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ラブホテルの記事 (1)

サークルSBD 2011/08/03 22:41

「独り美人局」

『独り美人局 (ヒトリツツモタセ)』



わたし?
わたし、うすむらなお。
本当なら中等部2年生かな。
本当ならっていうのは、わたし、一度も学校に通った事がないから。
学校は、憧れなんだ。
でもあたしには戸籍っていうのが無いから無理なの。
お母さんが昔、よくそう言ってた。
お父さん?お父さんのことは知らない、覚えてないんだ。
お母さんは、もうずうーっと帰ってこないの。
新しいお父さんの所へいってくるって出てって、それっきり。
もう待つのつかれちゃった…。
でも、寂しくなんかないよ。
浮気性のお母さんのおかげで、弟も妹もいっぱいいるもの。
みんなで力を合わせて、生きていかないとね。

「だから、お金が要るの?」
そこで男は、少女の身の上話を質問でさえぎった。
どことなくそわそわしている。
「そうなの」
とだけ言って、ベッドの上の臼村奈央は仰向けに寝返った。
あどけない表情からは、特に何の感情も読み取れない。
自分の上に覆い被さる男の顔を、子猫のような瞳できょとんと見すえる。
「そう、大変なんだねぇ。わかるよ、わかるよ」
そう言いながら男は、鼻息荒く奈央のブラウスのボタンを外そうと指をかけた。
その指を、奈央の小さな手がそっと押しとどめた。
「まかせて。ボタン取れちゃったら、やだもん」
男は一瞬、あっけに取られた顔をしていたが、
「あ、そう、だね、そうだね」
と言いながら、今度は自分のベルトをいそいそと外しにかかった。
奈央は、男に背を向けて正座し、ゆっくりとブラウスのボタンを外している。
男は、シャツとスラックスを乱暴に脱ぎ捨て、引き千切れんばかりの勢いで下着を脱ぎにかかっていた。

「ふぅ…」
ため息をついて奈央はくたっと前のめりに倒れ、ふかふかの枕にぽふっと顔を埋めた。
指は、ブラウスのボタンにかかったままだった。
「眠くなっちゃった…」
「え…え?」
トランクスを脱ぎかけた体勢のまま、男は呆然として奈央に顔を向けた。
「ちょ、ちょっと待てよ、おいっ!」
「眠いよぉ…ぐー…」
奈央は、お尻をふるふると振って抗議した。
中途半端な丈のスカートがフリフリと揺れ動き、艶かしい太ももがチラチラと見え隠れする。
正座の状態から上半身だけを前に倒したせいで、奈央はお尻を高く上げる格好になっていた。
顔や言動の幼さとはうらはらな大きめのヒップに目を吸い寄せられ、男は生唾をごくりとのみこんだ。
「…お、起きろよ。起きないと、な、何するかわかんないぞ?」
「ふみゅ…?ぐー…」
男は、また生唾をごくりとのみこんだ。
そしてそっと、スカートのすそを指でつまんで、
桃を思わせるふっくらとしたお尻の双球が露わになるまで、そろそろとそれをまくり上げた。
「お、おおぉ…」
男は思わず、にやけ顔になっていた。
スカートの下のお尻は、それを包みこんだ、よくある白無地の地味なショーツまでも妙に色っぽく感じさせる程、Hなフェロモンを全開に放出していた。
下手に突つけば壊れてしまいそうな程柔らかなカーブは、桃というよりは大きなプリンのようでもある。
男は手始めに、むっちりとした双球を両手で掴んでみた。
指が包みこまれるような尻肉の柔らかさと、絶妙に指を押し返すみずみずしい弾力。
男はまた、こくっと喉を鳴らし、今度は双球の合わせ目にそろりそろりと指を這わせていった。
その動きに合わせて奈央の体が、ぴくっと反応する。
いくらも経たないうちに、じわ…と、ショーツに透明な液体の染みが広がり始めた。
「ん…ん…」
奈央はいやいやをするようにお尻を振った。
男は再び両手で尻肉を掴んで奈央の動きを封じると、おもむろに割れ目に唇を寄せ、
濡れた染みの上に、チュッチュッとキスの雨を降らせた。
「やぁ、ぁ…」
か細い嬌声にたまらなくなり、夢中で尻割れに顔をねじこむようにして、男は奈央の秘所を味わい続けた。

ファサッ!

「?」
お尻に顔を埋めていた男は、頭から薄い布地をすっぽりと被せられたのに気がついた。
いつのまにか後ろに回されていた奈央の指が、まくり上げられていたスカートを下ろしたらしい。
おかげで男は、ちょうどスカートの中へモロに頭を突っ込んだような格好になっていた。
少し息苦しさを感じたが、蒸れたフェロモンを肺いっぱいに吸いこむ幸せには換えられない。
男はかまわずそのまま少女の割れ目に舌を這わせ続けた。

グルルルル…

「…?」
その時、どこからともなく、地鳴りのような低音が聞こえてきた。
男は一瞬ぎょっとしたが、すぐに、少女のお腹の鳴る音だと気がついた。
お腹の調子が良くないのかな?
男がそう思ったそのとたん、鼻先あたりで、ショーツの布地が、ふわっ…と膨れた。

…っっすぅぅ ぅぅう ~

かすかだが確かな気体の噴出音を耳にし、
お、おならかよお!?
などと一瞬あっけに取られていた男だったが、続いてショーツから生温かいガスがもわぁっと染み出してくる頃になると、
「???…ゲーッホッ!?ゲホゴホ!」
男は、思いっきりむせ始めた。
「ゲーッほっ!くぅっぅさぁぁあぃぃいいーっっ!」
叫んでのけぞり、勢い余ってベッドから落ちると、男はめちゃめちゃに鼻をかきむしって床の上を転げ回った。
とことん強烈な、刺激性の、嗅いだ鼻がへし折れるかと思うほどの悪臭。
だがそれほどの猛烈さにもかかわらず、そのニオイはまさしくオナラ以外の何物でもなかった。
極悪非道な程に濃い、極限にまで凝縮された、文字通り猛毒ガスのような、オナラ。
いくら鼻をつまもうと、かきむしろうと、もう後の祭りだった。
「くせぇーっくせくせ」
男は、ヒーヒーと喉を鳴らしてのたうち回った。
あどけない少女の、白桃のように無垢なお尻に隠された秘密の毒ガス砲。
蕾のようなその砲門からほとんど音も無く噴射された自家製ガス弾の威力は、一介のサラリーマンに過ぎない男一人を狂乱の悪臭地獄へと叩き込むには充分過ぎた。
永久に忘れられないほどの屁臭ショックは一気に男の脳みそを焼き焦がし煮えたぎらせ、鼻腔粘膜の奥まで染みついた臭いの残滓が、さらに男を崖っぷちへと追いつめていった。

ふぁさふぁさっ
と残り香を追い払うようにして後ろ手にスカートをはたいた奈央は、う~ん!と伸びをして上半身を起こした。
ベッド下に目をやると、男が鼻を押さえて弱々しくもがいているのが見え、
「えへへ。すかしちゃいまーしたっ。ふわ…!?」
身をのり出した拍子に、漂うオナラをモロに嗅いでしまった奈央は、あわてて鼻をつまんで、ぺろっと舌を出した。
「今のは、もしかして世界一ニオッたかも。…ゴメンね。…って、もう聞こえてないよね?えへ…」
奈央はぴょこん!とベッドから降りて、倒れた男の側へてくてくとやって来た。
男は白目をむいて、ぴくりとも動かなくなっていた。
「くしゃいでしょ?まいったか☆」
じっと男を見つめていた奈央は、にぱっと笑って言った。

男の上着から財布を取り出した奈央は、わぁっと声を上げた。
「えっと、なな、はち、きゅう…。すごい!十万円もあるぅ。お兄ちゃん、おっ金持ちぃ!」
きゃはははっと奈央はとびはねた。
「これでしばらく、みんなであったかいご飯を食べれるよぉ」
財布をきちんと上着に返すと、奈央は抜き取った十万円を、自分のピンクのポシェットへ大切にしまい込んだ。
その時、不意に何かの気配を感じて、奈央はびくっと顔を上げた。
「うう…う…」
男の手が、力無く空中をさまよっていた。
まだ、完全に気を失っていたわけではなかったようだ。
男の顔を見下ろすように立った奈央は、少し困ったような顔で言った。
「お兄ちゃん、お金はもらってくね、ごめんなさい…でもこれでみんなが暮らせます」
奈央はスカートの裾を指で絡げ、腰までまくり上げた。
そしておもむろに男の顔の上をまたぐと、そのまま腰を下ろしていった。
奈央が手を離すと、スカートは重力に従ってふぁさ…と落ち、男の顔を覆い隠した。
スカートの裾が隙間無く床につくよう両手の指先で押さえつけると、奈央は目を潤ませ、眉根を寄せてつぶやいた。
「うぅ…おなかいたいな…。無理して食べ過ぎちゃった、ニンニク…」
再びお腹がゴロゴロと鳴り出し、奈央は唇をきゅっと結ぶと、何かに集中するように目を閉じた。
「…もぅだめ、あ…もうでる…!でる…んっ」

すっ むすすぅぅー ~

「~~~~…!!?? ーーーーーァーーーーー…!!!!」
断末魔のような男の悲鳴が聞こえた気がしたが、奈央は心を鬼にしてスカートの裾を床に押さえつけ続けた。
そのまま一分、二分、三分。
放屁を終えてからも奈央はしばらくじっと動かず、スカートでできた「ガス室」に男を閉じ込め続けた。
「ガス室」の中で狂ったように振られていた男の頭も今は動きを止め、宙をかきむしっていた手足も床の上に力無く投げ出されていた。
奈央は最後に、サービスのつもりで柔らかいお尻を男の顔にぷにぷにと押し当ててやった。
何の反応も無かったので、奈央はすくっと立ち上がって、スカートをぱんぱんっとはたいた。
もあもあとオナラの残り香がたちのぼり、奈央はうぅ~と言って眉根を寄せ、鼻をつまんだ。
「き、きょうれつ~、うぅ…ど、どうだ、まいったか☆」
見下ろすと、だらしなく開いた口元から泡を吹き、目を笑ったようなへの字にして、男が気絶していた。
男の鼻は、完全に曲がってしまっていた。
「えへ…。くさいでしょ?おしおきだよ。もう、わたしみたいな悪いコに引っかかったらダメよ?お兄ちゃん」
奈央はベッドの上にぽんと乗っかると、ベッドサイドのパネルのボタンを慣れた手つきで押しながら言った。
「目覚しタイマーかけててあげる。チェックアウトの時間までには起きれるといいね、くふふ。それじゃお先に☆」

入る時は二人だが、出る時は一人。
それがいつもの奈央のスタイルだった。
こういう所に来てこういう事をするのは、もう幾度目になるのだったか。
いつも奈央は思い出そうとするのだが、やはり思い出せなかった。
それにそんなことより、これからの生活の方を真剣に考えなければならなかった。
お腹を空かせた小さな弟や妹たちが待っている。
「みんな、ご飯を買って帰るからね。今夜は、あったかいご飯を食べようね…」
ピンクのポシェットを小さな手で握りしめ、奈央は独り、ホテルを後にした。


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