しゅれでぃんがー 2020/03/02 21:00

戦う会社

※今回は、株式会社アトラス。特にペルソナシリーズのネタバレが大量にあります。ご注意ください。



最近ゲームで、ビッグタイトルの続編という話すらあまり聞かなくなってきた。ロックマンはたしか担当のプロデューサーが会社を辞めたらしい。デビルメイクライはどうだろう。まだ次回作を制作しているだろうか。

 スターオーシャンは禁断のオチに手を出して爆発四散。テイルズシリーズは細々と生き残っていた気がする。サモンナイトはもう消滅てしまったのだろうか。初代サモンナイトは遊んだことがある。アークザラッドも2でひと段落してしまった気がする。3は話題になっていなかったように思う。ブレスオブファイヤはどうだろう。ディスガイアは完全にコンテンツとして掘りつくしてしまった感があるね。ソシャゲも不幸なスタート即転倒があって振るわず。

 昔は小さいながらも名前の知られたタイトルが多くあった。気がする。でも現代ではそれが無い。あるのかもしれないが、めっきり聞こえてこなくなった。友だちに聞くと、「当時は開発予算も少なかったし、色々チャレンジできた。でも今は億単位の金が一本作るのにいるのもザラだから、こけた時点で会社が消し飛ぶ。続編商法ぐらいしか企画が通らん」ということを聞いた。その続編商法すら成り立たなくなりつつあるのだろうか。


 そんな中、コツコツとゲームを作り続ける会社がある。株式会社アトラスである。この会社はペルソナばっかり作っている、そんなイメージがある人もいるだろう。しかし、アトラスは新規IP(全く新しいタイトルでゲームを作ること)でゲームを時々作っている。『キャサリン』とか、最近では『十三機兵防衛圏』である。十三機兵防衛圏はバニラヴェアとのタッグだが、アトラスも噛んでいる。

 ペルソナばっかり作っていれば、安定して稼げそうなものなのに。時々唐突に新作を作っては宣伝し、ちょっとだけ話題になって終わる。十三機兵は結構話題になった方である。

『キャサリン』は塔を登るパズルゲーム。結婚へ煮え切らないプログラマーの男が毎夜悪夢にうなされる。『十三機兵防衛圏』はまだ触ったことが無い。PS4が欲しい。


 安定のタイトルがあるのに新規IPに挑戦する姿は、ゲーム作りへの情熱のようなものを感じる。ペルソナシリーズはアトラスの資金源だ。だから積極的にスピンオフし、コラボもやる。最近やってるSAOとのコラボも単純に外貨稼ぎのためだろう。そろそろハローキティとコラボしてはどうかとも思ったりする。ハローキティの社長は来るもの拒まず誰とでもコラボする大物だ。


 アトラスのゲームは、シナリオ面で言えば別段目立った作品は無い。どの作品も何かをオマージュし、ある時期からの作品は全部自社の過去作のシナリオを骨組みに置いているのが見て取れる。自社のシナリオ面での財産を上手く運用している。

 初代女神転生はようするに三国志のオマージュである。魏呉蜀が天使悪魔人間になったという話。女神転生3は初代女神転生のオマージュ(システムは革新的だが)。ペルソナシリーズは主にラスボスをクトゥルフ神話から引っ張ってきており、2のニャルラトホテプの起用は、おそらくTRPG界へ大きな影響を与えたと思う。ペルソナ5はアザトース。ベタではあるが、上手く使っていた。

 P5S(スクランブルファントムストライカーズ)のラスボスは人工知能だが、これはデビルサマナーソウルハッカーズを思い出す。あの時はラスボスがスーパーコンピューターかなにかだったか。マニトゥ、だったかな。それを消滅させるプログラム悪魔がいて、それがヒロインに取り付いた。あの時はネミッサだったが、今回はソフィアで現代的にAIという設定にしたのだろう。

 P5Sの終わり方もソウルハッカーズ的だ。ソウルハッカーズでは、エピローグでスプーキーズの面々はそれぞれの道へ進み始める。そして、主人公はヒロインに問われる。「あなたはどうするの?」、と。ゲームをクリアした時、不思議な感覚だったのを覚えている。大団円のハッピーエンドではない。スプーキーは戻ってこない。でも、みんな前へ進んでいく。別れても。

 当時はこの感覚が分からなかったが、今はその正体が分かる気がする。大人になって得をした気分だ。


 アトラスは自社の作品のオマージュをする。それは別に、意図してやっていることではないのかもしれない。でも、それでいいのである。だって、ゲームはゲームとして面白ければ良い。だから、シナリオなんて極論を言えば魔王が勇者を倒すぐらいの話でいいのである。ペルソナシリーズはなんか凝ろう凝ろうという気配を作品から感じるのだが、ちょっとお泪頂戴やお説教が寒い部分が多い。『ワンピース』とかを筆頭とするジャンプ系作品ほど突き抜けていないので、やっぱり照れを感じてしまう。

 まあこれは、敵側にもそれをしてしまった背景がある、なんてことを描写するから乗り切れないのだろうと思うけれど。ゲームならそういう小難しいことはいっそのこと無しにしてはどうかとも思う。ソウルハッカーズのカドクラは良い敵キャラだったし、フィネガンもいい味だしていた。現代になってシナリオがやや小賢しくなってしまった感はある。


 話が逸れた。アトラスは看板タイトルにおんぶで抱っこなんてことはせず、こつこつと頑張っている会社だと思っている。わたしはペルソナシリーズは面白さよりも戦闘めんどくさいが勝ってしまうのでできないが、PS4を買ってキャサリンと十三機兵を早くやりたい。

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