」していた。蟲であるにも拘らず、まるで人のような感情を見せているのだ。
それが、蟲たちに起きた大きな変化。この蟲は、人とまぐわうことで、人の感情というものを理解し、身に付けつつあるのだ。
そして、それを受け止める雛にも変化があった。蟲の精液に浸され続けたことで、彼女の肉体にも影響が表れた。その最たるものが、蟲の言葉を、感情を理解することだった。
「ふぁぁぁっ♡ ごめ、なさいっ♡ 他の男のことなんか話しちゃってごめんなさいっ♡ 剣丞くんとは二度としませんからぁっ♡ 身体にも絶対触らせませんからぁっ♡ だから許してっ♡ だんなさまっ♡ あっ、イくっ♡ またイっちゃうぅぅぅぅっ♡」
夫婦の以心伝心。こうすれば「旦那さま」は嫉妬して、激しく突いてくれる。そうわかっているから、剣丞の話題をわざと出して、お仕置きしてもらうのだ。
どれだけ絶頂してもやめてもらえず、「旦那さま」が満足するまで終わらない、最高に気持ちいい「お仕置き」を。
この日も、雛は夜更け近くまで蟲とまぐわい続けた。
「ちゅぷ……お腹、重たー♡ れぇーろ、れぇーろ……これ絶対赤ちゃんデキちゃったねー♡ ちゅる、れろ……れるれるれる♡ 旦那様のおちんちん、美味しい♡」
二人の体液でべちゃべちゃになった布団の上で、雛は「王」に奉仕する。外を見れば、空がうっすらと白んでいた。
「おおー、みんなすっかり使えるようになったね。雛のお家流」
部屋の中に目を向ければ、彼女の子供たちが目にも止まらぬ速度で室内を駆け巡っている。滝川家お家流「蒼燕瞬歩」を、蟲たちが使っているのだ。
これも、「王」の特性。孕ませた女がお家流を持っていると、「王」と子供の両方にそれが引き継がれる。
鬼が人を孕ませると、その子は「鬼子」となり、他の鬼よりも遥かに強い力を持つようになる。そしてそれは、この蟲と人の子であっても例外ではない。
鬼子がお家流を覚える。そしてそれが、数百、数千、数万匹。最早勢力は、人の手に負える範疇を大きく逸脱していた。
そんなことは露知らず――あるいは、それを好ましく思ったうえで、子供たちが逞しく育っていることに喜びを覚えつつも、雛は思索を巡らせる。
「さてさて、これからどうしよっか」
そう日が経たぬうちに、桑名攻めは始まってしまう。そうなれば、「旦那様」と戦わなければならない。先の評定で雛が乗り気でなかった理由は、そうなるのが嫌だっただけだ。
どうすれば、戦わずに済むのか。三若全員で挑む戦では、雛一人で出来ることは限られる。
「ん……♡ 旦那様もそう思う? そうだよねえ……」
雛にはわかる。この「王」は、更なる雌を求めている。であれば、取るべき選択肢は一つしかない。戦いを回避し、「王」の欲望を満たす、唯一無二の回答。それは――
「和奏ちんと犬子も、旦那様のお嫁さんになっちゃえばいいよねー♡」
こうして雛は、かけがえのない親友を堕とすことに決めた。和奏たちからすれば裏切りであるが、雛にとっては違う。この上ない幸福を、和奏と犬子にも共有する。雛にとってこれは善行であり、何一つ悪いところの見当たらない結論だった。
そうと決まれば話は早い。さっそく夫婦が打ち合わせを始める。朝日が昇るころには、蟲たちは姿を消していた。
その日のうちに、佐々成政――通称和奏と、前田利家――通称犬子が雛の家を訪れた。そこが既に、魔性の巣窟になっているとも知らず。
「それにしても、用事って何だろうな」
「何か嫌な予感がするんだよねー……また悪戯じゃないかなぁ」
「……雛のことだし、多分そうだろうな」
雛が悪戯好きであることは一部で有名だ。最も身近な被害者にあたる和奏と犬子は当然警戒するが、事態は2人の想像のはるか上を行く最悪だ。ここまで来た時点でもう手遅れであることを、2人が認識できるわけもない。
当然のように2人は屋敷に足を踏み入れる。その途端に、甘ったるい香りが鼻腔を支配した。
「何だ、この匂い?」
「よくわかんないけど、嗅いでるだけでお腹の奥が熱くなってくるよ」
「おーい、雛ー? どこにいるんだー」
出迎えに現れる気配のない家主を呼び出す和奏。すると、奥の方から聞き慣れた声が響いた。
「おー、和奏ちん。犬子もいるー?」
「いるぞ」
「わんわんっ」
「雛、いまちょーっと手が離せないから、一番奥の部屋まで来てくれないかなー?」
「……? わかったよ」
2人は訝しく思うが、雛が出てくる様子がないので、指示に従うことにした。奥に進むにつれ、甘ったるい香りは濃さを増していき、同時に2人の身体は強く疼くようになっていった。
「はぁ、はぁ……この家、暑くないか?」
「和奏もそう思う?」
「ああ……おい雛、これはいったい――」
言いつつ、襖を開ける和奏。その瞬間、2人を目掛けて透明な液体が大量に飛んできた。身体の疼きに気を取られていた2人はなすすべなくそれを浴びてしまう。
「うわあ、雛、なんだよこれ――はあっ!?」
「雛ちゃん、またこんな――って、ひえぇ!?」
視界の先には、床も壁も天井も埋め尽くさんばかりにひしめく黒い影。雛が産んだ蟲の仔らだ。一匹を除いて、どれも雛の髪と同じ色の丸い紋様が外殻に浮かんでいる。 大小は様々で、指先程度のものもいれば、二の腕ほどの大きさのものもいる。
部屋の中心には、仰向けで倒れる一際大きいゴキブリと、その巨大な生殖器を足で擦り上げながら、秘部を口で愛撫される雛の姿があった。蟲と人が愛おしげに互いを慰めあう異様な光景に2人が言葉を失っていると、雛がそれに気付いて声をかけた。
「あんっ♡ あー、和奏ちん、犬子、いらっしゃーい」
「おい雛、それって……」
「見てわからないかな? 蟲さまのおちんちんをしごいてあげてるんだよ」
「そんなの見れば分かるって! そうじゃなくて、雛、そいつは……」
「そう、これが軍議で出た『人を襲う蟲』。それで……雛の旦那様と子供たちだよ♡」
「旦那様って、雛ちゃんには剣丞さまがいるじゃない」
「そんなの、旦那様との交尾を知ったら全部どうでもよくなっちゃった♡ 剣丞くんとしてたのはただの遊びだったんだって、旦那さまが教えてくれたんだー♡」
「雛、お前……! 剣丞を裏切るのか!」
「そうそう。そういうわけだから2人も、お嫁さんになっちゃえ♡」
その号令と共に、蟲たちが一斉に襲い掛かってきた。雛から受け継いだお家流「蒼燕瞬歩」を使い、目にも止まらぬ速さで2人を拘束し、再度体液を浴びせる。
「うぷ、なんだこれ! ボクの身体、どうなって――ごぶっ、げほっ! やめ、離れろっ!」
「わぷ、暑い……お腹の奥、きゅんきゅんする……」
蟲の体液は強烈な媚薬。蟲たちはそれを気化させて、屋敷中に充満させていた。それを吸って発情しきった身体に、更に原液を浴びせ、飲ませていく。身体が疼いて仕方ない2人に、それを避ける術などあるはずもなかった。
「はぁ、はぁ……♡」
「わふぅ……♡」
子供たちが退いたころには、2人の秘部は愛液でびしょ濡れになっていた。子宮が疼いて立つどころか後退ることすらままならない2人を見て満足した「王」は、雛に抱えられて2人のもとへ近付いてくる。
「2人とも、すっかり出来上がっちゃったねー♡ 旦那様、どっちからお嫁さんにしちゃう?」
「王」が選んだのは犬子だった。仰向けに倒れる犬子ににじり寄ると、生殖器を突き出し威圧する。剣丞のそれとは全く違う剛直に、犬子は視線を逸らせないでいた。
これが入ってきたら、どうなってしまうのか。それだけが彼女の思考を支配していて、剣丞のことは最早頭から飛んでいた。
「それじゃ犬子のおまんこ、ご開帳~♡」
雛は蟲が性器を挿入しやすいよう、濡れそぼった秘穴を指で開いて曝け出させる。準備万端の秘部に、肉棒の先端が触れる。
「あっ、やっ、ダメっ」
挿入の寸前で剣丞のことを思い出した犬子は、ほんの少しだけ腰を引いて抵抗の姿勢を見せるが――
「んっ、ひゃああああああっ♡」
そんなものは、「王」の前では無意味な抵抗で。そして一度入ってしまえば、最早抵抗しようという意思は犬子から綺麗さっぱり無くなった。
一息に最奥まで達した肉棒が、犬子の子宮口をグリグリと穿り、その奥までも貫かんとする。
「お゛ッ!?♡ ほおおおお……ッ♡ なに、これ……♡ すごく、きもちいい……♡」
かと思えば、膣内を舐り上げるかのようにゆっくりと肉棒を引き抜き、ありとあらゆる敏感な個所を強烈に刺激してくる。
「あっ♡ それ、すごいっ♡ こんなの知らないっ♡ きもちいいっ♡ イっちゃうっ♡ もうイっちゃうぅぅぅぅっ♡ あっ、そんなっ♡ いまイってるのにっ♡ またイくっ♡ ダメっ、あああああああっ♡」
何度も何度も、焦らすような速度で肉棒を抽送する蟲。数回も繰り返せば、犬子の中から剣丞への想いなどは欠片も残さず消え去り、代わりに目の前の蟲への恋慕が埋め尽くした。それは蟲たちの体液の効果が生んだ感情だが、そんなことは犬子にとって些細なことだった。
「これ、剣丞さまとしてた時よりずっとずっときもちいいっ♡ あんっ♡ 好きっ♡ 蟲、いや、旦那様とするの好きですっ♡ 旦那様好きっ♡ 犬子、旦那様のお嫁さんになりますっ♡ だからもっと、もっと激しくして欲しいですっ♡」
「お、おい犬子、どうしちゃったんだよ!」
「あーあー、犬子もアッサリお嫁さん宣言しちゃった♡ まあしょうがないよね、旦那様と一度したら、もう旦那様しか見えなくなっちゃうよね♡」
「うんっ♡ 雛ちゃんの言う通りだよっ♡ もう剣丞さまなんてどうでもいいっ♡ 旦那様とずーっと子作りしてたいっ♡ はあんっ、やっ、くうううううっ♡ ありがとね、雛ちゃん♡ こんな気持ちいいこと教えてくれて♡」
「どーいたしまして♡ これからは犬子も、旦那様のために戦うんだよー?♡」
「勿論だよ♡ あ゛っ♡ 旦那様のが、犬子の、弱いところ、かき分けてぇ……っ♡ お腹の裏、何度も引っかいてる……っ♡」
「そんな……犬子……」
目の前で犬子が堕ちていくところを見ているしかなかった和奏。そんな彼女の瞳の奥にも、興奮と羨望が浮かびはじめていた。気付けば彼女の手は、自然と己の秘部に伸びていた。
「和奏ちんもすぐにわかるよ、旦那様がこの日の本で一番カッコいい男なんだ、って♡」
「あぁんっ♡ あっ♡ お゛ほぉっ!?♡ 旦那様の、犬子の中で、ビクビク震えてますっ♡ 中でっ♡ 中で全部出してくださいっ♡ すきっ♡ だんなさま、あいしてますっ♡ 犬子も、イきますっ♡ イく、イくイくイく、イっちゃう……っ♡ あっ、ふああああああああっ♡」
2人は同時に達した。白濁は犬子の子宮を埋め尽くし、それでもなお溢れた分が繋がったままの秘部から漏れ出してくる。同時に犬子の秘部から潮が噴き出し、蟲の腹をびしゃびしゃと叩く。
「すごい、いっぱい出てます……♡ お腹の奥、旦那様のでいっぱい……♡ あっ、んぷっ、ちゅっ、ちゅるるっ♡ れるれるれるれる♡ ちゅぱ、はぁ……♡ 接吻までしちゃったぁ……♡ どうしよう、旦那様好きって気持ちが止まらないよぉ……♡ あんっ、おっぱいもどうぞ♡ 犬子のおっぱいも、おまたも、これから一生、蟲のみんなだけのものです♡」
「犬子。おまたじゃなくてー、おまんこって言う方が、旦那様の好みだよ♡」
「わんっ♡ 犬子のおまんこ、これからいーっぱい使って、たーっくさん子供を孕ませてください♡」
こうして犬子も、蟲の「王」の妻となってしまった。その一部始終を目の当たりにした和奏は――
「あ、あの。ボクの、おまんこにも……♡」
「おやおや和奏ちん、どうしたの? 犬子が旦那様と結ばれるところを見て、羨ましくなっちゃったのかなー?♡」
普段の和奏なら、こんな軽口にも反論するはずだった。だが、彼女の心は、とっくのとうに蟲のものになってしまっていた。
「……うん。ボクも、そのおっっっきなおちんちん、入れて欲しくなってるんだ♡ おまんこが疼いて仕方ないんだ♡ だからっ、その……♡」
「和奏。おちんちんが欲しいなら、ちゃんとおねだりしないと」
「そうだぞー。和奏ちんは、どうなりたいのかなー」
一瞬の躊躇いもなく、和奏は四つん這いになり、尻を「王」に向けてびしょ濡れの秘穴を差し出した。
「……っ♡ ボクのおまんこを、立派なおちんちんで、メチャクチャにしてくださいっ♡ それで、ボクのことも、お嫁さんにしてくださいっ♡」
精一杯のおねだりが通じたのか、「王」は犬子から生殖器を引き抜くと、そのまま和奏の股座にあてがった。
「お゛っ、ほぉぉぉぉぉぉ……っ♡ 入って、きた……っ♡ なんだ、これ……♡ こんなの知ったら……♡」
「和奏ちんってば、入れる前から堕ちてたねぇ」
「ほんと、チョロいよねえ、和奏は」
「うる、さいぞ……っ♡ 犬子だってぇ、すぐ、堕ちてただろっ♡ あっ♡ それ、だめだっ♡ おかしくなるっ♡ 気持ちよすぎてぇっ♡ おかしくなっちゃうぅぅっ♡ お゛っほ♡ これすごいっ♡ お゛っ♡」
敏感な部分を何度も抉られ、その度に和奏は甘い嬌声を上げる。その姿には先程までの嫌そうな気配など微塵も浮かんでいない。メスの幸せを全身で享受しながら、身も心も蟲のものに染まっていく。
「好きっ♡ 旦那様、大好きだっ♡ 愛してるっ♡ ボクは、もう、旦那様だけのものだっ♡ あ゛っ、激しくなったっ♡ 嬉しいっ、旦那様すきっ♡」
「はーい、和奏ちんもお嫁さん宣言いただきましたー♡」
「わふ、良かったねえ和奏♡ 旦那様に幸せにしてもらえて♡」
「あ゛あ゛っ♡ ボク、もうイく……っ♡ うっ、ああああああっ♡ ああっ、今イってるのにっ♡ ずっと、激しいままでっ♡ こんなの、すぐイっちゃうっ♡」
蟲の激しい責めによって、和奏は一度高まった快楽から降りられなくなっていた。その状態でもお構いなしに蟲は抽送を続け、一突きごとに彼女を絶頂へと追いやる。
「う゛おっ♡ 旦那様も、気持ちよくなってくれてるのか……?♡ へへへ、ボクの身体で、旦那様がぁ……♡」
蟲の肉棒捌きがどんどん荒っぽくなってきた。絶頂の予感に、和奏は膣全体で肉棒を締めつける。
「だんなさま、ボクにも……♡ 犬子に出したみたいな、濃いせーえき、出して……っ♡ あっ、ああっ、イく、イくっ♡ イくイくイくイくっ♡ イっ…………くぅぅぅぅぅっ♡」
再度の射精。犬子に注がれたものと同じ量の精液が、和奏の子宮を勢いよく叩く。
「なかで、びちゃびちゃってぇ♡ でてる、こいのがでてるっ♡ んちゅっ、ちゅぷ、れろれろ……しゅき……♡ だんなさま、らいしゅき……れる、ちゅう、ちゅっ、れるれるれるれるれるれるれるれる♡」
上体を必死に逸らし、舌を絡めて互いを貪りあう、上品さとは程遠いような接吻。だけど和奏にとっては、自分を求められている気がして、幸福感でいっぱいだった。
「雛ぁ、ずるいぞ……♡ こんな幸せで気持ちいいこと、抜け駆けしてたなんてぇ……♡」
「そうだよ雛ちゃん、今日まで雛ちゃんが独り占めだったんでしょ?♡ 羨ましい♡」
「まあまあいいじゃん、2人もお嫁さんになれたんだからさー♡」
今日、彼女たちにとって最愛の人は、新田剣丞ではなくなった。蟲こそが仕えるべき主であり、添い遂げるべき夫となった。
それから3人は、夜通し交尾し続けた。
「旦那様、足でされるの好きなんだな♡」
時には、3人の足で、蟲の交尾器をしごき上げたり。
「すけべなんだぁ、旦那様♡」
「んーとね……戦うために鍛えられた足ですけべなことさせるのが、最高なんだって♡ 布の感触もいいって言ってるみたい♡」
「……そういえば、雛は旦那様の言葉がわかるのか?」
「うん♡ 一晩交尾したらわかるようになってたから、和奏ちんたちもすぐわかるようになるよ♡」
「へー、そんなものなんだ。あっ、旦那様のおちんちん、ビクってしたよ♡」
「ほんとだ、もうすぐ出そうなんだね♡」
「ほーら、しこしこ、しこしこ……すりすり、すりすり、旦那様、いつでも射精していいぞ……いや、してください♡」
「わお、和奏ちんが敬語使ってる。剣丞くんにも使ったことないのに」
「ほんとだ。和奏ってば旦那様にぞっこんなんだね♡」
「うるさいなー。ボクはもう、旦那様一筋なんだぞ♡ ほーら、全部出しちゃえ……ううん、出してください♡」
その言葉に反応するかのように、精液が発射された。天井までも汚さんばかりの勢いで飛び出したそれは、3人の身体を白く染め上げていく。
「わふっ、いっぱい出てます♡」
「この匂いも味も、本当癖になるよね……♡」
「毎日でも浴びてたいな、これ♡」
ひとしきり出した後でも、剛直は硬度を保ったままだ。3人は淫靡な笑みを浮かべて、秘部を自ら晒すように指で開く。
「次は、雛の中に♡」
「いや、ボクの中に♡」
「ダメダメ、犬子の中に♡」
「「「旦那様、はい、どーぞ♡」」」
時に、雛の子供たちと乱交したり。
「こいつらっ、元気だな……♡ 旦那様に射精してもらってわかったよ、雛の子供なんだろ?」
「そうだよ、紫の紋様が入ってるのはみーんな、雛が産んだんだ♡」
「いいなぁ……犬子も旦那様の子供、早く欲しいなぁ♡」
「大丈夫、すぐできるよ。雛なんか、初めてしてから2日で産んだから♡」
「んあっ♡ それなら、安心だなっ♡ あっ、出てる……♡ 旦那様に負けず劣らず、多くて濃厚だ♡」
「すごーい……犬子の子供も、こうなるかなぁ♡」
「犬子の赤ちゃん……大食いになりそうだね」
「だな」
「もー! 2人ともー!」
そして、夜更けごろ。「王」は肉棒を犬子の秘部に埋めたまま、その巨乳の先端に吸い付く。和奏と雛はそれに寄り添いながら、外殻を優しく寝かしつけるように撫でる。
「わふぅ……旦那様、赤ちゃんみたいで可愛い……♡」
「さっきまで和奏ちんをひぃひぃ言わせてたとは思えないねえ♡」
「雛だって旦那様にさんざん鳴かされてたじゃないか♡」
事後の睦み言。囁くように言葉を紡ぎ、その度に「王」の身体がもぞもぞと蠢く。
夫のそんな姿を見て、織田の三若と呼ばれた3人は更に夫を喜ばせるべく、誓いの言葉を並べ立てる。
「佐々内蔵助和奏成政、蟲である貴方を夫とし、愛し続けることを妻として誓います♡」
「前田又佐衛門犬子利家、旦那様の妻として、貴方のためだけに生涯を捧げることを誓います♡」
「滝川彦右衛門雛一益、旦那様の妻として、貴方の仔を孕み続け、産み続けることを誓います♡」
「「「旦那様。末永く、愛してくださいませ♡♡♡」」」
こうして、織田の三若と呼ばれた少女たちは、その全てが蟲の妻へと堕ちた。彼女たちが堕ちたことで、蟲たちは織田軍の攻撃が始まる前に、安全な場所へ避難することができた。
結果としては何の戦果も上げられなかったわけであるが、三若の表情はどこか晴れやかだったという。
その後に行われた評定で、三若たちはいつもの騒がしい調子で報告を行う。
「「「……♡」」」
ついこの間、雛がそうしたように。
その膣と子宮に、大量の蟲――3人が産んだ子供たちを入れたままで。
その日の夜。3人は雛の家に集まって、会議を行っていた。
「なあ、次はどうする? ボクらだけじゃ、剣丞隊はどうにもならないぞ。誤魔化すのにも限界があるし……」
「それなんだけど、雛に考えがありまーす」
「わふ? なになに? どんな作戦?」
「それはねー……」
雛は口を開く。次なる悲劇の幕開けとなる、その提案は。
「他のお家の人たちも、お嫁さんになってもらうんだよ♡」