レイモニャ 2024/04/11 15:58

世界設定はしっかり作れ。だが断る。

それでは本日のマガジンのお時間です(とあるインフルエンサーの真似)

SNSで『闘将!!拉麺男』(たたかえ!!ラーメンマン)が妙にバズっていました。「子供心にもぶっ飛んだ漫画と思っていたけど、今読んでも本当にぶっ飛んでいて困惑する」という声が多いようでした。私はアニメは普通に楽しく見てましたが、原作漫画はあまり読んだ記憶がありません。

「拉麺男を読んだ後だと男塾がまともに思える」このような感想を持った人もいるようです。まあそれもそのはず。『魁!!男塾』はぶっ飛んでいるようでかなり考慮されて描かれている漫画です。死んだキャラが復活したら「お、おまえらは~!!」と驚くのが男塾の定番ですが、これは「ツッコミを入れている」わけです。おかしなことがちゃんとわかるように描かれてるんです。民明書房なんかもそうです。子供心に騙された人もいるようですが、よく読めば出鱈目なギャグであることはわかります。何より、男塾が時代錯誤な軍国主義の異常なギャグ集団なのは最初から徹底して描かれています。

一方の『闘将!!拉麺男』はどうかというと、ツッコミ不在で話がどんどん進んで行くので不安になってしまうのでしょう。とはいえ、ゆでたまご先生独特の勢いのある作風もまた捨て難い魅力です。現在も連載中のキン肉マンは確立した伝統芸能のような安心感すらあります。

『闘将!!拉麺男』のアニメはYoutubeなどで見られます。確かにところどころぶっ飛んでますが、今見てもかっこいいと思います。原作漫画のクセはほどほどに抑えられ細部は改変されているようです。火傷で額に中マークができるとか敵が竜巻で吹っ飛んでいくシーンとか何度見てもわかりませんが。

『魁!!男塾』も『闘将!!拉麺男』も80年代の大ヒットコンテンツです。温故知新なヒントが得られることもあるかもしれません。

男塾の世界観はオンゲ向き?

昨今のオンゲのキャラクターはガチャでいつでも入手できて、ユーザーが自分のペースで地道に育てて自由に編成できます。シナリオの都合で編成に縛りのあるゲームというのもありますが、まあ私はあまり良くないと思ってますそういうの。ユーザーは好きなキャラを自由に使いたいんですから。シナリオの都合なんてどうでもいいじゃないですか。

何よりゲームの作り手の自由を縛ってると思うのは「プレイアブルキャラクターはシナリオで退場させてはいけない」ということです。メインシナリオで死んだキャラクターをずっと使い続けるのはさすがにユーザーも微妙な気分になります。殺したりしてはいけません。常識ですね。

本当にそうでしょうか? どうでもいいような気もしませんか?

男塾のゲームがあったとしたら、三面拳や男爵ディーノや独眼鉄や大豪院邪鬼はプレイアブルキャラとして実装してはいけないんでしょうか? どうでもいいんじゃないですかね。後で「お、おまえらは~!!」って復活しますし。ユーザーはそういう世界だと承知してるでしょう。男塾ってかなりオンゲ向きかもしれません。

フリーレンのゲームでアウラがずっとパーティにいたっていいじゃないですか。とっくに自害してるのに、プレイアブルキャラとしてずっと使えたっていいじゃないですか。ヒンメルも。フリーレンのスマホゲーとか作るとしたらここらへんどうするか難しい気もしますが、出るといいですね。

しっかりした設定は必要?

最近は大陸製のゲームがとても強いですね。私はお金と環境がなくて全然プレイできていないので、これは想像でしかないのですが……。

大陸製の人気ゲームは、刺さるツボを抑えたキャラクタービジュアルがとにかく注目されながらも「シナリオも面白い」と評判です。そしてユーザーの反応をよく見てると「面白いんだけど世界観や設定が未だによくわからない」「細かい設定とかわからなくても楽しめる」なんて感想もあって驚かされます。シナリオがしっかり作られてるのに「世界観や設定が不明」なんてことがあるのか。おそらくそれらは意図的にそうなっているのでしょう。二次創作が盛況なのも、根本の設定が緩く作られているからかもしれません。

よく考えると『艦これ』もすごい人気コンテンツなのに世界観がよくわかりませんでした。そもそもシナリオがほとんどないゲームですが。そのためか二次創作ではいろいろ自由に描かれていて根強い人気があります。東方プロジェクトもそうかもしれません。ちいかわの世界も謎だらけです。

大陸製の人気ゲームは日本のコンテンツをしっかり研究して模倣した上で、新しいシナリオや世界観の作り方を構築したのではないか、そんな感じがします。

一方で、日本のゲーム業界は「新しい市場を開拓して行く!」などとイキってるわりに、なんだかんだ古典的な作り方に拘泥しているところが多い気がします。スマホゲーのシナリオ仕事もいくつか関わりましたが……まあ細かい指摘をしてくるわりに要領を得ない無駄なリテイクを繰り返したり、結局できあがるものはせいぜい無難としか思えなかったり、大きく宣伝を打ったわりにヒットせず、1年足らずでサ終したり……。

私は「面白ければありだ」という言葉に何度も苦しめられました。「面白くないからだめだ」と何度も叩き潰されました。こう言う人ほど「自分は理論的だ」と思ってるので本当にたちが悪いです。気持ちはわからなくもありません。それまでの道理が通じない市場になっていることはわかっていても、どうにもできないのでしょう。

私はもっと自由にやったらいいじゃないですかと思います。
売れているゲームはそういう思い切りが良い気がします。

私は今の業界にこのような不満を持っていますが、現状を打破する力はないので強くも出られません。何よりこれらはユーザーの反応を眺めていて感じたこと、想像でしかありませんから。最新のゲームにもっと触れていけるようにならないといけませんね……。

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