官能物語 2020/06/10 14:00

義弟と交わって/11

 一度、関係を持ってしまったわけですが、逆に言えば、まだ一度だけ、続けていれば、いずれバレることは目に見えていますので、わたしは、この一度きりで、浩二くんとの関係は、終えるつもりでした。でも、体は、浩二くんを欲しがっていることは、認めざるを得ませんでした。浩二くんがわたしの体の中に入ってきたときの、あの圧倒的な快感が、もう早速、翌日から思い出されて、わたしは、誰もいない昼間に、寝室でオナニーをしました。

 それはそれで気持ちはよかったのですが、もちろん、実際の交わりほど気持ちがよくはありません。結果、わたしは、悶々とした日々を送るようになってしまいました。体は浩二くんを求めていましたが、頭は、もう二度とあってはならないことだと思っていますので、浩二くんに対して隙を見せないように、距離を取るようにしました。一緒の家で暮らしていますので、全く顔を合わさないとか、全く話さないというのは、もちろん、不可能ですが、可能な限り、二人きりにならないように努めました。

 浩二くんと関係を持ってから、10日ほど経った頃のことでした。その日は、平日で、夫は仕事に、義父母は出かけており、息子は幼稚園に行っていましたが、浩二くんは休みを取っていました。家の中に二人きりだったので、わたしは、よほど注意しようと思いましたが、それは、浩二くんに対する注意というよりは、むしろ、自分自身に対する注意でした。あれから、ずっと自分を慰めることを繰り返していて、ちょっとでも言い寄られたら、拒めない自分を感じていました。もしも、今、襲われたら、きっと拒否できない……。そんな風に思って、ずっと寝室に閉じこもっていたかったわけですが、主婦には年中無休で家事があるので、そういうわけにもいかずに、わたしは、家の中で、立ち働いていました。

 一方、浩二くんは、リビングに陣取って、テレビゲームをしていました。

「これ、面白いよ。あとで、真由さんも一緒にやんない?」

 などと、屈託無く言ってくる彼に、わたしは、なんというか、ちょっと苛立ちを覚えました。こっちが意識して苦しんでいるというのに、向こうは、全然そういうところを見せないというのは、不公平じゃないかという気がしたんです。わたしは、そっけなく、

「わたしはいいよ」

 と答えて、家事を続けました。それが、一段落して、キッチンに立って、グラスに麦茶を入れて飲んでいたところ、

「真由さん」

 わたしは、後ろから抱き締められるのを感じました。

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