しゅれでぃんがー 2020/10/16 17:01

日記 値段

 おかしいことをおかしいと言うようになってから、気持ちがだいぶん楽になった。やはり仕事先は複数用意しておいた方が気楽でいい。不健全なスパイラルから抜けられて最近快調である。

 請求書についてこんこんと話を話をしているのだが、改善の余地が見られない。まあ、三十年近く染みついた感覚は今更直らないのだろうとも思う。このままではらちが明かないので、私が請求書のテンプレートを作ることにした。そもそも請求書を作る上での大切な概念が備わっていないのだろうから。今ではもうあまり役には立たないけど、持ち合わせのある学を使って作ってあげよう。いつまでも自業自得なのに儲からない儲からないとぼやかれるのもいい加減耳障りだからね。

 請求書の書き方の究極はこれだ。やったことを全部書いて、それらに全部値段をつける。だから作業内容は一旦全部整理して値段票を作成しておいたほうがいい。それを参照して請求書を作る。さらに、下段に自由記入のスペースを作り、そこに材料費や特記事項をまとめる。テンプレートに含まれない特別作業なんかはここに書く。そして全部書き終わった時の値段は不変。絶対に変わらない基準となる値段である。まずは、これを相手に送付する。相手の都合で値段を決めるのでなく、自分自身の仕事にまず確固たる値段を設定する。そこが最初のスタートラインである。

 相手がそのまま払った時はそれでいい。お互いに納得しているということは、交渉成立ということである。相手が高いと言ってきたら、そこで値段交渉が始まる。じゃあいつもお世話になってるんで、全項目から1000円引きますね、とか、この項目分はサービスしますね、とか。小出しに値引きして相手の納得するギリギリのラインを探るのだ。これも、あくまで「こちらが値引きしてあげている」「相手が無理を言ってきている」というスタンスを崩してはいけない。相手こそ悪者であることを自覚させることで、相手に正しい価値観を与え、教育していくのである。そうしなければ、いつまでたってもちゃんとした見積もりを持ってこない。使えない営業のまま成長してくれないのだから。

 値段交渉をする前に自発的に値引きする人間。それは飼い慣らされた奴○である。もしくは脳みそが入ってない。と、私は思っている。提示した値段を定価だと相手は認識するから、交渉前に値引きしたらそこからさらに値切られるのは当たり前だ。それで相手を責めるのはお門違い。自分のありとあらゆる認識が甘すぎるだけのこと。他人の善意を信じるなど、仕事では絶対にやってはいけないことである。

 値引きしてくれたと認識していない相手は、際限なくこちらに譲歩を迫ってくる。さらにはこちらを責めるような認識を持つ。間違った認識が育った結果、相手を馬鹿に育ててしまうのだ。交渉をしない譲歩というのは、百害あって一利も無い。むしろ、相手に悪影響を与える。思いやりは人間の美徳と言われている気がするが、商売においては馬鹿馬鹿しくてくだらない考え方だ。自分から譲歩なんてしたら、食い物にされて終わりである。相手に下手にださせてこそ、交渉事は有利になる。

 請求書は相手と揉めることを前提に値段を設定すべきである。そうでなければ、利益なんか守れるはずがない。相手も商売なのだから。しかし、こちらも商売である。そこで引いてはいけない。戦うしかないのだ。


 かといって、50を過ぎたおじさんに今更変われと言うのも酷だ。一緒に働いている間は、徐々に私が間に入って現状を変化させてあげよう。そこそこ給料と仕事も用意してくれてるからな……

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