官能物語 2020/08/26 14:00

母の浮気/53

 その息がおさまったあとに、

「ふふっ、おっきくなったぁ」

 母の嬉しそうな声が聞こえた。

「すごいね、ひーくん、何回でも立つなんて」
「ママのことが好きだから」
「ありがとう、ひーくん。ママもひーくんのこと、大好きだよ!」

 もう完全に二人の世界に入っているようである。と、そこで、良太は、そろそろここから退出した方がいいだろうか、と考えた。エッチするということは、浴室から出るということだろう。今さらそんなことに気がつくとは、うかつなことこの上ないけれど、うかつといえば、浴室の二人の方がよっぽどそうであって、自分のそれを責められるいわれはないのだ、と良太は、誰にともなく主張した。

「よいしょっと、じゃあ、来て。ひーくん」

 しかし、良太の予想は裏切られた。どうやら、二人は浴室を出ないらしい。そういえば、浴室にはマットが置いてあった。それを利用すれば、マットでいたすことも可能である。

 お風呂で!

 良太は、もう何度目になるか分からないショックを味わった。浴室でのエッチも、良太にとっては、動画の中だけの世界。はるか遠いところにあるファンタジーの出来事だった。

「ああっ、ママっ……すごく気持ちいいよぉ」

 どうやら、挿入が為されたようである。

「ママも気持ちいいわ。ひーくんのおちんちん」
「でも、ぼくより、パパの方がいいよね?」
「そんなことないわよぉ……ひーくんの方がずっと気持ちいい」
「えっ、ほ、本当!?」

 本当なわけないだろ、と良太は思った。久司のそれは、やむを得ない話ではあるけれど、まだまだ大人のそれには及ばなかった。それで、快感を得られるのであれば、男にとっては朗報すぎるほどの朗報である。しかし、おそらくは、それは母の思いやりだろう。いや、というよりは、演技の上のことだろう。久司の母親であれば、確かにそのように言うかもしれない。

「さ、ひーくんの好きなように動いていいのよ。いつでも、ママのナカに出してね」
「う、うん……ああ、ママぁ……」

 男が母親のことをママと呼ぶ図は、あまり気持ちの良いものでは無かったけれど、女の子のような可愛い顔立ちの久司にはよく似合うような気がした。良太は、亀頭の先からだらだらと先触れの液がにじみ出しているのが分かった。この場でしごくことができたらどんなにか気持ちいいことだろうか、という、これもまた、何度考えたか分からないことを、もう一度考えながら、

「ママッ、ママッ!」

 久司の切迫した声を聞いていた。

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