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軽やかな声に呼びかけられた時、白百合の香りに吹かれた心地がした。高く澄んで、理知的な、奥深い人格。生塩ノアの声だった。
「先生、今日のミーティングの件ですが……」
銀髪の少女が駆け寄れば、はためくパーカーと、タイトにしまったスーツ姿。そしてふとこちらを見上げれば銀髪から覗く目は、淡く澄んだアメジストの色。それがぱっちりこちらを見つめてくるものだから、私は毎度心臓に悪い思いをする。ノアの至近距離での直視は、私の能く耐えるものではない。
「……あの、先生、どうかしましたか?」
「……ぁ、いや、なんでもないよ」
その声に、両目をつむってニッコリ笑う少女。それから再びこちらを見つめると。
「……♪」
目を細め、クスリと笑った。何かを見透かすような視線に、思わずドキリとする。この少女といると、どうも調子が狂う。主導権を握られっぱなしで、どころか手のひらの上で転がされて。その柔らかで優しく、イタズラな手のひらから私は、逃れられずにいる。
まごまごしている私を、クスクス笑うノア。
けれど私は、その視線に応えるすべも知らず、
「それでは先生、またあとで♪」
くるりと踵を返すノアに、かける声すら持たなかった。
「あ、あぁ……」
ふわりと広がる、長い長い銀髪。すらりとした立ち姿は、一人咲く白い百合さえ思わせる。その後ろ姿を目で追いながら。
私は、安堵ともつかない吐息を漏らした。
⁂
生塩ノアが謎めいていることに、異存はないだろう。
もちろん私も、仕事柄いろんな生徒を知っている。年齢に見合わないほど老成した子も少なくない。
けれどノアは、とびきりだった。
柔らかな笑みは本物なのに、どこか底知れない。けれど何かを隠しているのでもなく、恐ろしく自然体。何が起こっても動じないのに、純粋に目の前の世界を楽しんでいる様子だ。
ベールに包まれているようで、曇り一つない目で全てを見通すような少女。
不思議だ。本当は、上位存在か何かなのではないか。奥行きある捉えどころのなさは、魅力という他ないだろう。
けれど、淡々と記録していくそんな彼女も、退屈だけは苦手だという。変化を記述する、その特性ゆえに無変化は好まない。
そんな日々の無聊を、ユウカで紛らわせていた彼女。それが、新たな対象を見つけたらしい。
私だった。
「ほら先生、手が止まってますよ♪」
やおら肩元から覗き込み、作業の遅滞を笑う囁き。吐息が耳奥を撫でるような感覚に、思わずヘンな声が出る。おまけに、振り返れば目前に美少女のドアップ。肩に顔を乗せそうな勢いで覗き込むノアに、真正面から見つめられてしまう。
セミナーの執務室、静かな空間にいるのは私と彼女だけ。それがもう鼓動さえ聞こえそうな距離にいるものだから、驚くのは当然だった。
「い、いつからそこに?!」
「今です、たった今♪」
そう言って、ノアが目前の椅子に腰を下ろす。
「少し早く来すぎてしまったようですね? 前回少し遅れたのを、ちゃんと覚えていたみたいですね♪」
少し揶揄うように言いながら、深いアメジスト色の瞳がこちらを覗く。その超然とした包容力に、甘い引力を感じないでもない。
何を馬鹿な。私は先生だろうに。
そう思い視線を戻すと、そこにはクスリと笑うノア。
見透かされている。
「今日は色々とお教えくださいね? 先生は、大人の方ですもんね……♪」
私の隣に座り、耳元に囁く白百合の美少女。あの甘い声が耳内をくすぐり、鼓膜を撫でてぽそぽそ囁く。こぼれた柔らかな銀髪が、私の肩を、手を、膝を撫でて、滑らかな感触を残していった。もう少女話の香りは、ふわりとあたりに広がるばかりだ。
「まぁ、教えるものがあればね」
「ふふ、先生は本当に面白いですね♪」
平然を装う私に興が乗ったらしい。クスクス笑いながら、タイツの足先で私の脚を突き始める。女性的なほっそりした輪郭が、服越しに脛を、ふくらはぎを、足の甲をなぞり上げた。
すっかりわるい揶揄い方を覚えてしまったノア。過激な行為も、不動心の少女にとっては刺激のほうが重要なのだろう、まるで気にしていない様子。魅惑の黒スト美脚を絡め、妖艶な足つきで私を弄ぶ。つつき、なぞり、少しつねったり、甘く内股をさすったり。脚を上げればスカートの隙間から、むっちり肉付きの良い太ももが顔を現す。ぴっちりとした繊維をパツパツに広げる、太くエッチな極上の太もも。タイツ特有のマットな光沢を貼り付けて、椅子にむちむちと圧し広がるのが肉感的でたまらない。今すぐ、その感覚を確かめたいくらいだった。
「ふふっ、興奮してるんですか? 先生が生徒にそんなこと、しませんよね♪ ね? “先生“♪」
「ッ……! あまりそういうこと、大人には、しないほうがいいかな……っ」
「ええ、信頼してる先生だからこそ、出来ることです♪」
悟る。いや、悟っていた。私は、この華奢な少女に抗えない。精神的にも的にも、物理的にも、社会的にも。何かと奔放な私だって、一線を越えることはできない。なにより、よしんば全てをかなぐり捨てたって、私ではノアを押し倒すことすらできないだろう。キヴォトスの少女らと私とでは、力に差がありすぎる。ノアはきっとニコニコしたまま、私の腕を片手で止めてしまえるだろう。かつて戯れに腕相撲した時のように。
私は、この華奢な少女に、絶対に抗えないのだ。
クスクス笑い、煌めく瞳で、私の全てを記憶する女子高生。
それから、急に身を引くと、
「ほら、ユウカちゃんが来ましたよ♪」
爆発的な勢いで、ドアが開いた。駆け込んでくる黒髪の娘。カチリと時計が頂点を指した。
「す、すみません、待ちましたか?!」
「……ううん、待ってないよ」
「大丈夫、時間ピッタリですよ♪」
さしずめ、また問題児に時間を食われていたのだろう。息を乱しながら飛び込んできたユウカ。大した打ち合わせでもないのに時間を遵守したのは、気質だろうか、プライドだろうか。
「そんなに気にしなくても大丈夫だよ」
「ありがとうございます。まぁ今日は、忘れてくれない記録魔がいますし……」
席に座り、はぁ……っと頭を抱えるユウカと、お茶を出すノア。弱々しくカップを受け取る同期に優しく微笑むと、書類を配る。
それから、ストンと腰を下ろした。
いつものユウカの隣ではなく。
私の、真隣に。
「では、始めましょうか♪」
嫌な予感とともに、ふわりと漂うノアの香り。もう触れそうな距離にその華奢な肩がある。ユウカも何か言いたげな様子だが、それを許さない己との間で葛藤中の様子だ。そして、ノアにふわりと笑いかけられると、
「では、始めましょうか♪」
「え? ええ、そうね」
もう、何も言えなくなってしまうのだった。頭を切り替え、書類を広げて、
「それでは、オープニングセレモニーについてですが……」
仕事モードに入るユウカ。平常運転のノアはペースを崩さず、私の隣で頷いている。滑らかに動く時限爆弾の隣にいるようだ。
けれど。
けれどそれからは、存外平穏なもので、
「次はこちらで……」
「先生、こっちの書類も一応チェックを……」
つつがなく、そう、ひどくつつがなく処理されていく議題。前打ち合わせ程度つもりだったが、困難に見えた問題も、淡々と処理されていく。優秀な二人がいると話が早い。
「案外、早く終わりそうだね」
さすが冷酷な算術使い、などとユウカをからかう余裕も出てきたところで……。
不意に、視界の外からノアが顔を出した。
「時間もありますし、開幕式のVTRも確認してしまいましょうか♪」
ズイッと身を乗り出して、私の手にある書類を指し示す少女。恐ろしく長い白銀の髪がこちらに溢れ出る。
それだけじゃない。
「あの、ノア……」
「はい、なんでしょう?」
至近距離でにっこりほほ笑む美少女。だが、それに答えることはできない。当然だ。言えるはずがない。
──手が、股間に当たってる、だなんて。
「い、いや、なんでもない……」
震える声で言葉を飲み込む私。それが、ノアのお気に召したらしい。
そして、いきなり。
ジジジッ、と。
ズボンのチャックを、ズリ下げた。
「ッ?!」
あまりのことに、反射的に立ち上がろうとする私。驚愕する中で、物音にキョトンとするユウカと目が合う。そのイノセントな反応を、とてもじゃないが汚すことはできない。耐えるしかない。というより、耐えることしかできない。
「ユウカちゃん、動画、始まりますよ♪」
ノアの手前、彼女も仕事をおろそかにはできなかった。画面を見つめ、集中してしまう。もう、私の異変に気づいてくれる者もいない。
そしてノアは、閉じようとする私の脚をこじ開けて。
お目当てのものを、下着の中から引き出すと、
そのまま、指を絡ませたのだ。
「ひぅ……ッ?!」
「ダメですよ〜、静かにしなきゃ……。ユウカちゃん、気づいちゃいます♪」
その囁きに呼応するように、指先が私のそれをなぞりあげる。美しい指が、必死に自制する男性器をからかい、撫で上げ、そして、ゆっくり、ゆっくりと五指をそれに沿わせると……、
「我慢、しましょうね……♪」
“ぎゅっ♡“と、それを握ってしまうのだ。
「ッ……!!」
声が出そうになるのを必死にこらえる私。生徒にとんでもないことをされている、それだけで私の対処能力を超えていた。そうする間にも、白魚のように細いノアの指が、私のものに巻きつく、絡みつく。ひんやりと快い体温は静けさをたたえていて、けれど同時に漂ってくるのは少女のからかうような気配。やや冷たい温度が鮮明に指の感触を染みつかせ、ふにっとした柔らかさを感じさせていく。小さな女性の手。柔らかな細指。それに包まれ、握られて、私はもう抗えない。
そして、そのまま“ぎゅ、ぎゅうぅ……っ♡”と握りこまれて。
甘い手コキが、始まったのだった。
──すさまじい感触だった。
動作としては自慰と変わらない行為。それが、他人に触れられている、それだけで性行為に変わってしまう。ノアの意思が私に染み込む、性感帯に囁きかける。優しく優しく、けれど的確に快感を煽り立てる指使い。美少女に触られているという事実が、生々しく脳裏に刻みつけられる。
おまけに、その甘い手の感触は極上で。小さな手がぴっとり性器に吸い付き絡みつく、その事実だけでどうかなりそうなほどだった。
“ずにいぃ……ッ♡”と先端へ搾り上げられ、再び練りつけるように根元へ滑らせられる。その軽い一ストロークだけで、ジンジンとした快感が先端に凝結していった。
「ダメですよ〜……♡ ダメ、動いちゃ、ダメです……♡」
あの落ち着いた声が、ウィスパーボイスで私の耳を凌○する。ASMRのような、極上の囁き責め。内耳を舐めくすぐるような吐息と、脳の中から響くようなノアの美声が、あまりに神経を興奮させる。強烈な快楽だった。
「ふふ……♪ もうこんなになってしまいましたね♡ ユウカちゃんの目の前なのに、だらしなく感じてしまうんですか? ……あはっ♡ ビクッて感じたの、しっかりわかりましたよ♪」
手が汚れることも、彼女の不動心を揺るがすものではなかった。指先をカリ裏に滑らせると、ぎっちり握りこみそのまま刺激するノア。その手技は、明らかに私の弱点を探り当てていた。初めは知らないおもちゃを相手に、色々と試していた様子の手つき。それが彼女の持ち前の理解力でもって、加速度的に成長していたのだ。
「ここの音楽の入りは、もう少し早い方がよくありませんか?」
音を隠すためだろうか、VTRの音量を上げるノア。天佑にも思えた。それは、ユウカからの発覚を紙一重で守ってくれるはず。そう思う一方で。
それは同時に、過激な手コキをも許してしまい。
「もう逃げられませんね♡」
私は、容赦なく股間を攻め立てられるのだ。
「私にそんなところを握られて、どんな感覚ですか? こんなふうにしっかり握られて、私の細い指に巻きつかれて…………、こう♪」
“じゅぷっ♡ じゅぷじゅぷじゅぷッ♡♡”と激しく私を責め立てる美少女の細指。艶かしく裏筋を撫であげたり、カリカリと鬼頭を撫で回したり、音が漏れそうなほどめちゃくちゃにシゴきまくったりと、その所作は○問レベル。潮吹きでもさせようというかのような執拗さと強烈さは、私の全てを掌握していた。ただただ気持ち良い。そして絶望的なまでに果てしない。今も常に囁きかけるノアの美声が、その快楽を何倍にも増幅させた。
頬にかかるサラサラとした髪、そこから漂う女の子然とした甘く華やかな香りと、押し付けられた巨乳の弾力。むっちり腕に推し広がり、そのまま“むにぃっ♡“と谷間に挟まれれば、いよいよリビドーは鰻登りだった。女性の指、髪、香りに乳房、その甘美さが、意識してはいけない相手だからこそ背徳的に衝迫する。
もう私は、快感にガタガタと震えるばかりだ。
「ちょっ、ちょっと先生、どうしたんですか?!」
「大丈夫ですか? 先生、無理はなさいませんよう」
気遣うように声をかけるノア。ユウカの視線に私を立たせ、関節手に快感を増幅させるつもりラシア。
そして、心配して私を覗き込むように顔を近づけると、
「今イッたら、私、ユウカちゃんにバラしちゃいますよ……♪」
ぽそぽそと、そう囁きかけたのだ。
「……ッ!」
「大変ですね先生、ご体調でも悪いんですか?」
私の驚愕を無視して、気遣わしげに頭を撫でてくれるノア。ヨシヨシと優しいその手つきは、けれど容赦ない手コキとともに私を挟撃する。“ヨシヨシ♡ かわいそうかわいそう♡”という風な甘い手つきと、苛烈な責めの同時攻撃に、頭がバグをきたしそうなくらいだ。
そして、その手を下ろすと……、
「えいっ……♡♡」
そのまま、両手での包み込み手コキを始めてしまうのだ。
「ぎっ?! っ、~~~~~!!!!」
凶悪だった。逃げられないようぎちぎちに片手でペニスを握りしめながら、もう片手で無防備な亀頭にその滑らかな手のひらをこすりつけるのだ。先端を磨くように、円を描いて撫でまわす極上の手のひら。女性の柔らかな手が、ふっくらした起伏や繊細な指紋でその感触を変えていく。まるで○問器。まるで快楽の万華鏡。可憐な少女に、私はなす術がない。ただひたすら、そのエッチな手のひら責めに悶えるだけ。
「なるほど。そこが弱点ですね? 覚えました♪」
無防備に握られて手のひらの中、赤裸々に自分の好きな箇所を伝えてしまう私の男性性。それを、最も有能で最も記録に長けた少女に知られてしまう。すぐさまその学習は手コキにフィードバックされ、快感は指数関数的に高まった。
そして、いよいよ沸騰、という時になると。
「だめですよ~? ちゃんと耐えるんです♡ 耐えて~、耐えて~、……ギュっ♪ あはっ、ビクッてしましたね♪」
パッと手を止め、がっちり握り込み。煮える快楽が少し引くまで待つ。気遣うフリして吐息を吹き込み、耳をはみ、耳の中で囁いて、油断したところを“ぎゅっ♡“と握りしめる。そして、ゆっくり、ねっとり、正確無比な刺激で私を手のひら地獄へと落としていった。
まるで、ノアの小さな手のひらの上で飼われているかのようだった。すべすべの手のひらから湧き立つ、強烈な快感。そこから逃げることも止まることもできず、もみくちゃにされる。ストロークと囁き、甘いからかい。それが、繊細かつ強烈なテクニックで私を握り犯し続けた。
おまけに、カリを締め付けられ。指のリングで、執拗に執拗にイジめられ始めれば。
「ひぅ?! ッ、〜〜〜!!!」
私は机に突っ伏し、ガタガタと震える他ない。ユウカの立ち上がる音が聞こえる。素っ頓狂な声も響いてきた。けれど、それを上書きするように、ノアは耳の中にエッチな唇で囁きかけ……。
「おば〜かさん♡」
そう言って、更に甘美な窮地へと立たせるのだ。
「すみません、ユウカちゃん、ちょっとアレ、取ってきてくれますか?」
「アレって?」
「保健室のキットです」
「わ、わかった!」
そう言って、小走りに去っていく少女。
そして、パタンとドアが閉まると、
「ふふっ♪ では、私たちも……」
一転、甘い声で少女は言った。
「限界、試してみましょうか♡」
そう囁いた。
「わかりますね? 先生なのに、生徒の、女の子の手に、無様に、惨めなものを、吐き出すんです♡ それとも、ユウカちゃんに見られるのがお望みですか? ユウカちゃんが真っ赤になって立ち尽くしてる前で、私にこのまま、搾り取って欲しいですか? ふふ、それもいいですね♡」
あからさまに狼狽えるのを、見逃す彼女ではなかった。
一度、目をつむってニッコリ微笑むと、
耳に、直接触れるほどに唇を近づけて、
その、悩ましい吐息で、吹き込むように、
──イ・ケ♡
そう、囁いたのだ。
「ッ────!!!」
耳の中を吹き荒れる呼気、脳を直接舐め上げるようなウィスパーボイス。それと同時に最も気持ちいい場所を“ぎゅちッ♡ ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅうぅッ♡“とシゴきあげられるのだから凶悪だった。今まで麻痺していた快感が一斉に鮮明になり、神経の中を暴れ回る。
まるで、ペニスに詰まった栓を、一気に引き抜いたような快楽だった。
声にならない声を漏らし、突沸する快楽。
白熱するような絶頂で、ノアの手の気持ちが脳に刻み付けられる。
それでも、ノアは止まらない。
美少女の指先が艶かしく私を包んでシゴきあげ、極上の一撃を何度も何度も加えている。もうイッている。なのにやめてくれない。ニコニコしながらノアは、“まだイケます♪ まだ残ってますよ♪“と言うように追撃をやまないのだ。
そして、○問のように手の中に搾り取られ続け、二度、三度、幾度となく、めちゃくちゃにイカされ続けるのだ。
指のリングでシゴかれ。
手のひらで磨くように撫で擦られ。
イッたばかりの性感帯を、残酷なまでに刺激し続けるノア。耳をイジめるのも忘れない。手の気持ちよさを、何度も何度も私に教え込む。優美な手つきで私を犯し尽くす美少女の手。その中で、もう私は煮えるような快楽の中に閉じ込められていた。
そして、私が気絶するように脱力したところで、
「あはっ♡♡」
ノアの美声が、脳と耳をくすぐり○す。
「ユウカちゃんには、病気で早退したって伝えておきます♪ ついでに資料もシャーレまで届けてもらいましょう。それでは先生、私は汚れを落としてきますので……♡」
そう言って、席を立つと。
「♪」
銀髪の美少女は、あっけなくも。
足取り軽く去ってしまったのだった。