官能物語 2020/06/09 14:00

義弟と交わって/10

 わたしは、随分と長い間、浩二くんの唇に口づけていました。そうして、キスすることで、上と下でつながって、体が一つに溶けてしまうような感覚を抱きました。ずっとこうしていたい、とわたしは思いました。

「んんっ……んふっ……」

 浩二くんの舌がわたしの口の中に侵入してきます。わたしは、その舌を受け止めて、自分の舌を絡めるようにしました。くちゅっ、くちゅっ、といういやらしい水音が、わたしの耳を心地よく刺激します。

 ずっとこうしていたい、と思っていたわけですが、そのうちに、浩二くんが、腰を動かし始めました。ゆっくりと大きく、浩二くんのペニスが、前後に動きます。動くたびに、わたしの膣壁をこすり、わたしは、頭に電流が走るようになりました。本当に、夫とのそれとは比べものにならないほど気持ちよくて、どこか遠くへ連れ去られてしまいそうな感覚になって、わたしは浩二くんに、しっかりとしがみつきました。

 浩二くんが、ゆっくりと腰を動かし続けます。夫は、自分勝手に腰を振って、自分だけイッてしまえば、それで満足というたちですが、浩二くんは、わたしのことを気持ちよくしてくれようとしているのが分かって、そこには愛情を感じました。そうして、わたしも彼に対して、同じように愛を感じました。もちろん、それは、セックスが見せた幻かもしれませんが、そのとき現にそのように感じたことは事実です。わたしは、夫の弟に持ってはいけない感情を抱いてしまったことに、恐れとスリルを得て、性感はさらに高まりました。

 浩二くんの腰の動きが速くなりました。ずんっ、ずんっ、と一突きごとに奥を刺激されたわたしは、そのうちに、何も考えられなくなりました。浩二くんの舌は、わたしの喉に向かって、ドリルのように奥をえぐってきました。それまでのピストン運動でも軽くイッていたわたしは、浩二くんが、思い切り、腰を打ちつけてきたときに、

――イクッ、イクッ、イクーーーーッ!

 びくびくびくびくっ、と体を震わせて、イキました。久しぶりのオーガズムは、まさに蜜の味で、わたしは、全身が幸福感に包まれました。

「真由さん……」

 唇を離した浩二くんが、疲れたような目で、微笑みながら言ってきます。自分だけ気持ちよくなってしまったわたしは、浩二くんがちゃんとイッたのかどうか心配でしたが、

「すごく気持ちよかったよ」

 どうやらイッてくれていたようです。わたしは、ホッとしました。
 浩二くんは、わたしの体から離れるようにしました。もう少し余韻を楽しみたかったのですが、ここが義父母と子どもと同じ屋根の下であるということを今さら認めて、その夜は、それで別れました。

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