どくへび紹介その6「ヤマカガシ」
『ヤマカガシで~す!皆はあたしのことヤマちゃんって呼んでます。可愛いモノを集めるのが大好きで、特にカエルちゃんのグッズが好きです!カエルちゃんはいいですよねぇ、可愛いし美味しいし…え、食べない?そんな~おいしいのに~~ッ』
解説
ヤマカガシは日本国内の北海道と小笠原諸島以外なら何処でも見ることができる毒蛇で、日本の固有種です。
「カガシ」というのは日本の古語で「蛇」という意味です。
つまり、ヤマカガシというのは「山の蛇」という意味なのですが、実際の彼らは平地や標高の低い場所に住んでいます。
背中部分に赤と黒の美しい斑紋が交互に入っているのが特徴なのですが、これは関東地方に多い体色で、色に関しては地域変異が多く、注意が必要です。
最近になるまでこの蛇は有毒種として認識されていなかったのですが、その実、国内の毒蛇の中では最強の毒を有しており、種類はマムシやハブと同じ出血毒です。
そしてこの蛇は毒牙とは別に首の付け根あたりの表皮にも毒があるのが特徴で、敵に攻撃された際などに敵に付着し、攻撃します。(なのでヤマカガシの首を叩いたり切ったりすると毒が飛んできて目に入ったりするかもしれないのでやめましょう)
また、実はこの毒はヒキガエルが有しているもので、ヤマカガシたちはヒキガエルを食べた時にその毒を吸収して利用しているとのことです。(そして、ヒキガエルはヤマカガシの大好物です!)
2つも毒を有している凶悪な蛇のように思う方もいると思いますが、本種による死亡事故は過去50年ほどでたったの5件しかありません。
その上、彼らはとても臆病な性格をしており積極的に噛みついてくることはありません。
さらにこの蛇は奥歯が毒牙となっており、しっかりと深くハムハムされない限りは毒が入らないことも多いそうです。
日本に住んでいれば見る機会が多い蛇ですが、とても優しい生き物なので虐めたり追いかけたりせずに彼らを見かけたら温かい目で見守ってあげてください。