ひぽひぽ堂 2024/03/24 15:45

館の主イザベラ EP6.

●次の日の朝。屋敷の敷地内の庭にて―
元気に働く青年の姿がそこにあった…
用意された朝食は美味しく全部たいらげた
イザベラ様の綺麗なお姿も見れた
今日は素晴らしい朝だ!
昨晩はたっぷり眠れたし、しっかりご奉仕するぞ!と青年の表情はハツラツとしていた
庭に出る前にイザベラ様が
「ちょっといいかしら」
と顔や首、耳の裏を見てきたのはなんだったのだろう…
と青年は思ったが、そんなことはすぐに忘れた
昨晩のイザベラとの情事のことは、もちろん覚えていない―

●屋敷の二階。庭を見渡せる窓がある廊下にて―
働く青年の姿を見守るイザベラの姿がそこにあった
青年の両耳の裏には「印(しるし)」が「半分」できつつあった…
今夜また「儀式」を行えば、「印」は完璧なものとなるだろう
…そうなれば、青年は死ぬまで「サキュバス」の誘惑にかかることは、ない…
青年から視線を外しイザベラは自室へと戻っていった…

あの夜、村長が聞いたのは「サキュバス=淫魔」たちの声であった―
大昔から度々あの村では若い男が不審な死を遂げていた。それは淫魔たちの仕業であった
それを救ったのがイザベラの祖先の一族…魔術に精通した家系の者たちだった
淫魔たちの誘惑の声を無効化する「印」―
それを魔術によって成人した男たちの耳に刻む―
それから村では男が不審な死を遂げることはなくなった…
そして何十年も経過し村は平和であったのに…なのにあの夜聞いた"声"…
どこかへ消えたはずの淫魔たちが戻ってきたのだろうか…?
村長はすぐに決断し、現在の館の主であるイザベラに助けを求めた
イザベラもそれに答え準備を進める…
青年が食べる食事に混ぜるための"秘薬"を調合したり
儀式を行うためのベッド(青年が寝る)の下に
"魔法陣"を仕掛けたり…

その日の夜…
イザベラは再度青年が泊っている部屋のドアをノックした
(…これもまた我が一族の成すべきこと…)
ドアが少し開き、昨日の晩と同じような虚ろな表情の青年の顔が覗く
イザベラは艶やかに「入ってもいいかしら…?」と聞いたのだった…

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