AIクエストⅣ~新たなる試練
SNSで見た話題についていろいろ。
AIで救われること
ツイッター(X)のALTを正しく使おうという話がバズったり荒れたりしていたそうですが……言い方や説明が良くないような気もしますし、Xは投稿の再編集も標準機能にはありませんし、どうにもきつい話のように思いました。
https://twitter.com/piromaru5/status/1770431650687840380
さておき、こういう部分こそAIで自動化できたら良いとも思います。画像から要素を抽出する技術は既にありますし、他のSNSやブラウザにはそういう仕組みもあるようです。AI技術は本来こういう誰かの助けになるようなところに使われるもので、それらは既にあちこちに普及しています。
どこかの映画監督が「AIがあれば老いても映画を作り続けられるかも」と希望を抱いてるような発言もありました。私もいつまで健康な五体満足のままゲーム制作を続けられるかなどわかりません。AI技術に救われるクリエイターも多くいるでしょう。
民主化という誤解
才能の民主化という言葉が話題になっていましたが……技術や情報の『民主化』という言葉は以前から使われていて、背景が複雑かつ誤解もあり、言葉の使い方として適切ではないところもあり、一概には言えない難しい話のように思いました。
https://twitter.com/nyaa_toraneko/status/1771383369991090230
Unityなどのゲーム開発技術が誰にでも使えるように公開されたのも『民主化』と呼ばれていたわけです。誰でも膨大な情報にアクセスできるインターネットの普及を『情報の民主化』と言った人もいたかもしれません。しかしながら本来の民主化・民主主義とは異なる用法であり、大衆化や一般化と言う方が正しいとも思われます。そのような在り方を目指すのも思想的にはわからなくもありません。
あとまあ、AI技術の普及ぐらいではそこまでの変革は起きないと思います。結局は道具が変わるだけでまた才能の優劣は生まれる、新たな格差は生まれる、実際には共産化も民主化もしない、世界はそんな簡単にどちらかへと制御はできない、と私は思いますけどね。
新たなる試練
ゲーム制作は便利なツールが次々と出ている一方で、ゲーム制作に求められる水準、見えないハードルが上がっているとも感じます。頑張ってもろくに注目もされず埋もれてしまう状況で続けられるゲーム作者が少ないでしょう。まあこれはゲーム制作に限ったことではありませんけど。
https://twitter.com/OPUWA/status/1771119016037540249
かつて、エロRPGブームがありました。そこそこしっかり作れば千本くらいは売れるということを先駆者が証明し、ツクールで手軽にエロRPGが作れる環境があったので、同人エロゲ作者が増えていきました。商業エロゲがノベルADVばかりでしかも高額なものばかりだったので、多くのユーザーが商業エロゲ市場から離れていたという背景もあるでしょう。また3Dカスタム少女などフリーのグラフィックス素材を使えば、絵を描けなくてもエロゲーを作ることも可能となりました。
そして今も、AI技術の普及によってまた新たなクリエイターが生まれている最中と思います。AIイラストを使ったエロゲーは未熟な作りのものも少なくありませんが、それはこれまでゲームを作った経験のない人たちが新たに参入しているということでもあります。
新規クリエイターが多く増えるタイミングというのは、新しい技術が普及して既存のクリエイターとも対等に勝負できるようになった時なわけです。それは既存のクリエイターにとっては大きなリセットが起きるタイミングでもあり、新たなる試練でもあるかもしれません。