ひぽひぽ堂 2024/03/03 20:26

艦長ライザ EP2.

「すごい…」
「たった二機で、あの追っ手の数を食い止めている…」
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あの後、まもなく敵の追っ手は現れた
ライザ達が載っていた艦からも間髪入れずに二機の機動兵器が出撃する
一機は戦闘機型
もう一機は軍が秘密裏に開発した最新の人型機動兵器だ
ギュオオオ!!!
バシュン!!バシュン!!ビシュン!!
ドオンッ!!
遠い彼方、真っ暗闇の宇宙空間で繰り広げられる激しい戦闘
いくつものビームが走り、時々大きな爆発が起こる

「××大尉もすごいけど、あの少年もすごいな…」
「何者なんだ?××博士の息子って言ってたが…」
艦のブリッジ内―
ライザの近くに座るオペレーターの男二人が、映し出される映像を驚愕の表情で見つめ喋っている
「…」
同じく見つめる、無言のライザ
(まさかこのようなことに…本当に直面するとはな…)
戦場で起こった不思議な逸話。そのようなものは資料でいくつも見聞きはしたが
まさかそれを身に染みるような形で体感するとは…
今自分たちが無事であること、それを証明するのがこの映像だ
たったの二機で何倍もあった敵勢力を減らし続け、そして優位に立ち
今、敵は撤退の動きを見せつつあった…
(…大したものだ…あの金髪のパイロット…)
(そしてその横に居た、あの青年も…)


その夜
件の青年にあてがわれた部屋を訪れたライザ
部屋が開くとライザはすぐに中に入りドアにロックをかける
青年は「どうしたんですか?また敵ですか!?」と聞いた
「いや、違う」
「今日の戦場での働き、ご苦労だった…見事だったぞ」
いつもの淡々とした口調で、青年の目を見て喋るライザ
青年は女性に慣れていないのか…挙動不審気味だった
「見事な成果を出した者には、褒美が与えられなくてはならない…大昔からの決まりだ」
「受け取れ」
そう言ってライザは…青年にキスをした―
その夜が、二人の初めての夜だった―…

(続く)

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