yatsureCreate 2018/09/07 07:10

【ノベル】TSと親友と戸惑いと−3

「ふーっ!疲れたーっ!休憩しようぜ!」
「おう。いやー、思うんだけど、俺達弱すぎね?」

生き残りをかけたサバイバルFPS。二人でタッグを組んで挑んでいるのだが、結構勝てない。他のプレイヤーと遭遇した場合の勝率は50%を切っているだろう。それほど、対人に弱かった。立ち回りやカメラワークも含め、クソザコナメクジである。パリパリと音を立てながらポテチをつまみつつ、コーラで喉を潤す。至福の時だ。このゲームを始めて思ったが、結構ゲームも疲れるものだ。特にこのゲームは、考える事が多い。思考がぼやけている。つまり、何かを言うなら、今がチャンスだ。向こうの思考も同じく鈍っている、という事もあるが、単純に自分の脳内がごちゃごちゃと五月蝿くなく静かで、勇気を出しやすい。

「・・・昨日はその・・・すまなかった。」
「いいよ別に・・・。」

さらっと、なるべく自然に言葉を発する。そして、あくまで言葉の上でだが、昨日の行いは許された様だ。実際コイツがどう思っているかは不明なまま、沈黙が流れる。休憩時間なのだから脳を休めたらいいのだが、そうも言ってられない。あえて言うなら、FPSという休憩時間は終わったのだ。

「一つ、聞いていいか?」
「・・・なんだよ。」
「お前、好きな女子とか居たの?」
「好きな女子っつーか・・・可愛いな、と思ってた女子はいたかなぁ。」
「お、誰だよ。」
「・・・マエカワ。」
「わかる。・・・あれ、マエカワってショージと付き合ってなかったっけ?」
「マジか・・・。まぁ、今となってはどうでもいいけどさ・・・。」
「失礼な質問かもしれねーんだけどさ、女になって、好みのタイプとか変わった?AV女優とか」
「あー、言われてみれば、ここの所動画は見てないな。」
「ほう?してはいるんだな」
「・・・・・。」

しまった、つい。こんな方向に誘導するつもりはなかったのだが、じとりと睨まれてしまった。しかし、それはそれで気になる。女と男じゃ気持ち良さが違う、なんて格言もあるし。聞いてみたい所だが、なんとなく親友の目が"それ以上聞くんじゃねぇ"と訴えている気がして気が進まない。遠回り作戦は見事な失敗と終わった。探りを入れようとした事が、かえって仇になったパターン。となれば、もう残る球種はストレートのみ。男なら当たって砕けろ、だ。この場に男は自分一人なのだから、爆砕するのは自分と決まってしまっているが、そういうものだと割り切るしかない。

「話、変わるんだけどさ」
「なんだよ。言っておくけどな、そこに置いてある電マはまだ使ってねーぞ。」
「まだ、ね。ってちげーよ。単刀直入に言うとだな、俺、お前の事好きになっちゃったんだけど。」
「ぶふっ・・・!テメー!人が飲み物飲んでる時になんつーギャグカマしてくれてんだコラ!」
「悪い悪い。けどまぁ、人の告白をギャグ呼ばわりした訳だし、チャラな・・・・」
「・・・・本気で、言ってんのか?」
「・・・・。」
「・・・・・ん?・・・・ハッ!?」

一先ず即答で"無いな"と言われなかっただけでも一息つけるが、飲み物を咽せた際、慣れない座り方が崩れ、スカートの中がチラ見え状態になった。思わずガン見していると、不審に思った親友は目線をたどり、白いパンティーが露わになっていることに気がついて、バッ、とスカートの裾を抑えた。バレない様にさりげなく見ているつもりだったが、親友の顔に視線を戻すと、じとー・・・と若干の侮蔑を含んだ目線を送られており、完全にバレていた事がわかる。落ち着け自分。クールになれ。平然と余裕を装うのだ。

「・・・このドスケベ野郎が・・・!」
「いやいや!そう言うけどな、逆の立場だったらお前だってガン見するだろ!?」
「ぐぬぬっ・・・!」
「・・・んで、この聞き方は卑怯だと思うんだけどさ、逆だったらの延長で、お前ならどう思う?」
「・・・お前がTSったら、の話か?」
「イエス。正直な感想を赤裸々に語るなら、俺はぶっちゃけ喜んでいる。俺にとって、お前以上の女はいないからな。」
「なっ・・・!けっ、よくまぁそんな歯の浮くセリフが出てくるこったな。流石のコミュ力、評価してやるよ。」
「そりゃ光栄の行ったり来たり。・・・んで?」
「うっ・・・!そ、そんなif、話になんねーよ!現実と違う話なんか、興味ねーからな!」
「・・・じゃあ、この現実、どう答える?」
「そ・・・それは・・・・」

一度目を逸らし、目の前にいる自分の表情を確認するべく、親友は自分の方をチラ見した。自分が真剣な眼差しを送っていたからか不明だが、親友はすぐに目を逸らし、俯いて押し黙ってしまった。コイツの、返答待ちだ。体を横に向け、スカートの中が見えない様に膝を抱えて座り始め、ちら、ちら、とこちらを見ては、口元をモゴモゴと煮え切らない。

「お・・・俺を好きになったって・・・い、今までは好きじゃなかったのかよ」
「・・・好きになっちゃったんだけど、の後に、性的な意味で、と、めちゃ好みだから、を加える。」
「せ・・・!お前な、俺は元々男だぞ!それなのに、つまりお前は、その、俺と・・・」
「おせっくすしたい。」
「"お"をつければ上品になると思ってんのかバカが・・・!」
「今のお前は"女"だろ。元々論を言うなら、人類はみんな元々女だって言うじゃねーか。そんなもの、今は関係ないぜ」
「わわっ・・・!?」

暖簾に腕押し。そんな感覚を覚えるほど、のらりくらりと躱されるのも、いい加減耐えられない。親友に急接近して後頭部に腕を回し、もう片方の手で親友の手を握る。顔を近づけ、じっ・・・と見つめてやった。パチクリと驚いている親友の目を見つめる。こんな事出来るのは、コイツに対してだけかも知れない。もしも強く突き飛ばされたら心が保たない。その時は帰ろうと思いながらも、自分は賭けに出た。意外にも、自分の心臓は冷静だ。笑われる事も覚悟していたが、どうやら親友は見るからにばっこんばっこんの様だ。

「俺が知りたいのは、お前が俺をどう思ってるか、だよ。それと、俺の思いを追加するなら、もしもお前が俺以外の男と付き合ったりしたら、俺のSAN値は0になる自信がある。」
「素直に発狂するって言えよな・・・!」
「俺は、今まで通りお前と遊んでたい。それに加えて、エッチもしたい。俺以外の人間と肉体関係を持って欲しくない。要は付き合いたい。以上。」
「に、肉体関係って・・・。」
「俺は、思ってること全部言ったぞ。」
「と、とりあえず、離して・・・!」
「・・・嫌なら、またやめろって言ってくれよ。」
「え・・・あっ、ま、待って・・・んむっ・・・!」
「ん・・・・。」
「んっ・・・んむっ・・・!んんーっ・・・・!」

親友の、唇を奪ってしまった。自分にとってもファーストキスだ。唇に、柔らかい感触を感じる。恥ずかしいので目は瞑る事にした。握っている手に、力が込められるも、抵抗らしい抵抗は見えず、顔を背ける様な仕草もない。なんだかんだ優しいから、自分の衝動に付き合ってくれているだけかも知れないが、パチンコで言うところの"継続!"だ。緑色。このリーチ、信用ならない。なんとなく、自然と舌を伸ばして唇を割ると、その感触に驚いたのか親友は喚きだした。ぬる・・・とした濡れた肉の感触に、自分も飛びのきそうだったが、なんか、気持ちいい。チンポジを直したいところだが、両手がふさがっていてどうしようもなく、先っちょが擦れて痛い。

「んは・・・。性的な意味、ご理解頂けました?」
「ばっ・・・ばかやろうっ・・・!お、俺、初めてだったのに・・・!」
「それは俺もだぞ。等価交換なんだから良くね?」
「そう言う問題じゃない!」
「・・・まだ、返事、聞いてないな。」
「・・・それは・・・しただろうが・・・・。」
「・・・え?」
「このっ・・・!お前が言ったんだろうが!鳥だって三歩歩かねーと忘れねぇってのに!」
「what・・・?」
「〜〜〜〜っ!もうっ!」
「んむっ!?」

不意に唇に柔らかい物が当てられ、その生々しい感触に思わず身を引きそうになったが、親友の腕が背中に回っていて逃げられない。くちゅ、くちゅ、と舌まで挿れられ、自分の身に何が起こっているのか判らないほど混乱した。口を塞がれ、呼吸をどうしたらいいかわからず息が苦しい。そうだ、鼻で息をすればいいのだと思い出した頃、唇が解放され、はぁ、はぁ、と互いの荒く、熱い呼吸が部屋を満たした。

「あの・・・えと、これはつまり?」
「知るかバカ・・・。言っておくけどな、俺はまだ心の整理はついてないからな!」
「は・・・・?益々訳がわからんぞ」
「俺だってわかんねーよ!わかんねーけど、でも、その・・・・」
「・・・・・・?」
「・・・俺は、今まで通りお前と一緒に遊びたいと思っている。お、お前がその、え、エッチな事をしたいと思うのは、し、仕方がない・・・と、思う・・・。俺がもし、男と付き合うなら・・・お前を選ぶ。以上。」
「・・・マジか・・・!」
「は・・・恥ずかしい・・・なんだこれ、誰か俺を殺してくれ・・・んむっ・・・!」

がばっ、と羞恥にまみれる親友を押し倒し、再び唇を奪う。もしもこれが逆だったら。あの時、何故自分でも"やめろ"と言っただろうと思ったか。これについての答えは、実は浮かんではいたんだ。ただそれが、あまりにも自分にとって都合のいい答えだったから、考えないようにしたのだ。何故、胸を触らせたにも関わらず、性行為そのものは拒否するのか。胸を触らせたなら、一見性行為も許可しそうなのに。もしもコイツが、性行為そのものに興味があるだけであれば、拒否する理由なんかない。それでも拒否する理由。これは自分の場合の話だが、"相手のことが好き"だからだ。親友のことが好きだからこそ、流れで、とか、まるでセフレのような流れは嫌だったんだ。"女への興味心"がわかるからこそ、それ以外の部分を求める。そんな可能性に、自分は賭けた。自分がどれだけ親友の事を想っているかを、拙くても伝える。その原因が、外見だろうと性別だろうと、全て。

「んはっ・・・!い、いいのかよ、俺はきっと、お前がその辺の男より見た目がマシだからとか、その程度にしか思ってねーぞ・・・!あっ・・・!」
「それこそお互い様だ。俺がこうやって我慢できてないのは、お前が可愛すぎる事が一番の原因だしな。」
「かっ・・・!?」
「この服、今日誰の為に着てくれたのかしら?」
「う、うるせーな!あんまジロジロ見んな!」
「そりゃ無理な相談だぜ。ほら・・・」
「・・・・っ!?な、な、な・・・・!」
「懐かしい?」
「やかましい!!なに勃ててんだよ!」
「そりゃあ、目の前にいる可愛い女の子に欲情してるからですけど?」
「・・・・・したい・・・のか・・・?」
「おいおい、もう男を忘れちまったのか?それに触ってるんだから、わかるだろ?」
「・・・・・・・・・。」

一先ず、我が親友は自分を受け入れてくれた、と言う事で良いのだろうか。調子に乗って、はち切れんばかりにズボンを押し上げテントを張っている股間に手を誘導した所、親友は一気に赤面して押し黙ってしまった。わかる。これがどう言う事を意味するか、わかるだけに戸惑うだろう。親友は目を伏せ、硬直している。

「・・・・マジで嫌ならやめとくけど・・・その代わり、見抜きさせて下さい。」
「恥ずかしさが増す様な提案に、なんの意味が・・・。い、いいよ。えっち、しても・・・。」
「じゃあ、是非"ふぇらちお"をして頂いてもいいですかね」
「・・・は?」
「あ、知らない?おちんちんを口で」
「そこじゃねーよ!それに何がおちんちんじゃボケナス。」
「"お"をつける事で上品さを」
「クソやかましいわ。・・・え、いやおい、俺、するなんて一言も・・・」
「ボロン(ボロン)」
「・・・・・・・・。」

なるべくがっつかない様に、余裕がある体で接しようと試みているものの、その実心臓が口がら出そうなほど盛り上がっており、その未知の快楽への期待で亀頭が膨らむ。びくっ、びくっ、と脈を打つ肉棒を社会の窓から取り出し、立て膝で親友の眼前へと差し出すと、目を見開いて驚いていた。何を今更、男性器なんて見慣れてるだろうと一瞬思ったが、冷静に考えれば他人の男性器を間近で見ることなんて一生ねーわ。それもあろう事か、自分に興奮して勃起した男性器なんて。ぷるんとした唇に押し付けたくなる衝動を抑え、親友の出方を伺うことにした。

「・・・・嫌?」
「嫌に決まってんだろ!それともお前は、何の抵抗もなく、ちんぽをしゃぶれるってのかよ!?」
「う・・・流石の俺でもそれは無理・・・。」
「だろ?ったく・・・。ってか、お前の、ちょっと大きくないか・・・?」
「・・・へぇ、お前のはこれより小さかったんだ?」
「・・・ちょっとだけな。調子に乗るなよ噛みちぎるぞ。」
「え、それって・・・うあっ・・・!」
「ん・・・。うわ・・・なにこれ、味のない肉の棒そのもの・・・ん・・・はむ・・・。」

ぺろ・・・。親友に差し出した肉棒に舌が這わせられ、その初めて感じる快感に思わず体が震える。なんだこれは。ぬるりとした、濡れた肉の這う感触。手でするのとは全く異なる快楽。そんな感想が脳内を駆けずり回っていると、くぷぷ・・・と肉棒が親友の唇に飲み込まれ、その生々しく体温に肉棒が包まれる感覚に驚き、咄嗟に体を丸めた。気持ち、良過ぎる・・・!

「なん、だ・・・実はちょっと、興味があったり・・・?」
「なわけねーだろが・・・。でも、してほしい・・・ん、だろ・・・?はむ・・・ん・・・。」
「やっば・・・。なにこれ、この世の悦楽そのものみたいな・・・。うはぁ・・・。」
「ん・・・。気持ち、いいか・・・?」
「やばい(語彙力)って感じだ・・・。あ、待った。マジちょっと一回止まって?」
「はむ・・・ん・・・ん・・・。んぶっ!?」
「うっ・・・!くっ・・・!」

びゅるっ・・・!
だから止まってと言ったのに。そう心の中で言い訳しながら、ぬぷぬぷと唇と舌を動かす親友の口の中で、愚息は粗相を働いた。舌が亀頭にまとわりつく感触が、もう全然耐えられなかったのだ。早漏ではないと自負していたが、立派に早漏だったかも知れない。突然吐き出された精液に驚いたのか、親友の動きは止まるも、当の肉棒はびゅっ・・・びゅっ・・・と、精巣に溜まった情欲を御構い無しに放ち続けている。可愛い顔が、歪む。これはこれで乙なものがあるが、同時に罪悪感が襲ってくる。あぁ、でも超気持ちいい・・・。

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