猫虎屋 2023/04/06 00:44

生存戦略

冒険家とは、文字通り、危険を冒して仕事をする人々のことである。
その依頼には様々なものがあるが、失敗の果てに待つものは、死。というものも決して少なくはない。
例えクエストの成功率が9割であったとしても、裏を返せば1割の確率で失敗するということで、それを10回も繰り返せばいつかは失敗に遭遇する。
あるいは100の戦場で勝ち続けた百戦錬磨の将であったとしても、たった一度の些細な過ちのために命を落とすということもある。
ゆえに、失敗を避けるようにするに越したことはないが、いつかはその時が来るものだと考えて予め備えておくほうが現実的である。

犯罪者を相手にするような依頼が失敗してしまうと、 "ならず者" に捕らえられてしまうという結果が待っていることも多い。若い女性冒険家の場合、その先に待っているのは性的な辱めである。
しかし裏を返せば、美人であれば男性冒険家よりも生還率が高くなるのではないだろうか。従来はそう考えられてきた。
だがギルドの調査した統計の数字が、決してそうではないことを裏付けていた。凌○の末に奴○として売られるのであればまだいい方で、実際にはその前に命を奪われることが多い。そのような場合の生還率は、一般に想像するよりかなり低い。それが絶世の美女と呼ばれるような場合でも、だ。

なぜ彼らにとって性処理道具としての"利用価値"が残されているはずの女性たちが、死に至らしめられるのだろうか。
犯罪学を研究している学者は、二つのパターンを見出した。

1つ目は激しく抵抗した場合。
死にものぐるいで抵抗し、手に負えないと判断された場合はあっさり処断されてしまう。しかしこれはあまりケースとしては多くない。

2つ目は、凌○の末に、ならず者たちの加虐性が強く刺激されて、致命的な傷を負わせてしまうようなケースだ。実際に起きるのはこのパターンが非常に多いことがわかった。
どうすればこの惨劇を避けることができるのだろう。

研究の末はじき出されたのが、囚われた者の人格が否定され、道具として扱われるようになった場合に、そうなりやすいという傾向だった。
凌○の果てに精神が壊れ、全てに絶望したような反応を見せたとき、ならず者達にボロ雑巾のように扱われ、引き裂かれてしまう。

そのため、ひとたび囚われてしまったなら、過剰な抵抗を避けつつも、決して絶望することなく明るく振舞い続ける。常に会話の糸口を見つけて、彼らの神経を逆撫でしない程度に積極的に話しかけ、対等の関係を築くように心がける。
それが最も生存率の高いルートであることが明らかになってきた。

たとえどんなに性的な辱めを受けようとも、望まぬ子を孕もうとも、命さえあればまたやり直すことができる。
なによりも生き抜くこと。それが冒険家にとって一番大切なことであった。

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