官能物語 2020/06/12 14:00

義弟と交わって/12

「こ、浩二くん、ちょ、ちょっとダメよ」

わたしは、体を震わせて、彼を振りほどく振りをしました。それは、反射的な動きであって、心からのものではありません。本心では、わたしも、彼を欲しがっていたのです。

「いいだろ、今は誰もいないんだから」
 そう言うと、浩二くんは、わたしのうなじに唇をつけてきました。わたしは、それで、体に火が入るのが分かりました。先に交わったときから、ずっと求めていたものが、今まさに与えられようとしているのですから、そうなって当然かもしれません。

「それとも、やっぱり、この前のこと、怒ってるの?」

浩二くんは、わたしのお腹のあたりに両手を回すようにしながら、ぐっとわたしの尻たぶに股間を押しつけるようにしました。浩二くんのそこがもう堅くなっていることが分かりました。わたしは、じわっと、秘所が濡れるのが分かりました。

「怒ってなんかないわ……」
「本当に?」
「ええ」
「だったら、いいだろ?」
「だ、ダメ……こんなこと続けていたら、いつかバレてしまうわ」
「今だけだったら?」
「……今だけ?」
「うん。今回だけにするからさ。おれ、あれから、真由さんのことを想って、夜も寝られないほどつらいんだ」

その言葉は、わたしの心を震わせました。夫に省みられないわたしのことを、そこまで想ってくれるなんて、と。もちろん、それはただ、エッチしたいだけの言葉かもしれないことは十分に分かっています。でも、だとしても、わたしと交わりたいということは、わたしに女としての魅力があるのだということの証なわけですから、わたしは、それだけでも嬉しい気持ちでした。

「……本当に、今日だけにできる?」
「うん、約束するよ」
「じゃあ、今日だけよ……」
「ああ、真由さん」
 浩二くんは、片手を、わたしの体に沿って、上に滑らせるようにして、わたしの乳房に到達させました。浩二くんは、わたしの乳房を、服越しに、ゆっくりと大きく揉むようにしました。

「はあっ……」

 わたしは、それだけで立っていられないような気持ちになりました。

「また、おれの部屋に行こうか、真由さん」

 浩二くんは、わたしに体を密着させた状態で、訊いてきました。わたしは、こくりと首をうなずかせます。この前と同じように、わたしは、浩二くんに手を引かれて、彼の部屋へと入りました。

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