しゅれでぃんがー 2020/10/15 20:01

日記 中抜き

 文字は書けるけれど創作するほどの気分ではない、というのが最近続いている。なにも書かないのももったいない気がするので、日記ぐらいはつけておこうかと思う。


 仕事を紹介する人間は、紹介料を持って行く。これを「中抜き」というのだが。別に悪い行いではない。何事も程度の問題である。

 友だちに聞いて、テキトーに検索したペイントソフトで書いた図を見てみよう。色の変え方とか操作全然分からず書いたけど、まあ初めてだからこれでいいか。閑話休題。 この図では元受けが一人当たりの人件費を15000円下請けに支給し、下請けはそれを日当11000円として募集したという流れである。この時、抜いた4000円が下請けの利益である。あとは現場ごとに最大人員数が設定されていて、MAX3人として3人呼べば4000×3で12000円が一日の利益。あとは現場が完工して引き渡したら報酬ももらえる。現場の稼働日数が30日として、30日間3人呼び続けたら30×12000で36万円の利益。人を呼ぶだけでそれだけ儲かる。それが人工貸し(にんくがし)という仕事だ。

 だが、人を呼ぶのにも労力がかかる。だから、中抜きするなというのも単純に言って暴論である。何の利益も無いのに仕事を強いるのは健全ではない(人を呼ぶのも仕事の一つなので)。だから、元受けも下請けが抜けるように高めの人件費を設定し、労働者側も抜かれていることを知りながらも納得できる値段設定なら働きに行くという関係性で成り立っている。

 私としては、自分の現在メインの仕事先の仕事が急遽休みになった時。当日に言って翌日仕事を用意してくれるのであれば、4000円ぐらいなら抜かれても許していいと思っている。無理を言ってるのはこちらの方なので、甘い汁をある程度吸わせてやろうという気持ちもあったりする。

 こういうスポットの仕事というのは、取る手段が無かったらどうやっても取れない。フルキャストとかの人材派遣会社に登録して色々やれば取れはするが、そういう会社は中抜きがひどいので手取り7000~8000円が普通である。一日働いて10000円行かない。そういう仕事はゴミである。どうせ交通費も昼食代もつかない。それを合わせたら手取りが6000~7000円になってしまう。働いても働いても、暮らしが楽にならない働き方。それが人材派遣。

 人間一人の時間を一日拘束するのであれば、最低でも日給10000円は保証されなければカスである。現場仕事では、10000円を基準に「一人工」と呼んだりする。人一人の値段がだいたい10000円なのだ。

 さらに、そこを抜けても大きなリスクが待ち受ける。「雇い主がきちんと給料を払うかどうか」という問題だ。履歴書を書くような関係であれば、こちら側が出勤時間と退勤時間を事細かにメモしておけば弁護士に訴えることで請求することができる(ブラック企業から逃げる時無料弁護士に相談した時教えてもらった)。だが、私は当座の金がどうしても必要だったので、履歴書もいらず、日払い週払いができる仕事にばかり飛びついていた。……履歴書が無いと、労働した証拠が残らない。だから、相手が逃げても詰められない。泣き寝入りするしかない。だからこそ。「ちゃんと仕事を用意してくれて」「きちんと給料を払ってくれる相手」というのは、なかなか得難いお得意様なのである。そういう相手は、大事にしたほうがいい。こっちも便利だし、相手もこっちを便利に使える。そういう関係性は健全だ。

 
 前回働いた給料がちゃんと月曜日に振り込まれていたので、とりあえず合格。お金をきちんと払う相手なら、私は最低限信頼することにしている。世の中に、それに勝る誠実さは無い。と、断言してもいい。労働量、労働時間を守る事。そしてお金をきちんと払うこと。私が雇い主に求めることはこれだけだ。それ以外のことは、あんまり気にしない。まあ、ラインを越えて馴れ馴れしくなってきたら切る、ぐらいだろうか。煩わしいから。

 ただ、今行ってるところの相手は中抜きするくせにケチすぎるせいで、人工(にんく。労働者のこと)がごっそりやめたらしい。私はメインじゃないし、あまり重視して働く気も無いのであんまり不満は無いのだが。やはり、一緒に働くとなると良くない環境のようである。中抜きしたお金で毎日全員に昼飯おごってやるとか(実質消費したお金は0だが、おごってくれるという恩を人工に着せることができる)すればいいのに。ジュース代だけ出したり出さなかったりするだけじゃ、人をだまし続けるのは難しいだろうに。と、思う。


 共存関係である人工貸しと人工。その関係を維持するのであれば、飴と鞭が大切だ。適切な量と、たとえ見せかけだけでも気前のいい面を見せておけば。その間は人工も逃げないだろう。何事も適量が一番大切なのだ。

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