母さんでもいいや/12
「な、何を言っているのっ!」
「もう一回、母さんとシたくなっちゃってさ、ダメかな?」
まるで恋人を誘うがごとき気楽な声だが、里穂は彼の恋人などではなかった。母親である。
「だ、ダメに決まってるでしょっ! あんなのは、さっききりよ!」
さっきだって望んでしたわけではないのだから、一回目としてカウントするのは、里穂にとって本意では無いが、仮にそうするとしても、二回目は無い。
「でも、母さん」
「な、なによっ」
「おれの、もうこんなになっちゃってるしさ」
里穂は、下腹に硬いものが押し当てられるのを感じた。当然にそれは息子の一物である。さっき出したばかりであるというのにもう硬くなっているのは、さすがの若さであるけれど、それに感心しているわけにはいかない。
「じ、自分でどうにかしなさいっ!」
「『自分で』って、オナニーしろってこと?」
「オナ……そんなことは言ってませんっ!」
「じゃあ、どうしろって?」
里穂は、息子が再びぎゅっと抱き締めてくるのを認めた。若いオスに体を抱かれて、思わずうっとりとしてしまう自分の正気をなんとか保とうとして、里穂は顔を左右に振ろうとしたが、抱き締められているのでうまくいかなかった。
「母さんの体、すべすべして、気持ちいいよ」
息子の褒め言葉が、耳に心地よく響く。そんな場合では無いのだけれど、彼の声をもっと聞きたくなってしまう自分を、里穂は励まして、
「い、いいから、離れなさいっ!」
「じゃあさ、口でしてよ」
「えっ、な、なに?」
「フェラだよ。セックスできないなら、口でしてもらえないかなと思って」
「な、何を言っているのっ!?」
「ダメ?」
「あ、当たり前でしょ!」
「じゃあ、手は?」
里穂は、息子の手が、再び尻を鷲づかみにするのを感じた。下腹には依然として硬いモノの感触がある。このままだと、再び襲いかかられるのではないかと思った里穂は、そもそもが浴室に入ってきた時点で、息子にはその気があるのだということに今さら気がついた格好で、
「わ、分かったわ……」
里穂は、手コキの条件を飲むしかないことを悟った。
「本当!?」
息子が無邪気な声を上げる。
「ええ、ただし、本当に手だけよ」
「分かったよ。もう一回出せばすっきりすると思うから」
「じゃあ、離して」
素直に息子が戒めを解くと、里穂は、ホッと一息ついたが、状況は、全然、安心していいものではない。
「じゃあ、頼むよ、母さん」
息子の声に応じる形で、里穂は、片膝を浴室の床面につけて、肉棒に向かい合った。