先日、Wedge Whiteの音声作品処女作「小悪魔天使の誘惑」がDLsiteにおいて150セールスを達成しました!
更に現在は伸びていて、155本もの売上を確認させていただいております
初めて販売する作品で、ここまでの反響をいただけるだなんて……と、ただただ感激している今日このごろです
そういう訳で、今回は改めてWedge Whiteがなぜ音声作品を作り始めたのか
そして、実際に製作した「小悪魔天使の誘惑」の手応えはどんな感じだったのか、など。4つのトピックに分けてお話できれば、と思います
おお、なんだかすごくそれっぽい……!
という訳で、トピックは以下の通りになります
・どうして音声作品を?
・天使ルカ誕生秘話
・ルカに命が「吹き込まれる」ということ
・これからの展望
なんだかすっごく高尚なこと言ってるみたいですが、大体全部エロについてです
なお、最後に私、今生康宏からの150DLのお礼小説、および田中トムさんによるイラストがございます
しばらくなっがいコラムが続きますが、最悪、そちらを読み飛ばしていただいても、ぜひ、作品の方はお楽しみください!
どうして音声作品を?
こちら、Ci-enはDLsiteに作品を公開してから利用し始めたため、そもそものWedge Whiteというサークルがなんなのか、ということをご存知の方はそう多くはないかと思います
Wedge Whiteというサークルは、当初はゲーム製作チームとして出発しました
この「チーム」という言葉は個人的にミソだと感じていて、サークルというよりも、よりストイックに、創作に打ち込む集まり。正に「ゲームを製作するためのクリエイター集団」ぐらいの気持ちでいました
現在もその意識は大きく変わってはいませんが、なんとなーく、世に言う「同人サークル」より、ちょっとおカタいストイックな雰囲気を漂わせつつ、その実、和気あいあいとしているコミュニティとなっています
そして、チームとかサークルとかいう表現をしていますが、在籍しているのはシナリオ担当の私、今生康宏と、イラスト担当の田中トムさんの2名だけです
当初製作していたのはADV形式のノベルゲームであったため、シナリオとイラスト、というのはゲームを構成する上での最小単位であると言えます
製作ツール自体は、複雑なプログラミングを要求されない「ティラノスクリプト」を使用していたため、シナリオである私がそのまま、シナリオをスクリプトに打ち込みつつゲームを作り上げる、という役目を果たし、田中さんに立ち絵やUI素材、CGを製作していただく、という分業で進めていました
もちろん、シナリオを私が担当するといっても、「こんなシチュあるとよくないですか?」だとか、相談していた上で進めていて、完全に一つの作業に専念する、という形ではなかった訳ですが
そうしていく中で完成したゲームが、Wedge Whiteの処女作「白雪舞う夏の日々」という全年齢フリーゲームです
色々と手探りの中で生み出されたゲームですが、それなりに満足していると思える出来栄えで、その年の「ティラノゲームフェス」にて、佳作入選をさせていただきました
かなりオーソドックスなゲームとなりましたが、それまでは基本、小説ばかり書いていた私が「シナリオを見せる」形に仕上げていった試みとして作ったものが評価され、確かな手応えを感じていました
そして、約1年のインターバルを挟んで、2作目である「5.5インチのマド」が発表されました
こちらは、当時新技術であった「ティラノストーリー」という、チャット形式で会話を見せることのできるティラノスクリプトのMOD(という表現でいいんだと思います)の技術導入作的な色合いの強い短編ゲームですが、この作品において本格的にWedge Whiteというチームの「色」が、美少女との日常もの、といった感じに決まっていきました
ただ、この辺りであるひとつの「限界」が見え始めます
Wedge Whiteはそれぞれ、本業を抱える同人チームであり、当時進めていた大規模なゲーム製作は実際的に、中々作業を進められない
「ゲーム素材」というものを考えた時、立ち絵の表情差分、衣装差分、そして作品を彩るCG、シナリオ面でも、選択肢のない一本道のゲームはあまりに味気ないため、選択肢による分岐。分岐先もきちんと作り込んだテキスト、そして自然な合流のさせ方など……
必要なものはあまりにも多く、同人活動2年目のチームでは、中々上手くはいかない。成果らしい成果を上げることもできないまま、時間だけが流れていく……というひとつの焦燥感の中、私の方から提案させてもらいました
「最近、私はゲームシナリオやボイスドラマシナリオを作る機会が増えてきたんですが、Wedge Whiteでも音声作品をやってみませんか」
と
理由は単純で、音声作品は究極、シナリオとキャラデザさえあれば、後は声優さんの演技で成立するためです
決して、音声作品を「軽く見ていた」訳ではありませんが、長編ゲームを作るのは中々しんどい。かといって、このままずっと活動を停滞させるのも「つまらない」
ならば、比較的、リリースを進めやすいであろう音声作品で、お互いに経験を積むのはどうだろう、という結論に至ったのでした
また、単純に「白雪」は部分的にボイスのある作品でしたが、この作品の時点で、「自分たちの創作物に声がつく」ということへの喜び、手応えを感じていたため、ボイスドラマという媒体で、しっかりと声が付いたのを見てみたい、という願望もありました
そういった形で、Wedge Whiteは一度、ゲーム製作をやり遂げるため、音声作品の方へと舵を切る形となりました
こういう表現をすると、なんとなく言い訳めいて感じるかもですが、これは新たな道の模索、そして修練のための「転進」といえるものであると、当時の私は信じていました
必ずまた、ゲームの世界には帰ってくるぞ、と
天使ルカ誕生秘話
さて、Wedge Whiteの音声作品第一弾「小悪魔天使の誘惑」のヒロインはご存知、ルカちゃんです
とにかくおっぱいがおっきくて、頭いいけどエッチで、優しいけど小悪魔な色々と二面性のある子です
このキャラクター自体は、実は音声作品に向けて作られたものではなく、当時なんとなくの「アイデア」として私が持っていた、R18ゲーム向けのキャラクターの一人でした
この時のルカは、バストサイズが並~巨乳ぐらい、というざっくりとした設定だけがあり、神様である主人公の助手的なポジション、というやはり現在のルカとはちょっと違った味付けのされているキャラクターでした
ですが、キャラクターの性格としては今よりも真面目でしたが、大体同じ感じで、このヒロインをなんとか形にしたい……!という気持ちがあり、栄えある一作目のヒロインにしよう、とシナリオを書き進め始めました
さて、突然ですが私、ここ数年の間ずっと「小悪魔」という概念について考えていました
小悪魔だ、小悪魔的だ、という表現は見ますが、つまりは小悪魔ってなんなんだろう、と
そう考える内に出来上がったのが「つまりは誘いヘタレ受け」なんじゃないか、というものでした
多分、完全に誘惑に成功し、その上でとことん搾り取っちゃったりしたら、それは「完全な悪魔」「大悪魔」なんだと思います
ただ「小悪魔」なんだから、ちょっと抜けている。適度に可愛い。エロいだけじゃなく、ちゃんと可愛い
そして、その属性がなんと可愛いのだろう……
そういう発想から、いまいちこう、エロエロになりきれないルカという人物像ができていきました
本編のルカの本番シーンは、ルカが小悪魔たるゆえんのシーンであると考えています
逆にそれ以降のルカは吹っ切れてきているので、しっかり悪魔的かもしれません
そうして出来上がったルカのシナリオを田中さんにお見せして、そこで私はこう言いました
「ルカのキャラデザは全て田中さんにお任せしていいですか」と
今まで、ゲーム作品を作る際は、明確にキャラデザを私の方から指示させてもらっていました
その方が恐らく、田中さんもデザインを作りやすいでしょうし、シナリオとしても、ある程度の容姿を想定しながら書いているので、そこの意識のの共有は計るべきだろう、と
しかし、今携わっているのは音声作品
究極的に音声作品のキャラデザというのは「イメージイラスト」であり、きっちりと規定されるものではないと思っています
そのため、音声を聴いた結果、公式のキャラデザとは異なるキャラクター像を思い浮かべる方も少なからずいると思います
ならば、と
あえて完成したこのシナリオを田中さんに読んでもらった上で「田中さんの思うルカ」を描いてもらおう、と思ったのでした
そうして出来上がったルカは、ご覧の通りです
ルカの髪は、天使としては珍しいであろう水色をしています
王道の天使というと、金髪であったり、後は白髪であったり。黒髪の天使もそう珍しくはないと思います
しかし、あえての水色。これには田中さんによると、ルカはエッチな天使な訳で、ならば王道から外れた。元は金髪だったけど、少し色あせてしまったかのような青系がいいと考えた、ということです
これが本当に「ああ!」と手を打つ発想で、改めてルカのキャラデザをお願いしてよかった、と感じた瞬間でした
確実に私が指示を出すなら、金髪でお願いしていました
しかし、こうしてできあがった水色髪のルカが今では最高にハマっていると思います
ちなみに、なんですが……ルカを金髪にしたイラストも存在します
今からすると、なんだかむずがゆい……!そうは思いませんか?
ただ、意外と悪くはありませんよね。癖がなさすぎて、やっぱりルカっぽくないな、と感じてしまいますが
とにかく、こうしてルカが形作られ、後は音声作品として肝心かなめの声優さんを選ぶ、という段階に突入しました
そして、ルカがいよいよ声を発し、生きる存在となる訳ですが……
ルカに命が「吹き込まれる」ということ
ルカのボイスは篠守ゆきこさんにお願いしております
改めて、本当に素晴らしい演技をされる声優さんで、たとえルカに決まらなくとも、何かしらの依頼をしたい……!と思えるお声だと感じたのを今も覚えています
キャラクターボイスの依頼、検討についても、もちろん私と田中さんの二人で行っているのですが、ルカは透き通るような透明感のある、奇麗な声の人にお願いしたい、という方針になり、篠守さんに依頼をさせてもらうという運びになりました
前述の通り、意外とルカは二面性があり、物語の進行と共に色々な面が見えてくるキャラクターのため、サンプルボイスについても、各トラックごとの色々なルカをお願いさせてもらい、演技の方向性を決定していくことになりました
そうして届いたサンプルボイスは、実は当初「これ完全にルカじゃん!」となるものではなかった、と感じています
というのも、しっかりとしたボイスが付くというのは初めての経験であり、恐らくこちら側の想像力が欠如しているといいますか。受け入れ体制が万全ではない中、サンプルボイスをいただけて
「あ、ああ、これ、ルカか……そ、そうか。そうなのか……」と、戸惑いが大きかったのを覚えています
しかし、繰り返す聴いている内に、どんどん馴染んでいき、ルカの絶妙な柔らかさ、のようなものを感じられる。しかしなよっとした弱さはない。本当に彼女らしいボイスを考えた上で、演技していただけたのだ、と感じられました
この時、改めて声優という職業の方。および声優さんによってボイスを当てられることにより「キャラクターに命が吹き込まれる」ということを理解できた気がします
はっきり言って、文字の世界で生きている私にとっては、文字だけで表されていたキャラクターにビジュアルが付く時点で大事件です
しかし、ビジュアルの付いたキャラクターが更に可愛い声で喋り始める――それを体験した時に生まれる感情たるや……
ガチ恋ですよ
我が子に真剣に心を奪われるという体験をしました
そして、篠守さんにはぜひとも、このままルカを演じてください、とお願いして、完成した音声データを編集している間も、常にルカに圧倒されっぱなし
なんというか……本当に可愛いんですよね、彼女
テキストの時点で可愛く、愛してもらえるキャラクターにしていたつもりですが、それを篠守さんが完璧に演じてくださったお陰で、圧倒的に推せるんですよ
そんなこんなで、幸せな気持ちで編集作業をすることができました
と、ここでまた制作秘話
実はルカの音声編集にあたって、結構な数のSEを自前で用意しております
具体的には、衣擦れの音や水音など
ただし、用意した素材はほぼほぼ使われていません
当初はパイズリ時や抽送時、SEを鳴らそうとは思っていたんですよ……
しかし、どうやってもチープになってしまう
声優さんのボイスを邪魔しかねない、ということで、ほぼほぼSEはなしで、ボイスを活かす方針になりました。そのため、結果的にかなりのお手軽編集になっています
オナホを指で鳴らしたり、虚無感に耐えながら色々がんばったんですけどね
今思えば、あのSEをはなくてよかったんですよ……
でもまあ、音声データ自体は残ってるので、もしなんらかの需要があるようなら無料公開とかします。クオリティ低いっすけどね……
という感じに、なんとか本編データが完成し、公開となった次第です
ただまあ、めちゃくちゃ緊張というか……
リアルに10分おきに反応見てました
たとえてみるなら、なんでしょう
高校の合格発表が届くのを一日千秋の思いで待ち続けている中学生みたいなもんですよ
初めての受験、初めての合否
横になって待つのも、じっと座って待つのもできず、ただただ座布団を抱えてぐるんぐるん周りながら待つ時間……そしてやってくる郵便屋さん。封筒を開くとそこには……
なアレです
あっ、いえ、販売状況に合否はないので、不適当なたとえでした
とにかく、販売数増えないかな……!あっ、お気に入りは増えたな……!おおっ、ちゃんと売れてる……!
と、ドキドキバクバクしながら、日々を過ごしていました
そしたら、発売1週間で100本売り上げてしまっていて、まあ、普通に有頂天ですよね……
だって、ですよ
リアルな話、我々はその時点での力を尽くしたつもりですし、素晴らしい声優さんにもご協力をいただけました
しかし、Wedge Whiteは業界的には完全なる無名
売れると考える方が楽観視し過ぎている訳です
もうなんというか、10本売れればいい方なんじゃないか……とすら考えていました
こういうネガティブになってしまうのは、田中さんや篠守さんに失礼なことだとは思うのですが、実績がないだけに、必要以上にネガティブになってしまっていたのが実際です
しかし、結果は本当に嬉しい……ありがたい……突然始めた「音声作品」という未知の分野への挑戦が、間違ったことではないのではないか、と自信を持たせてくれるものになりました
――最初の挑戦は間違いなく大成功
そう確信しつつ、Wedge Whiteはまた一歩先へと進むことができました
これからの展望
さて、もうここまでで長くなってしまっていますので、ここからはさくっと
Wedge Whiteはこれからもまだまだ、音声作品の製作を続けていく方針です
ぶっちゃけもう、販売予告させてもらっている「月灯」の他、後もう1作品がボイス依頼の段階まで進んでおり、更にもう1作、シナリオをばんばん書き進めている段階にあります
更に更に、キャラクター設定ができているものは……
とりあえずもう、10作品はストックあるんですよ
まだまだまだまだ、残弾はございます。というか、その上で更にアイデアは増えていっています
これからもWedge Whiteは様々な属性、シチュエーションに挑戦し、そして、たくさんの魅力的な声優さんともご縁をつないでいくことができれば、と考えています
Wedge Whiteとしては、申し訳ございませんが、ユーザーの方々からのリクエストなどは募集しておりません。これは単純に、同人活動というものが、自分自身の欲求を満たし、そして上手いことそれを楽しんでいただける他の方々がいるならば、その方々にも楽しんでいただく、という性質のものであると考えているためです
誰かに求められての製作では、恐らくモチベーションが保てないと思いますし、それに、リクエストを募ったところで、あの人は採用された、この人は採用されていない、という不平等が生まれてしまう危険性がございますので、絶対に今後もリクエストの募集、および(勝手に)寄せられたリクエストへの対応はないとお考えください
密やかに応援さえいただければ、それで十分であると考えておりますので、どうぞこれからも末永くよろしくお願いいたします!
細かいことは抜きにお礼です
はい!という訳でなっがいコラム部分を読み飛ばしていただいた方はお久しぶりです
きちんと読んでいただけた方は、ありがとうございます!私です
ええ、ええ……そろそろアレのお時間です
前回のピンクルカのタピオカイラストは、先に田中さんにイラストをお送りいただけたものに、私が小説を付けるという形でしたが、今回は逆に私の小説に田中さんがイラストをいただけました
とはいえ、キャッチーなのはやっぱりイラストですので、まずは先にそちらをどうぞ!
あんまり長々と御託を並べるのもアレですし、後は作品だけ置いておきますので、どうぞお楽しみください!!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
エッチだけどエッチじゃないでもちょっとエッチなコミュニケーション.pdf (3.20MB)
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