しゅれでぃんがー 2021/08/07 17:26

レッ……!




 ブログの新着記事を掘っていた時、あまりにも目を惹くサムネイルにクリックして衝撃。人間ミンチマシーン……? 面白いなあ。ということで発売作品を全部ざっと見て、セール中のゲームをさくっと全部買ってみた。ものの、趣味があいそうなやつだけ触ってみた。のが上部のリンクで用意した四作品である。非常に面白かった。ちなみに興味を持った記事というのはこれ。



【R-18G】「グレイブヤード・エクスキューショナー」進捗42
(超グロ注意。人によっては吐くレベル)



 一番最初に触ったのは『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』。作品ページの説明だといまいち内容が分からないが、ゲーム開始して数秒で分かる。あ、ヤバいゲームだな、と。主人公がなんか培養管から生まれるところから開始。そして最初の戦闘で負けて「廃棄」される。これ以上ない作風というか、作品の空気というか。世界観の説明である。私は長々しいOPのゲームが基本的に嫌いなので、これぐらい話が早い方がとっつきやすくて好きである。

 ゲームサイクル自体は探索パートでロケハン+ストーリー解説、撮影パートで雑魚敵として登場する女性モブたちをRPG戦闘システムで処分、丸呑みしていく。丸呑みをたくさんするとクリア時の評価が上がって報酬がたくさんもらえるが、このゲーム、買い物しなくてもクリアできる難易度だからあんま意味は感じなかった。むしろ雑魚戦の作業間が半端なくてそっちの方が厳しかったな。ダルくて。やっぱ基本的にRPG苦手だなあ自分、と再確認。

 このゲームはシナリオが本当に面白かった。生まれたて+マインドコントロールで無知な主人公なもんだから、プレイしててプレイヤーもなにがなんだかわからない。そういうゲームってだいたいプレイヤーのゲーム自体への関心が薄れていって、ついていけなくなってプレイ継続がモチベーション的にできなくなるパターンが多いんだけど。話の展開が奇抜過ぎてのめり込む。えぇ……っ!? みたいな反応になる展開がずっと続く。だから飽きない。続きが気になる。

 最終的に納得できるエンディングになるし、ちゃんとマルチエンドだしでゲームとしては百点満点。非常に面白かった。自作っぽい肉壁とかのマップとかキャラチップが非常に味があってよかったね。人間が溶け込んでる感じが絶妙に表現されてて本当にグロいのでよかった。


 続いて遊んだのが『DepraviA EgrigorI』。『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』よりグロに特化した作品だった。システムとしては魔界村系のアクションゲーム。空中浮遊のシステムがいいスパイスになってる。マップで拾える人間の魂を使って主人公の発射できる武器の弾速や弾数やら空中浮遊時間増加なんかで強化できる。これがすごく遊びやすくてよかった。魔界村システムに成長要素をくわえて発展させてる感じ(一回のジャンプ中に一回だけ壁キックジャンプもできる)。

 とにかくレベルデザインが秀逸。理不尽過ぎない。でもだいぶ難しい。敵キャラが全部手書きなので没入感も高いね。見た目通りの死に方の敵もいれば、思いもよらない死に方をする敵もいて飽きない。これがエログロか、というのを思い知らされるようなゲームである。ただ、エロというより○問系のエロ(苦痛を与えたり苦しめようとしている感覚の方が強い)から、こういうのは性癖じゃない人が見ても興奮には結びつかないんだな、という実体験を得た。たしかに裸で凌○されたりしてるんだけど……どこか圧倒されてるというか、心が退いてる自分がいる。可哀想、で感情が止まっちゃうね。どうしても。

 このゲームもまたシナリオが良い。周回プレイするのにはちょっと労力が必要なゲーム規模(7+1ステージ)だけど、回想モードでエンディングが5つあること、全開放で見たエンディングで話の流れがすごく気になった(直でエンディング始まるから【なぜそうなったのか】が分からなくてすごいもやもやするんだよね)こと、最後に上位エンドでしか行けない最終マップがあるっぽいことに気づいて気が付いたらやり直してた。さすがにイージーでだけどね。

 でも、それで気づけたことがある。難易度設定によるゲーム難度の変え方。これがまた見事だった。どういう風にしているかというと、全体のゲームスピードを変更することで変えてる。あと敵が発射する弾の数ね。どういうことかというと、単純な敵の動くスピード。これがイージーとハードではたぶん三倍ぐらい違う。ベリーイージーだとゆっくり歩いてくるけど、ハードだと全力疾走かという勢いで突っ込んでくる。画面に唐突に出現したらまあとっさには避けられない。ただこれだけのことで、アクションゲームってのはこんなにもゲーム性が変わるのか、と感動した。敵の動くスピードだけじゃない。動く足場の速度、地形トラップの回転速度、ベルトコンベアの速度なんてハードだと逆走がほぼ不可能。その先に設置されてるプレス機やら回転ノコギリなんかが迫ってくるこの絶望感たるや。じつに刺激的。もちろん当たったら血みどろのぺしゃんこだったり胴体を真ん中で縦に真っ二つとか。すごいね……。血しぶきが。背景とかマップの色合いが血と油でくすんで濡れた感じがすごい雰囲気ある。大量の血が流れて染みついてんだな、って感じる。

 話を戻そう。敵が発射する弾の速度も増加してる。明らかに速い……気がする。弾の数も三倍になってるもんだからもう避けづらい避けづらい。一個しか飛んでこないところが三個連続で、しかもすごいスピードで飛んでくるからね。でも主人公の移動速度や空中移動、ジャンプの速度はそのまま。これが絶妙。緩慢な動きしかできない主人公が、ハードだと文字通り塵芥のように血しぶきまき散らしながらはじけ飛びまくる。一周回って、難しすぎて面白くなってくる。全クリ後に解放される一撃死モードクリアで最後の隠しCGが解禁されるらしいから結局それもクリアした。やっぱ、実績一つだけでもクリアする同期になるから。ご褒美CGがあるってのは嬉しいよね。

 敵の出現数やHPはおそらく変わってない。ただ、ゲームスピードだけが違う。それだけでちゃんとモード分けが成立してる。長年のゲーム作りの、レベルデザインのノウハウがあるんだなあと感じた。一応、主人公の強化コストもハードモードだと1.5倍ぐらいになってたね。周回プレイ前提のマルチエンド作品って、難易度変更が無かったら本当にやる気でないから。きちんとしたレベルデザインがされたアクションゲームってのは本当に面白い。

 このゲームを遊んでなんとなく思ったのが、【自サークルの他作品との繋がり】である。サリエルというキャラがいて、この堕天使が諸悪の根源っぽいんだけど。これは『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』にもいたんだよね。さいりえる、とかいうキャラ。見た目がいっしょだなーと思ってたけど、名前の読み仮名を見返して気づいた。次元、時間、空間を移動できるという設定を見て納得。たぶんこのサークルさんのゲーム、全部のゲームの裏ボスというか、引き金になるキャラはたぶんこのサリエルってキャラんだろうな。となんとなく感じた。このゲームの主人公も『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』に出てきた敵対組織(善の組織っぽい)のキャラと似てる。たぶん、このゲームの主人公のセレニアか、後述する前作の主人公のアンジェリカという天使のどっちかが現代系作品における東神キリコってキャラの他次元の同一存在みたいな感じなのかな、と思う。『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』だと敵対組織の隊長みたいなキャラで、他の作品では警察官やってた。こんな感じで、同じキャラだけど役割というか、仮面が違うみたいな感じで、極々少数のキャラを立場を変え世界観を変えて使い回してる。いや、使い回してる、という言い方は語弊があるけど。手塚治虫がやってた【スターシステム】みたいな感じだね。キャラデザが同じキャラを性格設定を変えて別の作品でも使う、ってやつ。これを見事に使いこなしてる。

 これの後に『D e p r a v i A ~戦乙女アンジェリカが酷い目にあう横スクロールハードコアリョナアクション~』を遊んだんだけど。『DepraviA EgrigorI』の前作だから、疑問だった部分が全部分かって面白かった。世界観とシナリオがすごく重厚。よくできてる。たぶん今後の作品で全部サリエル出てきても疑わないもん。この女ヤバすぎるわ、というのがこのサークルさんのどのゲーム触ってもひしひしと感じる。諸悪の根源が共有されていて、しかも作品を時系列で並べたらどんどん強化されていってるもんだから説得力が半端ないんだよね。これの何がすごいかっていうと、ラスボスってやっぱりそれに見合う実力と風格が無いと成り立たない。締まらないんだけど。全部の作品で原因が同じキャラだと、話がすごく安定する。ラスボスのヤバさ、というのが過去作で裏付けされてるから。どんだけヤバい事しても「まあこいつだし……」で納得させることができる。【新たにラスボスを作る】という手間が削減され、そういうキャラを裏ボスに設定することで【その作品でのラスボスがショボくても許せる】……ようするに、ラスボス作りのハードルが下がるんだよ。このサークルさんの世界観で言えば、【サリエルにそそのかされたみたいだけど、所詮はサリエル以下だったな】で思考が止められる。ラスボスの格が低くても、その後ろには天井知らずの格を持つサリエルが控えてる。だから勝った感じが無い。不穏さが残る。これが絶妙なんだよ。創作のシステムとして、本当にシステマティックで秀逸だ。


BLOOD RUSH.』ではこのシステムが本当に上手く機能してる。コラプトガーデンっていう敵組織との戦いの話なんだけど。『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』の主人公の所属してる組織もコラプトガーデンって名前なんだよね。で、このサークルさんのアクションゲーム系のラストステージもコラプトガーデンなんだよね。サリエルが支配してる地獄。ほんと上手い。本当に上手い。同じキャラで同じ組織を使って作品を繰り返し角度を変えて作ることで世界観が深まってる。理想的な作り方。上手いわ。

 このゲームはムービーが本当にすごいんだけど、でもやっぱりグロとエロは連動しないね。特殊性癖の世界ってのは奥が深いみたいだ。戦闘エロのシステムもグラフィックとアニメを自作してたから興味が途切れなかったけど。けど、やっぱりゲーム性として成り立ってるかと言われたら成り立ってるようには見えなかったね。このサークルさんですら戦闘エロシステムを合理的に成り立たせることはできてない。どのゲームもゲーム性としては存在意義が疑問になる。戦闘エロというシステム自体がゲームとの親和性の観点においてやっぱ難しいんだな、と思う。

 このゲームで重要キャラがだいたいわかった。『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』のゲーム内で用語集が閲覧できるから助かるね。「東神霧子」、「雨宮恵梨香」というキャラがどのゲームでもおそらく正義側で動くキャラ。雨宮恵梨香は〇〇バニーとかいう名称で痴女みたいな格好してるから分かりやすいね。東神霧子はたぶんどの世界でも両手両足をコラプトガーデンに切り落とされて義手義足になってるっぽいね。で、「雨宮リサ」ってキャラがいるんだけど。このキャラが奇跡の血とかいうのを持ってて不老不死で、そのせいでヤバいことになる、と。善組織側には毎回おそらくクラリッサもいるみたい。『BLOOD RUSH.』遊んだ後に『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』の用語集読み直したら気づいたね。クラリッサもいるのか。あと、サリエル側の人物として「如月氷織」ってヤバいやつがいる。だいたいがバイオ系のマッドサイエンティストなのかな。もしかしたらこのキャラもサリエル同様に、というかサリエルと一緒に次元移動してる可能性あるね。


 細々したちょいキャラとかサブ主要キャラこそ新しく用意してるけど、物語の核になる部分のキャラは全ゲーム統一されてる。むしろ、新しいゲームの主人公が、このサークルさんの持ってる大きな世界観の中で新キャラとして追加されていってるんじゃないかな。そういう創作の方法もあるのか、と目から鱗が落ちるね。

 ゲームとしても面白いし、世界観も興味深い。グロ系創作物に抵抗感が無い人には文句なくお勧めできる作品だった。次回作もすごく楽しみだ。


 それとサークルさんの発売作品を見てたら、自作品のセルフスピンオフみたいなのを出してるのも興味深いね。『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』の登場キャラで、設定とか角度を変えた作品を出してる。

 たぶんこれもサリエルが黒幕、ということで説得力あるし。キャラは全部流用だからシチュエーションやシナリオ、テキスト、新CGは用意しなきゃいけないけど、すごく大変な「世界観の造形」をしなくていいのがデカい。大きな労力削減だ。発売時期を見ると『コラプトガーデン - VORE PREDATION -』はCG集の後に作られてるから、ゲームの方がCG集の世界観を引き継いだというか、世界観の骨組みになったんだろうね。

 こういうので作り出されたエネミー案や画像が、ゲームでのクリーチャーとしても使われる。過去作のアセットが全て次回作で生かされている。じつに興味深い。


 このサークルさんの創作物を見ていると、ゲームの側面もシナリオや世界観造形の側面でも。驚かされること、勉強になることがたくさんある。あらゆる面で楽しめる、充実したゲーム体験だった。万人にはお勧めできないジャンルで活動されているが……私は今後も応援することにする。


 ついでに紹介するが、最近面白い記事を書いていらっしゃった。


リョナラー同人作家が結婚する話


 てっきり新作のCG集とかの話かな、と思ったら。なんとなんと、ご本人の体験レポートだった。文章も面白いね。読ませる書き方で内容も充実してる。普通の読み物としてお勧めだ。ご結婚おめでとうございます。






 最後にフォロワー向け記事に画像サムネ付きリンク置いとくけど、グロ苦手な人は見ない方がいいよ。サムネの時点で血みどろだから貧血になるかもしれないからね。



















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