しゅれでぃんがー 2021/11/29 04:22

パブロフの割引セール


 コンビニで売ってる好きなお菓子が、新作を出していた。とちおとめ味。冬はイチゴ味が増えるらしい。甘党な私は、酢っぱ甘いのも普通に甘いのもどっちも好きなので。こういうのを見かけたら、とりあえず一つ買ってしまう。

 100円均一に卸されたら買い占めしよう、と思ったが。その時ふと、思いつくことがあった。最近、割引セールされている同人ゲームしか買ってないなあ、と。


 DLsiteでは頻繁に割引セールが行われたり、クーポンが配られたりする。文字通りの大安売りで、セールとクーポンを併用すれば70%OFF、なんて買い方もできたりする。ユーザーとしては、ありがたい限りだ。しかし、製作者側からしたら、とても大きな決断なのだろうとも思う。半額にしてでも買って欲しい、というのは。手に取って欲しいからかもしれないし、お金がどうしても必要だからなのかもしれない。どんな理由かは分からないが、なにがしか、きっと理由があるはずだ。それを思うと、セールに対する見方も変わってくる。

 割引セール自体が持つ効果も見逃せない。一度でもセールを行った作品というのは、「またセールするかもしれない」という気配をユーザーに感じさせる。そうなると、もうその作品はほぼほぼ定価では買われないように思う。だって、夏や冬のセールで買った方が安いからである。いつかセールするのであれば、今買わなくてもいい。そう思われて、買われないままに存在を忘れられていく。セールの頻度が問題なのではなく。セールを「したことがあるかどうか」が、大きな意味を持つのではないだろうか。

 最近ではsteamなどのゲーム販売サイト(というのだろうか?)でもセールが行われるので、ゲームを全体的に定価で買わなくなった。それどころか、定価=高いという認識まで無意識に持っている始末。我ながら安売りに毒されている。


 ゲーム以外でも、割引問題を持っている業界がある。フードデリバリーで、こんな話を聞いた。某サービスでは、半額セールをいきなり行うらしいのだが。割引した際の負担額はその会社が持つ代わりに、半額セールをすることを拒否できない、という契約があるんだそうだ。それについてお店の人が嘆いていた。

「半額にされると、半額セールの時しか商品が売れなくなる」

 聞いてなるほど、と納得した。そりゃそうだ。そして、セールが終われば誰も買わないから、赤字で破産、閉店となるらしい。そのお店の人は、セールが終わったらお終いだと嘆いていたらしい。





 安売りというのも善し悪しなんだなあ、と。とちおとめ味のお菓子を買って、家でDLsiteのセール情報やクーポン情報を眺めながら思った。

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