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夢姫 2024/03/29 19:44

天月詩織、うちのしおりんの事とか

うちのしおりん…詩織は藤崎詩織からとったが…YouTubeで有名な天月という坊屋が出てくる以前…自分が26位の時だから、もう14年以上前に考えたキャラである。





無限の魔力をもつセティルという奴が、自分の世界から禁忌を犯し、地球という星を発見しそこに住む自分たちと似ている人間に興味を持った。
だが、姿かたちは似ているが、魔法文明ではないし色々問題がある。
そこをどうにならないかとシュミレーションという名目で魔石に魔力を送り込み様々な世界を構築しそれを本に変えて仲間たちに見せたりしていた。

本の世界の住人はモブは兎も角、メインキャラは自分の世界の住人を模していたが(寿命がない、魔法がつかえる、新陳代謝がないため汗もかかないし、食事も必要とせず排泄行為もしない)初めて完全に人間を模したのが彼女である。

仲良し3人組みのクールビューティーで、皆の頼られ役鏡の巫女としての力を持っていて、詩織の周りには生半可な亡霊は近づくことができず、
詩織自体は幽霊などに憑依されることがない、学問も料理もでき、なんでもそつなくこなし、完璧に見えるが実は恋愛事には疎い。
詩織が小さいころに事故で両親は他界してしまい、ある程度のお金と、あまり大きくはないが遺してくれた一軒の家、
そして幼馴染のあゆや朱の家族や近所の人たちの助けもあって、頑張ってやって来れた。
詩織も助けてもらってばかりじゃなく、自分のことくらいちゃんと出来る様にならないと、と頑張り、家庭的なことは勿論それ以外のことも一通りできるようになった


初めはこの程度の設定だった。


天月詩織とあゆと朱の茶店みたいなところで

あゆと朱とのちょっとした何かの妖怪?だかなんだかの会話で・・・・

あゆ「かわいい子とか綺麗な子は食べられちゃうみたいなんです~、怖いですぅ」

朱「う~、あゆちーとかはかわいいから食べられちゃうかも!?」

あゆ「えぇ~それはいやですぅ・・・・詩織ちゃんだって嫌ですよね?」

詩織「え?そうね、食べられるのは嫌ね・・・・」

朱「大丈夫!しおりんなら平気だよ!」

といった朱は、詩織に叩かれると思い、少し身構える

詩織「そうね、わたしは別にそこまでかわいくないから、平気かもしれないわね」

あゆ「え?」
朱「・・・・ふぇ?」

少しの間、呆気にとられたように詩織を見つめる二人

詩織「?どうかした?」

朱「えっと、、しおりんは強いから!大丈夫だって、、、」

詩織「そうね、二人が食べられそうになったら助けるわ」

朱「ぁ、ぇっと、ねぇ、しおりん・・・・本気で言ってるの??」

詩織「え?なにを?」

あゆ「あ、あの、詩織ちゃん、自分がかわいくないって、、思ってるんですかぁ??」

詩織「え?そうね、ふふ、ブスっていわれたら流石に怒るけど、、あゆや朱に比べたら、全然だと思うわ」

詩織「それに、ほら、あゆとか朱は告白、とか、されたことあるじゃない?私は無いもの、だから・・・・」


詩織の言葉をちょっとごめんねといって制し、背を向けた後で二人は顔を寄せ合ってボソボソと話す

朱「やばっ、しおりん本気で言ってるよ、これ・・・・」
あゆ「・・・・みたい、ですねぇ・・・・」
朱「あゆちーはどうおもう?」
あゆ「詩織ちゃんがかわいいかどうか、ですかぁ?」
朱「うん」大きく頷きながら朱は言う
あゆ「当たり前ですけど、、敵わないって思うくらい、、綺麗で可愛いですぅ」
朱「・・・・・・・」

あゆの言葉を聞いて、朱は詩織に向き直り、あゆもそれに従って詩織を見る

詩織に振り返ると同時に、あゆが自信を持った声で言う

あゆ「詩織ちゃんは、可愛くてとっても綺麗ですぅ!」

朱もあゆの言葉を追うように同意する

朱「うん、冗談とかからかうとかじゃなくて、あゆちーの言うとおりだよ!」

詩織「・・・・もう、二人してなに言ってるのよ」

詩織「二人とも慰めてくれるのは嬉しいけれど、自分のことだもの、わかってるわよ」

あゆ「・・・・・・・」

あゆは驚いて口元に手を当てて、小さなため息とともに詩織をみつめる

朱の方も心底呆れた様なため息をつきながら、腕を組んで少しおいた後、詩織から目線を逸らして言う

朱「しおりん・・・・それ、絶対にほかの娘とかの前で言わないほうがいいよ」

詩織「え・・・・?」

朱「あのね、ボク達はしおりんが本気で言ってるって、わかるけど、ほかの人には嫌味にしか聞こえないと思う」

あゆ「わたしも、そうおもうですぅ・・・・詩織ちゃん、自分がどれだけ人気があるのかわかってないですよぉ・・・・」

朱「あと、誰にも告白とかされたこと無いって、しおりん言うけど、そんなことないじゃん」

あゆ「ですぅ・・・・わたしも男の子から詩織ちゃんのこと聞かれたりしますし・・・・」

朱「ボクもしおりんのこと話してるの、何度も聞いたことあるよ」

詩織「ふふ、男子たちが私のことを聞くのは、私が委員長だからよ」

詩織「悪ふざけとかしたときに、私に見つからないためにとか」

詩織「何より、男子は私がいると逃げていくじゃない」

詩織「男子っていつまでも子供みたいだけれど、そいうのって大事だと思うし、微笑ましいと思うけど」

朱「そういうんじゃなくて、、~~の花?みたいな、もぉおおお、しおりんってば自分のこと全然わかってないよ!」

あゆ「ですぅ」

詩織「そうかしら?ふふ、二人ともありがとう、なら少しだけ自信を持つようにするわ」

微笑みながら、まったく嫌味っぽくなく言う詩織に、あゆと朱は詩織はこうところは完全に本物の天然なんだなぁ、と思いながらも、朱は更に言う

朱「あ~もう!!しおりんだって告白とかされたことあるじゃん!」

あゆ「そ、そうですよぉ!」

詩織「え・・・?ああ、ふふ、そういえばあったわね、、でも悪ふざけみたいなものだったんじゃないかしら?」

朱「え、、しおりん、あの後とか合ってないの?ボクたちがいたから、あんなこと言ったのかなって思ってた」

詩織「合うも何も、あの場でちゃんといったじゃない、私なんかにそんな事いわないで、もっといい人にちゃんといいなさいって」

あゆ「で、でも、本気だったんじゃないですか?」

朱「そ、そうだよ!!別の人にだってラブレターもらってたじゃん!」

詩織「あったわね、一生懸命書いてくれたみたいだけれど、わたしはそんな気がないし、、直接言ってきた彼と同じような事をいって断ったけど・・・その後二人で、賭けに負けた見たいな事話てるの聞いたから、叱っておいたわ」

詩織「それに、その後は別に誰からもなにもないわよ」

あゆ「・・・・・・・」
朱「・・・・・・・・」

それはそうだろう、詩織に告白した二人の男子は、学校内でも1,2位を争うくらいモテる上に、性格も運動神経も頭もよく、いがみ合うどころか、その二人は親友同士で仲がいいのだ。

後々、賭けがどうのこうのも、男子特有の負け惜しみのようなものだったのだろう・・・・。

その二人がフラれた、ということで完璧に詩織は高嶺の花として認定されてしまった、だから誰もその後で告白をしようなどとは思わなかったのだろう。

詩織「特定の男子との付き合いとかに、興味がないわけじゃないけれど、今はまだそんな気にはなれないしね」

あゆ「ふふ、、わたしもみ~んな、断っちゃってますけど」

朱「うん、ボクも面白そうだけど、あゆちーやしおりんがいれば十分楽しいし!」

あゆ「わたしもですぅ~」

詩織「そうね」

あゆ「でもでも!詩織ちゃんは可愛くて美人ですよぉ!」

朱「あゆちーのいうとおりだよ!」

詩織「はいはい、二人とも、もうわかったからこれ以上からかわないで」

と、いうようなことがあり、詩織は自分の容姿に関していえば、相当な美人だということをまったくといっていいほど自覚していない


詩織が小さいころに事故で両親は他界してしまい、ある程度のお金と、あまり大きくはないが遺してくれた一軒の家、そして幼馴染のあゆや朱の家族や近所の人たちの助けもあって、頑張ってやって来れた。勿論、可哀想な子というような目で見てくるものもいないわけではなかったが…。

詩織も助けてもらってばかりじゃなく、自分のことくらいちゃんと出来る様にならないと、と頑張り、家庭的なことは勿論それ以外のことも一通りできるようになった

出来るようにはなったが、無理がたたったのか大うつ病を発症してしまう。
寛解するまでに、幼児期と小学生時代をほぼ棒に振り、中学2年生あたりでようやくよくなった。
あゆと朱がその間に色々と世話をしてくれ、引きこもってでてこない詩織にノートPCをプレゼントしたりもしている。

大鬱が治る直前、中学の頃にODをして自殺未遂をした経験がある。あゆや朱が心配する中、何日も眠り続けた。
他人の言葉、心配もあゆや朱の詩織ちゃんが大切という言葉・・・そのすべてに傷ついてはいたが…眠っている間に悪夢を見続け、その最後に、本当に自分を傷つけていたのは自分自身であることに気が付く。
そこから、月のものが取れたように 本来の自分 になれた。
他人の言葉が原因、外からの刺激が原因だけれども…自分で自分を傷つける必要なんてないこと。それに気が付くことができたのだ。

詩織のつけている眼鏡は、伊達眼鏡であり、高校生になり夢姫学園の委員長になったときに、委員長なら眼鏡!みたいなことを朱がいって、あゆもそれに賛同しそのすぐ後で二人からもらったものである。
宝物である。PCも古くなっていて使い物にならないが、いまでも保管してある。
詩織事態は貧乏性とまではいかないが、親の遺した保険や財産で暮らしていた為、計画的にお金をつかう癖がついており、服装なども控えめな値段の物である。アルバイト経験などは3人そろってない。というか住んでいる所が田舎なのでほとんどなかったのが大きい。

夢姫学園は田舎町にあるが、学力自体はそれなりというか、かなり高く、一部では有名校である。
定春を理事長としセティルが校長をしている夢姫学園と霧月学園というレオン・霧月・ブラッドレインという男が運営している学園があり、この二つは姉妹校である。
夢姫学園は高等部で、霧月学園は中等部なので、霧月学園を卒業した生徒が夢姫学園に来ることも多い
両学園とも学力だけでなく有望そうな生徒には学費を無料にしたり、学問自体も将来社会的に役に立つようなことを教育するというのもあり、非常に人気及び評価が高い。
夢姫学園の空と緑と土を基調としたブレザータイプ、霧月学園の白を基調とした清楚なセーラー服と制服もまた一部のマニアから人気である。

**この様な絡みが出来上がり…。


更に、その生涯と最期も多分書くことはないかもしれない外伝に書いた。


詩織=うつ病になった詩織を朱が時雨が贔屓にしている、牧場セイマブライアンがいたところへとつれてくる。

「詩織、ちゃん?・・・なに、してるの?」

「・・・ぁ・・・なんでもない」

「なんでもないって・・・手首から血がでて・・・」

「ぇ・・・?ぁ・・・わたし、何してるんだろう・・・なんでかしら、こうしたら、おちつい、っ!?」

「ばかぁ!!!」

「いつも、いつも、私たちがどんな気持ちでいるのか、わからないの!?」

「だったら、そっとしておいてよ!!こんなところに連れて来られたって!!」

「詩織ちゃんなんて、もう知らない!!・・・っ、それ、渡して」

「・・・・・・」




「・・・いたんだ、しおりん」

「っ・・ぇ・・っ・・・」

「・・・しおりん」



「あゆちー」

「手首、自分で切ってたんです」




「あゆちーだって、ちょっと前までは、間延びしたしゃべりかたしてたのに、いまは、一生懸命、普通に話そうとしてるよね」

「だって、私たちはもう大人なんですよ!」



「だったさ、やめちゃいなよ」

「・・・ぇ?」

「しおりんが元に戻るようにすることも・・・しおりんの友達でいることも」

「ぇ・・・?なんで、そんなこと、言うです、か?」

「しおりん、泣いてたよ」

「あの時と同じ顔してた」

「いいよね、僕たちは・・・あゆちーは家がお金持ちだし、僕もそうだし・・・」

「家族とも仲がいいし・・・。でも、しおりんには 家族 は居ない」

「ねー、あゆちー・・・あの時は僕たち、小学生に上がる前だったよね。しおりんが立ち直るのは、中学校にあがるくらいになってからやっとだったよね」

「あの時だって、すごく時間かかった・・・それでも、しおりんはちゃんと」

「でも!!わたしたちはもう、お仕事とか大学とか、っ・・・もう大人なんだから、あのときとはちが」

「それができないならやめちゃいなよ!!・・・あゆちーがやめても・・・僕はやめないから、心配しなくても大丈夫だよ」

「ぁ・・・そんな、こと・・・」

「・・・えいっ!!」

「はぐっ!!」

「ぇ・・・?なぐっ・・・なにするですかぁ~!!!!」

「しおりんは、もっと痛かったと思うよ」

「・・・・・・」

「このまま、見捨てるの?僕たち、しおりんの家族になってあげるって、あの時言ったよね」

「・・・・・・」

「ここで見捨てるなら・・・そんなの、家族でもなんでもないよ」




「ごめんね、詩織ちゃん・・・つい、カッとなっちゃって・・・」

「しおりんが、また、元気になるまで・・・僕たち、ずっと一緒だからね」

「わたしに、そんな価値なんて・・・」

「詩織ちゃんに 価値 なんて、つける人がいたら、ぶん殴るですぅ~」

「でも、でも・・・誰も私を必要となんて・・・」

「僕にはしおりんが必要だよ」

「なんの役にも立てない、から・・・」

「いままでも、詩織ちゃんは、すっごく役に立ってくれてるですよ~」




「ぉ~、なんか、大きな声が聞こえたと思ってきてみたら・・・美少女3人おそろいで~、おじさんの顔、覚えてる~?」


「わっ!顔が、近い近い!」


「ん?クンクン・・・風呂くらい入れてやれよ。物がいいのにもったいないぜ~?そんなんじゃ、股開かねーと誰も相手してくれなくなっちまうぜ?」

「・・・そう、すれば・・・私を必要としてくれる?」

「ぁ?・・・あらま、こりゃ重症だな」

「物は良いんだから、んなことしなくても平気だよ」

「・・・でも、わたし、彼氏とかできたことない、し・・・誰も、わたしを必要となんてしてくれてない」

「はぁ~?・・・そりゃお前、男のほうに見る目がないだろ・・・ってか、マジで言ってんのか?だとしたら、もうちょっと、回り見たほうがいいと思うけどねー」




「はぁーやれやれ、馬の話を聞きにきたつーのに・・・。それより、マジなのか?あの娘がだれにも相手にされなかったっての」

「そんなことないですよ。詩織ちゃん、告白とかされて、告白してきた人が、学校内でも特に人気のあった二人で・・・でも、その二人共を詩織ちゃんは断ったんです」

「あーそれで、その男を振ったことで逆恨みされたとかか?」

「逆です。男の子の方も恨み言なんていってないですし、周りの人もそうです。でも・・・高嶺の花だって、思われちゃったんです。詩織ちゃん、委員長もしてて、頭もよくて・・・すごく頼られてたんですよ」

「なるほどな・・・でも、あーなっちまうんだよな・・・」

「経験があるみたいな、言い方ですね」

「ま、長く生きてるとな」

「詩織ちゃんが言ってる、相手にされてないとか、誰からも必要とされてないとか、根も葉もないことなんです。本当は全部その逆なのに・・・」

「そうなんだよな。けどよ、そう・・・思い込んじまうんだよな」

「ぁあ、そうです・・・言い忘れる前にいっておくです。詩織ちゃんは、私の、私たちの大事な 家族 です。 だから、次にあんな事いったら・・・ぶん殴りますよ?」

「あ?あんな、こと?」

「股を開かないと相手にされない」

「ぁ?・・・あぁ~あれは、言葉の綾だよ・・・あそこで食って掛かって、くるとかなら、そこまででもなかったんだが・・・ありゃ時間かかるぜ?」

「覚悟の上です」

「・・・幸せな奴だな、正直、羨ましいぜ」

「それ以上の幸せを、私たちは詩織ちゃんから、もらってますから・・・それと、もし、なにか辛いこととかあったら、話くらいは聞いてあげますよ」

「ちょっと前なら、その言葉に甘えていたかもな・・・だけど、まぁ、いまは、なんつーか・・・間に合ってるつーか・・・でもまぁ、ありがたく受け取っておくぜ」


若干飛び飛びだが、大学卒業あたりの3人の設定を付け加え…**



市議会議員から衆議院議員へとなった 天月詩織氏 暗殺、凶弾に倒れる。

このまま政界に立ち続ければ、いつかは女性初の日本首相になれるとも言われていた、天月詩織議員が演説中に銃で撃たれ死亡した。

犯人はその場で取り押さえられ、その後の事情聴取で殺人の動機は、やくざと癒着しているのにもかかわらず、過度に弱者の味方をする姿勢が気に入らなかった、などと供述しているとのことです。

天月詩織議員暗殺の犯人、寺島昇が刑務所内で死亡。

天月詩織議員殺害の犯人である、寺島昇受刑者が刑務所内で死亡するという事件が起きました。

天月詩織議員の関係者からの手紙を読んだ直後に自殺したものとして、警察では調べが進められております。


うちのじいさんが市議会議員だったのもあり、安倍さんが暗殺される数年前にこの設定をいれ…。



殺害された天月詩織氏所有の天月牧場で生まれた クルセイド G1オークス勝利。

天月詩織氏が所有していた牧場をその後も維持し続けた 新地あゆ、浅間朱氏 二人の軌跡と故天月詩織氏との関係を今夜ノーカットで放送。

「その筋の人と仲がよかったて言われてますけど、その通りなんです。けど・・・詩織ちゃんの事を知ってる人や知ろうとしてる人なら、きっと気づいてるはずです」

「そーそー、しおりんが殺されて、ボクたちより怒ったのって、時津組とかやくざの人たちなんだけど、、なんでかって言うと、しおりんは、ただやくざとかを責めているだけじゃ駄目だって、気がついてたから」

「うん、だから、そういう人たちから、話を聞いて、それで、ああいうことしてたの。あの人たちも、本当は・・・。みなさんは考えたことがありますか?もし、そうなるしかない、そんな状況だったらって・・・」


やくざは必要悪であり、この世がどんなに理想的になろうとも、それに適応できない人たちが必ず出てくる。
そういった者の受け皿となる場所が必要であり、反社会的な者の集まる場所が必要なのだ。
そのような組織がないと、ゴキブリが野に放たれるが如くであり、治安維持という名目ではなるべく一か所に巣をつくり集まってもらった方が楽なのだ。

「こういった意見にも賛同はしていたというのは?」

「事実です。勿論そこまで乱暴なことは詩織ちゃんはいってないですけれど、その意見自体は間違ってはいないだろうし
なぜ暴力団のようなマフィア的な組織が存在し、警察組織も根絶を掲げているのにも関わらず、無くならないのか?などの理由の一つととらえていたと思います」

寺島昇受刑者に自殺を決意させた手紙を書いたのは、あゆ氏だった!?

「・・・そうです。きっと、あの手紙を読んで、自分で・・・わたしも考えました、わたしが殺しちゃったのかなって・・・。でも、やっぱり、許せなかったんです。けど、本当に許せないのは、詩織ちゃんを死なせたことじゃなくて・・・。なにが、あの世に詫びに行くですか・・・そんなこと望んでたわけじゃないです。自分が殺した人は、本当は自分を一番理解してくれた人かもしれない、それを知って、あの人は死んだんです」

「くそずるいよね」
「本当に、くそずるいです!」

弱者の存在理由について

「誰でも弱者になりうるというのが理由の一つですし、詩織ちゃんも精神的な障害を抱えていたんです。ただ、そういった意見に関しては詩織ちゃんも、うまく言えないけれど、そうしたいから、といってました」

「私も同じで、困っていたりした人がいたら、助けようとするじゃないですか?それと同じで…ただそれが、目の前の人を助けることと、理想で全ての人を助けようとするのは違うというのはわかりますし、助けるには色々なものが必要になってきますからそういった意見がでるのもわかります。けれど…もしそれが無くなったとしたら、どうします?どうなると思いますか?」

「僕も別に独りで何でもできる人間じゃないし、助け合いは大事!」

事故などでは致し方ないと思うが、初めからカタワだったり、精神障害をもっている人は優生思想的にも遺伝子的にも必要がないのではないか?

「差別的な事に聞こえますけれど、間違ってないと思います。馬の世界ではそういったものは淘汰されてしまいますからね…優生思想や血脈などの思想を体現した場所だろうなと私も思うときがあります。ですけれど、それはサラブレッドである馬の話で、明確に速く走ればいいと言う目的があるからできることなんです。そういった一つの物事についてだけいえば、優生思想も間違いではないんです。でも、人にそれを当てはめることはできますか?何が正しいのか…今現状それが正しくても、変わってしまう事がある、それに対応するために多様性を認めていかなければならない…詩織ちゃんが求めた世界も、いつかは間違いだとされてしまうときがくるかもしれないです…一昔前はそうでしたから」

「僕たちって存在する価値があるの?みたいなのはよく聞くよね。しおりんも同じ事いってたことあるし…理由とか価値とかつけたがるけど…気にしすぎないほうが良いんじゃないかな?生きづらくなっちゃうだけな気がするし…けど、弱ってるときとか気分が沈んでるときはそんな考えもしちゃうよね。そんなときは…考えない事!考えないようにする、逃げてるだけだっていう人もいるけれど、僕がそんな気持ちの時にしおりんも言ってたんだ、考えすぎないのって…で、しおりんがそんなときは僕が同じこと言ってた。
出来るかできないかはわからないけれど、嫌な考えが浮かぶ時って何考えても嫌になるようなことばかりだからね…そういうときは考えない初心者を目指そう!」

助けると言うのは確かに聞こえはいいし、できるならそうしたいけれど、自分たちにもそんな余裕はない
他にも、お金がないなら子供産むな、誰かを育てられるほど自分に能力があると思っているのか?そもそもこれだけ人間は増え続けているのになぜ産む意味があるのか?所詮産む側のエゴに過ぎないのでは?

などの意見も届いてますね。

「そうですね…おっしゃる通りだと思いますし、その意見もわかります。助けようとして手を取ったけれど、結局無理で…途中で手を離された人も痛いですし、離した人も心が痛いはずです…そうならないように、助けるべき時はよく考えたほうが良い…わかります。子供に関しては…命には限りがある物だからこそ、伝えたい事を伝えてゆくためただと考えています。それが親のエゴで子供には選択肢がないと言われると、その通りだからこそ宝物の様に育ててほしいと思います。
助ける事と育てる事…どちらもまた、自分たちに余裕があってこそだと…頭ではわかっていても、体が動いてしまう事ってあると思います。そのどちらも正しくて…だからこそ難しい問題で、答えの出ない問題だからこそ考えて行かなければならないことなのでしょうね」

「僕も虐○とか見るとなんで産んだの?って思うときがあるし、子供作らないの?って周りから言われちゃう問題もあるし、助けるなら最後まで助けなよって思うときもあるけれど…そんな簡単に割り切れたらいいよね」

ここで、別の質問が届きました…あ、いえ、質問の答えに対する質問というか…

「見せてください」

あ、いや…かなり個人的な感情もかかれているので質問部分だけをかいつまんでお伝えします

生産性がない人間にも生きている価値はあるのか?…あ、朱さん、いや、これは…見ない方が…。

「…お前らのように家庭環境も良くて、金にも周りにも能力にも恵まれている、そんな奴らが底辺のことなんてわかるはずがない、お前たちはみんな偽善者だ、そうやって弱者を救うとかいっておきながらビジネスにしてそのうちにどちらかを切り捨てるんだ死ねって書かれてるね。しおりんの事も殺されて当然だって」


「尻軽、顔だけ、苦労知らず、弱者を客寄せパンダに…詩織ちゃんは、そんな人じゃないです。あなたに見えている詩織ちゃんは寺島さんに見えていた詩織ちゃんと似てますね…。
もう一言言わせてくださいね。

なにもしらねーくせにわかったようなことほざかないでくれます?

…あなたの質問に答えますね。生産性がない人、社会の歯車にもなれなかった人は、あなたの言う足を引っ張り、税金を使い生きているだけの邪魔な存在だという乱暴な思想を否定するつもりはありません。
ただ、私たちがそうしたいだけです。片方を助けたら別の片方に負担がかかるのはわかっています。だけど、だけど…誰かを助けたい、誰かの為にって、そんな考え方って綺麗じゃないですか…
私たちは、あなたの言う生きる価値がない、そんな人でも生きられる社会をつくりたいんです。勿論理想論なのもわかっています。
その為の税金や枠組みとか、あなたのように考える人たちのこととか、どうするんだってことも沢山…沢山あります…それでも誰かを助けたいって」

「それに、あなたも弱者ですよね?本当は助けてほしいんじゃないですか?…それなら、来てください。ご飯とケーキとお茶くらいしかだせないですけど、話くらいは聞いてあげますよ」

「しおりん殺したあいつも、本当はそうだったみたいだしね~…あゆちーのケーキ美味しいよ。牧場で馬の世話してみたり、あと山の中でキャンプ出来る所もあるから、スマホとかきんだいへーきとか忘れて自然の中で考えてみたら?」

番組スタッフの一人も…

「・・・実は、わたし・・・詩織さんが議員をしているときに、失業してまして・・・。食べるものにも困りホームレスに・・・そのときに、詩織さんが、炊き出しをしていて・・・何度もそこで飲食を・・・後から詩織さんが私財を投げ打ってやっていたのだと・・・っ、できれば、本人に・・お、ぉ礼をしたかっ、た!」

「あのなかには、こわーいおにーさんたちも混ざってたんだよ!」

「でしたねぇ~・・・その後、やくざをやめて、人のためになるようなことをしだした人も、いましたね」



「フラグメンツブルーと~、そうですね~、インタールードですね」

ここで天月議員の話に戻りますが、天月議員の事を知りたいという言葉も多く来ております。

「詩織ちゃんの事は、天月牧場のブログでも書いてありますけれど、そうですねぇ~」

「しおりんは、一言で言っても最高だったよ。可愛いし綺麗だし…頭もいいし」

「ですねぇ~、それだけじゃなくて、学生の頃から高嶺の花みなたいにいわれちゃってましたけれど、詩織ちゃん自分の事とか、恋愛の事とかはあまり得意じゃないでしたねぇ~」

「だよねぇ~、自分が余り可愛くないとか言ってたし!自分の事だからよくわかるとか言ってたけどさぁ、自分がどれだけすごいのかわかってなすぎだよ!」

「そんなところも、詩織ちゃんの魅力ですねぇ~、あと、信じてもらえないかもですけれど、学生の頃のお化けのはなしとかもあって~」

「美鈴っち!…あ、美鈴っちは僕たちの大事な親友の一人で」

その番組は、涙と笑いが一つになる、そんな終わり方だった。



「ちょいと、まった!聞きたいことがあるんだが、いいかい?」

「あの二頭以外に、もう一頭いいのがいるんじゃねーかぃ?」

「・・・そのこは、、たぶん、走らないです」

「へぇ~、そうかい?あれだけの血統だぜ?」

「レースではない、別の場所できっと、花が咲くと思います」

フラグメンツブルーはその後、桜花賞とオークスを勝ち、三冠は取れなかったものの、エリザベス女王杯を制した。

「霧島大和騎手は前日のレースで落馬、騎手は変わりましたが、さて、どうでしょう、同郷のフラグメンツブルーに続けるか、楽しみですね」

「ええ、そうですね。大和騎手もひどい落馬だったのにもかかわらず、暫く安静にしていれば、とのことですし、不幸中の幸いでしたね」

インタールードは、日本ダービーを勝ち、天月牧場はオークスとダービー同時制覇となった。

そして残った一頭・・・アマツキとハルカゼの血をひいたアマカゼは・・・あゆのいうとおり、レースでは振るわなかったものの、その血筋から顕彰馬を何頭も送り出す大種牡馬となった。


尚、この天月牧場の快挙達成の最中、天月詩織議員と交流があり、通称 鉄の女 と呼ばれていた劉白蘭議員が日本初の女性首相となる。帰化こそしているが、元は中国人であったため、若い頃は数々の誹謗中傷に晒されていた。
そんな折に、天月議員と知り合い、意気投合。お互いに福祉に力を入れ、差別や偏見、社会的弱者の救済などで結託、双璧 と呼ばれていた。

「私たちにも余裕なんてない。誰かを助けることによって、自分もいつかは…恩送り、恩返し、情けは人の為ならず、巡り巡って自らの為になる。それを実行しているだけよ」

「政治家なんてやるべきじゃない。どんなに良い事をしても認められて褒められることは殆どない。あなたに会うまではそう考え始めていた」

「懸け橋になる…その為には地盤を固める必要があった。大きな目標の為に、まずは小さなことを…口で言うのは簡単…正直諦めかけていた。けど、あなたと一緒なら…できそう」

天月議員が凶弾に倒れた際にも冷静に対応、その後も、後を引き継ぐ形で政治社会に貢献した。

「腹部に二発、胸に一発…そして顔に…わかるでしょ?」

「顔がね、砕けているの…砕けているのよ…お願いだから見ないであげて」

「報道の自由…撃たれた時の映像はすでに流れている?…そう、なら好きにすればいい。
 彼女や彼女を支持していた人たちからどう思われるか、その覚悟があるならね」

…彼女のプライベートなどは明かされていないが、首相になったその夜、自宅に置いてある天月議員の写真の前で 「あなたがいればもう少し楽ができたのに…」と一言だけ呟き、一献の酒を傾けていたという情報が嘘か誠か流れたが、この件に関して、劉議員の反応は「首相となった彼女の…詩織の補佐役に徹し支え合う事が公私ともの夢だった」と答えている。
日本初の女性首相が中国人である事に反発が起きるだろうと言う反対派の懸念は今の所杞憂でおわりそうである。…何より劉議員は天月議員の正統な後継者であり盟友である。今までの実績も確かなものがある。彼女は鉄の女…実力で黙らせるタイプだ、不幸にも倒れた盟友との誓いを20年以上が立った今でも護り歩み続けている。日本のマーガレット・サッチャーともいわれる劉白蘭首相の今後の展開に私の期待は高まるばかりである。

「詩織がいたら楽ができたわ。…私だけじゃなくこの国そのものがね」

天月議員が撃たれた時、光輝く円状のものが護ろうとした…その 鏡 の様な物は銃弾に当たると粉々に割れて、彼女の鮮血と共に飛び散った。今でもその時の動画を見ることができる…あれは何の光だったのだろうか?

「あの娘は…この国の守護神に認められていたの…誰も信じることはないでしょうけれどね」

「美鈴…今忙しい?…そう、あなたと出会ったのは詩織がいなくなってからだけれど…感謝しているわ あなたのコネというと言い方が悪いけれど、コネクションには助けられてきた。詩織が目指した世界 …どこまで近づけるかわからないけれど…。え?あぁ…そうね。あなたは、そうね。感覚でそうして 今でも人を救っているわ。けれど、人には感覚ではなくて、理論的に言葉で伝えることができないと 納得しない人もいるのよ。…そうね、自分の心のままに…何が正しいと思うのか、詩織は詩織、私は 私、わかっているけれど…あのこの存在は…そうね、ありがとう…。
 積もる話もあるし…私が相談したいだけなんだけれど…今度時間が出来たら、あなたの所に行っても いい?…あゆと朱も?…そう、いいわ…正直あの二人は苦手だけれど…同じ、詩織の…ごめん…あの こに縛られすぎよね…え?ご飯…?そう、そうよね…鯛のお茶漬け、あれが美味しかったわ」

あゆと朱…あの二人は割り切れている…美鈴も割り切っているが、あの二人とは違う…。
詩織が故人であるという認識…私も勿論しているし、美鈴もそうだ…だけれど、あの二人とは違う…これは嫉妬に近い感情だ…私はいまだにあのこの陰にその存在に、その思想に、その生き方に…縛られている…今でこそひかえているけれど酒を浴びるように呑みだしたのも…ほんと、鉄の女が聞いてあきれるわね。



「詩織ちゃんのせいにしないでもらえます?全部白蘭さんがやってきたことですよ。詩織ちゃんじゃないです。詩織ちゃんは死にました。死んだんです。もういないんですよ…もういない、いない…白蘭さんがやってきたことは…詩織ちゃんがしたことじゃないです。全部、あなたの功績です。詩織ちゃんがあなたを走らせたことは間違いないです…けどもう、詩織ちゃんを…休ませてあげてください。
白蘭さんの中では…詩織ちゃんは生きているんですね、けどそれは死者として生きているわけじゃない本当にそこにいるように白蘭さんは感じている」

「そうそう、しおりん…疲れちゃうよ。でも僕は、ううん。僕もわかるよ…しおりんに縛られるっていう気持ちが…しおりん、すごいもんね…自然に出来ちゃうんだ。言葉で説明しなくても、会えばわかっちゃう」

「詩織は詩織…あなたは、あなた…詩織の想いはあなたの中で芽吹いている…いまも、生きている。それは大事、でも、詩織は、あなたを生かすことはする…けどもし理想の為にあなたが犠牲にならないといけないのなら、その理想を違う形にしようとする…詩織は、そういう人…それでもだめなら…詩織は一人の犠牲で全てが丸く収まるのなら、全てを犠牲にして滅びる方を選ぶ…これは自分が犠牲になれない場合…自己犠牲の部分だけを見れば、あなたは詩織と同じ…私も、白蘭と同じ…でも、詩織は…そういうのを嫌がる」

「…あなたたちに何がわかるの?…政治はそんな綺麗事では済まされない…詩織は、あのこの理想を叶えるには、いえ、私が目指している夢を叶えるには、けど、それを他者に求めることは出来ないわ…だから」

「やめてください…白蘭さんは詩織ちゃんじゃないんです。詩織ちゃんは…詩織ちゃんなら…」

「私は!!…私は、あのこの、詩織の生き方に憧れたのよ。一度はあきらめた理想を、形こそ違うけれどあのこを追う事で叶えられた…だからっ!!」

「やっぱり、しおりんはすごいよね…すごすぎる人って、それだけで誰かに影響しちゃうんだ」

「詩織の存在は、大きかった。とても、言葉にできないほどに…私なりに考えて…あのこが望んだ世界にするには、考えて、考えたわ…そうしてたどり着いた…けれどまだ、あの子が描いた理想には遠いのよ…上に行けば行くほどに、見えてくるわ…けれどそれがなに?日本のトップになったからといって、何かを変えることはそう簡単にはできないわ…まだ、全然足りないのよ」

「白蘭さんのすごい所は、そこですね。ただ詩織ちゃんを摸造するんじゃなくて、自分なりに解釈して自分なりに進んでいく所、すごいと思います…もう、白蘭さんは首相です。この国の一番の人になりました…これからこんな風に会う事もできなくなるでしょう…けれどあなたは一人の人間です。矢面に立たされて…白蘭さん一人がそんな思いを背負う必要はないです」

「…詩織はそれを嫌がる。自分がそうなることで済むならそうする…けど私がそうしたら怒った…。そんな矛盾をもったのが詩織…私は、そんな詩織が好き」

「…見えるのよ…詩織の…砕けた顔で笑っている姿が…見えるのよ…今でもあの子は、私の隣に、そこ にいるのよ…」

「白蘭さんにはみえるのですか?…私には詩織ちゃんは見えません…」

「僕にも見えないよ…ただ、近くにいてくれるているのを感じるときはあるけど」

「…詩織は…もういない。白蘭の想いが詩織の形になってそこにいるように見えるているだけ…けど、あなたにとってはそこにいる…。私の生き方も、詩織を何度も怒らせて泣かせた。
ねぇ…白蘭…詩織は本当に…笑ってる?」

その日、私は詩織が見えると言う話をした…撃たれて砕けてしまった顔で、それでも、微笑んでくれている…

けれど、気が付いた…あれは、微笑んでいるのではなく 美鈴の言う通り…泣いていたんだと…。

私がここに来るまでの間、詩織はずっと私を見てくれていた…私がどれほどの事をして、どれほど日本にその国民に尽くそうとしたか…全てを、知ってくれていた…。

喜んでくれているとそう信じていた…けど…あなたは、泣いていたのね…。

ごめんなさい…私はあなたの期待に応えられなかった…

泣き崩れる私の前で 

「ありがとう もう無理はしないでね…。
 私の本当の理想は…ただ、周りの人が幸せでいてくれればいい、それだけよ
 白蘭…あなたも勿論そこに含まれているの、それを忘れないで」

光に包まれて…綺麗な顔でそう言って微笑んでくれた…わたしは、その顔が見たかった…一緒に…生きたかった…ずっと、一緒にいたかった。

その日から、詩織の姿は見えなくなった…。


日本の首相の暗殺依頼…世界では女のトップはままいるが、この国では初めてらしい。
…理由なんて事細かには知る必要はない。依頼に従い、それを完遂するだけだ…。

演説中…インパクトを狙え、大衆は愚かだからそれだけで…か。まぁどうでも…

気づかれた?…いや、わかるはずがない、これから撃たれることになるなんて、わかるはずがない…
なのに、それまで気丈な顔で演説をしていたその顔は…スコープ越しに、俺の方を見た表情は…
撃てなかった…鉄の女…?あれは…あの顔は…ただ一人の女じゃないか…。

喜んでんのか?泣いてんのか?なんなんだよ、その顔は…一体何を背負い込んでるんだよ?
要人の暗殺もごまんとしてきた…だがこんな顔する奴は初めてだ。
あぁ…さっさと逃げりゃよかったのに、俺は動けないでいた…馬鹿みたいだ。
そうしておらぁパクられた。


「仕事上、色んな奴を見てきた。だからかな、スコープ越しにでもなんとなくわかっちまうのさ…あぁ、こいつはクズだなとか、こいつは殺されるような奴なのか?とか…指輪が新しいな、結婚したばかりかまるで映画だなとか、馬鹿みたいな笑顔だ、これから死ぬのにな、とか色々な」

「あなたみたいな繊細な人がどうして殺し屋なんかに?」

「…これしかできなかったからだ…物心ついた時から周りは戦場だった…学校にもいってねーしよ。
 俺からも聞かせてくれよ。あんた、なんであんな顔したんだ?あれはまるで、撃ってくれていってる ように見えたぜ…それと誰だか知らねぇが、やっと同じになれるってそう思ってなかったか?」

「…あなたは、超能力者か占い師にでもなったほうがいいんじゃないかしら?」

「おお、考えもしなかったぜ。そりゃいいや…死刑になってくたばらなければ、考えてみるかな」

「…ついで、というか、これが本懐でもあるんだが…そうなったら、一杯付き合ってくれるか?」

「えぇ…そうね。考えておくわ」

「へへ…ありがとうよ、嘘でも嬉しいぜ、イクノディクタスちゃん」


「…彼の刑は…やっぱり死刑?」

「そうですね。間違いなくそうなるでしょう。彼が殺した人物は多すぎる…既に世界中から彼の処遇についての話が来てますよ」

「…そう」

「口封じの為に刑務所内での暗殺も考えられるので、厳重に厳戒態勢を引くことになりそうです」


あぁ、そうだ。私はこんな人が、こんなことをせずとも生きられる世界を作りたいんだ。
詩織…あなたは、今でも私の隣で微笑んでくれているかしら…?
それとも、今でもまだ、撃たれるかもしれないときにまで、あなたと同じになれると思った私を見て泣いている?…詩織、これがあなたが私に与えた影響なの…けれど、私は私…理想と現実の狭間で足掻いて、足掻いて…足掻きって見せるわ。




「霧島大和騎手は前日のレースで落馬、騎手は変わりましたが、さて、どうでしょう、同郷のフラグメンツブルーに続けるか、楽しみですね」

「ええ、そうですね。大和騎手もひどい落馬だったのにもかかわらず、暫く安静にしていれば、とのことですし、不幸中の幸いでしたね」


今年もカミカゼ!これで10年連続リーディングサイアー達成。

カミカゼの父 ハルカゼ 7度目のブルードメアサイアーリーディングに。

日本初の凱旋門賞馬 ハルカゼ 22歳で死去。


「詩織さんは・・・初恋の人だったんですよ」

「新しく牧場をやるというので、募集をしていて・・・今考えれば、経験のある人を雇えばって、思うんですけどね。ほとんど何も知らない僕を、牧場で雇ってくれて、あゆさんと朱さん達とも一緒になって、色々勉強して・・・」


霧島大和騎手、引退を表明。悲願の日本ダービー勝利は叶わずとも、競馬界に大きな軌跡を残す。

「今年もこの男だ!!菊花賞制覇の代行人!!!霧島大和騎手!これで4年連続の勝利です!」


「ぼくは、騎手人生で遂にダービーを制することはできませんでした。ですが、悔いはないです」


「菊花賞を4年連続で勝たせてもらって、その後も3度勝ちました・・・7度も同G1を制した騎手なんて・・・夢美さんへの良い贈り物になったと思っています」


その後、霧島大和騎手は調教師の道ではなく・・・騎手を育てる道へと進んだ。

カミカゼ主戦 霧島大和元騎手 競馬学校校長となる。

「アヴェイユさん・・・。あの時の記者会見では夢美さんへ贈り物と言いましたけれど・・・本当は、ぼくが贈り物をもらっていたんだと思っています」

「ダービーでインタールードに乗るはずだったのに、前のレースで手ひどい落馬をしましたからね。死んでいてもおかしくはなかった・・・きっと、夢美さんが護ってくれたんです」

「夢美?詩織の間違いじゃない?・・・立ち直る為の時間にはなったんじゃないかな」

「そう、かもしれませんね。・・・じゃあ、両方の、です」

「ふふ、欲張りだね」



「それに・・・アヴェイユさん。僕は、立ち直る事ができなかったんですよ」

「・・・やっぱり、そう?」

「ダービーの日が近くなると、思い出してしまって・・・」

「本当に 愛 してたんだね」


「・・・いえ、最初で最後の恋です」


「お互いに・・・意地っ張りで頑固だね」

「そうですね。きっと似ているんです。詩織さんはその生涯を恵まれない人に捧げました。・・・僕は馬に乗る人の為に生涯を捧げようと思っています」


だいぶ前に書いたアヴェイユ・ファストリア嬢

このシルフィリア・ファインシルツと同じくとってもお気に入りのキャラです。
本編のヒロイン二大巨塔かな。が…本編よりも、セティルの作る物語と言う名の世界線でなんか色々されたりしたりする事が多いかもしれない。

そして競馬、好きなんですよ。ナリタブライアンが特に…まぁ、こんな感じで遺された人たちのその後と共にしおりんの最期ができあがりました…。
非常に、思い入れの強いキャラです。

ぶっちゃけ「は?ふざけんなし」とか言って、歴史改変をセティル当りがするでしょうけれどね!

ジェシカ・フォームンクルス・マイジスター

通称ジェシー。セティルの本の中に存在している。
…はずだったのだが、セティルが本当に自分の世界に作りだしてしまった。アヴェイユの髪の毛とセティルの魔力から作られたホムンクルスである。
物語の最後に登場し、セティルの事をおとうさんというがセティル自体はその存在を忘れていた。
アヴェイユにもお母さんといい「どういうことかな?セティル」といわれ、忘れていたことを思い出す。セティルは周りから非難されまくりである。
宝石を生み出すことができ、そこから様々なホムンクルスを作り出すことができる。が、自身の戦闘能力はあまりない。
自分の事を忘れていたセティルに対してはつっけんどんな態度をとっている。それでもセティルの本の世界には興味があるらしく、本の中を旅したりしているようだ。

本編であるセティルの世界でのキーキャラクターがジェシーと鬼の祖である絶影であるなら、セティルがどうにかしたい地球の世界のキーキャラクタは詩織なのかもしれない。

そんでもって、しおりんもそうなんだけれど、メインキャラは先ほども書いた通り、セティルのお友達の髪の毛とかから作り出されたホムンクルスである。
なので、誰と誰を組み合わせたのか?同性同士ではうまくいかないが、やらないわけではないとか、え、これとこれの組み合わせなの??みたいな裏設定もあったりする。

…死ぬるまでにつくれるかしらーこの世界感。

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夢姫 2024/03/27 02:17

勝手に気になるサークルさん紹介してみたりとか色々。

アリスソフトは好きだったけどエルフ派だった
ママトトやダークローズ、デアボリカ、アトラクナクア、戦国ランスなどに影響は受けたが、エルフの方が舞台が現実的であったのもあり好きだった。
鬼作で堀部秀郎を知り、そして人間椅子を知った。芋虫…エロゲーの歌とは思えないがあっていたのだ。

初めて買ったエロゲがKISSのカスタム隷奴だったが、イリュージョンの方が好きだった
どちらもヒロインなどをエディットできるゲームである。
カスタム隷奴の方が調教に関してはハードさもあり好きではあるのだが(最低でも腕はぶち込んでほしい人なので…)なぜかこちらではファンタジー世界が多かったイリュージョンが好きであった。
ただ自分が作りたいと思うのは、KISSのXXな彼女のつくり方のようなものだったりする。

ときメモも好きだったが、続初恋物語の方がいい感じだと思った
どちらのゲームでも好きなキャラはヒロインであった。藤崎詩織と高瀬祐花である。
が、両方ともキャラクターは全て良い。ただ続初恋物語の方がキャラクター描写は深かった。

他にも好きなメーカは、ブラックサイク、ruf、PIL、ティンカーベル、つるみく(たっちー)縁(RASEN)なども好みだった。
特に今は亡きrufの奴○市場とPILの女郎蜘蛛は面白かった

この世の果てで恋を歌う少女YU-NOは超えられない壁だろう。
リメイク?あの時の絵柄と声優でやりたいのである。というか選ばせたまえよチミ。

影響を受けたりした人たちやら好きな人たち

漫画家
藤田和日郎(うしおととらは少年漫画のバイブルでいいと思っている)
森山大輔(クロノクルセイド、ここにいる睡蓮あたりから)

漫画
ダイの大冒険(実は主人公がポップだったでも許せる)
地獄先生ぬ~べ~(エロとホラーは至高)

声優
塩沢兼人(オーベルシュタインとか色々すき)

女性声優
川上とも子(遺作(エルフ)学校の怪談 クロノクルセイドとかもあるけど…やっぱりさつきよね)
伊藤静(お嬢様系多い、だけど本人は…うん、お酒のんで釣りしたい)
能登麻美子(ヤミと帽子と本の旅人 地獄少女のイメージ強いけど…自分の中ではこれ)
長沢美樹(エリーのアトリエ(キャラとしてはアイゼルの方が好きだったが…)

ハリウッド
ヒースレジャー(ブロークバックマウンテンから好き)
キアヌリーブス(演技がというより人間性)
真田広之(ラストサムライから好きになったが、高校教師(ドラマ)や元々子役であるベテランさん…どこで剣術とか殺陣を覚えたんだろう、間違いなく実戦でも使えるレベルである)

漫画家2
柏木ハルコ(健康で文化的な最低限度の生活、よいこの星)

イラスト系
垣野内成美(吸血姫美夕のカラーインク塗りに憧れはした。アニメーターとしてもすごいマルチレーター。旦那さんはレイアースとかの監督さん)
堀部秀郎(鬼作、インタールード…36歳は若いよ堀部さん…)
かんの糖子(悲愛から)

シナリオ
和泉万夜
瀬戸口廉也

偉人なども上げたらきりがないので、この辺りで。

で…誠に勝手ながら、エロもハードでいいし物語も中々いいのだけれど、今の所ファンが少ないな…というサークルさんをば、書くです。

裏イヌ亭
https://ci-en.dlsite.com/creator/5128
奴○ですべき鬼畜な事はハードでいいですが、幼馴染は便所だったが好きです。
あの雛たんでもっと滅茶苦茶やってほしい…。派手なキャラよりも地味なキャラのが好きなんですよねぇ。
それにしても…画力もあるしダウンロード数も少なくないのに、なぜファンが少ないのか謎なのです。

猿梨
https://ci-en.dlsite.com/creator/4374
なんか、最近の作品はBLになってますが…腕とかすごくいいと思った、ホラーしてるし物悲しいし、雰囲気がいい、短編でエロシーンも淡泊だけれどそれが淡々としていてゲームに合っていた。なおフィストもあります腕だけに…グッド。
BLつくて満足したら、また♂向けもプリーズ!
あと値段がすごく安いんですよね…220円とか…ええんやろか。

とりあえずマナ
https://ci-en.dlsite.com/creator/6498
一本しか出してない…新作をまってます。
見たいシーンの攻略を質問したけど、未だ見れてない…;
大分遊べます、ただ色々頑張りすぎたのであろう、ちょっとバグとか怪しい所有りかな…。
それはそれとして…110円は…安い安すぎるマジで。

Nyaatrap
https://ci-en.dlsite.com/creator/14033/shop
いまは動画的な作品をつくっているみたい。
2013年にでたゲーム2本、アカリとクリスしかプレイしていないのだけれど、両方ともレズでアカリが魔法少女物でバトンやら腕やらバットなどをぶち込むとかがある。
アドベンチャーだがバトルもある。
クリスはダンジョンに潜って女モンスターを仲間にしつつ奥へと進む…けれど結構難しく
まだクリアしていない…。エロシーン自体はハードではあるが、そこまで滅茶苦茶なのは見てないだけか見れていないだけか…ここも絵は可愛いし、ダウンロード自体も少なくないのにファンは少ない…。

ZertrampelteBlume
https://ci-en.dlsite.com/creator/7782
トリルの一本しかまだないが、新作できるのまってます。
短編であり、動けるスペースも多くはないけれど、エロシーンや聖女であり人々から愛されていたのに、そのうちに道具のように扱われていくようになり最後は生贄にされる過程がよくできていたです…若干テンポは悪いですし、回想などもないですが…。
植物系のモンスターなのか蔓とかでの責めが多いです。人間もありますが。
ケツから口に貫通とか、入らないほど太いけどねじ込むみたいなのがあります。
けれども、前半で魔族に淫乱になるような呪いをかけられているので、快楽系統ですね。
苦痛系統が好みではありますが、これもアリです。
尚、精神などは最後まで折れそうで折れてない感じです。


以上を持ちまして、勝手な紹介終わりますん。

すごく沢山ゲームはさせてもろてるけど…レビューは一度もしたことない…だがDLサイトだけでも金額にして恐らく300万近くつかってるよーな、気がする。気じゃないかも。

そして、われ何勝手に晒しとんのやボケカス!?とか思ったりしたらいうてくらはい。

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夢姫 2024/03/16 16:40

作業所などでの近況。…エロゲも作りたいけど、まだ気力共に手が回らずー。

今週は…月 病院 火 作業所 水 検査 昨日 いちご狩り 今日 フットサル 明日明後日は、何もないはず…; となんかブヒブヒーとなってますが…ワタシはゲンキデスー。
少し前の血液検査でがっつり糖尿病と言われたとです。数値360でこんだけ高い奴、久しぶりに見たわと医者が言っていた。酒呑みだから甘い物はあまり食べないんだけどなぁ…エナジードリンクとか…やっぱり酒の糖分とかかなぁ?それとも日本人特有のインスリン系統が弱かったせい?…グスン。失明だけは勘弁だーなんもできなくなるー。
(なんでも甘く感じるとか眩しく感じるとか腹が痛いとか、色々症状がでるよー)

そして中年だからね、無料検査だ!の今回の区やってくれた検査、一か月後に出る結果どうなるかしらん。

みたいな感じです…。

先月作業所でコミティアに参加し、初めてオフセットみたいな本を作り、グッズを販売しました。自分が描いたのは バッチ(56mm)とトートバッグ(6人分片面印刷なのでイラストちっさいですが)ポストカード4人娘で4種




いつもの夏想4人娘のイラストと…

これバッジいい感じ。56mmなので意外と大きい。

余談で梅干しが写っているがアマゾンで買った1キロ2400円くらいのである。
若干塩気が強いが…お茶漬けやら、日本酒熱燗にしてぶち込むと3杯は美味しくのめる。
(謙信はこういった呑み方して早死にしたと言われているが)
緑茶にぶち込んでもうまいぞ。梅干し好きなんや。

トートバッグは自分以外のイラストも乗っているのでとりあえず画像は割愛。
ポスカも上記イラストの右側のを使ったので右に同じ。

バッジは300円
トートバッグは2000円
本が800円
ポスカが100円

他にも、シールとかマグネット的なのもあったが、わしが関わったのは上記の4種
美鈴っちのポスカを外人さんが買うてくれたらしい。
なんかはっきりくっきりした塗が好みで、とのことだった。

コミティア後、巨乳いいねであゆちー、ボーイッシュなのがいいで朱と言ってくれた人がちらほらいるけど…美鈴ッちは…一番ウケが良くて自分もお気に入りだけど、ああいうデザインとか性格のキャラって履いて捨てるほどいるのよね…。
委員長は?ねぇ、しおりんは!?作者的に色々一番拘ったんだけど!?…となったですけどね。

本に関しては…フルカラーでページ数が14Pくらい?なんだけど、モノクロ24P500円世代のわしには高く感じたな~。
…で、奥付がないのよね。作業所が制作費の金払ったから基本スタッフ任せで、あとから気づいたのだけど…真っ白なのよね、サークル名やQRコードやURLとか…印刷日もどこで印刷したのかの印刷所の名前もなんもなかっただ…ありえん。

それに本よりもグッズ系のほうが使い勝手がいいから商品としても優秀である…。
グッズなどで人気を得てから、それから本やゲームなどでキャラクターの詳細な裏話や設定、物語を伝えると言う方法も悪くはない気がする。

バッジの原価は意外と安いし、カバンなどにもつけられるので素晴らしい。
…原価とか言うな!みたいな人もいるだろうけど、昨今調べればすぐ出てくる。
それに原価は確かにその値段だが、キャラを練りイラストを描き、グッズ用のテンプレに合わせたり色がデジタルだと…いつも忘れるが RGなんたらとCYなんたらがあるので
それにより完成品の色味が変わる等々…まるで何も考えないで金だけ払えばできると言うわけではない。

なんで、商品の値段にはそういった技術料や工賃的な物が付随される。
イラストのPNGの透過処理みたいな簡単なものでも500円とれるし、日本の飯屋では水やらお茶がロハであるが、海外では基本有料である。
海外の人が日本のサービスに驚くのはチップ制度もほぼないし、こういう所からである。…逆に言えば意外と面白いものが金になる可能性もあると言う事だ。…と思っている。

尚、コミティアには地域活動センター(地活)のスタッフさんとメンバーさんも数人にてくれ、わしのグッズはほぼ売り切れました。ありがとう!そしてありがとう!
知り合いと言えど気に入らなければ金出してまで買ってはくれないからね~。


ここで地活の話にうつりまするが…。
今月に二人、うちの地活からいなくなってしまうので送別会を開くことに…で、メンバーで寄せがきも書くことに。
わし、字がダメなんでと言う前に、二人のイラストを描いてほしいと言われ描いたのがこれ。

上の人は 通称 ウメ 30年以上地活にいた人で次期代表ともいわれていたのだけれど、岐阜の方に引っ越すことに…。
ギターがうまく、ゴッドノウズ弾きたいといってTAB符をもっていったら、弾きやすいようになんか直してくれた。
普段近寄るなオーラを出している。話せば普通に良い人なのだが、口元は笑っていても爬虫類のように目が笑っていない事がしばしば。
あと人に何かを教えるのは苦手とのことで、ギターどう練習してうまくなったんですか?と聞いたら、弾いているうちにうまくなったと返って来た。

下の娘は 通称 つっちー 上智大の名誉教授が連れてきた。IT業界に勤めている彼氏がいる。基本お家デートらすぃ。
ある日キックベースをやることになったのだけれど、やってるうちに雨が降って来たが、元気にはしゃいでプレイしていた。
心理の勉強をしていて卒業したらば、企業でのカウンセラーに従事するらしい。尚もう働く先は決まっているようである。


んで、これが地活で出してくれる飯。家が定食屋だか中華料理屋だったおばちゃんが作ってくれる。カツカレーの画像手前が大盛500円奥が小盛300円である。安くてうまいのである。メンバーのほとんどはご飯目当てと旅行やいちご狩り、温泉などのイベント目的の人が多い。
(この旅行などの行事系の資金源は募金からでているらしく、そんなものに使ってという事を言われることもあったらしいが…そう言う事を言った人達は、多分募金箱にマネーを入れてはくれない類の人だろう。募金は税金のように無理やりではない、自分も箱にポーイするときもあるが、犯罪とかやばい事に使ったりしない限りはくれてやったはした金である。どう使おうが気にしない)

さて我らの餌の話に戻るが、正規の飯以外にも…おにぎりだったり、タマゴサンドだったり、煮物やら色々もってきてくれる、これはおばちゃんのサービスである。
チャーハンは唐揚げとレタス?紅ショウガなどが入っているもの、カツカレーはある意味当りの日(今日の飯は何がいいかはメンバーとスタッフでその日に決めて作る)
裏メニュー?に鬼ラメーンというのがあるのだが、これは担々麺的な味付けのラーメンにオーブンで焼いた鳥の竜田揚げ?が乗っかっている手の込んだ奴である。
…全部、超小盛200~大盛500円である。すんばらしい!のである。

そしてまたグッズの話になるけれど、作業所で今月3月18日から4月8日まで秋葉原のお絵描きカフェ

https://cafe.p-m-c.jp/

でアクリルキーホルダーだけを販売するイベントがありそこに参加することになった。
で納期が数日しかないので、すぐに出せる人限定で応募することになり、わしは4人娘で一番ウケがよかった美鈴ッちにした。
他にも合わせて11人でることになり、一人の人は自腹で5種類のキャラのキーホルダーをつくり販売するようである。
作業所の物は7㎝なのでそれなりに大きい。800円での販売となる。

…サークルぽいずんさんがグッズの再販売したよーとのことなので、いくらで売ってはるんやろ?おもってサイトを覗いたが、アクキーは550円、安いな…けど5㎝あたりかぁ。
わし等のは大きさは7㎝だから800円でも、いいんかなぁ?アクキーの平均値が大体800だし…とか考えてた。

一時間飲み放題付き600円からと若干高い気もするが…色々なサンドイッチも売っていて、ここに来たことある人曰くホットサンドがおすすめのようだ。
ここも地活のスタッフ一人とメンバーの一人とわしの3人で来月あたりに行く予定なのだ。

でまぁ自分も来月辺りに自費で100mmのデカイバッジとアクリルキーホルダーを作ってみるつもりである。作業所だと一種類しか作れないし、知り合いに売る場合も特別価格にはできない、組織だから一人にそれをするとみんなにする事になる、という事からである
…正直、ゲームをせっせと作り700円程度で販売するよりも、今はいくらか払ってグッズを作る方が楽だしポテンシャルがあがる…何より普通に自分が欲しい。

近況はこんな感じであるが、それ以外にもイラストの依頼がきており…
その一つがハイファンタジー系のモンスターがドレスアップして花などをもって祝福している感じのイラスト10枚というもの。

この様にして欲しい、という依頼だったのだけれど…これがこの間まで伝わっていなくて、連絡事項としてはあったのだが、わし含めモンスターのキャラをメインで一体描けばいいという認識で、周りに日常や設定のイラストを描くことは念頭に置いてなかった。
説明や設定も乗せてほしいとはあったのだが…依頼主の完成系は上記のアライグマのようなものだったのである。
最初の時点では 背景はなし だったはずなのだが…祝福しているような鮮やかな、花びら舞っているような背景でキャラクターもポップで可愛い感じとでてきて…

・印刷してみて、とても色合いがちょうどよく可愛い。
・子どもを抱っこしているオークのような可愛い、ポップな雰囲気で統一してほしい
・より結婚式っぽいおめでたい感じで
・子どもや高齢のゲストもいるので、余白が欲しい。文字量を今の半分くらいにしてほしい。

とのことでした。

細かなフィードバックと、私達からの提案点を合わせて画像で共有します。

これを受けてわしは、個人的思想の長文と共にスタッフに依頼を受ける場合においてのリテイク数やオプションの追加値段の相場がかいてあったサイト

https://mytecho.jp/market-price/

を投げた。

障害者が描くイラストだからって安く見積もられたら困るんだよ的な事を添えてね。
技術が無いくせにーとかいうなら別の所に頼めばいいことだし。
何より10枚のイラストを一人一枚描くことになっているので、それだけで10人使っていることになってるのですよ。

まだ終了してない依頼の事なので、詳しい事を書くのはアレかなーと思うがこういう事ってあるよなーと…アライグマの様なイラストを描く場合、引き受けた額は破格であり、周りのキャラクターも1体として数えてもらわないと困るし背景はいらないって話だったのでは?今回しょうがないけれど、今後はどうするか考えてね。的な事を打った。

わしの近況と生存報告はこげな感じである。

…エロ、エロが…女性を破壊するような(わしが書きたいのはダルマとか人体改造の類ではない、性器、穴破壊である!色んな異物とか突っ込んだりね!…ガソリン浣腸とか爆竹とか花火を突っ込むなどの資料になりそうなものは、それぞれ1本しか見つからなかったがそんなのが書きたい)

ブヒーブヒー、と、とりあえず絵を安定して供給できるようになるのが先じゃー。

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夢姫 2023/11/27 07:41

作業所でおもたこととか。

通ってるB型作業所で隔週リモートで教えてくれる先生…主に添削なんだけど…。
ネット検索したらちゃんとでてくるねんな。フルのペンネームこれなんだーとかおもた。
本人だとわかったのは、依頼で描いたイラストだけどと見せていた絵と同じのがあったからだけど…。
WIKIものってるし、間違いはないね…。
専門学校とまではいかないけど、一線で活躍している人が講師になっているのは、ええな。

でまぁ、資料は見るべき、絶対に見なさい…プロだからこそ見ていると言っていたが。間違いではないし、正しいと思う。なのだけれど、どこまで真似していいのか?模写していいのか?完全にはダメだろう…では、どのあたりで線引きをすれば?

添削してほしい人は毎回数人しかいないけど、結構丁寧にやってくれるし、2時間も無いから、あまり質問とかできないのよねぇ…ゲームの原画もしてるから、聞きたい事はあるのだけれど…人物はありきたりだけど、小物とか服のフリフリが細かくてすごいというイラストレーターの事をはなしていたけれど…それは量産考えてないイラストレーターの仕事だから一枚絵だけだからできるわけで、キャラの設定も細かくは考えてないはず…量産を考えた設定やデザインの場合とかはどうするのでしょうか?とかね。
できる奴は細かくてもやっちゃうんだろうけどね…。

メンバーには既に依頼とってる人とか、フリーで1万5千円くらいで描いているひとや、あまり描いたことあるのかどうかはしらないけれど、なんか結構綺麗でうまい絵だな~と思う人もいるけど、この人も画像を見たから描ける、襟の部分とかは向きが変わったらわからない、と言っていた…。
芸能人か何かの画像を元にしたのだろうけど。

確かにそうなんだ、見れば多少なりとも描ける、元がなんなのかわからないままで描くことなどできない…できないのだが…物ならいいだろう。

だがこれが構図や絵柄、塗りとかになったりしたら?
どこまでが参考でどこまでがパクリなんだろう…明確な基準がないんだよな…。
100%同じのはまずいのはわかるが…では、70位ならいいのだろうか?
絵に著作権はないという人もいるが…そんなわけはないし。
基本的に白か黒か、本音と建前ではなく事実か否か、見たいな考え方だから、この辺いつも困るのよね。

んで



こんな感じで久しぶりに色紙に手書きのアナログしてみた。
夏の想い出の4人娘や。



んでもって、これをデジタルで描き起こしたのがこれで…。
一人目の元気っ娘の朱たんや。

文字が邪魔だとか絵はポップなのにナイフは不穏だから要らないとか…文字はまぁ、確かに龍が如くみたいやし、邪魔なんはわかる…文字も手書きじゃなくフォントを使えとか、そもそもいれるなともいわれた…。

ナイフは大事な物なんだけどなぁ…
あとは、口がでかいのと首が太いと言っていたかな。

なんでまぁ、こんな風にしてみたんだけど…ポーズのことも、元気っ娘というよりは気が強いとかクール系の娘のポーズだから、腰に手を当てて、右手はこうガッツポーズじゃないけど、そんな感じにグッとして…文字にすると難しいね。
といわれたけど…そうなぁ、元気っ娘とかクール系とかお嬢様系とか…ポージングも決まっちゃってるよね…。

釈然としないものがあるが…解りやすいのは確かだろうなぁ…。

言ってることは間違ってないと思うし、こうしたほうが良いとサラサラ描いてくれたのみると、良くなってるんだよねぇ…。

なのだけれど…良いと思う事はそうするけど、全部を受け入れるわけじゃないのよね。
ひねくれてるからさ。それにそんなことしたら、自分の絵じゃなくなる気もするし、それならじゃあ、100%正しい絵というもの定義をしてよ、とか思ったりもする。

といってもな、みんな真似から入るからなぁ…だから時代にもよるけれど、同じような絵が描かれるわけだし…自分も目が悪いから、最近の絵は大体同じに見えるんだよね…。
同じ人形の化粧だけ変えました的な…。

うまいんだけど、有象無象という感じ。
個性を求めるとアートになるからなぁ…商業系イラストは個性じゃない、誰かに頼まれて、それを形にするものだ。だから最近のイラストはアートとして認められないのだろうと言う結論に達したけど…。

それでも、なんとなくでいいしヘタでもいいから、見た人があ~この人の絵か~とわかるのがいいんだよなぁ。

そもそもが、人に依頼されて描くのは無理ですといってるから、自分が描きたいものを描きたいだけなんだけれど…でもうまくもなりたいのよね…その為にはうまいと思った人の絵を指針にする必要がある…矛盾だよなぁ。
人真似は嫌だとか、流行りの絵は同じに見えて嫌だとかいったとしても、結局自分も、そういった絵を描きたいのだろう…二律背反してるなー。

うまく折り合いつけられればいいけれど…それにしても、ネタにしろ元ツイッターの呟きにしろ人との話にしろ、結構思った事をぶっちゃけてるなー。
精神病者や産まれた時からの障害もちは欠陥品だとか子供に関しても、反出生主義者だから、産んじまったもんはしょうがないけど、こんだけ人が増えているのになぁ~良くて社会の歯車、わしらの老後の為の奴○よねとか色々。
言わんでも良い事は言わないとかしてたけど、中年になって逆にどうでもよくなった気がするな…面倒事になるだろうなと言うときは流石に言わんけど…思っているのに口にしないのは争いやめんどうの元になるからだと言うのはわかるけれど、それって腹の中ではそう思っているのだから、同じ事よね。寧ろ腹黒い分、罪は重い。

まぁ、言えない時もあるけどねー…本音で語るのが正しいのかどうか、優し嘘も所詮は嘘なのか…口を噤むのも相手の為ではなく自分の為だから悪なのか…はてさて、人生とは生きているだけで思考してめんどうでごじゃりますなー。
動かないで済むなら、わしは基本カウチポテト…なんもしたくないでござるー。

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夢姫 2023/08/31 01:29

自分の世界観のオークとかエルフとか魔物と人間の関係とか歴史みたいなもの。鬼のことも書いてあるのです

禁書として焼かれながらも、いまだに 真実 を伝えているという本を手に入れた。

魔物と人間の戦いの始まりとなった話が載っている ブルーオーガ または 魔物と少女たち という本と共に、魔物と人間の最後の戦いが書いてる本もまた同じように再生を繰り返し、いまの世に残っている。

人間に伝わる魔物の話の大半が、魔物は乱暴であり人間を攫い、村々を焼き払うという悪い部分ばかりが強調されている。
が、この二冊の本を読んでみると、基本的にどの魔物も平時では農作業をしたりと平和的であったらしい。
粗暴といわれるゴブリンやオークもその例に漏れずであり、確かに人間から物奪い、娘を攫い、子を作るための道具にすると言った話は少なからずありはしたようだが、それはオークなどには女が極めて少ないことが理由の一つであるらしい。

人間のものを奪うという観点については、魔物と少女たちによれば、一部にそうする者もいるが、人間により住処を奪われた者が復讐のために動いていたことも少なくなく、人間もまた魔物を殺し財宝を奪う事もあるので、お互い様である…という魔物側の言葉が書かれている。

女を攫う事についてもまた、力ずくで奪う事もあったが、大概は村の人間と契約をして食べ物や武器、盗賊などに襲われた場合に傭兵として戦う事を条件に、花嫁として女をもらっていたようなのだ。

オーク族について話をすると肌が緑色のオークかそれ以外の色が原色のオーク族の肌の色らしい。
緑色のオークは主に戦闘用である事が多く、それ以外の色のオークは突然変異的なもので他のオークにはない力を持っているらしい。
では人間とオークとのハーフはどうなのかというと肌色のオークとなって産まれてくることが多いらしい…この肌色のオークは戦闘には不向きであり主に、農作業用や子育てなどの非戦闘員である。
だが有事の際には肉壁として壁になり敗走した際の殿部隊としての役割もあったらしい。

この肉壁については無能だが最期に華々しく散った者達を集めた書 無能の意地 という本にも書かれていた。

オークやゴブリンなどは知性に乏しく魔法も使えないと言われているが、これは誤りでどちらにも魔法を使い、歴史や本を書き残す者もいたらしい。いまでこそそのような本は少なくなってしまっているが…この無能の意地という本もまた魔族が書いたものであると言うのがマニアの間での通説である。

この人間とオークとの子供はオーク族が劣勢になり奥地に撤退する際に殆どが肉壁としての役割を果たし死んでいったそうだ。

花嫁の件については、人間の世界では脅されて生贄として捧げたことになっている。
ハーフの子供については、人間側にはまるで情報がない…場合によっては不敏な子として間引いていたのがこの魔物と人間の血をもった子供のことではないかと思われる文献がある程度だ。

魔物と少女たちに肌色のオークと緑色のオークとの会話が記されている。

それはオーク族と共に暮らし始めた4人の少女の一人、氷の魔法を得意とする少女だが、それと同時に高名な錬金術師でもあったようだ。
彼女の錬金術で作られた薬などをみて、緑のオークは興味を示さなかったが、肌色のオークの一人が興味を示して教えてくれといったのだ。
そうして教えることになるが、中々うまくいかない、それでもそのオークは諦めることなく、懸命に覚えようとしたらしい。

少し休憩をしましょうと言った少女に対しこんなことを言ったのだ。

「全然覚えられてない、一生懸命やらないと覚えられないから頑張る」

と…これを聞いた少女は思わず 「…驚いたわ。もっといい加減なんだと思っていたけれど」

「おで、無能なんだ…なんもできない、戦えない。だから薬を作れるようになってみんなの役に立つだ」

これを聞いていた緑色のオークが来ていった

「お前たちは無能ではないぞ。現に子育てに農作業と役に立っている。お前たち肌色が来る前の俺たちは、それこそ戦う事しかできなかった。食料などは奪ってとることでしか得られなかった。
確かにお前たちに戦闘は不向きだ、最初の肌色オークは戦闘のできないクズの役立たずだといい奴○にすらできぬ有様と罵られる存在だった。…だがその肌色のオークの一人がいったのだ。
戦って奪うよりも、人間と同じように自分たちで作ってみたらどうか?とな…こんなことさえも我ら緑のオークは考えつきもしなかったのだ。そして今、お前たち肌色のオークのおかげで食に困ることは無くなった
…今でも我々緑のオークは戦闘に特化している。戦う事でしか己を表現できないのだ。お前たちが無能ならば、我ら緑のオークもまた無能」

これを聞いて 肌色のオークは嬉し泣きをしたと言う。

この会話を聞いていた少女もまた、ヘタな人間よりもよっぽど学があるとおもったそうだ。

その後そのオークは簡単ではあるが傷を治せる薬を作れるようになったと言われている。



さて最後のオーク族という本に書かれていることによると、最後まで人間と戦うオーク族についてきたのはよく言われているドワーフ族だけではなかったようなのだ。
ドワーフは見かけによらず手先が器用で細かな装飾や柄がついた武器や飾り物などがあり、エルフとは仲が悪かったとされているが、人間とはそれなりに友好関係を築いていたようだ。
これは人間の書にもある通り商人ギルドが主だってドワーフだけでなくエルフの作った物を売り買いしていたことが書かれている…のだが、ドワーフがなぜ人間と敵対したのかなどは謎のままである。
ただ一説によると人間はそれ以外の種族全てを迫害しだしたと記してある別の禁書もないわけではない
そしてこの最後のオーク族によると、殆どの人外と呼ばれるもの達が彼らと共に人間と戦ったのである。

これだけを見ても人間がどれほど信用がなかったのかが窺える。

魔物に味方した人間もいたが…人類は一致団結して魔物を滅ぼしたことになっており、裏切り者として誹られるどころか初めからいない事にされている。

これはエルフの存在もそうであり…エルフと人間は同盟を結んでいたこともあったという記録が残されおり
エルフ族は人間との戦いには参加せず、かといって魔物とも戦う事を良しとせずにいずこかへ逃げたといわれている。

これは真実でもあるようだが、この時に際しての会話が残されている様だ

「我らと来る種族はどの程度になりそうか?」

「ドワーフ族は最後の一兵までオーク族と共に戦うと…他の種族もまた同様の返事を返してきました」

「オークやドワーフたちの事を醜いと称してきたが…本当に醜かったのは誰であろうな…」

「…出立の船を準備しよう」

「我らの部隊はこれよりドワーフたちの元へ向かいます」

「この戦いはもう既に負けが見えている。むざむざ死にに行くようなものだぞ」

「だからこそです。我らエルフが臆病者と誹られぬためにも…それに我が妹は盟約破棄の折りに人間により亡き者にされました…亡骸を取り戻す為に真っ先に戦ってくれたのは今は亡き親友です。彼はオークでした」

「まこと、知己の多い奴よ」

「先の戦いにおいて戦死したとのこと…共に死ぬこと叶わずとも…彼の部族たちはいまだ戦場におります」

「我が長、誠に勝手ながら部隊の一部の命をお借りいたしたく」

「言うても聞かぬであろう…好きにせよ」

「ありがとうございます。友との誓い、エルフの名誉、護るため死出の旅に参ります」

「もう、お主の話も聞けぬのだな…種族外の話、中々に面白かった」

「…これにてお別れにございます」

「…まて、人間と戦うと言って聞かぬ者達が数名いる…他の者を扇動しようとしたので今は牢に閉じ込めておるのだ…仇をとるだの死に花を咲かせるだのと騒ぎ立てていてな。そやつらも連れて行ってやれ…」

「重ね重ねありがたき…。近衛の名に恥じぬ戦を…存分に暴れまわってみせましょう」



「…すまぬな…」

「民に伝えよ、これより出立する…人の手が及ばぬ最果ての地の更にその果てへ…創造主がつくりし永遠の平穏ありし楽園へと、共に旅立とう」



人間との関係が深かったエルフ族もまたオークと共に戦ったというのだ。
一個小隊にも満たぬ数ではあったようだが…驚くことにエルフの長を護る直属の近衛隊だったようだ。
人間とエルフの盟約…詳しく語られることは無いが、エルフにとって非常に不利な盟約であったといわれている。
なぜエルフがこのような盟約をのんだのかも、いまではわかっていないが、盟約を破棄する際にはエルフ族の長であったエルフェンリア・パステラ含めその殆どが犠牲になったと言われている。

魔物に味方をし、人間と戦ったエルフの事もまた、人間の歴史に記されること無く、エルフ族は戦いに飽き飽きし人の手の及ば場所に旅立ったとのみ書かれている。


この最終戦争はブルーオーガから始まった戦いからその終結後に結ばれた魔物と人間の不可侵条約を人間側が一方的に破ったことから始まる。

人間の軍隊に魔物たちは抵抗こそしていたが、組織的な抵抗は出来ずにいた。
これに初めに立ち上がったのがオーク族だった。

オークやゴブリン族などは醜い、乱暴という概念から真っ先に攻撃を受けており壊滅的な打撃を被っていた。

オークには族長と呼ばれる者達がおり、集落を形成している。

数々の集落が攻め滅ぼされる中、助けを求められたオークの族長が動いたのだ。


この赤目に褐色の体躯を持つオークこそ、真の意味でのオークの族長であった。
集落を統治している族長ではなく、全てのオーク族の族長と呼ばれている。
彼が直属に統治するオーク達は戦闘に特化したオーク族の中でも更に磨きがかけられている精鋭中の精鋭であり、その為に オーク族最後の砦 と呼ばれていた。

族長は滅ぼされた集落の生き残りからある不思議な話を聞く。
人間との戦いに敗れ逃げ惑っていると、どこからともなくコックのような恰好をした蒼い目を持ち同じく蒼い大剣を携えたオークが現れて、人間の軍隊と戦い始めたのだと。

あれは オーク・ザ・ジャスティス オーク族の希望 あなたの息子だと話されたのである。

族長は感慨深い表情をした後で、話を伝えたオークに食い物を食って休むように言う。

この赤目の族長が精鋭部隊を率いて戦い始めたころ、方々から様々な種族もまた部隊に参加するようになり、数と仲間は増えていった。

仲間に加わった種族からもまた人間から逃げる中で蒼目のオークに助けられたと聞かされたのだ。
この話をしたのは一種族だけではなかった…人間に負けた種族のほとんどがその姿を見ていたのである。

魔物たちは人間の軍隊に局地的にだが勝てるようになった。

ある酒の席で族長…オーク・ザ・ファイナルともレッドアイとも呼ばれる者が口を開く。

「過去に人間を襲っていたことがある。人間がオーク種族を野蛮だと思っているのは、自分のようなオークがいたからだろう…だがそれも、子ができた時に辞めた」

「女オークは珍しい、力ずくでその女オークを手に入れ、その間に子を授かった…あいつが何かを言う事もなかった。オークの世界では力あるものに従うという古い仕来りがあり、それを護ったのだろう」

「…だが、子は産まれなかったのだ。難産の果てに母子ともに死んだ」

その言葉に、周りの魔物たちはざわめきたち、誰ともなく声が上がる。
では ジャスティス は何者なのかと…。

「妻と子を同時に失ってから、毎朝毎晩、その墓の前で泣いた…そうしたある日、墓の前に赤子が捨てられていた」

「それを自分の息子として育てた…でかくなるにつれ我が息子とは思えぬほど 義 を重んじるようになった」

「成長すると、困っている人を助けたいのだと言い出した」

「本当に息子なのかと思い、確かめるために…妻の墓を掘り起こした…。腹の子の骨は消えていた…息子なのだと確信した」

この事は一部のオークしか知らぬことと言い、オークの成人の儀でもある剣抜きの話となる。
オーク族に伝わる剣、誰も抜くことができなかった…意思や自我があり持った者へ言葉を紡ぐと言われている伝説の剣…それを成人の儀の折りにジャスティスは抜いたのだ。

お祭り騒ぎになったことを覚えている。その日からジャスティスが姿を消したことも…。
だれともなく、コックの姿をして屋台で飯屋を営むジャスティスらしきオークを見たと言う話を聞いたという。これもまた餓死寸前や空腹に耐えかねていると、どこからともなく現れて、酒や飲み物に加えたらふく飯を食わせてくれるのだと言う。

「なぜ飯屋などになっているのかはわからんが…それが息子なりの助け方なのだろうな」

「あやつは…息子は生まれる前に死んでいる。死んでいるからこそ、あの剣を抜くことができ、そして 魂を紡ぐ者 と繋がることができたのだ」


局地戦で勝ったとしても、大勢に影響はない。ならばと最終戦争を仕掛け、それに勝利したのちに人間に協定を結ばせようとしたのである。その開戦前夜に族長が話したことだそうだ。

…だが、彼等が勝つことは無かった…人間以外の種族の殆どが集まり、ドワーフやエルフ達まで味方になったのにも関わらず…負けたのである。

オーク族きっての精鋭も残り僅かとなり、ドワーフもエルフの近衛達も既におらず。
それ以外の魔物たちもことごとく討ち死にを遂げていた。


赤い双眸今だ輝きを失わず、人を見据え、赤錆びた大剣がひるがえる。

肉塊が出来上がる

しからずも衆寡敵せず

一つ一つと精鋭もまた斃れたり

残りし精鋭ただ独り

赤目の双眸もちし褐色肌のオーク独り

一陣の風が吹く


蒼い目をしたオークが一人、蒼い大剣を携えて立っていた

オーク族の希望とオーク族最後の砦…

滅びるその刹那の一時、オークの親子は共に戦った…。


最早二人だけの軍隊となった魔物の軍と既に勝利が見えている人間の軍…
片や矢の雨を受けようとも体をすり抜け、片やハリネズミのようになってもなお剣を振り続ける。
どのくらい経ったろうか…遂に族長が膝をつき倒れた。

父である族長が討たれると、ジャスティスは地面に剣を突き立て軽く空を仰ぐとその体は足元から四散し消えていったという。

彼の体は消えたが、魔物最期の地であるその場所には長い年月、雨風に晒されて尚、錆ず朽ちもせず墓標のように剣が突き刺ささり、誰にも抜かれることなく残っている。


私は今、その本を書いた筆者の前にいる。そこで更に詳しい話を聞いたのだ。

エルフと人間との盟約…これには驚愕を受けた。

簡単に言うと、人間の命令には絶対服従し、人間が何らかの危機を迎えた時には助けなければならない

これはブルーオーガに書かれてある、人間と魔物との争いが激化する発端になった話に関係する。

4人の少女がある宝の地図から始まった冒険の末に魔物の長と戦い、打ち勝ち。
(この戦いにはブルーオーガの親友である龍族が 「盟友よ また独りで戦っているのか?」との言葉と共に助けに入って来たと言う)
その魔物達から自分を倒した強者だと認められ、湖に浮かぶ大樹がある場所へと案内される。
この場所は魔物たちの聖地であり、ここで誓いをしたものは永遠に結ばれると話される。
誓いをした4人の少女は魔物の事をもっと知ろうと一緒に暮らし始める。

人間に魔物は狩りつくされ滅ぼされると危惧している、そうなる前に人間に戦いを挑む、と案内された蒼い体躯をもった魔物 ブルーオーガ から、ここは戦いに出る魔物が集まる場所であるということを聞く。
暫く魔物と暮らし、人間よりも平和的であると知った少女たち、平穏な日が続くが、やがてこの魔物が危惧した通り、人間が魔物に対して戦争を仕掛けてきた。
ブルーオーガは部隊を率い、人間に勝ち続けた…しかし人間が団結し逆に魔物の軍が押し返され、聖地にてその最期を迎えるまでの話だ。

このときに魔物たちに味方をした4人の少女とブルーオーガとは親友の間柄であった一匹の龍族も戦いに参戦していた。

ブルーオーガとは別の場所で戦っていた少女たちは話せばきっとわかるはずと言い、戦いになっても尚、一人の人間も傷つけることなく殺されてしまったのだという。
少女と共にいた龍もまた、かなり好戦的な性格であったのにも関わらず、少女たちの命令通りに何の反抗もせず自嘲気味に笑いながら最期を迎えたと言われている。

この4人の少女たちは只の少女ではなく、3人は魔法使い、一人は剣士であり、相当の使い手だったと書かれている。

一人は貴族の少女でフレイム・ラグナと呼ばれる炎の禁術を使え、もう一人はアブソリュート・ゼロという氷の禁呪をつかえたそうだ。

それを護る剣士の少女もまた、残月といわれる変わった剣を使う腕の立つ冒険者だった。

そしてもう一人の少女はエルフだった…しかも当時のエルフの長エルフェンリア・パステラの娘だったと書かれている。

また別の場所で人間の部隊を壊滅させたブルーオーガが見たものは、息絶えた親友と死体を汚された少女たちだった。

その場にいた人間たちを殺し、少女と親友の亡骸を抱いて、ブルーオーガは啼いた。

やがてやってきた人間の部隊と彼は一人で戦ったらしい。

彼が率いた魔物の部隊は既に壊滅しており、誓いの大樹が炎に包まれる中、生き残りを逃がすために独り戦い、燃え広がる炎の海の中に消えていったのだと言う


「「ごめん…人間との闘い、暫く待って欲しいんだ」」

「「オークさんは頑張り屋さんなんですねぇ~。?エルフなのにオークさんを褒めるのが珍しいですかぁ?ふむぅ~、同じエルフにも変った娘だって言われたことがあるですよー」」

「「…錬金術を教えているオークがいるのよ。その時の話なんだけれど…もっと考えを改める必要があると思わされたわ」」

「「わたくしも同じことを思いましたわ。緑のオークは戦闘に特化していますけれど、肌色のオークはそうではないと言われておりますでしょ?けれどもわたくしが見たところ、肌色のオークの中には少ないながらも魔力を持つ者がおりますわよ」」


「「きっと、話せばわかるはずだよ…だから」」

「「わかっておりますわ。誰一人傷つけない…そうですわよね?」」

「「…向こうは、そんな気は全くないと思うわ」」

「「ふ、ふみゅ…エルフは人間と仲良しさんです…魔物の皆さんは悪くないと伝えたいのです」」


「「ボクたち…死んじゃうかもしれない…けど、ボクは」」

「「歴史には…どう書かれるのかしらね」」

「「魔物の側に着いたふしだらな女なんて書かれたりしませんわよね?」」

「「それでもきっと…誰かが正しい事をしたんだと言ってくれるはずですよぉ」」

「「魔物と人間、きっと仲良くできると思うんだ。ボクは信じるよ…ボクたちがそうなれたんだから…」」




「「あの少女たちの知り合いの仲間を殺したことがある…彼らはよく戦った、亡骸は我が塔の棺に入れて残してある」」

「「…なぁ、盟友よ…我は戦う事しかできぬ存在だと思っていたが…あの少女らの言う事に賭けてみようと愚かなことを考えている」」

「「何も成すことなく、殺されるやもしれんが…少女らが人間どもを説得する間の壁となるつもりだ…戦力としては数えないでくれ」」

「「生きて帰ったら、呑み明かそう、人間の酒は意外とイケる」」




「「盟友よ また 独りで 戦っているのか?」」




彼は…大きな体を震わせて啼きながら戦っていたのだと伝わっている…その最期の獅子奮迅ぶりから 青鬼 ブルーオーガ と呼ばれるに至った。


尚ブルーオーガはトロール族だったと残されている。オークの集落の一つを統治しつつ魔物の聖地を護るための存在であったそうだ。聖地の近くの塔に住み、同じく聖地を守る立場だった歴戦の親友も人間との懸け橋になりえた少女たちさえも失い、数少ない生き残りを逃がすため…ただ独り戦った彼はその時に何を思ったのだろう…。

本の最後には彼は少女たちの願いを聞き、人間との戦を遅らせていたとも綴られていた。


この戦いの後、人間は更に魔物を危険な存在だという思いを強くし、滅ぼすことを決める。

ブルーオーガ亡き後の魔物たちは人間の軍隊に蹂躙される。

この頃にエルフの盟約についての書物が発見され、エルフの軍団が招集されることとなる。

ただでさえ人間の軍隊に蹂躙される魔物側である、そこにエルフの軍団も加わり完封無きにまで叩き潰されようとする中、魔物側から和睦を求められる。

最早戦う力のない魔物たちに同情したのかエルフからも戦争の終結を求める声がでていた。

魔物は人間に危害を加えない、人間も魔物を迫害しないという簡単ではあるが強固な協定が結ばれた。

この後で人間とエルフの間に亀裂が生じだしたのだ。

戦いに勝って浮かれたのか傲慢さが出たのか、エルフの盟約を私利私欲の為に使い始めた。

エルフ族は美しくまた永遠の命も持っている…どう使われたのかは想像に難しくない。

これにエルフたちは当然反発したが盟約に従うほかなかった。やがて長であるパステラやそれを護る近衛のエルフにも毒牙がむけられた。

それでもエルフたちは人間の仕打ちに耐えたのである。そのうちに人間の行為は更に残虐になっていった。最早エルフを生き物としてもみなくなっていったのである。

ここまできて、パステラは盟約の破棄を決定する。

この盟約の破棄にまでもエルフにはもはや理不尽というのも生易しい事柄が用意されていたのである。

それはエルフの命そのものである…正確には盟約を結んだときから生きているエルフ全ての命だった。

これにより特に力と知恵をもった年配のエルフは死に絶え、長であるパステラも骨になって消えた。

「パパ!!ママ!!」

「あなた!!」

目の前で家族や仲間が崩れるように骨になっていったのである。

混乱の中、長が消える前に生き残った若いエルフは聞く…なぜ人間とこんなに理不尽な盟約を結んだのかと…

「…人を、愛してしまったから…」

醜い骨となり崩れ去りながらも遺したパステラ最期の言葉だった。


人を愛していた…パステラの過去は残されていない。エルフと人間の盟約がどう結ばれたのかも、今となってはわからない。エルフ達は他の種族を見下していた節がある。それでも人間に対してはある程度の友好的な態度だった…いや盟約の内容を考えるに、人間を自分たちの子孫のように思っていたのではないか?エルフは人間に技術も教えている。この技術はいまでこそ失われているが…というよりもどれがエルフから伝わった技術なのかさえ忘れ去られている。それでも我々人間の生活基盤に根強く残っていると話す者は少なくない。


長であったパステラ含むエルフの生き字引達をなくしたことにより、生き残ったエルフたちは人間から離れ、森の奥に姿を消し外界に姿を見せることは無くなったと言う。

その後、魔物との最後の戦いが勃発すると、エルフ種族は完全に人間と袂を分かつことになる。


なぜこれほど詳しく知っているのかと問うと、生き残った者が真実の歴史を伝えるのは責務だと言っていた。彼は魔物と共に戦った人間の一人であるらしい。

ここで私はいくつかの質問を投げかけた。


”人間が魔物との協定を破ったのは何故なのか”

「人間も初めのうちは決まりを護っていた。だが人間には寿命がある。何世代も経て忘れてしまったからだ。人間が行った悪行を魔物のせいにしたいという意図もあった。最終戦争前の戦いはエルフの助けがあってもなくても人間側の圧勝だったという歴史的な見解による傲慢さもあった」

それから、何よりも人間は永遠の命や力を欲しがっていた。手に入らないのなら滅ぼしてしまえと言う考えもあったということを話していた。


”人間は本当にドワーフなども含め、全ての人あらざる者達を迫害し始めたのか”

「最初はオーク族やゴブリン、コボルト、スライムなどの害悪だと思われる者だけだったが、そのうちに全ての種族に敵意を向けだした。これに反発する者も当然いて、そうして声をあげた者は葬り去られるか生きて戦えるものは魔物の軍に加わった。私もその一人だ」

人間が種族全てを迫害したというのは真実らしい。それに加え、盟約を利用しエルフ族にした仕打ちを他の種族は覚えていたことが魔物に味方する理由の一番大きかった部分だと話していた。

”…人間は一体どれほどの種族たちを裏切って来たのか…”

「…それこそ全てだ。先も話した通り、全ての種族と敵対した。ゴブリンやオークなどの魔物含めそれは精霊や妖精、物の怪…果ては…神であった者さえ敵視した。魔族と呼ばれる者もそうだったろう。
…また殆どが偽りだと言われているが、遥か昔には魔法を使える人間もいた…。青鬼に出てくる4人の少女の一人である貴族の娘は、人間だった。
氷の瞳などと呼ばれていた少女は人間かどうかは定かではないが、二人ともが魔女と呼ばれていた。エルフの少女が魔法を使えるのは当りまえだが、貴族の少女は間違いなく人間だった。
人間でありながらも禁術といわれる術を習得するほどに魔法に長けていた。
剣を使う少女もまた人間だ。彼女は魔法がまるで使えなかったが…4人のリーダーで宝探しに向かったのも、魔物の事をもっと知ろうと言い出したのも彼女だ。
そして…人間との戦いで話せばわかるはずだと、誰も傷つけないようにと言ったのも彼女だ。

この世界は人類だけの物ではなかった…人間は…最後に残った世界だけでも手に入れたかのであろうな…。
そして、再度いうが…これは忘れないで欲しい。私だけに限らず、そのような行いをすることに徹底抗議をし、死んでいった者たちがいたことを」


話を聞くうちに、私は人間に対しての不信感が膨らんでいくのを感じていた。
それを察したのだろうか…彼からは全ての人間がそうであったわけではないと話された。
…もう、この世界のどこにも 人間 以外の種族はいない
全てが伝説か御伽噺だとさえ言われはじめている。
私が見つけた本も今ではすでに 歴史書 としてではなく 古い時代に書かれた著者不明の物語 扱い
けれど私は…信じたい。人間の文明が発展するにあたり謎めいたことが多くある。
それはきっと、人間以外の種族からの助力があったからだと…。


”…なぜ味方が多くいたにもかかわらず、人間に負けてしまったのか”

「これに関しては諸説ある。一番言われているのは、人間が余程卑劣で汚い手を使ったのだろうということだ」

「…だが私の見解は違う。”鬼”が味方に付いていたからだと考えている」

ここで私は鬼という言葉に反応した。ブルーオーガー 青鬼 と呼ばれている魔物に関係する事かと思ったのだ。

「鬼の名を冠する事は非常に…とても名誉な事だ。君の考えの通り青鬼と呼ばれた魔物もまた鬼とよばれるに至った。そしてブルーアイとその父レッドアイもまた鬼と呼ばれることがある…」

ここで彼は一息ついてから 鬼 について話しをしてくれた。

「鬼というのは古の伝説的な存在だ。見た目こそ人間にそっくりだが、その戦闘能力は群を抜いていた。だが…人間によって滅ぼされたのだ。鬼と人間は嘗ては共に戦う間柄でもあった。
人間がとある大妖怪との戦闘で滅びに瀕したとき、鬼がその妖怪と戦い倒し救ったのだ。これは鬼が人間の前に姿を現したとされている最後の記録だ。
危機に際しては助ける…この部分はエルフと人間ともつながる話だが…強さにおいては神話レベルであり、神といっても差し支えないほどだ」


鬼が人間を救った際に「忘れるな、その死を賭しても戦う強さを…それを忘れた時に本当の滅びが来ることを」そう言い残したそうだ。
妖怪と戦っていたときにも 妖怪から「人は信じられぬ存在 人同士でもいがみ合い争い殺し合う。そんなものになぜ味方するのだ」
この言葉に鬼は「人は強さを残している 俺はそれを信じるだけだ」と返し妖怪を両断したのだという。

消える寸前に妖怪は 「なぜだ 鬼は敬愛に値する存在 我ら 弱き者の希望 どうして 鬼も 人間に滅ぼされた存在 なのに」とのこし消えていったそうだ


それほどの強さがあったのになぜ、人は勝てたのかと問う。

「…私の知る限り、鬼に味方する人間は戦い、鬼を護るために死んだが…その鬼自身はなんの抵抗もすることなく殺されたらしいのだ。…自らを護り死んでいった者に対して無礼ではないか!!」


彼が少し声を荒げる。


「すまない。…エルフ族もまた人間に殆ど敵対することがなかった…。私個人の意見だが、人間の思い上がりを静める役目を担ってほしかったのだ」

また一呼吸おいてから彼は話し始める。

「人間は忘れてしまったが、他の種族は覚えていたのだ。鬼という存在を、そして人間もまた忘れられず刻み込まれている。鬼という強さを、蔑まれ貶められても尚変わらぬその強さを、それを人は鬼とよび畏怖する」

鬼は死んだのに、鬼が味方をしていたというのはどういう意味なのかと聞く

「古くからの言い伝えがあるのだ…戦いの最中どこからともなく蒼い目をした男がやってきて、ただ独り敵陣に切り込み異常ともいえる強さで相手を突き崩していくと…。戦いに限らず英雄的行いや何かを護るための自己犠牲などによってもまた鬼が味方したといわれる事例がある。先ほどの妖怪の話でもそうだが…あの時点で既に鬼は殺され、魂だけの存在だった」

「主君の自刃の時間を稼ぐために、一人で大軍を相手にした者にも鬼は味方をしたと言う話もある。そして私の考えでは鬼という存在は、ある種霊的な存在で英雄たちの想いや魂を媒体にして現れるのではないかと思っている」

それほどの力を持つ者が味方になるのなら、なぜ負けるのか

「…それこそがまさに話の筋であり、鬼の呪縛と呼ばれているものだ」

”決して負けることなく 決して勝つこともない”

「この矛盾をはらんだ呪いとも呼ばれるものこそが、鬼の力…鬼が味方した者の末路だ」

”鬼が振るいしその刃 ただひとえ それ即ちすべて 滅びゆく者の為に”

「鬼が味方をしなければ、勝てていたかもしれぬ…しかし皆一様に、鬼に首を垂れるのだ。
…私にもわからないのだ。鬼が味方をするから負けるのか…それとも既に負けることがわかっていて尚、抗い続ける為に鬼は戦ってくれているのか…他の文献にも鬼の話があり、既に大勢が決まったのにもかかわらず鬼という存在が現れて無駄に命を奪ってゆく…故に鬼が出ても戦うなと命令をし撤退をしようとしたが…まるで憑りつかれたように兵士たちは鬼に向かっていったのだと…結局はこの時に勝った方もまた大損害を被ることになり、後の世で滅亡したと伝わっている」

その話は興味深いが、鬼が味方をしたという問いの答えにはなっていないのではないか

「…青鬼を倒し、その後魔物と共に戦った少女の一人、剣士の少女が使っていた残月という剣…あれは鬼が作った物だ…本当の銘を 八千代 という」

「更に…ブルーアイが使っていた、オーク族に伝わる自我があると言われる剣もまた、鬼の力の片鱗から作られたものだ…オーク族は名前すら決めずレッドアイ以外は剣とだけよんでいたようだが、本当の名は”刹那”だ。鬼が持つ剣と同じ名を与えられ、その欠片を練り込んで作られたものだ。今の世に鬼はあらず。さりとてまた今の世に鬼は潜み、また…存在するのだ。体を失い、魂だけの存在となって尚、強き者の力となる…だが、それは同時に滅びを賜るということにほかならぬのだ」


決して負けることは無く…また勝つこともない…全てはただひとえ滅びゆく者の為…


「…そうだ。ここまでの話は 勝つことは無い と言う部分についてだ」


そして話の最後に彼から秘密の話と共に非常に魅力的な取引を持ち掛けられたのだ。

一度考える時間が欲しいと、彼の家を出て宿泊先へと戻った。

宿に戻ると、私はこんなことを呟いたりもした。

「魔物と一緒に人間と戦っただって?そんな馬鹿な、もう何千年も前の話だ」

「けど…もし本当に魔法使いや賢者ってのが居るとしたら、あんな感じなのかも…」


必要な事は、最後に話した秘密の話とこの取引の内容を口外しないこと、そして…命を犠牲にする覚悟だ。

命を犠牲にする覚悟が必要な取引…いや、提案ともいえる。

迷いはした…だが答えは決まった。朝日が昇ったら、また彼の家へと行こう。


私は信じている。子供の時から人間以外にも色々な種族がいたということを、ずっと信じていた。
幽霊とか妖怪などが見えたわけではない…ただ小さい時から感じていた…何かわからないけれど、何かに守られているような気がするって…彼に会い、確信に変わった。
実際はもっと前 突き刺さった墓標 からの声…それに誘われて私の旅は始まった。

そしてここが私の旅の終点…。


禁書である二冊の本と彼から聞いた話をここに遺そう。
もしこれを読んだ人が、私のように彼に会いたいと願うのならば
私の痕跡を探すと良い…まずは墓標である剣の元へ。
あなたの心が導かれるに値するならば剣は語りかけるだろう。

楽園への旅は 剣に始まり剣に終わる …これは私の遺書であり、希望であり道標。


私は逝く…

秘密の場所へと

永遠に続く楽園へと…


彼は秘密の話と一緒に人間以外の種族は本当に存在したのかという疑問にも
「存在しなければ今までの話の内容が嘘になる」と遠回しに答えてくれた。

秘密の話の内容は話せない…けれど、私が最後にした質問を残しておくね。

”本当に…もう人間だけしかこの世にいないの? ”

by ”真実を求めた一介の記者より、次の楽園への切符を求める旅人さんに…”




















PS

そうして話を書き終えた後の事…。
深夜を過ぎ横になるも寝付けずにいると尋ね鬼がやって来た
そう…鬼がやって来た。寝床から起き上がり、ドアへと続く暗がりを見つめる
そこに一人の男が立っていた…鍵はしめたはずなのに…。

彼はゆっくりと近づいてくる。

傍まで来ると、少し邪魔をさせてもらうとそういい
更に腹は空いてないか、酒は呑めるかと聞いてきた。

特に空いていない、酒は少しなら そう答える。

自分でも不思議だった。見ず知らずの何物かがカギをかけたはずの部屋にいるのである
なのに…恐怖も不安も感じない。

人ではない…だからといって怖い存在でもない…神がいるとしたら
きっとこんな感じなのかもしれない

彼は床に腰をかけると、私にも座るように促した。
そうしてから、不思議な入れ物にはいった水の様な物を
これまた小さな不思議な入れ物に入れると差し出してきた。

彼自体もまた見たことのない服を着ていた。

…鬼なのか?とそう聞いてみると

少しだけ微笑むように見つめられた。

長い黒髪に、蒼というよりは、水色に近い…アイスブルーの瞳
それはまるで澄み切った青空か、山の清流の様だった。

彼が差し出した水の様な物を呑んでみる。
まごうことなき酒である。初めての味だったけれど…それこそ川の水のように飲みやすい。

暫く無言でお互いに酒を呑み交わしていた。

鬼がぽつりとつぶやく

「門に行くのか?」

私は小さくうなずくことで肯定した。

聞きたい事が沢山あるのに、言葉が泡のように浮かんでは弾けて消える。

少しの時間がたち、鬼は立ち上がると邪魔をしたと言い背を向ける

慌てて私は気になっていたことを聞いた。なぜ何の抵抗もせずに死ぬことを選んだのかと

こちらに振り返り答える 「今でも俺は 人を信じている」と、私を見る穏やかなその瞳は
あふれ出るほどの慈愛に満ちていた…ただ畏怖されるだけの存在ならば、あんな瞳はできないだろう
そこにあったのは、果てしないまでの 優しさ だった。


そしてもう一つ私は聞く…どうしてそこまでして、そうまでされてエルフもあなたも人間を信じてくれるのか

「他の者の事はわからない…ただ俺は、人の温かさを覚えている 共に戦い、共に死んでいった人の強さを覚えている」

聞いた話と同じことを言う…きっとその思いは永遠に変わらない、ずっと人の味方でいてくれる…そんな安心感と頼もしさを感じた。

それを…そんな彼のような存在を…

私たち人間は…殺してしまった…。

そして今、魔物達やエルフの様な存在と同じように…鬼である彼もまた歴史から消されようとしている…。

「存外 美味い酒だった」

それでも尚彼は…人知れず現れては 人の為に戦ってくれるのだろう。

滲んだ景色の中に彼の姿はすでになく 私は一人立ち尽くしていた。

魂を媒体にしないと現世に存在できないようなことを聞いていたが…
そんなことはないのかもしれない。現に私はまだ生きている。

そしてこうも思った。

鬼はこの世のどこにもいないが、同時にどこにでもいる存在なのだろう。

そうして私はまた一つ確信した 鬼は言った。門へ行くのかと それは楽園への扉 楽園はある すぐそこに 太陽の女神が護る 創造主が創し楽園が

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