しゅれでぃんがー 2021/08/02 04:11

骨組みの流用

 キャラクターの数だけエピソードを新規に作ると、人数分必要になるのでとても大変。ヒロインを攻略するゲームを作るとして、ヒロインが10人いたらじつに10個のシナリオを作らなくてはいけない。それはとっても大変だ。先日、そんな労力を見事な発想で削減している作品を見かけたので考察してみよう。

 その作品は、主人公が引退した元世界一の魔法使い。弟子を取って物語が始まる。まあ、その弟子がメインヒロインである。そのヒロインの他に11人ヒロインがいる。めちゃくちゃいっぱいだ。遊ぶ方には嬉しい数だが、作る方だとうんざりする人数である。個別にエピソードを考えてたらキリが無い。だがその作品、一部のヒロインはなんと全部同じ骨組みでエピソードを作っていた。どういうことかというと。


プレゼントを贈る

デートする

部屋に連れ込む


 全員この流れでエロシーンに繋がる。まるで金太郎飴のようだった。見事である。さらには、主人公への態度がそれらのヒロインは全員恐縮や敬い、尊敬のスタンスを取っている。反応まで骨組みにすると一緒。ここまで同じだと称賛せざるを得ない。とても上手い作りである。

 ヒロインたちは弟子のライバルだとか他大陸の魔法使いだとか。格闘家だとか大会の実況だとか色々いるのだが。全員プレゼントもらって自分はあなたには見合わないとか恐れ多いだとか謙遜して。主人公に口説かれてほいほい部屋についてくる。各キャラ用に細部のシナリオを調整する必要はあるが、骨組みが同じだから書きやすい。この作品はヒロイン数を水増しする意図はないだろうが、ヒロインが出せそうなタイミングに全て新ヒロインを立ててるから、とにかくヒロイン数が多い。まあ、そっちの方がユーザーは得した気分になるだろうが。その代わりに、シナリオ面での簡略化というか、仕様の統一というか……。とてもエコな作り方でボリュームを大幅に増やしていたのだたった。

 そのゲームのヒロイン12人中、じつに4人のヒロインがその骨組みで作られている。その他にはトレジャーハンターだとか同期の女魔法使いだとか妹弟子とかいるのだが。それらは、その設定自体でシナリオを組むのが容易なので骨組みを流用しなくても良い。本来このゲームは8人のヒロインで出されるはずの物だったように見えるが、この骨組みの流用という技術により、12人のヒロイン数でリリースされている。

 キャラデザが用意されてるけど攻略できないヒロイン、というのがそのゲームにはいない。ちゃんと、立ち絵があるキャラは全員攻略できる。が、その中身は、4人ほどなかば無理やり作り出されたシナリオでできている。だが、別に違和感は無い。むしろヒロインはいればいるほど嬉しいものだろう。本来、他大陸の魔法使いとか実況の女性は攻略不可だったとしてもメインシナリオにとって影響はない。でも、攻略できた方が遊んでる人間は嬉しい。だから、私はそれを実現したこの技術を手放しに称賛する。とても理にかなった技術である。

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