猫虎屋 2022/12/01 05:26

【全体公開】もうひとつの光

一度は崩壊したと思われていた<破壊の教団>が地下で再興していると聞き、エレノアは街で情報を集めていた。
噂では破壊のルーンに匹敵するグレイスルーンを祀っているらしい。
その力を手に入れるべくエレノアは奔走していたが、なかなかその尻尾を掴めずにいた。

「なるほど、どうしても話す気は無いと。」
「し、知らねえよ。俺は、何も。」
やっと重要な手がかりを持っていると思われる男をついに突き止めたが、なかなか口を割らずに苦労している。普通の人間なら脅迫か大金で動くものだが、この手の信者というものは、なかなかそういったものでは動じない。

「いいでしょう。そっちがそのつもりなら、少しご褒美を上げましょう。」
「な、何をする……!」
暗い路地裏に追い詰め、一瞬剣を向ける。だがすぐに納刀し、代わりにスカートを脱ぎ始めた。ゼロ距離まで近づき、息を吹きかけ、押し倒す。
そして倒れた男の股間からそそり立つものを取り出した。
「ふふふ、ここはこんなにして……。そんなにドキドキしたのかしら。」
「くっ……!」
信仰に敬虔な信者ほどこういった行為には免疫がない。いかにも女性慣れしていなさそうな男は、蛇に呑まれた蛙のように動けなくなっていた。
「素直に喋れば、最高の快楽をあげましょう。」
「うっ……、しかしっ……!」
男の顔に一瞬の迷いが生まれたのを見逃さなかった。
そそり立つ剛直の上に跨がり、一気に腰を下ろす。


「うあああ…!」
突然温かいものに包まれて、男はなんともいえない声を上げた。
不意打ちのように味わうその感覚は、初めてのものだった。強く締め付けて、中はとても熱いのに、不思議と不快ではなく、むしろ心地よい。ずっとこうして繋がっていたいと思わせる。

「ん……、なかなかいいものを持っていますね。」
エレノアにとっても久々のそれだった。
女性が一人旅をする上では、どうしてもこういう行為は避けては通れない。無理やり力ずくで犯されたことも何度かある。そのたびに深い絶望を味わったが、次第にこういう行為に対する抵抗感も薄れていった。
だが本当に愛し合う行為としてしたことは未だに無い。ただ肉体の快楽を貪るだけの行為。

「どうです。動きたいですか?中に出したいですか?それなら秘密を教えなさい…!」
男が返答する前に、腰を前後に激しくグラインドさせる。
「出したい…中に出したいです…!」
「ふふ……いい子ですね。」
エレノアは勝ち誇った笑みを浮かべる。


「ふう、どこかで宿を取らないと。」
行為を済ませ、教団の活動場所を握ったエレノアは、すぐにでもアジトに突入しようと考えたが、その前に身体を洗おうと思った。
情報と一緒に絞り出した男のそれが膣内に入っている状態では、どうにも気持ちが悪い。一刻も早く洗い流したい。

「あれは……」
宿の前に見知った顔を見かけた。赤い髪をした飛行島の主と、こっちの世界のアイリス、そしてキャトラだ。
もしかして同じ目的で来たのだろうか。そうだとしたらこちらのほうが一歩先を進んでいるはずだ。だが、向こうも何か面白い情報を掴んでいるかもしれない。

「ふふふ、面白くなってきましたね。」
前からあの飛行島の主には少し興味があった。あのアイリス様が慕う相手とは一体どんな男なのだろう。見た感じ、こっちの世界のエレノアもあれを慕っているように感じる。
そんな男を横取りしたら、アイリスはどんな顔をするのだろう。

「今夜の宿は、ここにしましょう。」
飛行島の一行が宿に入っていくのを物陰から眺めながら、エレノアは密かにほくそ笑んでいた。

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